桐山秀樹さんは、糖質制限食ではなかった。
こんにちは。

2月25日(木)発売の週刊文春に、桐山秀樹さんと長年パートナーで過ごした、文芸評論家の吉村祐美さんのインタビュー記事が掲載されました。

冒頭、吉村さんは、桐山さんの急死と糖質制限食の関係をきっぱり否定しておられます。

桐山さんは、2010年に気分不良で近医を受診、HbA1c:9.4%、高血圧、肥満、脂質異常症を指摘され、医師に「何でこんなになるまで放っておいたのですか!?」と怒られたそうです。

その少し前に、眼科の取材のときに眼底検査をして貰い、糖尿病網膜症があったとのことですので、すでにその時点で数年間以上高血糖の期間があり、一定の動脈硬化があったと思われます。すなわち高血糖の記憶(消えない動脈硬化の借金)です。

その後、高雄病院方式のスーパー糖質制限食で減量成功され、半年後には、血糖値もHbA1cもコントロール良好となられました。

桐山さんは、糖質制限食半年で、肥満が改善し、血糖値も改善した時点あたりから、ご自分で判断されて、糖質を摂取される食事となったと、考えられます。

つまり、ここ、4~5年間は、過去のように野放しに糖質摂取することははないけれど、あるていどの糖質を摂取されていたのです。

すなわち、「少なくとも最近の4~5年間は糖質制限食ではない」ということです。

吉村さんによれば、朝は果物、野菜ジュース。
昼は、サラダや卵、たまにパスタ、うどん。
夜は毎日玄米を摂取して普通のおかず。
編集者との会食、地方の取材では相手と同じもの摂取。
ということです。

取材や旅行や編集者との会食もかなり多かったので、糖質制限食の範疇(糖質摂取が130g/日以下)からは、外れています。

主治医には定期的に血液検査を受けて血糖コントロール良好を保っておられ、とてもお元気でしたので、今回のことは残念でなりません。

血糖値もHbA1cもコントロール良好を保っておられたので、桐山さんが選択された食生活が悪くて動脈硬化が進行したということではないと思いますが、グリコアルブミンや食後血糖値の測定もあればとも思います。

今回のことは、高血糖の記憶による冠動脈硬化がベースにあり、そこにストレスや多忙や旅の移動の疲れなどが積み重なって、心筋梗塞の引き金になったと考えられます。

あらためて、桐山秀樹さんのご冥福をお祈りしたいと思います。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
今後の教訓
今後は、患者に「糖質制限を始めたら、一生続けなければならない。命に関わります」と事前に説明すべきでしょうね。
2016/02/26(Fri) 16:29 | URL | ベンチュラ | 【編集
糖質制限食を実施して
江部康二先生の著作を読み、糖質制限食にチャレンジしています。非常に調子が良いように思います。二年半前にS状結腸がんの摘出手術を受け、糖尿病も年々数値が悪くなるように感じていたので、江部先生の主張に飛びつき、チャレンジをしました。糖質制限食が目の敵にされるのは、これを広めると、製薬企業と医者が儲からないからではありませんか。ブドウ糖が毒だとの認識がない処に問題の根があるかと思います。糖質を精製して食するようになったことを問題にされていますが、それよりも人類が糖質を煮て食するようになったことが問題かと思います。生命はブドウ糖が毒であることを知っているのです。だから、デンプンは簡単に消化されないように保護しているのかと思います。脂肪がもっとも消化されないと解釈されていますが、ブドウ糖を摂取するから、せっせせっせと細胞内に脂肪を貯め込むのです。ブドウ糖で存在すると毒性を発揮するから、無毒化の一環として脂肪に変換するのだと思います。生命は判ってシステムを構築し、それを運用していると考えると、見えてくるものが変わるかと思います。
2016/02/26(Fri) 16:32 | URL | 増田義雄 | 【編集
死因は糖毒?
スーパー糖質制限で糖質をかなり制限しダイエットした後に、糖質を摂る食事に戻るくらいなら、最初からカロリー制限の方がよろしいということでしょうか?
気軽にスーパー糖質制限でダイエットはしない方がよろしいでしょうか?
2016/02/26(Fri) 16:52 | URL | 彡(゚)(゚)やきう | 【編集
ナッツ摂取は良くないですか?
長年の高血糖(高血糖の記憶)で心筋梗塞になったコバタケです。
食事のことで一点教えてください。
それはナッツを食べて良いかということです。
食事は肉、魚、野菜、卵、豆腐、チーズがほとんどですが、どうしてもデザートに食べたい物としてナッツがあります。
コーヒー、日本茶、紅茶などと共にナッツを食べたくなります。
少しとか、たまになら良いでしょうが、食べ過ぎは糖質過多となり危険ですよね。
ただ、アフリカのジャングルで何百万年も食べ続けた食料ですから、炭水化物と糖質摂取量が同じでも危険性は低いかも?と考えたりします。甘いでしょうか?
訳の分からない質問かもしれません。その場合は無視していただいても仕方ないと考えております。
2016/02/26(Fri) 17:02 | URL | コバタケ | 【編集
Re: 今後の教訓
ベンチュラ さん

