2016年05月08日 (日)
【16/05/08 たか
75gブドウ糖負荷試験で1時間後と2時間後の血糖値が低くないのに低血糖症の症状がでました。
いつもブログで勉強させていただいています。
妊娠24週で糖尿病の検査を受けました。
妊娠初期の検診では尿糖を測定していたようなのですが、11週目以降は尿検査がなかったので今まで糖が出ていたのかは分かりません。
50gのブドウ糖入りジュースを飲んで、1時間後の血糖値が 147.6 mg/dL でした。
この際、基準値の140をオーバーしているとのことで、3日後に再試験になりました。
再試験の日は前日夜から何も食べないように指示されており、約16時間ほど食事をしていない状態で75g経口ブドウ糖負荷試験のような検査を行いました。
採血は、空腹時、ブドウ糖75g摂取1時間後、2時間後の3回でした。
ブドウ糖75g摂取後50分後から突然空腹感とめまいに襲われ(妊娠前に職場の普通の健康診断などでも前日夜から絶食状態でしたが、今までこういったことはありませんでした)、おかしいなと思っていたら55分で冷たい脂汗をかき始め、待合室で座っているのもつらくなり、ソファに横になろうとしましたが治らず、周りの人には迷惑をかけてしまいましたが受付の方が看護士さんを連れてきて下さるまで床に両膝をついて椅子にもたれかかってうつぶせになっていました(それが一番楽でした)
その後ベッドに寝かせてもらった状態で1時間後の採血を行いました。
看護士さんが3人ついてくれて様子を見たりお医者様に何か確認してくれていて、少し1時間をオーバーしていたかもしれません。
横になっている間に吐き気と眩暈が少しおさまり、汗も少し引いて楽になりました。
さらに5分ほどで脂汗が完全に引き、眩暈も治まったので待合室に戻りましたが、座っているのと寝ているのでは大分違ったらしく、待合室にいる間は少しつらかったです。
吐いた場合には試験中断と言われましたが、30分経過後に甘い胃液が少し口の中まで戻ったもののすぐ飲み込んで吐くことはなかったので、そのまま2時間後の採血を行いました。
結果は、2時間後の血糖値が基準を超えているので妊娠糖尿病と診断されました。
空腹時血糖 : 66.6 mg/dL
75g 1時間後 : 176.4 mg/dL
75g 2時間後 : 183.6 mg/dL
1時間後の血糖値も180近くあるのに、ブドウ糖摂取後50分~の低血糖症のような症状がどうして出たのか分かりません。
今までは毎年職場の健康診断で空腹時血糖を測るだけでしたので、HbA1cなどは分かりません。
空腹時血糖は、学生時代から15年くらい毎年65~68の範囲内でした。
ただ、この記事とコバタケさんのコメントへの先生の返信を拝見し、私は食後高血糖とグルコースミニスパイクに伴うインスリン過剰分泌の両方があるのではないか?と素人ながらに思いました。
長くなってしまいましたが、今回の試験で急に体調が悪くなったことが不可解で、自分でも測定器を購入して食後の血糖値を調べてみたいと思っています。
私のような場合、どのようなタイミングでどう測っていけばよいのか、またどのくらいの数値が正常の目安になるのか教えていただけないでしょうか。
また、低血糖の症状も出たため、インスリン注射は危険でしょうか。
もともと慎重158cm体重47kgで子供のころから食べても太れず、栄養士さん(産婦人科や今回の糖尿病検査とは別の病院です)から、健康な人なら痩せていても糖質制限で適正体重まで増える可能性もあるが、あなたは消化吸収力が弱くこれ以上痩せると危険だから制限しない方が良い、と言われていて、高雄病院の十か条に近い食事内容を指導されていました。
また果物や根菜も食べるように言われていました。
ですが、糖質制限食に切り替えた方がよいようにも感じています。
よろしければアドバイスをいただけると幸いです。】
こんばんは。
たか さんから、妊娠糖尿病と診断された時の75gOGTT検査で気分不良になった事に関してコメント・質問を頂きました。
たか さん、まずは一番大切なアドバイスです。
糖質制限食で、インスリンなしで、妊娠・出産・産後の血糖コントロールは簡単にできます。
従ってインスリン注射は必要ありません。
空腹時血糖 : 66.6 mg/dL
75g 1時間後 : 176.4 mg/dL
75g 2時間後 : 183.6 mg/dL
1gの糖質が2時間値のピークで、1.56mg血糖値を上げています。
これなら、1回の食事の糖質量が、40gくらいの緩やかな糖質制限食でOKと思います。
妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値
