インフルエンザと糖尿病。感染症と糖尿病。
こんばんは。

インフルエンザが、まだまだ発生しています。

京都府感染症情報センターによれば、2016年2月22日~2016年2月28日の期間で京都市は注意報ですが、京都府には警報が出ています。

今日の高雄病院駅前診療所の外来にも、

「先週インフルエンザに罹ったので外来予約の日に来院できませんでした。」

という患者さんが2人おられました。

うち、1名は糖尿人でしたが、HbA1cはコントロール良好であり、幸い軽くてすんだそうですが、新聞のインフルエンザの報道に「糖尿病患者は要注意」と、よく記載されています。

糖尿人がインフルエンザに感染した場合、非糖尿人よりも危険なのでしょうか?

実は「糖尿病患者は要注意」は、インフルエンザに限られたことではありません。

インフルエンザを含めたあらゆるウィルス感染も細菌感染も真菌感染も、全ての感染症において「糖尿病患者は要注意」なのです。

これは、正確には「血糖コントロールの悪い糖尿病患者は感染症に要注意」ということを意味します。

確かにコントロール不良の糖尿人は、感染症にかかりやすく悪化しやすいのです。

それでは血糖コントロールが悪いと、なぜ感染症に弱くなるのでしょう?

高血糖があると

1) 白血球の種類の中で好中球の機能が低下します。

2) 免疫反応が低下します。

3) 毛細血管の血流が悪くなります。
  血流が悪いと酸素や栄養が充分に行き渡りませんし白血球も感染部位に到達しにくくなります。

4) 糖尿病神経障害がある人では、尿路感染症や胆のう炎にかかりやすくなります。

5) 細菌やウィルスのなどの感染があると血糖値が普段より高くなるので悪循環となります。

これらが、重なり合って高血糖があると感染症に弱くなるのです。

例えば、身近な感染症で「おでき」とか皮膚にできることがあります。

白血球など免疫系の細胞がおできの中の細菌を退治にかけつけますが、血糖値が高いと毛細血管レベルで血流が悪くて末梢まで到達しにくくなります。血糖値が高いと白血球そのものの機能も低下しています。

また、最終的におできの傷がふさがって治るときに、血流が良ければどんどん肉が盛り上がって治りますが、血流が悪い糖尿病の人は、栄養分も酸素も不足して治りにくいのです。

糖尿病で血流が悪くなる最大の理由は、血糖値が高いことそのものです。

それでは、糖尿人には救いは無いのかというと、そんなことはありません。

血糖コントロールが良好な糖尿人においては、白血球など免疫細胞もしっかり働いてくれるし、血流も毛細血管にいたるまでスムースに保たれています。

従って、糖質制限食実践で正常の血糖値を保っていれば、感染症に対しても正常人と同様の力を発揮できます。

一方、糖尿病歴が長くて既に末梢の細小血管に動脈硬化など、回復不能の血流障害がある場合、その時点で血糖コントロールを良くすれば進行はとまります。

しかし過去の高血糖の記憶と言える動脈硬化そのものの改善は見込めませんので消えない借金として残ります。

読者の糖尿人の皆さん、血糖コントロールは早ければ早いほど、合併症予防に関して好ましいので、少しでも早く美味しく楽しく「糖質制限食」に取り組みましょう。



江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
カフェ
こんばんは。
先日はコメント返信ありがとうございました!
また質問をすみません。

私は21歳で、友人とカフェに行ってお茶を‥なんてことが多々あります。健康診断の結果を貰ってからは外食をできるだけ控えていたのでそういった機会を伸ばしていたのですが、ついに行くことになりました。
飲み物は紅茶かコーヒーの砂糖なしで乗り切ろうと思うのですが、予想ではほぼ必ず何か食べようとなるはず。
でもカフェといったら思い当たるのはパンケーキやお菓子、アイスクリーム、フレンチトーストなど甘いものばかり‥スープがあればスープでもいいかなと思ったのですが、飲み物を飲んでスープも‥と考えているとわからなくなってきてしまいました。
食べないのが1番なのはわかりますが、カフェでも食べれそうなものってなにかありますか??教えて下さい。


2016/03/07(Mon) 23:00 | URL | りんご | 【編集
知人の娘さんが大学に合格して受験時代の不節制から太ったことを気にしてるというわけで、糖質制限のことを伝えてみい娘さん頭良いから後は自分で調べてねと伝えたんですが。。あれから糖質制限で痩せたか?と聞きましたら「うちの真面目やからカロリー制限して痩せたわ」と報告を受け私の糖質制限のすすめかたが悪かったのかなと反省しました。知人が言うには、「娘は糖質制限は中年酒飲みダイエットでチートなイメージやわ、私はカロリー制限と運動でやるから」と言ってちゃんと痩せたようです。カロリー制限でも美味しく楽しくできるよと反論され
、楽な体使わないダイエットは中年にはいいかもやけど「運動しないで痩せられる」の糖質制限の文句に違和感があったようなんですな。相手の受け取り方なんかな。まあしょうがないかなとカロリー制限と運動で思い通り痩せたならまあいいかなと。学部は違いますが江部先生の後輩なんでかしこやからね期待したんですが。あとまわりのスタイル良人に秘訣聞いたらしいんですが関西の国公立医に現役合格した先輩は一月寒い時期に朝5時から起きて走っていたそうです。
親が風邪ひいて受験が失敗するからと怒っても、気分転換になる昼間は勉強で運動できないからと。エネルギーがある若いこはやはり動いた方がストレスも発散できて血糖値も安定するのかもしれませんわ。
ところでこの10年京大の看板がほんとに少なくなりましたな、近隣から汚いとか年々不満が多くなったとか。あそこらへん先生はめったに通らないでしょうかね。
2016/03/08(Tue) 08:16 | URL | ケロ助 | 【編集
Re: カフェ
りんごさん