1)普通に野放しで糖質を食べている糖尿人
2)従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で清く正しく頑張っている糖尿人
3)山田悟先生流の緩やかな糖質制限食を実践している糖尿人
4)高雄病院のスーパー糖質制限食を実践している糖尿人

1)>2)>3) と、
糖尿病合併症のリスクは増えていきます。
それでも、2)と3)の間でも、はっきりリスクの差はあります。

しかし3)は糖尿人においてはあるていどの「食後高血糖」を生じるので一定のリスクはあります。

4)で血糖コントロール良好なら、正常人と変わりないので、糖尿病合併症のリスクはほとんどないです。

どの食事療法を選ぶかは、その個人の自由です。
2016/02/26(Fri) 19:12 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限食を実施して
増田義雄 さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
体調良好も良かったです。

人類は狩猟・採集(糖質制限)で700万年進化してきましたので、
ご指摘のように
身体は穀物(糖質)を大量に摂取するようなシステムは持っていません。

現状の穀物摂取比率50~60%という数字は、とんでもないバランスと思います。
2016/02/26(Fri) 19:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 死因は糖毒?
彡(゚)(゚)やきう さん

1)普通に野放しで糖質を食べている糖尿人
2)従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で清く正しく頑張っている糖尿人
3)山田悟先生流の緩やかな糖質制限食を実践している糖尿人
4)高雄病院のスーパー糖質制限食を実践している糖尿人

1)>2)>3) と、
糖尿病合併症のリスクは増えていきます。
それでも、2)と3)の間でも、はっきりリスクの差はあります。

しかし3)は糖尿人においてはあるていどの「食後高血糖」を生じるので一定のリスクはあります。

4)で血糖コントロール良好なら、正常人と変わりないので、糖尿病合併症のリスクはほとんどないです。

どの食事療法を選ぶかは、その個人の自由です。

糖質を意識するだけでも違います。
糖質摂取が少ないほど、身体には優しいと思います。
2016/02/26(Fri) 19:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ナッツ摂取は良くないですか?
コバタケ さん

ナッツ類は、私もよく食べます。
スーパー糖質制限食は間食として、1回5g程度を推奨です。

ミックスナッツなら、20粒くらいまで大丈夫です。
1日2回くらい大丈夫です。

ギンナン、栗、カシューナッツはやや糖質が多いです。
クルミが糖質が少ないです。
2016/02/26(Fri) 19:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
桐山さんのこと、すごく残念です。私は糖質制限4年目、その前に高血糖が10年近いですから、桐山さん同様に負の遺産をたっぷり抱えていると思います。だからこそ、江部先生の本、宮本輝さんの本、そして、桐山さんの本をなんども読み返し、自分を鼓舞し、「まだ続けているの」と揶揄されても、続けています。それでも、空腹時が高い日もあり、仕事で外食するときは、薬を飲みという生活です。
なぜ、糖質制限の本まで書かれた方が、玄米食になられたのか、そのあたりが知りたいです。
血糖値をご自身では計測していなかったのでしょうか。
どうぞ、先生、これからは、糖質制限は一生ものと広めてくださいませ。体重が減っても安心しないように。
なんだか、今回の記事でよけいに、ショックでした。
2016/02/26(Fri) 23:01 | URL | 横浜M | 【編集
ナッツ摂取のご回答ありがとうございました
銀杏、栗は食べてません。カシューナッツもほとんど食べません。ナッツ本来のほのかな甘味とふりかけてある塩味が美味しくてミックスナッツを食べてましたが、江部先生も少しは食されると聞いて安心しました。これからも過食を避けながら続けることにします。なお、掛かり付けの病院で2ヶ月、ヘモグロビンA1cが5.3と最低値を続けたので、減らされ続けた糖尿病薬グラクティブ錠50mgをとうとう無しにされました。また、無職になって通勤や長時間勤務から解放されて同時に過食の必要もなくなり、付き合い上糖質を少しは食べなければならない会食もなくなり、本当に少食とスーパー糖質制限食に近づくことができました。前も申しましたが、味付けに醤油を使うと甘くて甘くて・・・食習慣を変えると舌感覚もすごく変わりました。
2016/02/27(Sat) 04:54 | URL | コバタケ | 【編集
Re: タイトルなし
横浜M さん