です。
緩やかな糖質制限でも、充分目標を達成できます。
勿論つらくなければ、スーパー糖質制限食でも構いません。
「今回の試験で急に体調が悪くなったことが不可解」
空きっ腹に、液体のブドウ糖を75g摂取というのは、結構、身体にとって過酷な検査です。
1時間値で血糖上昇が、109.8mgもあります。
1時間で60mg以上の上昇幅や下降幅があると、ぼーとしたり、眠たくなったり、動悸がしたり、冷や汗がでたりします。
低血糖だけではなくて、血糖の変動幅でも同様の症状が起こるのです。
人類は狩猟・採集時代の700万年間は、血糖の変動幅は、せいぜい10~20mgくらいです。
これに比べて今回の液体の糖質(ブドウ糖)75g摂取して、血糖値が1時間で100mg以上も上昇することが、人体にとって、いかに異常な事態かわかりますね。
☆☆☆
以下は、妊娠糖尿病において、知っておいて欲しい知識ですので、参考にして頂けば幸いです。
以下の太字は、日本糖尿病・妊娠学会のサイトから転載です。
『<妊娠糖尿病からの糖尿病発症率>
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
●産後の注意点
Q妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
A 最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。また最近のメタアナリシスでは、妊娠糖尿病の妊婦さんは耐糖能が正常の妊婦さんに比べて、将来糖尿病になる確率は7.43倍であると報告されています。
また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月』
<出産後の糖質制限食>
『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
220ページから転載
GDM(妊娠糖尿病)母体の耐糖能の再評価
1)妊娠糖尿病母体の耐糖能は分娩後6~12週の間に75gOGTTを行い再評価する。
2)分娩後耐糖能が正常化しても、妊娠糖尿病既往女性は
将来の糖尿病発症リスク群であり、長期にわたる追跡管理が必要である』
最近のガイドラインでも妊娠糖尿病の母体は、糖尿病発症リスク群で、長期にわたる管理が必要とされていますので、
糖質制限食を実践されたほうがいいと思います。
糖質制限食のモットーは、美味しく楽しく末長くですので、緩くてもいいのでお奨めです。
最近は、糖質制限食OKの、スイーツやチョコ、パン、パンケーキ、ピザ、パスタ、お好み焼きなどいろいろ発売されていますので、つらい我慢はなしで糖質制限食が可能です。
私自身は糖尿病なので、1回の食事の糖質量が10~20g以下の摂取です。
緩やかな糖質制限は1回の食事の糖質量が30~40gの摂取です。
境界型ですので、緩やかな糖質制限食でも将来の糖尿病発症が予防できると思います。
糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食なので、全身の血流・代謝がよくなり、自然治癒力も向上します。
<妊娠糖尿病の診断基準>
妊娠糖尿病 gestational diabetes mellitus (GDM)
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
①空腹時血糖値 ≧92mg/dl (5.1mmol/l)
②1時間値 ≧180mg/dl (10.0mmol/l)
③2時間値 ≧153mg/dl (8.5mmol/l)
上記が妊娠糖尿病の診断基準です。
妊婦において、現実に重要なのは、血糖コントロールです。
<妊娠糖尿病の血糖コントロール目標>
血糖の厳重な管理が最も大切です。
食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標に管理します。
糖質摂取のグラム数を考慮することで、この目標はクリアできると思います。
A)
妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も
<妊娠中の血糖値コントロール目標>糖尿病治療ガイド(2014-2015)によれば
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値、
です。
B)
さらに、科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013、223ページによれば
