さらなる糖質制限の発展へ。糖質制限と断食はケトン体の有効利用。
【16/02/06 たがしゅう

さらなる糖質制限の発展へ

江部先生

記事にまでして頂き有難うございます。

糖質制限と出会ったおかげで、私は糖質制限と断食(絶食療法)がケトン体の有効利用という点で一本の線でつながるという事を理解する事ができました。

今回紹介した論文のように、たとえ糖質制限に関して直接の言及がなくとも、 絶食療法に関する論文をみても糖質制限への理解を深める事ができます。

また糖質制限の臨床効果を実感を持って知っているからこそ、こうした論文の考察を興味深く読む事ができます。

あるいは、糖質の中毒性について学ぼうと思えば、禁煙関係の論文を読むと理解が深まります。

なぜならば糖質もタバコに含まれるニコチンも、脳の側坐核を中心とした報酬経路をドーパミンという神経伝達物質を介して刺激するという共通点があるからです。

たとえば、禁煙継続の鍵は1年以上継続できるかどうかであるという事を疫学的に実証した研究がありますが(Garcia-Rodriguez O, et al. Probability and predictors of relapse to smoking: results of the National Epidemiologic Survey on Alcohol and Related Conditions (NESARC). Drug Alcohol Depend. 2013 Oct 1;132(3):479-85. PMID: 23570817)、

この事は理論的な理解なくして高糖質食から糖質制限食へ移行する事の難しさを示唆していると思います。

糖質の中毒性に関して研究された論文は見かけませんが、喫煙の中毒性に関して研究された論文は他にも数多くあります。

そこから学べることは多いです。

そういう意味では、糖質制限がいろいろな分野の話との架け橋となり、既存の医学的事実を見直す大きなきっかけを与えてくれていると思います。

私も糖質制限を知らなければ、おそらく絶食療法の論文や禁煙関係の論文など読もうとすら思わなかったことでしょう。

糖質制限がよいという結論は、多くの実践者が知るところでしょうけれど、 その理論的な裏付けが高まれば高まるほど、実践者にとってさらなる安心を与え、 また一人の人間ができる事には限りがありますが、各分野の専門家がそれぞれの分野の視点からの考察を加えれば、 今までには全くなかった別の視点が見えてくるようになり、さらなる糖質制限の発展へとつながるに違いありません。

そのためにも理論的な裏付けが増える事は大事ですね。

今後も先生のブログで勉強させて頂きながら、 私自身の視点からも引き続き考察を続けていきたいと思います。

今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。】



こんばんは。
神経内科医のたがしゅう先生から
「さらなる糖質制限の発展へ」というコメントを頂きました。
ありがとうございます。


「糖質制限と出会ったおかげで、私は糖質制限と断食(絶食療法)がケトン体の有効利用という点で
一本の線でつながるという事を理解する事ができました。」


同感です。
私は34歳のときに、初めて「本断食」を行いました。

その縁で絶食研究会にも入会したので、脳がブドウ糖だけでなくケトン体を利用できることは、そのとき知識として入りました。

その後1999年に、私の兄江部洋一郎院長(当時)が、高雄病院に糖質制限食を導入しました。

私自身は、2001年から糖質制限食に取り組みました。
スーパー糖質制限食は、脂肪56%、たんぱく質32%、糖質12%です。

糖質制限食がきっかけで、ケトン食にも出会い、興味を持ちました。
ケトン食は、脂肪摂取比率が約90%近い究極の糖質制限食です。

ケトン食は小児難治性てんかんの治療食であり、近年では、がんの治療食としても注目されています。

いずれにせよ、たがしゅう先生がご指摘のごとく、ケトン体がキーワードです。

さらに、宗田先生のご研究により、胎児・胎盤のケトン体は成人の血中濃度の20~30倍もあることが確認されました。

つまり胎児のもっとも重要なエネルギー源はブドウ糖ではなく、ケトン体である可能性が強く示唆されました。

さらに、欧米の論文で、


『ケトン体の一種であるβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)が炎症の要となるインフラマソームを直接阻害することで炎症を抑制する可能性が示唆された』