玄米は、桐山さんの個人の嗜好であり、個人の選択と思います。

食事療法の中で糖質制限食も選択肢の一つです。、
あとは自分の頭で考え判断し、どの食事療法を選択するかは、個人の自由と思います。
2016/02/27(Sat) 07:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
はじめまして。50歳、男性です。
糖尿病の診断を受けた後、先生の本に巡り合い、おかげさまでHbA1c8.4が5.5に、食後血糖値260が91に改善しました。ありがとうございました。
しかしながら一方でLDLコレステロールが100前後であったのが169に上昇しました。
1 糖質制限によりLDLコレステロールは上昇することがありますか?そうであれば改善する方法はありますか?
2 糖質制限は脂肪肝の改善にも効果がありますか?
ご回答戴ければ幸甚です。
2016/02/27(Sat) 08:39 | URL | おおた | 【編集
Re: タイトルなし
おおた さん

拙著のご購入、ありがとうございます。
HbA1c、血糖値の改善、良かったです。

脂肪肝は糖質制限食実践で、改善します。

糖質制限食実践後の検査データの推移に関しては以下をご参照いただけば幸いです。

2015年10月20日 (火)の本ブログ記事
「江部康二の検査データ及び糖質制限食実践時の検査データの推移。」
2016/02/27(Sat) 16:05 | URL | ドクター江部 | 【編集
医師です。よく配慮されたコメント 江部先生の心遣いに感服しました。コメントへのレス含め。
まだ食生活についてはわかっていないこと 伝えきれていないことがどっさりありますね。

パーキンソン病も、ブラーク仮説がたてられて、正に 早期治療介入したつもりでも もっと早期 つまり30台には変性が決まっている?
など、動物と違って長期に生きる私たちの
食やストレスの 記憶 効果は度しがたい。
しかし、ありそうなことです。
2016/03/06(Sun) 00:42 | URL | 語学好き | 【編集
Re: タイトルなし
語学好き さん

コメントありがとうございます。
またいろいろ、医学情報をご教示いただけば嬉しいです。

2016/03/06(Sun) 18:24 | URL | ドクター江部 | 【編集
おかげさまで、ヘモグロビン10.7から6をきりました。薬もやめております。糖質制限でなくても改善しましたので、ご報告です。
2016/03/18(Fri) 13:34 | URL | 運動好きな糖質摂取さん | 【編集
Re: タイトルなし
運動好きな糖質摂取さん

それは良かったです。

運動だけで血糖値やHbA1cを下げるのは結構難しいものなので、
たいしたものです。

かなりの運動量をこなされたのでしょうね。

2016/03/18(Fri) 16:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
血糖値
江部先生こんにちは。私は軽い糖尿病ということで、一時はどうすればと頭を抱えました。その時先生の糖質制限の本と出会い目の前が開けました。その後約3年と4か月、糖質制限でこの間、月1回の検査でHbA1cが5,2から5,4の間をキープしています。でも、稀に食後2時間後の血糖値が180とかがあったりするのですが、Ha1cが今のような状態であれば問題はないのでしょうか、少し高めの時があるので気にしています。ご教授よろしくお願いいたします。
因みに糖尿病の薬は服薬していません。
2017/05/29(Mon) 18:07 | URL | オイド | 【編集
Re: 血糖値
オイド さん

HbA1cが5.2~5.4%なら、平均血糖値は102.5~108.3mg/dlです。
まず問題ないです。


「稀に食後2時間後の血糖値が180」
これは、たれとかソースとか調味料とか、注意しましょう。

食後高血糖がどのていどあるかは、グリコアルブミンを測定してみましょう。

2017/05/29(Mon) 18:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
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