「HbA1cが、鉄欠乏状態の影響を受け、血糖コントロール状態を反映しいない」
ため、GA(グリコアルブミン)15.8%未満が目標としています。
また食後1時間値140mg/dl未満が目標として好ましいとされています。
<母子ともに健康であるためには糖質制限食>
1)食前100mg/dl未満
2)食後2時間120mg/dl未満
3)食後1時間値140mg/dl未満
4)GA(グリコアルブミン)15.8%未満
血糖自己測定器で、1)2)3)をクリアする程度の糖質摂取量を目指しましょう。
そうすれば、自然に4)はクリアできます。
<血糖自己測定器の精度>
一応、±20%の誤差が、簡易血糖自己測定器にはあるとされています。
しかし、時に変な値がでることがあっても、病院の検査とそれほど大きな違いはないと思います。
血糖自己測定器のデータは毛細血管血なので、病院のデータ(静脈血)より数mg~10mgくらい高くでることが多いようです。
江部康二
75gブドウ糖負荷試験で1時間後と2時間後の血糖値が低くないのに低血糖症の症状がでました。
いつもブログで勉強させていただいています。
妊娠24週で糖尿病の検査を受けました。
妊娠初期の検診では尿糖を測定していたようなのですが、11週目以降は尿検査がなかったので今まで糖が出ていたのかは分かりません。
50gのブドウ糖入りジュースを飲んで、1時間後の血糖値が 147.6 mg/dL でした。
この際、基準値の140をオーバーしているとのことで、3日後に再試験になりました。
再試験の日は前日夜から何も食べないように指示されており、約16時間ほど食事をしていない状態で75g経口ブドウ糖負荷試験のような検査を行いました。
採血は、空腹時、ブドウ糖75g摂取1時間後、2時間後の3回でした。
ブドウ糖75g摂取後50分後から突然空腹感とめまいに襲われ(妊娠前に職場の普通の健康診断などでも前日夜から絶食状態でしたが、今までこういったことはありませんでした)、おかしいなと思っていたら55分で冷たい脂汗をかき始め、待合室で座っているのもつらくなり、ソファに横になろうとしましたが治らず、周りの人には迷惑をかけてしまいましたが受付の方が看護士さんを連れてきて下さるまで床に両膝をついて椅子にもたれかかってうつぶせになっていました(それが一番楽でした)
その後ベッドに寝かせてもらった状態で1時間後の採血を行いました。
看護士さんが3人ついてくれて様子を見たりお医者様に何か確認してくれていて、少し1時間をオーバーしていたかもしれません。
横になっている間に吐き気と眩暈が少しおさまり、汗も少し引いて楽になりました。
さらに5分ほどで脂汗が完全に引き、眩暈も治まったので待合室に戻りましたが、座っているのと寝ているのでは大分違ったらしく、待合室にいる間は少しつらかったです。
吐いた場合には試験中断と言われましたが、30分経過後に甘い胃液が少し口の中まで戻ったもののすぐ飲み込んで吐くことはなかったので、そのまま2時間後の採血を行いました。
結果は、2時間後の血糖値が基準を超えているので妊娠糖尿病と診断されました。
空腹時血糖 : 66.6 mg/dL
75g 1時間後 : 176.4 mg/dL
75g 2時間後 : 183.6 mg/dL
1時間後の血糖値も180近くあるのに、ブドウ糖摂取後50分~の低血糖症のような症状がどうして出たのか分かりません。
今までは毎年職場の健康診断で空腹時血糖を測るだけでしたので、HbA1cなどは分かりません。
空腹時血糖は、学生時代から15年くらい毎年65~68の範囲内でした。
ただ、この記事とコバタケさんのコメントへの先生の返信を拝見し、私は食後高血糖とグルコースミニスパイクに伴うインスリン過剰分泌の両方があるのではないか?と素人ながらに思いました。
長くなってしまいましたが、今回の試験で急に体調が悪くなったことが不可解で、自分でも測定器を購入して食後の血糖値を調べてみたいと思っています。
私のような場合、どのようなタイミングでどう測っていけばよいのか、またどのくらいの数値が正常の目安になるのか教えていただけないでしょうか。
また、低血糖の症状も出たため、インスリン注射は危険でしょうか。
もともと慎重158cm体重47kgで子供のころから食べても太れず、栄養士さん(産婦人科や今回の糖尿病検査とは別の病院です)から、健康な人なら痩せていても糖質制限で適正体重まで増える可能性もあるが、あなたは消化吸収力が弱くこれ以上痩せると危険だから制限しない方が良い、と言われていて、高雄病院の十か条に近い食事内容を指導されていました。
また果物や根菜も食べるように言われていました。
