眼科・深作秀春先生のコメント。糖尿病専門医の治療で網膜症が悪化。
【糖尿病性網膜症を悪化させるもの

いま国際眼科学会講演のためにニューオーリンズに来ています。
当地でも、あらためて江部先生のブログを読んでいます。

江部康二先生の著書を読み、私の患者にも糖質制限食を勧めております。

眼科に糖尿病の自覚が無くて、目がおかしいから来院する方が多いのです。

眼底を見ると糖尿病性網膜症が始まっており、かなり前から糖尿病があったに違いないとわかります。

のどが渇いてやたらと水を飲むとか、よくお小水を出すとか、疲れやすかったとか、いくつも自覚症状があっても、目が悪くなって初めてわかる人が多いのです。

そして、あなたは糖尿病ですねと診断すると、決まって糖尿病なんて言われたことが無いと怪訝そうに言い返します。
血糖が500ぐらいある重症の方でもです。

まだ、糖尿病性網膜症が軽いので、糖尿病内科の専門医に糖尿病治療を委ねましょうと紹介します。

そして、内服薬やインシュリンなどを使って、内科医は急速に血糖を下げようとするのです。

食事療法でカロリー制限もしていますが、糖質のご飯は同様に食べさせています。

つまり、ご飯を食べて高血糖になり、それをインシュリンで無理やり下げると言う「血糖のジェットコースター」状態となります。

その結果1か月もすると、糖尿病性網膜症は良くなるどころか、どんどん悪化しているのです。

私はかなり前から、血糖値の激しい上下の変化やインシュリンが何らかの悪さをして網膜の血管を障害すると思っていました。

その為に、血糖はやや高めで良いから急に下げたり低血糖になったりしないようにと、何回も多くの内科医に依頼しても、彼らは血糖を下げることしか興味がないかの如く急速に下げようとします。

糖尿病性網膜症は増殖膜変化で網膜剥離を起こし失明に繋がる病気ですが、この増殖膜変化はどうも内科医の糖尿病治療の後に増加しているのです。

血糖値の激しい上下やインシュリンの何らかの作用で血管壁が破けて出血し、それが新生血管や増殖膜変化になっているのはまず間違いないと思います。

つまり、内科医の治療によって糖尿病性網膜症は悪化させられているとしか思えないのです。 

さらに、日本には優秀な眼科外科医がほとんどいないために、増殖性網膜症による網膜剥離は、大学病院や総合病院のような研修施設で手術すると、ほとんどが手術がうまくいかずに失明させられています。

増殖性網膜症での網膜剥離は、研修病院での手に負える代物ではないのです。

これは研修対処から外し、我々のような海外でも研鑽したり競争して勝ち抜いたような専門家の手術に任せるべきだと思います。
 
内科的な糖尿病コントロールは糖質制限でやり、運悪くすでに増殖性変化が進んで網膜剥離になった患者は、我々のような専門家に任せて小切開での硝子体手術で必ず治すのが、現代での理想のような気がします。