1)チーズケーキ 1個100gで、15gの糖質。
2)カフェラテ  「コーヒー100ml+牛乳100ml」で約5gの糖質。
3)野菜サラダ、アボカドサラダは糖質は少なくOK。

糖尿人なら、スーパー糖質制限食で、1回の食事で20g以下の糖質が目安です。
健康・ダイエット目的なら、1回の食事で30~40gくらいの糖質量が目安です。

1)2)3)などで工夫してみましょう。
2016/03/08(Tue) 09:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
森永卓郎 糖質制限で病気が改善
森永卓郎さんが糖質制限食と運動で20kgの減量に成功しましたね。
血液検査の結果がすべて正常値になり5種類の内服薬を飲まなくてよくなったそうです。
森永さんの結果からも糖質制限食はいろいろな疾患を改善できる可能性が大きいと思います。もっともっと多くの人に普及されると良いのにと思います。
頭ごなしに糖質制限食を批判している医師の方々にももっと勉強してほしいと思います。
2016/03/08(Tue) 09:12 | URL | かおり | 【編集
Re: タイトルなし
ケロ助 さん

「カロリー制限と運動」で、体重減少させるのは、かなり難しいのですが、
その娘さん、達成できたのなら、なかなか大したものです。

あとは、健康BMIを維持できればいいですね。

京大や百万遍の辺り、車で通ることはたまにありますが、
ブラブラ歩くことは、あまりないですね。
2016/03/08(Tue) 09:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 森永卓郎 糖質制限で病気が改善
かおり さん

情報をありがとうございます。
森永卓郎さん、減量成功して糖尿病克服とは、一石二鳥で、良かったです。
2016/03/08(Tue) 09:31 | URL | ドクター江部 | 【編集
インフルエンザと糖尿病そしてケトアシドース
江部先生こんにちは

今回のインフルエンザと糖尿病について、大変勉強になりました。


去年の3月11日に2型糖尿病の親戚S(男性71歳)がケトアシドースで死亡しました。

Sは、インスリンを注射しながら、炭水化物や糖質の入ったアルコールを多量に飲食していました。
HbA1cも10を超えているようでしたので、Sの家族もかなり心配していたようです。
特に長男は、医薬品関連の会社に勤務する薬剤師だったので、何度も注意していたようです。

Sは、同年の1月中ごろにインフルエンザに感染し、食欲がなくなったそうです。
そして、低血糖を心配した長男の判断で、インスリン注射をやめたそうです。
(ここですぐに総合病院で検査を受ければ助かったのでは、薬剤師としての判断が甘かった。このブログで糖質制限を勉強している人にとっては常識なのに。)

その後、意識がもうろうとなってきたので、低血糖だと思いブドウ糖をなめさせたそうです。

病院での検査の結果、「高血糖でケトーシス」でした。

一命は取り留めたものの、2ヵ月入院後に死亡しました。


長年の炭水化物摂取のため、2型糖尿病のインスリン依存型になっていたのかも知れません。
Sは長年糖尿病専門医の下で治療を受けていたそうです。
主治医は、Cペプチドの検査で、内因性のインスリンを把握し、家族にも伝えておくべきだったのではと思いました。

また、江部先生の著書「糖質制限食パーフェクトガイド47pより」
【2型糖尿病の人が感染症、外科的処置などによりインスリン需要が増大する場合も、インスリン注射を必要としますので、一時的なインスリン依存状態といえます。】
とありますように、感染症による一時的なインスリン依存状態だったのでしょうか。

何もわからないまま、葬儀会場でSの死因(ケトアシドーシス)を知っていたのは、Sの長男と私だけでした。
2016/03/09(Wed) 08:41 | URL | オスティナート | 【編集
Re: インフルエンザと糖尿病そしてケトアシドース
オスティナートさん

親戚のSさんのご冥福をお祈りします。

【2型糖尿病の人が感染症、外科的処置などによりインスリン需要が増大する場合も、インスリン注射を必要としますので、一時的なインスリン依存状態といえます。】

Sさんは、まさに、上記の状態だった可能性が高いです。
HbA1c:10%とかコントロールが良くないときは、シック・デイに注意が必要です。

「主治医は、Cペプチドの検査で、内因性のインスリンを把握し、家族にも伝えておく」

これができていれば、危機感が違ったかもしれませんね。
2016/03/09(Wed) 13:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
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