ですが、糖質制限食に切り替えた方がよいようにも感じています。
よろしければアドバイスをいただけると幸いです。】
こんばんは。
たか さんから、妊娠糖尿病と診断された時の75gOGTT検査で気分不良になった事に関してコメント・質問を頂きました。
たか さん、まずは一番大切なアドバイスです。
糖質制限食で、インスリンなしで、妊娠・出産・産後の血糖コントロールは簡単にできます。
従ってインスリン注射は必要ありません。
空腹時血糖 : 66.6 mg/dL
75g 1時間後 : 176.4 mg/dL
75g 2時間後 : 183.6 mg/dL
1gの糖質が2時間値のピークで、1.56mg血糖値を上げています。
これなら、1回の食事の糖質量が、40gくらいの緩やかな糖質制限食でOKと思います。
妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値
です。
緩やかな糖質制限でも、充分目標を達成できます。
勿論つらくなければ、スーパー糖質制限食でも構いません。
「今回の試験で急に体調が悪くなったことが不可解」
空きっ腹に、液体のブドウ糖を75g摂取というのは、結構、身体にとって過酷な検査です。
1時間値で血糖上昇が、109.8mgもあります。
1時間で60mg以上の上昇幅や下降幅があると、ぼーとしたり、眠たくなったり、動悸がしたり、冷や汗がでたりします。
低血糖だけではなくて、血糖の変動幅でも同様の症状が起こるのです。
人類は狩猟・採集時代の700万年間は、血糖の変動幅は、せいぜい10~20mgくらいです。
これに比べて今回の液体の糖質(ブドウ糖)75g摂取して、血糖値が1時間で100mg以上も上昇することが、人体にとって、いかに異常な事態かわかりますね。
☆☆☆
以下は、妊娠糖尿病において、知っておいて欲しい知識ですので、参考にして頂けば幸いです。
以下の太字は、日本糖尿病・妊娠学会のサイトから転載です。
『<妊娠糖尿病からの糖尿病発症率>
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/e/q02/
●産後の注意点
Q妊娠糖尿病の人はお産後も定期的な健診が必要といわれましたが本当に必要なのですか?
A 最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。その他の報告を集計すると、産後1年以内では糖尿病になる頻度は2.6~38%、産後5~16年追求すると糖尿病は17~63%の頻度で発症すると報告されています。また最近のメタアナリシスでは、妊娠糖尿病の妊婦さんは耐糖能が正常の妊婦さんに比べて、将来糖尿病になる確率は7.43倍であると報告されています。
また、妊娠糖尿病の人を定期的に11年間追求した研究では、産後11年経った平均年齢40.6歳時にはメタボリックシンドロームの発症率は27.2%であり正常妊婦さんの8.2%に比較して明らかに高頻度に発症することが報告されています。
したがって、産後も定期的に耐糖能異常があるかどうかスクリーニングをうけることが大切であり、同時に食事や運動に気をつけていく必要があります。
(岡山大学 平松祐司)2007年11月』
<出産後の糖質制限食>
『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
220ページから転載
GDM(妊娠糖尿病)母体の耐糖能の再評価
1)妊娠糖尿病母体の耐糖能は分娩後6~12週の間に75gOGTTを行い再評価する。
2)分娩後耐糖能が正常化しても、妊娠糖尿病既往女性は
将来の糖尿病発症リスク群であり、長期にわたる追跡管理が必要である』
最近のガイドラインでも妊娠糖尿病の母体は、糖尿病発症リスク群で、長期にわたる管理が必要とされていますので、
糖質制限食を実践されたほうがいいと思います。
糖質制限食のモットーは、美味しく楽しく末長くですので、緩くてもいいのでお奨めです。
最近は、糖質制限食OKの、スイーツやチョコ、パン、パンケーキ、ピザ、パスタ、お好み焼きなどいろいろ発売されていますので、つらい我慢はなしで糖質制限食が可能です。
私自身は糖尿病なので、1回の食事の糖質量が10~20g以下の摂取です。
緩やかな糖質制限は1回の食事の糖質量が30~40gの摂取です。
境界型ですので、緩やかな糖質制限食でも将来の糖尿病発症が予防できると思います。
糖質制限食は人類本来の食事であり人類の健康食なので、全身の血流・代謝がよくなり、自然治癒力も向上します。
<妊娠糖尿病の診断基準>