『絶食で過剰な炎症産生源となったインフラマソームの働きを抑制するのは、 ケトン体がサーチュインを介してミトコンドリア機能を改善させる事によって起こるのではないか』

というようなことも判明してきました。

ケトン体は、随分長い間、医学界では悪者にされてきましたが、悪者どころか、とても優れものだということで、おおいに名誉回復です。

「糖質の中毒性について学ぼうと思えば、禁煙関係の論文を読むと理解が深まります。
なぜならば糖質もタバコに含まれるニコチンも、脳の側坐核を中心とした報酬経路をドーパミンという神経伝達物質を介して刺激するという共通点があるからです。」

「たとえば、禁煙継続の鍵は1年以上継続できるかどうかであるという事を疫学的に実証した研究があります。この事は理論的な理解なくして高糖質食から糖質制限食へ移行する事の難しさを示唆していると思います。」


ニコチン依存症やアルコール依存症は有名ですが、糖質依存症の認知度は、まだまだ低いです。

糖尿病専門医や栄養士の指導を鵜呑みにせずに、自分の頭で考えて、判断し、選択するということがとても大切だと思います。

そのためにも、糖質制限食の理論を理解することは大切と思います。

理論を理解して、初めて自分で判断することができます。

糖質制限基礎理論の多くは、シンプルで難しくはありませんので、本を1冊通して読んで頂ければ、医学的知識がなくても速やかに理解できて、実践できると思います。


「糖質制限がよいという結論は、多くの実践者が知るところでしょうけれど、 その理論的な裏付けが高まれば高まるほど、実践者にとってさらなる安心を与え、 また一人の人間ができる事には限りがありますが、各分野の専門家がそれぞれの分野の視点からの考察を加えれば、 今までには全くなかった別の視点が見えてくるようになり、さらなる糖質制限の発展へとつながるに違いありません。 そのためにも理論的な裏付けが増える事は大事ですね。」

賛成です。

患者さんが実践するうえでの基本的糖質制限的知識に加えて我々いろんな分野の医師が、まだわかっていない部分などを
話しあい、協力して、精度を高めていけば、さらなる糖質制限理論の発展や何らかの「ブレーク スルー」が起こる可能性もありますね。


「今後も先生のブログで勉強させて頂きながら、 私自身の視点からも引き続き考察を続けていきたいと思います。
今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。」


こちらこそ、よろしくお願い申し上げます。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
都内区役所主催糖尿病教室参加して。
都内河北 鈴木です。

先日見識深めようと区役所主催糖尿病教室参加して来ました。

講師は地域の名の有るJ病院K副院長でしたが、開始時役所女性担当者が自身は九州大学卒の縁でK副院長に講師をお願いしたとのことでした。

開始直前、「脳の栄養素はブドウ糖ですからK先生にその重要性の説明を講演していただきます。」とありました。
2016.2.10.(水)時点でですよ。(私は内心、大笑い!)

執りあえず講演1時間半。
内容はクスリ説明が主流。 患者の糖尿病教室ですよ!!
(くすりセ~ルスかと勘違いするほど)

講演聴き終わり、質問タイムがありましたので、江部先生・糖質制限理論で生還した私なりの理解把握持論を1番目に挙手し質問しました。

1、「江戸患い、日清日露戦争で糖質=白米に栄養価無いことは歴史事実だと思うのですが、K先生の説明で病院食で御飯減らすと良好だと説明ありますが、ならばより糖質=御飯を減らせば良いのではないですか?

2、糖質を食べなければならない必要性は何ですか?

3、2005年ジョスリンは糖質摂取40%以下が望ましいと発表しています。
日本は3013年に糖質摂取を60、55、50%と改定しましたが、日本人は生態が世界と違うのですか?

などを質問しましたが、全て「エビデンスが無い。」と返答終始でした。
欧米先進国医学界エビセンスなどの説明無し!
糖質作用、害毒説明無し!!
ケトン体説明無し!!

