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炎症シグナルの指揮者インフラマソームとケトン体。
こんにちは。

「インフラマソーム」という概念が注目されています。

私も浅学にして、全く知らなかったのですが、最新の注目される研究分野のようです。

とても難しいのですが、学術用語をできるだけなしにして、私にもわかる範囲で概略を説明したいと思います。

細胞内の“異物”により活性化し、炎症反応を誘導するタンパク質複合体が「インフラマソーム」です。

以下、京都大学のサイトから引用
http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2013_1/131104_1.htm

「インフラマソームの形成は病原微生物の感染によって誘導され、それに基づく炎症応答は多くの場合、感染防御に有効であり、インフラマソームは腸内細菌叢の制御および腸管上皮バリアの保護に働き、腸管の恒常性維持に寄与するとも考えられています。

一方、インフラマソームが示す負の側面も知られており、刺激因子の種類によっては、過剰なインフラマソーム形成が不適切かつ持続した炎症を惹起し、動脈硬化、痛風、2型糖尿病、アルツハイマー病などの各種疾患の発症に関わります。

また、ある種の自己炎症疾患の発症はインフラマソーム構成タンパクの突然変異が関与することも示唆されています。そのため、インフラマソームの形成または活性の制御機構を解明することは、病態機構の理解を深め、診断や治療へ貢献するものと期待されます。」



このようにインフラマソームは、感染防御に役立つ側面もあるのですが、近年研究されて問題となっているのは、負の側面の方です。

インフラマソームは、病原成分、アスベストなどの外来性因子、尿酸結晶などの内在性因子により活性化され、感染症、糖尿病、動脈硬化、自己免疫疾患、虚血傷害など、様々な疾患の発症と進行に中心的役割を果たしています。

さて、ここからが本題です。

「絶食や低炭水化物食、激しい運動で炎症が抑制されるのは、ケトン体(BHB)による効果の可能性が示唆された」

という論文が、Nature Medicineという国際医学雑誌に掲載されたのです。(*)

ネイチャー・メディスンはインパクトファクターが27と高くて大変権威ある医学雑誌です。

論文によれば、β-ヒドロキシ酪酸(BHB)が、インフラマソームと呼ばれる炎症関連の分子複合体の一部であるNLRP3を直接的に阻害していたということです。

β-ヒドロキシ酪酸(BHB)は、ケトン基は持っていないのですが、慣例上ケトン体の一種に分類されています。

結論としては、

『ケトン体の一種であるβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)が炎症の要となるインフラマソームを直接阻害することで炎症を抑制する可能性が示唆された』

ということです。

炎症を抑制することにより、感染症・糖尿病・動脈硬化・自己免疫疾患・虚血傷害など、様々な疾患の改善に、ケトン体(BHB)が役に立つ可能性があることとなります。

スーパー糖質制限食で、糖尿病や肥満だけではなく、アレルギー疾患など含めて様々な生活習慣病が改善する要因として、血中ケトン体が上昇してインフラマソームを阻害することが関与している可能性が示唆されます。


(*)
http://www.nature.com/nm/journal/v21/n3/full/nm.3804.html
The ketone metabolite β-hydroxybutyrate blocks NLRP3 inflammasome–mediated inflammatory disease
Nature Medicine 21, 263–269 (2015) doi:10.1038/nm.3804



江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
胃腸炎時の食事
江部先生、また糖質制限、ケトン体の有効性が示され、非常に心強く思っています。
ここ数日、微熱と水様便が続いていました。解熱した後も水様便は続きました。さすがに不安になり病院にかかったところ、ウイルス性胃腸炎であろうとのことで、胃腸薬を処方してもらい、自分でもミヤリサンを服用するなどしたところ、よくなりました。

さて、病院で食事に関して、消化の良いもの、例えば、おかゆ、やわらかいうどんを食べてくださいと言われました。曲がりなりにも糖質制限をしている私としては、”それらは本当に消化にいいんですか?”と質問しようと思いましたが、話が長くなるだけと思い、何も言いませんでした。

とはいうものの、胃腸炎などで食欲がなくなると、肉や魚を食べる気になれず、おかゆ、うどん、バナナ(いずれも糖質制限では禁のもの)なら食べようかなと思うのも事実です。消化がいいのはタンパク質だとわかっていても、なかなか食べる気になりませんでした。

日本では、こういうケースでは”おかゆ”ということになりますが、いわゆる食文化の影響もあると思います。欧米では、どのような食べ物が勧められているのでしょうか?
胃腸炎時でも、食べるとすれば、糖質制限を意識したほうがいいのでしょうか?