妊娠糖尿病 gestational diabetes mellitus (GDM)
75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。
①空腹時血糖値 ≧92mg/dl (5.1mmol/l)
②1時間値 ≧180mg/dl (10.0mmol/l)
③2時間値 ≧153mg/dl (8.5mmol/l)
上記が妊娠糖尿病の診断基準です。
妊婦において、現実に重要なのは、血糖コントロールです。
<妊娠糖尿病の血糖コントロール目標>
血糖の厳重な管理が最も大切です。
食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標に管理します。
糖質摂取のグラム数を考慮することで、この目標はクリアできると思います。
A)
妊娠中のコントロール目標は、「糖尿病妊娠」も「妊娠糖尿病」も
<妊娠中の血糖値コントロール目標>糖尿病治療ガイド(2014-2015)によれば
朝食前血糖値70~100mg/dl
食後2時間血糖値120mg/dl未満
HbA1c6.2%未満、NGSP値、
です。
B)
さらに、科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013、223ページによれば
「HbA1cが、鉄欠乏状態の影響を受け、血糖コントロール状態を反映しいない」
ため、GA(グリコアルブミン)15.8%未満が目標としています。
また食後1時間値140mg/dl未満が目標として好ましいとされています。
<母子ともに健康であるためには糖質制限食>
1)食前100mg/dl未満
2)食後2時間120mg/dl未満
3)食後1時間値140mg/dl未満
4)GA(グリコアルブミン)15.8%未満
血糖自己測定器で、1)2)3)をクリアする程度の糖質摂取量を目指しましょう。
そうすれば、自然に4)はクリアできます。
<血糖自己測定器の精度>
一応、±20%の誤差が、簡易血糖自己測定器にはあるとされています。
しかし、時に変な値がでることがあっても、病院の検査とそれほど大きな違いはないと思います。
血糖自己測定器のデータは毛細血管血なので、病院のデータ(静脈血)より数mg~10mgくらい高くでることが多いようです。
江部康二
産科医です。 たかさんは、75gの試験前にも高雄病院の十か条に近い食事内容を指導されていましたというので糖質は制限していたのでしょうか。50gで147ですからぎりぎり、スクリーニングに引っかかったようですね。75gの検査前にも糖質制限をしているとかなり高い反応が出てしまします。糖のない生活に慣れていて、インスリンが出るのが遅れてしまうのでしょうね。
また、カーボカウントな日々の著者の実験では砂糖水(50グラムくらいの砂糖)を飲んで血糖値が上がるのは、かなり早くて30分でも、彼は220を超えています。あなたもおそらく1時間値が同じくらいですから220以上になっていたと思います。そこでインスリンが急きょ出てきて、下げはじめて170は、これでも下がっての数字だと思います。一気に低血糖に似た症状があったのではないかな。 ただ妊娠中期はインスリンの効きは悪いので症状が治まりつつも血糖値は下げ止まったのでしょう。本当は検査の3日前から、糖質を150g毎日、取っておかないとけっこう高い血糖値が記録されてしまいます。当院でもそういう方が出たことがあります。ですから、もしもう一度やったら、違う結果になるでしょう。ただ75gの糖を一気にとるのは、本当は、危険な実験です。今後は江部先生の言うとおり、糖質制限していけば、問題なく妊娠中を管理できますから、心配しないでください。
http://castela.blog104.fc2.com/blog-entry-133.html
また、カーボカウントな日々の著者の実験では砂糖水(50グラムくらいの砂糖)を飲んで血糖値が上がるのは、かなり早くて30分でも、彼は220を超えています。あなたもおそらく1時間値が同じくらいですから220以上になっていたと思います。そこでインスリンが急きょ出てきて、下げはじめて170は、これでも下がっての数字だと思います。一気に低血糖に似た症状があったのではないかな。 ただ妊娠中期はインスリンの効きは悪いので症状が治まりつつも血糖値は下げ止まったのでしょう。本当は検査の3日前から、糖質を150g毎日、取っておかないとけっこう高い血糖値が記録されてしまいます。当院でもそういう方が出たことがあります。ですから、もしもう一度やったら、違う結果になるでしょう。ただ75gの糖を一気にとるのは、本当は、危険な実験です。今後は江部先生の言うとおり、糖質制限していけば、問題なく妊娠中を管理できますから、心配しないでください。
