糖尿病の最新全国ランキング、死亡率と合併症率は一致しない。
こんにちは。

平成27年人口動態統計月報年計(概数)(厚生労働省)において、全国の糖尿病による死亡率のランキングが発表されました。

全国ベスト1位は神奈川県で、ワースト1位は青森県でした。


本日の記事は、

糖尿病ネットワークニュース/資料室
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025533.php

を参考にして、一部引用させて頂きました。
ありがとうございました。


厚生労働省「2015年人口動態統計月報年報」によると、人口10万人に対する糖尿病による死亡率は、都道府県別にみると青森県が18.2人で、全国平均の10.6人を大きく上回り、2年連続で全国ワースト1位でした。

ワースト2位は秋田県の16.3人ですから、東北が目立ちます。

青森県がん・生活習慣病対策課によると、県内の糖尿病患者は重症になって、はじめて改善に取り組むパターンが多いそうです。

うどん県の香川県が、16.1人でワースト3位、徳島県が、14.9人で、ワースト5位です。

一方、全国ベスト1位は神奈川県の7.2人でした。

全国平均を大きく下回り、ワースト5位のの徳島県の半分以下にとどまっています。

ベスト2位は愛知県の7.7人、3位は滋賀県の8.1人でした。

人口10万人に対する糖尿病による死亡率
少ないほうのベスト10
1位、神奈川 7.2人
2位、愛知  7.7人
3位、滋賀  8.1人
4位、岐阜  8.6人
5位、千葉  8.6人
6位、宮城  8.8人
7位、東京  8.9人
8位、石川  9.1人
9位、長崎  9.2人
10位 埼玉 9.5人



神奈川県は、早い時期から糖尿病診療の地域連携の仕組みを作り、早期発見・治療するための対策を重ねていることが成果に結びついたとのことです。

青森県が2006年度に、糖尿病予防対策推進の基礎資料収集を目的として実施した糖尿病調査の結果からは、

▽青森県は全国と比べて糖尿病の病状の進行したケースが多い
▽病状が重篤化してから生活習慣を改善したり、情報を収集している患者が多い
▽3大合併症(網膜症、腎症、神経障害)を発症している患者の割合が全国と比べて高い

といったことが示されました。

そうすると、この統計からみると現行の糖尿病治療でも、早期から糖尿病治療を開始して継続することで、糖尿病による死亡率を下げることは可能であったということとなります。

しかしながら、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクは、現行の糖尿病食(高糖質食)では予防できないので理論的には、合併症の発症はそんなには減らせないと思われます。

つまり、

「現行の糖尿病症食+薬物療法」による早期治療開始で死亡率は減らせるけれど、合併症はそんなに減らせないように私には思えます。

→ 江部仮説


そこで、一番きっちり数字が整理されている人口透析数を調べて、私の仮説を検証してみました。

現在人工透析になる人の約44%が糖尿病腎症で勿論、疾患別1位です。

2010年末の統計で
人口10万人あたりの透析人口、多い、TOP10
1位、熊本県 325.3人
2位、宮崎県 318.8人
3位、徳島県 317.1人
4位、大分県 314.1人
5位、沖縄県 295.5人
6位、高知県 290.5人
7位、鹿児島県 279.6人
8位、栃木県 273.2人
9位、和歌山県 269.5人
10位 福岡県 265.2人

人口10万人あたりの透析人口、少ない、TOP10
1位、秋田県 169.5人
2位、滋賀県 199.6人
3位、宮城県 200.0人
4位、福島県 201.2人
5位、新潟県 201.8人
6位、神奈川県 202.4人
7位、山形県 202.8人
8位、島根県 203.3人
9位、千葉県 206.4人
10位、岐阜県 207.9人 


神奈川県は早い時期から糖尿病診療の地域連携の仕組みを作り、早期発見・治療するための対策を重ねていることで、

人口10万人あたりの糖尿病死亡率は、全国で一番少ないのですが、
人口10万人あたりの透析患者数は、全国で6番目に少ないに過ぎません。

愛知県は

人口10万人あたりの糖尿病死亡率は、全国で二番目に少ないのですが、
人口10万人あたりの透析患者数は、全国で少ないほうの10番目以内にないです。

そして、なんと、糖尿病死亡率ワースト1位の青森県は、人工透析では、ワースト10位のなかに登場しません。

さらに、糖尿病死亡率ワースト2位の秋田県は、人工透析では、少ないほうのベスト1位です。


「現行の糖尿病治療で死亡率は減らせても、合併症予防効果はそれほどでもない」

という「江部仮説」があるていど証明できたと思います。




江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
合併症はインスリンの副作用
「糖尿病に勝ちたければインスリンに頼るのをやめなさい」新井圭輔著で

現行のインスリン糖尿病治療では、糖尿病合併症は減っていない。ただし1型にインスリンは有効。

高血糖が合併症をもたらすのでない。「合併症はインスリンの副作用」

積極的に現在行われている血中インスリン濃度を上げる治療は危険。

死因の多くが動脈硬化なら、それを引き起こす糖尿病治療が間違っていれば、今のままでは死亡率は減らないと思うのですが。
2016/06/25(Sat) 19:11 | URL | 無菜 | 【編集
accord study.2008
血糖値を厳格に低くコントロールすれば糖尿病合併症を抑えられると考えられていたが、逆に死亡者が増えてしまった。

