2016年03月31日 (木)
『16/03/30 yuuko
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)
病院で管理栄養士をしているものです。
私の母校の渡邊先生が食品成分表2015年版改正のポイントを下記書籍で解説しています。
なお、単糖当量への換算係数(FAO推奨方式)についてや、
英国成分表からの推計などは以前の投稿(オスティナートさん)が参考になります。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3740.html#comment
【日本食品成分表2015年版(七訂)本表編 2016/2/15 医歯薬出版 (編集) 】
日本食品標準成分表2015年版(七訂)改正のポイント
渡邊智子先生(千葉県保健医療大学健康科学栄養学科教授)
2:炭水化物の成分項目が追加されました
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)
新しい栄養成分の項目として、本表では「炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)」が追加され、炭水化物付加情報として提示されています。
これは、2003年に国際連合食料農業機関(FAO)が公表した技術ワークショップ報告書において、炭水化物の成分量の算出に当たっては、利用可能炭水化物と食物繊維とを直接分析して求めることが推奨されていることを受けてのことです。
差し引き法とFAO推奨方式
これまで、炭水化物の成分値は、「差し引き法」(水分、たんぱく質、脂質、灰分等の合計重量を100gから差し引く)で計算されていましたが、この方法では他の成分誤差などがすべて炭水化物にしわ寄せされてしまいます。また、炭水化物を構成するでん粉、糖類、食物繊維など、異なる栄養価値をもつものが一緒に評価されてしまう問題があります。
以上の点や、国際的な情報交換なども踏まえて、炭水化物を構成するでん粉、糖類を直接分析または推計し、単糖換算するFAO推奨方式が採用されました。
これに伴い、利用可能炭水化物、糖アルコール、有機酸の成分をまとめた
「炭水化物成分表編2015年版」が別表として新たに発売されています。
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)が収載されている食品はまだ限られており、
本表では原則として「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」の値としていますので、実務ではこちらを利用することになります。』
yuuko さん。
コメントおよび渡邊智子先生の解説をご紹介頂き、ありがとうございます。
お陰様で、ほぼ理解できました。
国際連合食料農業機関(FAO)が、炭水化物の成分量の算出にあたって、利用可能炭水化物と食物繊維とを直接分析して求めることを推奨しているのですね。
それを受けて日本食品標準成分表2015年版(七訂)において、利用可能炭水化物(単糖当量)が新規登場したわけですか。
しかし、利用可能炭水化物(単糖当量)が収載されている食品は限られるので、実務的には結局は従来の「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」のデータを使うということになります。
つまりFAO推奨の「利用可能炭水化物」というのは、新規登場したものの、実務的には利用しにくい代物で参考程度ということですね。
今はまだ「利用可能炭水化物」にとっては、過渡期ということでしょう。
結論としては、<炭水化物-食物繊維=糖質>であり、実務的には今まで通りです。
江部康二
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)
病院で管理栄養士をしているものです。
私の母校の渡邊先生が食品成分表2015年版改正のポイントを下記書籍で解説しています。
なお、単糖当量への換算係数(FAO推奨方式)についてや、
英国成分表からの推計などは以前の投稿(オスティナートさん)が参考になります。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3740.html#comment
【日本食品成分表2015年版(七訂)本表編 2016/2/15 医歯薬出版 (編集) 】
日本食品標準成分表2015年版(七訂)改正のポイント
渡邊智子先生(千葉県保健医療大学健康科学栄養学科教授)
2:炭水化物の成分項目が追加されました
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)
新しい栄養成分の項目として、本表では「炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)」が追加され、炭水化物付加情報として提示されています。
これは、2003年に国際連合食料農業機関(FAO)が公表した技術ワークショップ報告書において、炭水化物の成分量の算出に当たっては、利用可能炭水化物と食物繊維とを直接分析して求めることが推奨されていることを受けてのことです。
差し引き法とFAO推奨方式
これまで、炭水化物の成分値は、「差し引き法」(水分、たんぱく質、脂質、灰分等の合計重量を100gから差し引く)で計算されていましたが、この方法では他の成分誤差などがすべて炭水化物にしわ寄せされてしまいます。また、炭水化物を構成するでん粉、糖類、食物繊維など、異なる栄養価値をもつものが一緒に評価されてしまう問題があります。
以上の点や、国際的な情報交換なども踏まえて、炭水化物を構成するでん粉、糖類を直接分析または推計し、単糖換算するFAO推奨方式が採用されました。
これに伴い、利用可能炭水化物、糖アルコール、有機酸の成分をまとめた
「炭水化物成分表編2015年版」が別表として新たに発売されています。
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)
炭水化物と利用可能炭水化物(単糖当量)が収載されている食品はまだ限られており、