http://castela.blog104.fc2.com/blog-entry-133.html
私の子は超低出生体重の早産児です。
もともと微量の出血が止まらず切迫早産という診断名もついていました。
妊娠糖尿病の検査にも僅かながらひっかかり、入院治療を始めましたが、たくさんのご飯で血糖値はあがり、インスリンも増える、毎日歩くが負担でした。
退院後は厳しい指導にあった食事の買い物と料理がまた負担になりました。
最終的には料理中に破水、ストレスで血糖値が下がらない状態に…。生まれてきた子も小さく栄養がまわってないかのようでした。
私の友人たちは食事療法という選択も取れたようです。その選択肢も提示してほしいです。
もともと微量の出血が止まらず切迫早産という診断名もついていました。
妊娠糖尿病の検査にも僅かながらひっかかり、入院治療を始めましたが、たくさんのご飯で血糖値はあがり、インスリンも増える、毎日歩くが負担でした。
退院後は厳しい指導にあった食事の買い物と料理がまた負担になりました。
最終的には料理中に破水、ストレスで血糖値が下がらない状態に…。生まれてきた子も小さく栄養がまわってないかのようでした。
私の友人たちは食事療法という選択も取れたようです。その選択肢も提示してほしいです。
2016/05/09(Mon) 09:09 | URL | A | 【編集】
インスリン分泌指標
HOMA-β
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
江部先生のブログでこの計算式を見つけたので
コピーさせていただきました、
自分は
空腹時インスリンが ( 9.0 )
空腹時血糖が ( 76 )でした
計算の仕方が間違っているのかも知れませんが
360×9.0 =3240
76-63=13
(3240/13) この計算でいいのでしょうか??
この計算をすると
249.230769となりますが………これであってるんですかね??
間違っている様にしか思えません………
正しい計算の仕方が知りたいです……
そして、数値は 良いのか、悪いのか?
教えてください……お願いします
HOMA-β
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
江部先生のブログでこの計算式を見つけたので
コピーさせていただきました、
自分は
空腹時インスリンが ( 9.0 )
空腹時血糖が ( 76 )でした
計算の仕方が間違っているのかも知れませんが
360×9.0 =3240
76-63=13
(3240/13) この計算でいいのでしょうか??
この計算をすると
249.230769となりますが………これであってるんですかね??
間違っている様にしか思えません………
正しい計算の仕方が知りたいです……
そして、数値は 良いのか、悪いのか?
教えてください……お願いします
2016/05/09(Mon) 12:51 | URL | yuu | 【編集】
江部先生こんにちは。東南アジアで駐在員生活2年目の者です(30歳 男)。日本では糖質制限を行い極めて健康でしたが、シンガポールを中心に東南アジアを飛びまわり、連夜の会食、糖質中心の食文化の影響を受け175cm 75kgと順調に8kg増量、再糖質制限に入ります。現在はマレーシアにプロジェクトのため、数ヶ月一時的に拠点を移し生活しています。困ったことにこのマレーシア、国民の20%程度が糖尿病!の国です。ココナッツ、パーム油、果物、穀物と糖質や体に悪いものに事欠きません。食事は糖質の付けあわせで鶏肉(宗教的に一番フラット)か魚に偏りがちです。体に良いか悪いかではなく、宗教的に問題ないかどうかが最初の選択肢であり、そのファーストチョイスが糖質です。糖質制限が根付くのは非常に難しいかもしれません。日本の食品も上手く入手できず糖質制限に四苦八苦です。。。
さて、今回の質問は「糖質制限と冷房病」についてです。東南アジアはどこも同じですが、年中真夏です。商業施設、オフィス、家、どこでも16度から18度に冷房が設定されています。外は30度以上ですので、冷房病の状態で体調の悪い日々が続いております。上下ヒートテックを着てオフィス内に勤務しておりますが限界があります。勿論、部屋の温度を上げるのが先決ですが、やはり外国人ですので郷に入れば。。。という世界です。糖質制限で幾分かでも症状が緩和されることを期待しておりますが、冷房病と糖質制限に関する、先生のご見解は如何でしょうか?