現在の治療法が間違ってるのに、認めたがらない。

・・・ですか。
2016/06/25(Sat) 21:18 | URL | 無菜 | 【編集
Re: 合併症はインスリンの副作用
無菜 さん

高血糖が合併症をもたらすのでない。「合併症はインスリンの副作用」


これは、あくまでも新井圭輔先生の、個人的な意見です。

私は、「高血糖による害」と「インスリン過剰の弊害」は別の独立した存在と考えています。
「インスリン過剰の弊害」に関しては、新井圭輔先生のご意見にほぼ賛成です。

一方「高血糖による害」も独立して存在しますので、新井圭輔先生のご意見にはこちらは反対です。
糖尿病の薬がない時代から糖尿病はあり、合併症も出ていますが、この合併症は、高血糖によるものです。
例えば、藤原道長は、糖尿病合併症のオンパレードでしたね。
2016/06/26(Sun) 09:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: accord study.2008
無菜 さん

ACCORDの結論は以下です。

「糖質を普通に摂取している糖尿人が、薬物で厳格に治療してHbA1cを下げると総死亡率が上昇する。」

ACCORDは、一万人規模のRCTですので、信頼度が高い研究です。
死亡率上昇の要因は、「低血糖の増加」と「平均血糖変動幅増大」と思われます。

2016/06/26(Sun) 09:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
信頼度が高い研究なのに注目されないのは
「糖質を普通に摂取している糖尿人が、薬物で厳格に治療してHbA1cを下げると総死亡率が上昇。ACCORDは、一万人規模のRCTで、信頼度が高い。」

・・・・ですか。

これ、今の医者は知ってるはずなのに認めず、相変わらず決まりきった方法で、クスリたくさん使い治療するのは、もうけ・利権でしょうね。
それとも、実は知らないのかな?

マスコミが大きく取り上げないのも医薬品業界の・・・でしょう。

糖尿病患者は医者の治療に逆らったほうがいい、血糖値、高いクスリで無理に下げようと思わないこと、医者のいうこと聞かない怠け患者が長生きする、医者にかかると早死にする。・・・・これ極論ですが。
2016/06/26(Sun) 12:01 | URL | 無菜 | 【編集
Re: 信頼度が高い研究なのに注目されないのは
無菜 さん

日本糖尿病学会が2013年の熊本宣言で
治療強化が困難な人の目標として、HbA1c8.0%未満としているのは
ACCORDの影響と思われます。

合併症予防のための目標が7.0%未満
血糖正常化を目指す際の目標が6.0%未満
です。
2016/06/26(Sun) 16:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
先生が服用されている糖尿病の薬はメトホルミンだけでしょうか?
2016/06/26(Sun) 17:23 | URL |  | 【編集
Re: タイトルなし

私は、2002年糖尿病が発覚して以来、定期的な内服薬もインスリンも一切なしで、スーパー糖質制限食のみです。
もちろん、メトホルミンもなしです。

ごく、初期の段階で、半年くらいは、
ごくたまに糖質を摂取する直前に、グルファストやグルコバイを内服したこともありますが、
慣れてからの、2003年以降は、一切それらもなしです。


2016/06/26(Sun) 18:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
ガンマ・リノレン酸と糖尿病性神経障害
お世話になります

いま、危険な油が病気を起こしてる 現代風食用油製造の内幕を暴く
ジョン・フィネガン 著 今村光一 訳
を読んでいます。

ガンマ・リノレン酸を含む月見草油が関節リウマチや糖尿病性神経障害に効果があると、ネットで見たら書いてありましたが、効果あるものなんでしょうか?
2016/06/29(Wed) 01:58 | URL | 無菜 | 【編集
Re: ガンマ・リノレン酸と糖尿病性神経障害
無菜 さん

ガンマ・リノレン酸、私も知らなかったのでネットで見てみました。
良さそうなことが書いてありますが、エビデンスレベルでいうと、まだよくわからないですね。
2016/06/29(Wed) 16:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re:Re: ガンマ・リノレン酸と糖尿病性神経障害
γリノレン酸はアラキドン酸の前駆物質で危険なサプリだそうです。次のPDFの【付録】に詳しい説明があります。ご注意下さい。

金城学院大学オープン・リサーチ・センター
脂質栄養学の新方向とトピックス
VIII章  危険なサプリ
http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic8.pdf
2016/06/29(Wed) 20:19 | URL | OgTomo | 【編集
Re: Re:Re: ガンマ・リノレン酸と糖尿病性神経障害
OgTomo さん

貴重な情報をありがとうございます。

金城学院大学オープン・リサーチ・センター
脂質栄養学の新方向とトピックス
VIII章  危険なサプリ
http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic8.pdf


信頼度の高いサイトです。
γリノレン酸はアラキドン酸の前駆物質で危険なサプリということですね。


2016/06/30(Thu) 11:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可