本表では原則として「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」の値としていますので、実務ではこちらを利用することになります。』
yuuko さん。
コメントおよび渡邊智子先生の解説をご紹介頂き、ありがとうございます。
お陰様で、ほぼ理解できました。
国際連合食料農業機関(FAO)が、炭水化物の成分量の算出にあたって、利用可能炭水化物と食物繊維とを直接分析して求めることを推奨しているのですね。
それを受けて日本食品標準成分表2015年版(七訂)において、利用可能炭水化物(単糖当量)が新規登場したわけですか。
しかし、利用可能炭水化物(単糖当量)が収載されている食品は限られるので、実務的には結局は従来の「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」のデータを使うということになります。
つまりFAO推奨の「利用可能炭水化物」というのは、新規登場したものの、実務的には利用しにくい代物で参考程度ということですね。
今はまだ「利用可能炭水化物」にとっては、過渡期ということでしょう。
結論としては、<炭水化物-食物繊維=糖質>であり、実務的には今まで通りです。
江部康二
日刊ゲンダイ4月1日、糖尿病、絶対にならない、春の最新常識。 「長寿につながると話題の薬 心血管死を低下させ 体重、脂肪肝も改善」との見出し。から抜粋と思いましたが、江部先生の2015/1/16のブログなどで、SGLT2阻害薬について、触れられていますので、今回は見出しのみの紹介にとどめます。
2016/03/31(Thu) 19:05 | URL | デュピュイ取る | 【編集】
約6人に1人が糖質オフ(制限)ダイエットを行ったことがある
http://ovo.kyodo.co.jp/ch/mame/a-727970
糖質制限「ロカボ」続々 コンビニや外食産業
http://www.asahi.com/articles/DA3S12282430.html
http://ovo.kyodo.co.jp/ch/mame/a-727970
糖質制限「ロカボ」続々 コンビニや外食産業
http://www.asahi.com/articles/DA3S12282430.html
2016/03/31(Thu) 19:17 | URL | | 【編集】
デュピュイ取る さん
SGLT2阻害薬・・・そんなに褒めてありましたか。
糖質制限食なら、同じくケトン体高値でも、薬なしでより高い効果が得られると思います。
SGLT2阻害薬・・・そんなに褒めてありましたか。
糖質制限食なら、同じくケトン体高値でも、薬なしでより高い効果が得られると思います。
2016/03/31(Thu) 20:55 | URL | ドクター江部 | 【編集】
「 約6人に1人が糖質オフ(制限)ダイエットを行ったことがある」
これは糖質制限食の世の中への浸透を喜ぶところなのでしょうね。
これは糖質制限食の世の中への浸透を喜ぶところなのでしょうね。
2016/03/31(Thu) 20:56 | URL | ドクター江部 | 【編集】
日本食品標準成分表2015年版(七訂)を目にし、大変興奮しております。ご多忙とは存じますが、是非先生のご意見をお伺いしたく、メールいたします。
1、利用可能炭水化物こそが血糖値を上げる正体、と解釈してよろしいのでしょうか?
「しかし、利用可能炭水化物(単糖当量)が収載されている食品は限られるので、実務的には結局は従来の「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」のデータを使うということになります。」
2、では「収載されている食品」については、利用可能炭水化物で計算してよろしいのでしょうか? 例えば糸引き納豆は利用可能炭水化物「0.3g」となっており、1kg食べても3gという驚くべき数値ですが、これを用いて構わないのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
1、利用可能炭水化物こそが血糖値を上げる正体、と解釈してよろしいのでしょうか?
「しかし、利用可能炭水化物(単糖当量)が収載されている食品は限られるので、実務的には結局は従来の「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」のデータを使うということになります。」
2、では「収載されている食品」については、利用可能炭水化物で計算してよろしいのでしょうか? 例えば糸引き納豆は利用可能炭水化物「0.3g」となっており、1kg食べても3gという驚くべき数値ですが、これを用いて構わないのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
2016/05/31(Tue) 02:50 | URL | 東京けいてぃー | 【編集】
東京けいてぃー さん
個人的に利用される場合は、2)でよいと思います。
一方、出版物などで掲載するときは、統一性や一貫性のため
従来の「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」のデータを使うということになります。
個人的に利用される場合は、2)でよいと思います。
一方、出版物などで掲載するときは、統一性や一貫性のため
従来の「差し引き法」で求められた成分値「炭水化物」のデータを使うということになります。
2016/05/31(Tue) 08:04 | URL | ドクター江部 | 【編集】
早速のご回答、まことに有難うございます。従来の1/10、1/20の糖質量となる食物が随分あるようです。俄には信じ難いですが、取り除かれた「炭水化物にしわ寄せされて」いる部分が本当に血糖値を上げないかどうか、あとは一品一品自分の体で実験ということですね。
2016/05/31(Tue) 13:39 | URL | 東京けいてぃー | 【編集】
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