それにしても、毎日毎日、糖尿病により網膜症を起こし、硝子体出血、網膜剥離になった患者さんが全国より来ます。

これ以上増やさないためにも、糖質制限、ケトン体栄養生活を広めて頂きたいと思います。

深作 秀春】


こんばんは。

世界的眼科外科医の深作秀春先生から、2016/5/7、あらてつさんのブログにコメントを頂きました。

大変、興味深い重要な内容なので、本ブログで取り上げて記事にさせて頂きました。

深作秀春先生、事後承諾で誠に申し訳ありませんが、何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。

深作先生、拙著やブログをお読みいただきありがとうございます。

また、糖尿病患者さんへ糖質制限食を勧めて頂いて、嬉しい限りであり強い味方を得た思いです。


『まだ、糖尿病性網膜症が軽いので、糖尿病内科の専門医に糖尿病治療を委ねましょうと紹介します。

そして、内服薬やインシュリンなどを使って、内科医は急速に血糖を下げようとするのです。

食事療法でカロリー制限もしていますが、糖質のご飯は同様に食べさせています。

つまり、ご飯を食べて高血糖になり、それをインシュリンで無理やり下げると言う「血糖のジェットコースター」状態となります。

その結果1か月もすると、糖尿病性網膜症は良くなるどころか、どんどん悪化しているのです。』


歯に衣を着せぬ貴重なご意見です。
患者さんサイドに立つ眼科医からも同様の意見を聞きます。

内科の糖尿病専門医に通院しているのに、一旦糖尿病網膜症になったら、基本的に一方通行で、合併症は進行していくそうです。

それが、糖質制限食を実践した糖尿病網膜症患者さんにおいて、進行がぴったり止まり、改善傾向も見られたということで、最初はびっくりしたそうです。

「血糖のジェットコースター」状態(平均血糖変動幅増大)と「食後高血糖」を防ぐことができるのは糖質制限食だけです。

<カロリー制限・高糖質食(従来の糖尿病食)+薬物療法(インスリンや内服薬)>では、深作先生の仰るように「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」は決して防げず、酸化ストレスのリスクとなり、網膜症の進行を止めることはできません。血糖値に直接影響を与えるのは、糖質だけなのです。

『私はかなり前から、血糖値の激しい上下の変化やインシュリンが何らかの悪さをして網膜の血管を障害すると思っていました。

その為に、血糖はやや高めで良いから急に下げたり低血糖になったりしないようにと、何回も多くの内科医に依頼しても、彼らは血糖を下げることしか興味がないかの如く急速に下げようとします。』


糖尿病専門医は、臨床現場では「空腹時血糖値とHbA1c」を血糖コントロール評価の基準にしているので「食後高血糖」や「平均血糖変動幅増大」という最大のリスクを本気でチェックしていないのが現状なのです。

糖尿病専門医がせめてグリコアルブミン(GA)を検査してくれれば、質の悪いHbA1cを見つけ出すことができるのですが、現実には行われていません。

『糖尿病性網膜症は増殖膜変化で網膜剥離を起こし失明に繋がる病気ですが、この増殖膜変化はどうも内科医の糖尿病治療の後に増加しているのです。

血糖値の激しい上下やインシュリンの何らかの作用で血管壁が破けて出血し、それが新生血管や増殖膜変化になっているのはまず間違いないと思います。

つまり、内科医の治療によって糖尿病性網膜症は悪化させられているとしか思えないのです。』


<高糖質食+薬物治療(インスリンや内服薬)>という糖尿専門医のワンパターンの治療では、「食後高血糖」や「平均血糖変動幅増大」は必ず生じ、酸化ストレスリスクがどんどん増大します。

酸化ストレスが増大すると細小血管の病変に悪影響を及ぼし出血もありえると思います。

また細小血管すなわち毛細血管は一層の内皮細胞とそれをとり巻く周皮細胞から構成されていますが、高血糖によるAGEsの形成は、細小血管の周皮細胞も内皮細胞も共に障害します。

これらの理由で、糖尿病専門医の治療によって、糖尿病網膜症がかえって悪化するのだと考えられます。

『日本には優秀な眼科外科医がほとんどいないために、増殖性網膜症による網膜剥離は、大学病院や総合病院のような研修施設で手術すると、ほとんどが手術がうまくいかずに失明させられています。

増殖性網膜症での網膜剥離は、研修病院での手に負える代物ではないのです。

これは研修対象から外し、我々のような海外でも研鑽したり競争して勝ち抜いたような専門家の手術に任せるべきだと思います。』


仰る通りと思います。

そうでないと、糖尿病による増殖性網膜症の患者さんに被害者が続出してしまいます。


『内科的な糖尿病コントロールは糖質制限でやり、運悪くすでに増殖性変化が進んで網膜剥離になった患者は、我々のような専門家に任せて小切開での硝子体手術で必ず治すのが、現代での理想のような気がします。』

こちらも、仰る通りと思います。

『それにしても、毎日毎日、糖尿病により網膜症を起こし、硝子体出血、網膜剥離になった患者さんが全国より来ます。

これ以上増やさないためにも、糖質制限、ケトン体栄養生活を広めて頂きたいと思います。』


この事実は現実に、日本糖尿病学会主導による従来の糖尿病治療(高糖質食+薬物療法)が、まったく上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。