さすが九州大学卒!!

講演内で、「糖尿病悪化は認知症をも発症悪化すると、福岡久山町研究で判明しています。」と説明ありました。

私はコノ副院長先生九州大学卒なのに、誰が久山町に研究名目で糖尿病発症増やしたのか
理解把握していないのか?
惚けているのか?
このネット時代に、患者を馬鹿だと愚弄しているようでした。

講演終了後、K先生には1つのデ~タとして江部先生・糖質制限理論で生還した私の21年が3ヶ月で正常化し、その後、眼・脳に後遺症残しながらも糖尿病服用薬不要に改善生還したデ~タを提示しておきました。

以上の私の行動をどのように捉えるかは、専門医として真摯に考えなければ、医療者として先は見えますね。

糖尿病教室開催しているにも関わらず、患者に質疑応答で返答できない無知無能の肩書きある専門医は都内に数多くいます。

来月、私を悪化させ反省学習なく暴言・嫌がらせ追い出し紹介状書い都内K総合病院副部長Oの上司、内科部長糖尿病専門医Y女医の区主催糖尿病教室へ見識深める為に予約しましたので、質疑応答が楽しみです。

Y女医部長の対応次第で私の黄門様同様の印籠、反省学習無く嫌がらせ対応したK総合病院での糖質制限理論での改善デ~タを公表します。
敬具



2016/02/12(Fri) 20:50 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
ブドウ糖負荷試験によるインスリン分泌量について
江部先生、ブログをいつも興味深く拝見させて頂いております。
今回、ブドウ糖負荷試験を受け、その結果について不明な点があった為、ぜひ先生にご意見頂きたいと思い、こちらにコメントさせて頂きます。

私は31歳の専業主婦、150センチの41キロです。
健康診断でヘモグロビンa1cか5.5と、3ヶ月前の5.1から急上昇していたのと、自己血糖測定で食後2時間後に180台が何度か出た為、ブドウ糖負荷試験を受けました。

結果、
空腹時血糖 78 IRI 4.5
30分血糖 144 IRI 159.1
60分血糖 81 IRI 46.4
120分血糖 99 IRI 59.6

というものでした。
幸い、現段階で糖尿病または予備軍という診断はなかったのですが、30分後のインスリン分泌量が異常な程多いという説明を受けました。あわせて報告書を頂いたので、グラフを見て一目で異常な数値だとわかりました。
医師からの説明は、インスリンを無駄遣いしている状況で、この形が続くとインスリンの出が悪くなり血糖値が下がらなくなる、よって糖尿病に移行する可能性が高い。とのことでした。
しかし今できることはなく、様子観察という旨の話で診察は終了しました。

そもそも、なぜこのようなインスリンの出方をするのか?食後高血糖もしくは高血糖だった為に膵臓が頑張りすぎているのか、何か他に原因があるのか?という疑問と、ブドウ糖負荷試験のような糖質の摂り方をしなければ(基本的に夕飯の糖質制限をしています)インスリンはこのような出方にならないのか?という疑問があります。

糖質制限を始めて、肌の調子や胃の調子がよくなったことを踏まえ、今後も継続していきますが、他に気をつけなければならないことがあればぜひご教示頂きたいです。

お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ぜひよろしくお願い致します。
2016/02/12(Fri) 23:46 | URL | ラン | 【編集
切磋琢磨
江部先生や夏井先生の糖質制限で救われた、たがしゅう先生。
教えは確実に伝承され、互いに切磋琢磨されていますね!