さて、今回の質問は「糖質制限と冷房病」についてです。東南アジアはどこも同じですが、年中真夏です。商業施設、オフィス、家、どこでも16度から18度に冷房が設定されています。外は30度以上ですので、冷房病の状態で体調の悪い日々が続いております。上下ヒートテックを着てオフィス内に勤務しておりますが限界があります。勿論、部屋の温度を上げるのが先決ですが、やはり外国人ですので郷に入れば。。。という世界です。糖質制限で幾分かでも症状が緩和されることを期待しておりますが、冷房病と糖質制限に関する、先生のご見解は如何でしょうか?
2016/05/09(Mon) 14:06 | URL | マレーの虎 | 【編集】
宗田先生
たかさんは、痩せているので糖質制限はしないほうがいいと指導されたいうことでした。
それで「糖質制限食十箇条」ではなくて
アレルギー性疾患の人や生活習慣病予防のための「高雄病院食生活十箇条」のほうだと思います。
こちらは、未精製の穀物を適量摂取する食事療法です。
たかさんは、痩せているので糖質制限はしないほうがいいと指導されたいうことでした。
それで「糖質制限食十箇条」ではなくて
アレルギー性疾患の人や生活習慣病予防のための「高雄病院食生活十箇条」のほうだと思います。
こちらは、未精製の穀物を適量摂取する食事療法です。
2016/05/09(Mon) 14:51 | URL | ドクター江部 | 【編集】
yuu さん
式も計算もあっています。
hHOMA-Rが1.69で、少しだけインスリン抵抗性傾向です。
空腹時インスリンは正常値ですが、正常のなかではやや髙値です。
インスリン過剰分泌傾向と言えます。
肥満はあるでしょうか?
身長、体重はどのくらいでしょう。
式も計算もあっています。
hHOMA-Rが1.69で、少しだけインスリン抵抗性傾向です。
空腹時インスリンは正常値ですが、正常のなかではやや髙値です。
インスリン過剰分泌傾向と言えます。
肥満はあるでしょうか?
身長、体重はどのくらいでしょう。
2016/05/09(Mon) 15:04 | URL | ドクター江部 | 【編集】
マレーの虎 さん
クーラーによる内部の涼しい気温と、外部の暑い気温の温度差に、身体の自律神経などの調節ががついていけないのが冷房病と言われていますね。
糖質制限食により血流・代謝が良くなるので、いいほうに向くとは思うのですが、経験がないのでよくわかりません。
クーラーによる内部の涼しい気温と、外部の暑い気温の温度差に、身体の自律神経などの調節ががついていけないのが冷房病と言われていますね。
糖質制限食により血流・代謝が良くなるので、いいほうに向くとは思うのですが、経験がないのでよくわかりません。
2016/05/09(Mon) 15:14 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生お返事ありがとうございます。肥満はありません
身長は170cmで体重は50~53程です
身長は170cmで体重は50~53程です
2016/05/10(Tue) 00:32 | URL | yuu | 【編集】
江部先生、ブログで取り上げてくださり、詳しいアドバイスをいただき本当にありがとうございました。
宗田先生にもコメントをいただくことができ、大変恐縮です。
また、Aさんがコメントしてくださった体験談も大変参考になりました。お辛い思いをされたことと思いますが、教えていただけて感謝しています。
江部先生がアドバイスしてくださったように急に血糖値が高くなって具合が悪くなった可能性もあり、また宗田先生のおっしゃるように早くにピークがあったのかもしれません。
自分のことを把握するためにも、しばらくは短い間隔で食後の血糖値を測定してみたいと思います。
インスリンは不要であること、糖質制限食が良いことを改めて考えさせれました。
いただいたアドバイスや参考情報をしっかり把握して糖質制限をして、運動する時間も血糖値が高くなったころに合わせて調整していきたいと思っています。
本当にありがとうございました。
P.S.