また、消化にいい食べ物とは?胃滞留時間だけで考えればいいのか、最終的な栄養素まで分解され、血中に反映されるまでの時間を考えるべきなのか?

ウイルス性胃腸炎にかかり、いろいろと改めて考えました。
2016/02/04(Thu) 19:38 | URL | じょん | 【編集
「ただただ感謝感謝です」。
「雰囲気が柔らかくてとても感じのいい病院で、よかったね。2週間がんばれ!」
と、同行してきてくれた入院初日の妻の帰り際の一言。

「こちらに来られて如何でしたか?」
「本当に良かったです。色々調べていただき、自分の体についての不安が解消し、今までの疑問に納得がいきました。」
「(笑顔で)私もそれを伺って嬉しいです。」
と、2週間の検査・教育入院を終える最後の日の看護師さんとのやりとりです。

2週間、色々な角度から色々な検査をしていただき、所謂一般の人間ドックでは知り得ない現在の自分の体の状態を知ることが出来ました。
入院中全40食の糖質制限食(始めの5食は糖尿病食)をおいしくいただき、帰宅後の栄養指導を賜り、プリントしていただいたレシピを見ながら、帰宅後も楽しんでスーパー糖質制限食を続けています。お陰で、今のところ帰宅後の毎日のSMBG空腹時血糖値がずっと90台をキープしています。

これまでの自分の体に染みついた20年近くの糖尿病の記憶が、少しずつ体から消えていくことへの希望を捨てずに、日々の食事を楽しんで生活していきたいと思っています。

毎日お世話をして下さった高雄病院の全てのスタッフさん達、とても明るく素敵な方々ばかりでした。
一人ひとりの患者のことを本当に考えて下さっている「医師 江部康二イズム」が高雄病院の隅々まで行き渡っているなあ(失礼)と感じていました。
病室の窓から見る外の世界…快晴の日がありました。雪化粧した日もありました。寒風の中、屋上で洗濯物を干した日もありました。全ての日々にありがとうございました。
さらに、お忙しい江部先生のご聡明洒脱なご講義にも少人数で拝聴できる(ご著書に書かれていることも直接伺え、すぐに答えていただけることはまた新たな理解に繋がりました。)という貴重な時間が満載の、最高に充実した日々を過ごすことができました。

迎えに来た妻と病院からの帰り道に、近くのお店でうわさの「江部粉」を購入しました。
家に帰り、おいしいパンに焼けました。

高雄病院のみなさま、
入院中大変お世話になりました。
ありがとう存じました。

ホスピタリティあふれる日々を享受した「魚田フラント」より 
2016/02/04(Thu) 20:04 | URL | 魚田フラント | 【編集
謎が解き明かされてゆく
江部先生

いつもお世話になります。
興味深い情報を有難うございます。

インフラマソームと言えば、私も最近次のような論文を読みました。

Traba J, et al. Fasting and refeeding differentially regulate NLRP3 inflammasome activation in human subjects. J Clin Invest. 2015 Nov 3;2015. pii: 83260. doi: 10.1172/JCI83260.