このお二人がお越しになる豚皮揚げを食べる会in京都の幹事を務めさせて頂く事になりとても光栄です!(嬉)
2016/02/13(Sat) 07:51 | URL | 岸和田のセイゲニスト | 【編集
Re: 都内区役所主催糖尿病教室参加して。
都内河北 鈴木 さん

その先生方は、2013年10月に米国糖尿病学会が、地中海食やベジタリアン食と共に
正式に「糖質制限食」を受容したことも、ご存じないのでしょうね。

「米国糖尿病学会(ADA)は、成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)を改訂したと発表(Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版)。」

患者ごとに個別に様々な食事パターン〔地中海食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH食〕が受容可能。(ADA)
2016/02/13(Sat) 08:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
返信ありがとうございます。
都内河北 鈴木です。

文才無いので毎回全てを伝えられませんが、今回の糖尿病教室講演内でのK副院長への質問の1つに、江部先生糖質制限理論で改善以上、生還した私は質問してみました。
「最近江部康二医師の糖質制限理論食生活を聴きますが、K先生の見解を御聞かせください。」としたところ、
「江部先生の著書は数冊読みましたが、炭水化物は必要です。」と返答でした。

返信コメントで江部先生が指摘するように、無知なのか、患者を馬鹿だと考えて自身に都合の良い理論説明終始でした。

ですから帰り際私の生還デ~タを1つデ~タとして提示した時には無言でした。
(三文ドラマの結末みたい痛快!でした。)

この講演でうれしい事がありました。江部先生のブログ読者がいました。
その方は区役所職員で私の質問内容から「御医者さんですか?」と訊ねられましたが、「私は江部先生糖質制限理論実践で生還者です!」と伝えました。
今回私が質問した知識は江部先生ブログ・著書発信を自身でネット確認学習したからですと説明しました。
その方は今一糖質制限理論を理解不足のようでしたので、私の改善デ~タ提示したら声だし感動していました。
デ~タの知識はあるようで、「信じていた事が間違いなかった」かの様でした。
そのことから私の生還デ~タを渡し、江部先生ブログ・著書を継続して読む事の有益性を話しました。

その区職員と話していても、やはり私が改善目覚しかったのは会席料理調理師としての食材知識が豊富だった事が要因の1つの様です。
敬具
2016/02/13(Sat) 12:39 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
Re: ブドウ糖負荷試験によるインスリン分泌量について
ラン さん

30分後のインスリン分泌は確かに多いですが、特に問題はないと思います。

インスリンには24時間、持続的に少量分泌されている「基礎分泌」と
食後に出る「追加分泌」があります。

追加分泌には、前もって溜められていたインスリンが出る第一相と
糖質を摂取が続いたとき新たに作られてでる第二相があります。

30分値は、第一相を見ていますので、少々多くても、β細胞への負担はないと思います。

75gブドウ糖負荷というような、極端な糖質を摂取せずに、今の糖質制限でよいと思いいます。
2016/02/13(Sat) 17:23 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 切磋琢磨
岸和田のセイゲニスト さん

豚皮揚げを食べる会in京都、徐々に近づいてきましたね。
楽しみです。
2016/02/13(Sat) 17:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 返信ありがとうございます。
都内河北 鈴木 さん

その先生、私の本を読んでくれただけましですが、
ご理解頂けなかったとは残念です。

「私が改善目覚しかったのは会席料理調理師としての食材知識が豊富だった事が要因の1つ」

そうでしたか。
確かに料理人の方々は、理解が早い気がします。
2016/02/13(Sat) 17:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます!
お忙しい中、ご返答頂きありがとうございます!
とても安心致しました。

お時間がありましたらもう一つ教えて頂きたいのですが…
糖質制限を始めて、尿素窒素の数値がどんどん上昇し、現在19と基準値上限ギリギリなのですが、これは糖質制限と何か関係があるのでしょうか?また、何か気をつけたほうがいいことがあれば教えて頂きたいです。
よろしくお願い致します。
2016/02/13(Sat) 21:41 | URL | ラン | 【編集
Re: ありがとうございます!
ラン さん

たんぱく質摂取が多いと尿素窒素が増えますが、これは生理的なものです。

血清クレアチニン値や血清シスタチン値が正常なら、腎機能は正常なので、問題なしです。
2016/02/14(Sun) 15:30 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます!
安心致しました。
2016/02/14(Sun) 21:26 | URL | ラン | 【編集
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