江部先生に取り上げていただいた自分の投稿を読み返していて、大変失礼な誤字をしてしまっていたことに気づきました。本当にすみません。
また、十箇条は江部先生のおっしゃるとおり、高雄病院食生活十箇条です。曖昧な書き方をしてしまっていたので誤解を招き申し訳ありませんでした。
宗田先生にもコメントをいただくことができ、大変恐縮です。
また、Aさんがコメントしてくださった体験談も大変参考になりました。お辛い思いをされたことと思いますが、教えていただけて感謝しています。
江部先生がアドバイスしてくださったように急に血糖値が高くなって具合が悪くなった可能性もあり、また宗田先生のおっしゃるように早くにピークがあったのかもしれません。
自分のことを把握するためにも、しばらくは短い間隔で食後の血糖値を測定してみたいと思います。
インスリンは不要であること、糖質制限食が良いことを改めて考えさせれました。
いただいたアドバイスや参考情報をしっかり把握して糖質制限をして、運動する時間も血糖値が高くなったころに合わせて調整していきたいと思っています。
本当にありがとうございました。
P.S.
江部先生に取り上げていただいた自分の投稿を読み返していて、大変失礼な誤字をしてしまっていたことに気づきました。本当にすみません。
また、十箇条は江部先生のおっしゃるとおり、高雄病院食生活十箇条です。曖昧な書き方をしてしまっていたので誤解を招き申し訳ありませんでした。
2016/05/10(Tue) 01:50 | URL | たか | 【編集】
妊娠5ヶ月で妊娠糖尿病と診断されました。
食事制限を自分なりにし、血糖値を図りましたが120を超える事も増えてきました。
妊娠前は糖質制限に興味があり、ゆるくではありますが、制限生活を送っていました。妊娠しつわりがひどく、フルーツ、ジュース、ポカリしか口に出来ず2ヶ月くらいはそれらを口にしては吐く生活でした。その後妊娠糖尿病と診断されました。
今ではインスリン注射が始まってしまいストレスの毎日を送っています。
先生のブログにもあるように、妊婦だから炭水化物抜きはダメという事はなさそうですね。
今から糖質制限食に切り替えてインスリンを中止する事はできますか?
下手に糖質制限にしてしまうと、注射もしているので低血糖になってしまうのでしょうか?
食事制限を自分なりにし、血糖値を図りましたが120を超える事も増えてきました。
妊娠前は糖質制限に興味があり、ゆるくではありますが、制限生活を送っていました。妊娠しつわりがひどく、フルーツ、ジュース、ポカリしか口に出来ず2ヶ月くらいはそれらを口にしては吐く生活でした。その後妊娠糖尿病と診断されました。
今ではインスリン注射が始まってしまいストレスの毎日を送っています。
先生のブログにもあるように、妊婦だから炭水化物抜きはダメという事はなさそうですね。
今から糖質制限食に切り替えてインスリンを中止する事はできますか?
下手に糖質制限にしてしまうと、注射もしているので低血糖になってしまうのでしょうか?
中村 さん
インスリンを注射したまま、糖質制限食実践は、
仰る通り低血糖の危険があります。
妊娠糖尿病というのは、糖尿病妊娠(元々、糖尿病があった女性の妊娠)に比べれば軽いので
まずインスリンなしで血糖コントロールできると思います。
インスリンを注射したまま、糖質制限食実践は、
仰る通り低血糖の危険があります。
妊娠糖尿病というのは、糖尿病妊娠(元々、糖尿病があった女性の妊娠)に比べれば軽いので
まずインスリンなしで血糖コントロールできると思います。
2016/07/18(Mon) 18:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
| ホーム |