背景:
NLRP3インフラマソームの活性化は代謝機能障害と関連があり、

間欠的絶食はNLRP3インフラマソーム関連疾患の臨床症状発現を改善させる事が示されてきている。

傷害関連分子パターンとしての機能があるミトコンドリアの混乱がNLRP3インフラマソームの活性化を悪化させるので、

我々は絶食がサーチュインに介在されるミトコンドリア完全性の増大を介してインフラマソームの活性化を鈍化させるかどうかを調査した。

方法:
我々は19名の健常ボランティアに対し臨床研究を行った。

それぞれのボランティアに24時間の絶食を行い、その後カロリーが固定された食事を与えた。

血液検査を絶食中と絶食後の食事を与えた状態とで行い、NLRP3インフラマソームについて解析を行った。

さらにサーチュインアクチベーター、ニコチンアミドリボシドのNLRP3インフラマソームに対する影響を評価するために追加で8名の健常ボランティアを登録した。

結果:
絶食/再摂食研究では、個々人は絶食期には再摂食期に比べてNLRP3インフラマソームの活性化が少なくなる事が判明した。

ヒトマクロファージの系列では、ミトコンドリアに富むサーチュイン脱アセチル化酵素、SIRT3の欠失がミトコンドリアでの活性酸素種の過剰産生を介してNLRP3インフラマソームの活性化を増加させた。

さらに遺伝的および薬理学的にSIRT3の活性化は健康ボランティアや対象者の絶食中ではなく


再摂食時に集められた検体から抽出された培養細胞や白血球でのミトコンドリア機能の向上と並行してNLRP3活性を鈍化させた。

結論:
まとめると我々のデータは、栄養水準がNLRP3インフラマソームを制御し、それは部分的にSIRT3を介したミトコンドリアの恒常性制御を通じて行われている事を示している。

さらにこれらの結果は脱アセチル化酵素に依存するインフラマソームの減衰がヒトの疾患を標的にする事に従うかもしれない。


ケトン体にはミトコンドリア機能改善作用がある事も示されていますので(Stafstrom CE, Rho JM. The ketogenic diet as a treatment paradigm for diverse neurological disorders. Front Pharmacol. 2012;3:59. Epub 2012 Apr 9.
)、

これらの話を総合しますと、「絶食で過剰な炎症産生源となったインフラマソームの働きを抑制するのは、

ケトン体がサーチュインを介してミトコンドリア機能を改善させる事によって起こるのではないか」

と理解を深める事ができます。

そうであるならば、同じくケトン体を産生できるスーパー糖質制限食にも同様の効果が期待できる事は容易に理解できます。


古来から断食(絶食)はなぜかわからないけど効果があるという事は人から人へと伝わり、

時代の流れの中で脈々と受け継がれてきました。

その謎だった部分が、糖質制限の理論を通じて解き明かされていく様子には非常に興味深いものがありますね。
2016/02/04(Thu) 23:28 | URL | たがしゅう | 【編集
教えて下さい
突然の質問をお許し下さい
丸一年糖質制限をきすることにより
糖尿病の数値が正常になり
今も続けています

ネットを見ていると
こんな記事が載っておりました
http://www.mkhrvatskisokol.com/rehabili/various/118.html

この記事に対してどう考えれば良いのか
教えて下さい

お願い致します
2016/02/05(Fri) 00:34 | URL | まさる | 【編集
江部先生、初めまして。
私は現在22歳です。20歳の頃に学校の健康診断で空腹時血糖値126でひっかかり病院受診し調べて頂くと空腹時血糖値121ヘモグロビンa1c6.8でした。
その際、主治医からは病院で使っている機械はデータが高く出ます。このままいけば糖尿病になりますと言われました。
しかし、色々調べてると自分は確実に糖尿病じゃないかと思いました。
これから看護師として働く予定だったために、恥ずかしく人生の中で色々と制限を受けると思うとショックで仕方ありません。
自業自得なのですが、小さい頃からお菓子を食べる家庭で育ち、祖母も現在糖尿病なので体質的なものもあるとも考えています。
中々受け入れられません。でも、合併症は怖いので3ヶ月に1回は受診しています。
合併症は、罹病期間が長ければ出てくるのでしょうか?やはり、私は糖尿病なのでしょうか?
お忙しいと思いますが、答えて頂けると幸いです。
2016/02/05(Fri) 08:02 | URL | mana | 【編集
糖尿病学会誌の最新号
2016年1月号

http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0205-2

熟読しましょう!
2016/02/05(Fri) 09:11 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 教えて下さい
2016/02/05(Fri) 11:14 | URL | 精神科医師A | 【編集
まさるさんへ
横から失礼します。