少しでも早く糖質制限食の有効性と安全性を医学界に啓蒙していき、従来の糖尿病食(合併症製造食)からの脱却を目指さないと日本の糖尿人が可哀想過ぎます。


2016年01月19日 (火)の本ブログ記事
「眼科外科医の糖質制限食。世界的眼科外科医の深作秀春先生からコメント頂きました。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3662.html
もご参照頂けば幸いです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
大変ありがたい投稿と江部先生の解説に感謝申し上げます。
理系素人の私ですが、体内環境が悪いなら悪いなりに、高血糖なら高血糖なりに安定していれば爆発的な合併症は起きにくい、逆にいきなり血糖値の激しい上下動が起きるようになったら、いきなり失明、なるほどと思いました。
確か宮本輝さんとの対談本か以前のブログ記事に、江部先生が糖質制限食を始める時に、急な血糖値降下で合併症が起きやすいという常識から、糖質制限食でもそうなるかとずいぶん心配されたけれど、糖質制限食では全然起きなかったという実体験が紹介されてたことを思い出しました。
2016/05/09(Mon) 19:01 | URL | コバタケ | 【編集
糖尿病専門医は、罹病期間の長そうな方、網膜症のある方を急激に下げたりしません。教科書的にはHbA1c0.5%/月を目標に下げるのが常識です。とはいえ下がってしまうことはるのでかなり難しいですが、気を付けてはいます。
むしろ一般内科の先生達が、SU剤+DPP-4阻害剤で治療開始して眼底出血を来すような事が多いと思いますが。
2016/05/09(Mon) 23:06 | URL | 通りがかりの専門医 | 【編集
歯周病も同じ
6私は歯周病の専門医で、日本歯周病学会認定指導医で、学会では評議委員の役職も頂いております。学会では絶対に話しできないことですが、歯周病学会は糖尿病学会に連携し、歯周病と糖尿病の関係から双方の患者を治療しようとしています。しかしながら、今の多くの糖尿病の治療では歯周病が悪化し、そして歯とお金を更に失くし、認知症や寝たきりの障害寿命に繋がると思っています。歯が江部先生より悪い敗者の歯医者である私は、日本の少子高齢化と介護人口、医療費増大(無駄な治療費と治療薬の増加による)により、年金先送り、財政破綻の将来の日本を危惧しています。
2016/05/10(Tue) 08:06 | URL | 敗者の歯医者 | 【編集
「急激」な血糖変化とは具体的にどの位なのでしょう。
糖質摂取による高血糖→薬剤による血糖降下、による「落差」が危険なのであり
HbA1c-0.5%/月を目標にしていても、ぼんやりし過ぎていて指標として機能していないのでは?
現実に齟齬をきたしているのなら、理論・教科書を疑うべきだと思います。
いずれにせよ糖質制限すればその時点からリスク上昇は止まるわけで、
COPDの禁煙、肝炎膵炎の禁酒、並みに糖尿病治療の常識になる事を切に望みます。
2016/05/10(Tue) 08:19 | URL | へっぽこ | 【編集
Re: 歯周病も同じ
敗者の歯医者 さん

仰る通りと思います。
虫歯菌も歯周症菌も、その餌は糖質です。

従って従来の糖尿病食(高糖質食)では、虫歯も歯周症も改善は困難と思われます。
糖質制限食なら、虫歯菌や歯周症菌の餌を断ち切ることができるので、虫歯にも歯周症にも有効なのです。
2016/05/10(Tue) 11:41 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
へっぽこ さん

そうですね。

本ブログでも何回か指摘しているように、HbA1cでは急激な血糖変動を捉えるのは困難です。

血糖自己測定器が一番いいですが、グリコアルブミン(GA)検査なら短時間の食後高血糖を捉えることができます。
2016/05/10(Tue) 11:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
愕然
「教科書通りにHba1cを0.5パー/月平均下げるのが常識です。急激に下げたりしません(意訳)」という「血糖値のジェットコースター=乱高下」の意味をこ理解されているのかどうかすら怪しいご専門家の発言に改めて愕然とし、悲しい気分になりました。江部先生のブログをきちんと読んでいれば、そんな初歩的な誤解をされるはずは無いのですが… こりゃ話が噛み合うはずが無いですね。
2016/05/14(Sat) 13:47 | URL | Д | 【編集
Re: 愕然
Д さん

そうですね。
HbA1cでは、血糖変動を捉えることができないというのは、
糖尿病専門医においても、常識だとは思うのですが・・・。
2016/05/14(Sat) 18:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
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