2016年02月10日 (水)
こんばんは。
体重減少に関しての質問がよくあります。
今回は糖質制限食による体重減少効果を整理整頓してみます。
今まで利点に入れていた
「ケトン体の尿中排泄によるエネルギー放出」はごく微量なので省くこととし、
5つの利点を4つにしました。
<スーパー糖質制限食の4つの利点>
◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。
高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。
DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。
食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。
◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。
①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、
体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。
たとえ低脂質食でカロリー制限していても、糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。
これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー、基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>
1)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」
3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
が認められる。
1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、体重が減少しやすいことは明白です。
<推定エネルギー必要量と糖質制限食>
減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように
男性:1400~2000kcal/日
女性:1200~1800kcal/日
といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
スーパー糖質制限食実践と「日本人の食事摂取基準」の標準的な摂取エネルギーなら、適正体重になると思います。
<倹約遺伝子タイプ>
なお、倹約遺伝子をもつ基礎代謝が体質的に低い方々は痩せにくいです。
この場合は「スーパー糖質制限食+カロリー制限食」が必要です。
身長にもよりますがおよそ
男性1600~1800kcal/日
女性1200~1400kcal/日
くらいが目安でしょうか?
倹約遺伝子タイプは、女性が多いと思います。
江部康二
体重減少に関しての質問がよくあります。
今回は糖質制限食による体重減少効果を整理整頓してみます。
今まで利点に入れていた
「ケトン体の尿中排泄によるエネルギー放出」はごく微量なので省くこととし、
5つの利点を4つにしました。
<スーパー糖質制限食の4つの利点>
◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)が基礎分泌以外ほとんど出ない。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。
高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。
DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。
食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。
◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。
①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、
体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。
たとえ低脂質食でカロリー制限していても、糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。
これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー、基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>
1)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」
3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」
が認められる。
1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、体重が減少しやすいことは明白です。
<推定エネルギー必要量と糖質制限食>
減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように
男性:1400~2000kcal/日
女性:1200~1800kcal/日
といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
スーパー糖質制限食実践と「日本人の食事摂取基準」の標準的な摂取エネルギーなら、適正体重になると思います。
<倹約遺伝子タイプ>
なお、倹約遺伝子をもつ基礎代謝が体質的に低い方々は痩せにくいです。
この場合は「スーパー糖質制限食+カロリー制限食」が必要です。
身長にもよりますがおよそ
男性1600~1800kcal/日
女性1200~1400kcal/日
くらいが目安でしょうか?
倹約遺伝子タイプは、女性が多いと思います。
江部康二
江部先生
前記事でお返事をいただきありがとうございました。
こちらの記事も拝読して、やはりカロリーをある程度控えるべきだと考えました。
身体活動レベルがものすごく低いタイプだと思いますので…。
BMIは24で、あと5キロ程減らしたいので、適切にカロリーも考えつつ、スーパー糖質制限食を続けてみたいと思います。
目標値に達しましたら、こちらでご報告させていただきます!
前記事でお返事をいただきありがとうございました。
こちらの記事も拝読して、やはりカロリーをある程度控えるべきだと考えました。
身体活動レベルがものすごく低いタイプだと思いますので…。
BMIは24で、あと5キロ程減らしたいので、適切にカロリーも考えつつ、スーパー糖質制限食を続けてみたいと思います。
目標値に達しましたら、こちらでご報告させていただきます!
2016/02/11(Thu) 06:27 | URL | | 【編集】
回診も呼び出しもしないリハビリ病院に昨年、5ヶ月も入院していた当時、私は医者の前で卑屈でした。看護師やリハビリ師しかいないところでも○○先生と呼んで、気をつけてました。なぜかというと、当時会社を病気を理由に休業していたからでした。会社は医者の診断書を正当な休業の証明書と認め、少し安くなりましたが、給料をくれましたし、相当な長期間休業を認めてくれました。退職時に退職金もくれたし、健保からも傷病手当金をもらいました。会社なんて医者の診断書一枚をものすごく重要視するところです。それがなければ、即刻クビです。おそらく、どこの会社も役所もそうでしょう。内心「この○△め」と思ってましたが。要するに、診断書をもらいたい一心で頭を下げてました。もちろん糖質制限食を教えていただいた江部康二先生や心筋梗塞を手術してくれた医者には心から感謝しております。朝から愚痴ですみませんでした。
2016/02/11(Thu) 07:59 | URL | コバタケ | 【編集】
| ホーム |