 江部先生の 2012年07月03日付け記事に、この論文の解説(と言うより問題点の指摘)があります。

 併せてカルピンチョ先生の解説もお読みになると勉強になると思いますので、リンクを貼っておきます。
http://低糖質.com/review/cat10/post_69.html

ちなみに原文はこちらです。
http://www.bmj.com/content/344/bmj.e4026?tab=responses
2016/02/05(Fri) 14:26 | URL | saty | 【編集
Re: 胃腸炎時の食事
じょん さん

欧米のことはよくわかりませんが、ともあれ

風邪をひいたり寝込んだりしたときなどの糖質制限食ですね。

このような食欲がないときのために、糖質制限OK食品の中で、あっさり系を選んでみました。

京都は、お豆腐が美味しいですから私もよく食べます。冷や奴でもいいんですが、風邪ひいて寒気でもあるときは湯豆腐がお奨めですね。

温かい食品として、茶碗蒸し、卵スープ、野菜スープ、すまし汁、味噌汁、豚汁などもいいですね。
いけそうだったら、おでんの大根とか豆腐とかひろうすなどは如何でしょう。

今の季節なら、鍋もお奨めですね。

白身魚や豆腐、野菜、がんもどき・・・風邪のときでも美味しそうです。 (^^)

豆腐を水きりしてつぶし、小さく刻んだ野菜などを混ぜ込んで丸め、油で揚げたものを 関東ではがんもどき、
関西ではひろうすと呼ぶことが多いようです。ちなみに我が家では何故か、がんもどきです。

さっぱりしたものとしては、季節の旬の果物もいいですね。果物の糖質は果糖が主なので、
穀物の糖質の半分くらいしか血糖値を上げませんので、食欲がないときはまあいいと思います。
2016/02/05(Fri) 17:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 謎が解き明かされてゆく
たがしゅう 先生

コメントありがとうございます。
大変興味深い内容なので、近いうちに記事にしたいと思います。
2016/02/05(Fri) 18:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: まさるさんへ
saty さん

ありがとうございます。
2016/02/05(Fri) 18:30 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
mana さん


「空腹時血糖値:126mg」「HbA1c:6.8%」
糖尿病型が異なる日に診断されているので
糖尿病と思われます。

合併症は、罹病期間2年くらいなら、まず大丈夫と思います。
今後、糖質制限食を実践して、血糖コントロール良好を保てば、合併症は予防できます。

2010年05月13日 (木)の本ブログ記事
「糖尿病合併症と罹病期間」
をご参照いただけば幸いです。
2016/02/05(Fri) 18:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖尿病学会誌の最新号
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。
2016/02/05(Fri) 18:38 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: Re: 教えて下さい
精神科医師A さん

ありがとうございます。
2016/02/05(Fri) 18:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
先生、お忙しい中ご丁寧な回答ありがとうございます。
色々誘惑があり、最初からはスーパー糖質制限は難しいので少しずつ糖質制限を実施し合併症のない健康的な体を目指します(*^^*)
2016/02/05(Fri) 18:42 | URL | mana | 【編集
先生、お忙しい中ご丁寧な回答ありがとうございます。
色々誘惑もあり、いきなりスーパー糖質制限は難しいので、少しずつ糖質制限を実施していきます。
同年代の子達を見てると、羨ましいな~と思うことはありますが、良いダイエットになりますし、長生きするためだと思い頑張ります!
2016/02/05(Fri) 18:50 | URL | mana | 【編集
参考まで・・
江部先生

インフラマソーム関連で、東京銀座クリニックの福田先生が丁寧に記事にされておりましたので紹介いたします。

「471)糖尿病とインフラマソームとケトン食」
http://blog.goo.ne.jp/kfukuda_ginzaclinic/e/75825570b06b5aa215c208932221cc82

2016/02/05(Fri) 19:10 | URL | Yamamoto_ma | 【編集
Re: 参考まで・・
Yamamoto_ma さん

とても参考になります。
ありがとうございます。
2016/02/05(Fri) 20:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
江部先生、ありがとうございます。
糖質制限は体調に合わせて、いろいろ選択できますね。勉強になりました。
2016/02/05(Fri) 21:49 | URL | じょん | 【編集
>manaさん
>看護師として働く予定だったために、恥ずかしく

糖尿病(耐糖能障害)は体質です。
お酒が生まれつき飲めない下戸の人がいるように、
耐糖能が低い体質で生まれついただけです。
糖尿病なんて暴飲暴食・不摂生な人がなるんでしょ?
と思っていませんか?
でなければ「恥ずかしい」という感情は湧かないはずです。
医療従事者ならば正しく認識して下さい。
先天的な障害を持つ人が障害を「恥ずかしい」と思う必要があるでしょうか?
よく考えて下さい。
とはいえ私も発症当初は同様の気持ちになりました。
多くの患者さんが同様の心理を持つのかも知れません。

>人生の中で色々と制限を受けると思うとショックで仕方ありません。
これはよくわかります。
世の中に溢れる美味しそうな食べ物が自分には縁の無いものになってしまう…
しかしあたなたは看護師なのです。これはチャンスでもあります。
この試練を乗り越えたとき、あなたは凡百の看護師にはない見識を持つに至ります。
なにがしかの制限をせざるを得ない疾患は沢山有ります。
それらの患者さんにあなたはより親身に接する事が出来るのです。
健康で何不自由なく人生を謳歌し、なおかつ想像力の欠けている人は時に残酷な事を平気で行います。
糖尿病患者に対しカロリー制限食(慢性殺人食)を強いたり、
対して根拠も考えず禁酒を言い渡したり…
食事内容を記録する→血糖を測定する→自分専用の耐糖能データベースが出来ます。
健常者は医療従事者といえどもまずこんなことはしません。
この経験は患者指導の際大きな財産となるはずです。
是非この困難を糧にスーパー看護師になっていただく事を望んでやみません。
2016/02/06(Sat) 12:56 | URL | へっぽこ | 【編集
非アレルギー性咳喘息
初めてコメントさせていただきます。

非アレルギー性咳喘息を患っており、2015年7月から糖質制限を始めました。江部先生のブログは1年程前から存じ上げていましたが、内容が難しすぎて理解する事が出来ずにいました。夏井先生の本や、アレルギー、免疫学などの本を読み、やっと江部先生のブログの内容を理解出来る様になり、興味が出てきたところです。

糖質制限を始めて半年、2015年年末に動悸が気になる様になり、糖質制限は中止してしまいました。ですがその年の秋、冬は風邪を引いても咳喘息が出る事はありませんでした。私にとっては奇跡です。年が明け春になり杉花粉の季節になっても、杉花粉による咳喘息や鼻炎も薬なしで乗り越えられました。基本非アレルギー性の咳喘息ですが、杉花粉に対してはアレルギーの症状がありました。

私の血液のデータは、IgE、好酸球の数値は低く、基準値内ですが好中球の数値が高めです。交感神経が高まった時に症状が出ます。一般のアレルギー性の患者さんとは逆です。そして2016年の3月の血液のデータでは、好中球の数値がぐっと下がっていました。ケトン体はこちらのページにあるように、サイトカインに作用し好中球による炎症も抑えるのでしょうか?。

その後、糖質制限を中止してしまったせいか、6月に風邪を引き咳喘息が出てしまいました。ステロイドの内服が必要な辛い咳に対し、再度スーパー糖質制限を試みました。そして10日程で、辛い咳を抑える事ができました。もう吸入器や内服薬など要りません。食事療法で克服出来る事に気づきました。

非アレルギー性、咳喘息共に西洋医学では解明されていません。よって薬を使っても楽になれずに苦しんできました。どうして解明されていない非アレルギー性咳喘息が糖質制限で改善するのか、答えを求めています。呼吸器、アレルギー、喘息、花粉症、そして糖質制限に詳しい江部先生のご意見をうかがいたいと思いコメントさせていただきました。お忙しい中申し訳ありません。
2016/08/22(Mon) 21:24 | URL | NM | 【編集
Re: 非アレルギー性咳喘息
NM さん

喘息は慢性的な気道の炎症がベースにあります。
そこに風邪などをきっかけに気道の収縮なとを生じて喘息発作となります。

喘息もアトピー性皮膚炎もアレルギーが関与する側面とアレルギーが関係ない側面があります。

ともあれ、糖質制限食で、喘息もアトピー性皮膚炎も改善することが多いと思います。
2016/08/23(Tue) 09:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました
喘息が出ない様に糖質制限を続けていきたいと思います。動悸を起こさない様に摂取する脂肪をオメガ3に変えてみます。

お忙しい中お返事ありがとうございました。

2016/08/23(Tue) 11:50 | URL | NM | 【編集
先ほどは失礼いたしました
動悸は野菜がたりなかったのかも知れません。野菜をしっかり摂取して糖質制限してみます。

ありがとうございました。
2016/08/23(Tue) 12:23 | URL | NM | 【編集
スーパー糖質制限と咳喘息
江部先おはようございます。再度うかがいたい事がありまして、コメントさせていただきました。どうして咳喘息が、プレドニンの内服よりもスーパー糖質制限の方が速やかに改善するのか、調べたり考えたりしていました。

私は杉花粉で起きるⅠ型の咳喘息、風邪の後に起きる非アレルギー性咳喘息、気管支喘息にもなりかけたみたいで、非アレルギー性気管支喘息の違いが分かります。すべて薬の効き方が違います。

私は若い女性に多い咳喘息、夫は40代頃から増えくる気管支喘息です。非アレルギー性咳喘息にロイコトリエン拮抗薬は効きません。β2刺激薬も大して効果はありません。杉花粉で起きる咳喘息は、ロイコトリエン拮抗薬と抗ヒスタミン剤が良く効きます。息苦しい時、ピークフローの数値が落ちた時は、β2刺激薬が良く効きます。夫はアレルギーがなく、風邪の後の咳にロイコトリエン拮抗薬が効くと言います。この喘息の違いや薬の効き方の違いは、問題のある遺伝子の違いでしょうか。夫婦共に両親に喘息はありませんので、お腹の中の胎児の時に遺伝子に問題が起きたのでしょうか。共に結婚してから発症していますので、環境因子かも知れません。この事は糖質制限と関係ないので置いておきます。

非アレルギー性咳喘息にロイコトリエン拮抗薬が効かないという事は、ロイコトリエン以外の問題で咳が起きているのでしょうか。糖質制限でβヒドロキシ酪酸がインフラマソームを阻害しサイトカインの炎症を抑えた事以外に、発達障害やてんかん同様、アセト酢酸が咳中枢からの咳の指令の流れをスムーズにしたという事はありませんか?。β2刺激は咳中枢には効果のない薬と思います。咳喘息は気管支の慢性的な炎症以外に、咳中枢にも問題がありませんか?。江部先生はどう思われますか?。

ちなみにですが、非アレルギー性咳喘息とⅠ型の咳喘息では、自律神経の症状が逆です。風邪の後の咳喘息は交感神経が優位の時に咳が出ます。杉花粉で起きる咳喘息は夜間に悪化します。喘息は複雑で、100人いたら100通りの喘息があるのかも知れません。

長々とすみません。
2016/10/22(Sat) 08:34 | URL | NM | 【編集
Re: スーパー糖質制限と咳喘息
NM さん

ご質問に関してですが、私にはよくわかりません。
2016/10/22(Sat) 13:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
お返事ありがとうございます。
医学的に明らかになっていない事を質問してすみませんでした。

喘息が治まっても、ゆるい糖質制限をつづけています。運動を始め、トランス脂肪酸を避け、オメガ3を取り入れる様にしています。今のところ動悸はありません。動悸を克服できて良かったです。ありがとうございました。
2016/10/22(Sat) 14:47 | URL | NM | 【編集
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