2015年12月15日 (火)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月刊行
こんばんは。
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」が重版となりました。
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
江部 康二 (著)
ナツメ社
2015年5月刊行
こんばんは。
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」が重版となりました。
糖質制限のしくみ、食品の選び方・食べ方がこの本1冊でわかります。
糖質制限食がなぜ糖尿病によいのか、何を避けて何を食べればよいのか、また注意すべきことは何か。
この1冊で詳しく解説します。
この本は2010年に出版した
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。
旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。
新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
江部康二
以下は、「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」のはじめにです。
はじめに
2013年以降、糖質制限食に関連して5つのうれしい変化がありました。
1つ目はアメリカで、糖尿病の食事療法の1つとして正式に認められたことです。これは、米国糖尿病学会が2013年10月に出した栄養療法に関する声明で発表されました。さらに同声明では「唯一無二の糖尿病食事療法はない」と明言しています。日本糖尿病学会の2013年3月の提言においては、「腎障害や脂質異常の有無に留意して・・・炭水化物の摂取比率が50%エネルギーを下回ることもありうる。」という記載もあります。しかし基本は相変わらず唯一無二のカロリー制限食(糖質50~60%)を推奨していますので、米国糖尿病学会の声明は日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
また、日本腎臓病学会は「CKD治療ガイド2013」で、eGFRが60ml/分以上あれば、顕性タンパク尿の段階でも、タンパク質制限の必要なしとしました。即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分以上あればタンパク質制限の必要なしなので糖質制限食も実践しやすくなりました。eGFRが60ml/分未満の場合は個別に相談して糖質制限食を導入するか否かを相談することとなります。
さらに2012年度の厚生労働省の調査で、糖尿病の患者数の増加率が激減し、予備群は調査を開始して以来、初めて減少したことが、2013年に発表されました。その背景には、2008年から2010年の調査で97年以来13年ぶりに炭水化物摂取比率が減少(60.4%→59.4%)し、97年以来13年ぶりに脂質摂取比率が上昇(24.9%→25.9%)したことがあります。ここ数年糖質制限食が急速に広まってきたことが大きな要因であることは間違いないでしょう。
4つめとして、血中ケトン体高値の安全性が確立されました。日本病態栄養学会年次学術集会(2014)において宗田哲男先生が、胎盤絨毛のケトン体値は成人基準値の20~30倍であることを報告され、ケトン体への懸念は払拭されました。
5つめとして、2014年7月の日経メディカルアンケートにおいて、回答した2263名の医師の過半数が「糖質制限」支持であることがわかりました。
こうした、糖質制限食への追い風ともいえる情報が、ここ数年続々と現れています。
この本は2010年に出版した「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」の内容を刷新した新版です。旧版は、2014年9月現在で20刷を記録し、豊富なイラストと図解が読者から好評をいただき、発売から4年が経っても増刷を続けています。
旧版を出版した当時は、「糖質」という言葉も一般的ではありませんでしたが、近年「糖質制限食」は雑誌やテレビで糖尿病の治療としてよく取り上げられ、広く認知されています。ダイエット法や健康法としてもよく聞かれるようになりました。
また、糖質オフのビールやスイーツ、パンも開発が進み、コンビニやスーパーで手軽に手に入るようになりました。糖尿人にとっては、かなり過ごしやすい環境になったのではないでしょうか。
糖質制限食の方法としては、やはりスーパーが一番のお奨めです。特に糖尿人においては、食後高血糖を生じない唯一の食事療法が「スーパー糖質制限食」です。旧版以降に糖尿病の研究が大幅に進み、日本の内外で糖尿病治療に大きな変化がありました。新版を出すに当たり、そうした変化に応じて内容を一部改めました。
基本的に糖質制限食は安全な治療法ですが、進めていく上でトラブルが起きたり、まれに不快な症状が現れたりする人もいます。それに対する解決法も示しています。糖質制限食が広まったことで出てきた批判にも返答していますから、不安や心配を払しょくし、安心して糖質制限食に取り組んでいただけます。2015年2月現在の糖質制限食の最新情報を網羅していますから、旧版や既刊を購入いただいた方にも、今回の新版はお役に立つでしょう。
本書が、糖尿人ならびに糖質セイゲニストの豊かな生活と食事の一助となりますことを、心よりお祈りします。
2015年4月
高雄病院理事長 江部康二
日刊ゲンダイ12月16日号13面。深井さん(薬剤師)のコラム「怖い薬の飲み合わせ」、前回「解熱成分アスピリンは低血糖のリスク」、今回は「せき止め成分メチルエフェドリンは血糖値を上昇させる作用がある」です。このメチルエフェドリンは、漢方薬でせき止め成分として使われている「麻黄」という生薬にも含有されていて、麻黄は葛根湯をはじめとした、さまざまな漢方薬に含まれているので、自己判断ではなく、薬剤師などの専門家を活用するように注意と書いています。
2015/12/15(Tue) 21:04 | URL | デュピュイ取るモバイル | 【編集】
昨年10月の健康診断で、HbAc1が8・0と診断され、糖尿の可能性が高いと診断され、絶望に陥った40代前半の男です。
当時の体重は93キロ(ちなみに身長は175センチです)。先生の本に従い、糖質制限を敢行しました。といっても、人とランチに行くときに米だけ食べないのも変な奴扱いされるので、少しは食べて「ダイエットだから」とごまかしてきました。
一年後です。HbAc1は4・7に改善。異常なしとの判定。体重も10キロ減り(まだまだ頑張りますよ)、焼酎生活をしながらも肝機能も、γGTPが120から50に改善。中性脂肪も異常なしになりました。
いやあ、素晴らしすぎます。この糖質制限がなぜ、主流治療とならないのか?日本の医学界にきちんと考えてほしいものです。
スレ違いの意見で申し訳ありません。これからも頑張ります。
当時の体重は93キロ(ちなみに身長は175センチです)。先生の本に従い、糖質制限を敢行しました。といっても、人とランチに行くときに米だけ食べないのも変な奴扱いされるので、少しは食べて「ダイエットだから」とごまかしてきました。
一年後です。HbAc1は4・7に改善。異常なしとの判定。体重も10キロ減り(まだまだ頑張りますよ)、焼酎生活をしながらも肝機能も、γGTPが120から50に改善。中性脂肪も異常なしになりました。
いやあ、素晴らしすぎます。この糖質制限がなぜ、主流治療とならないのか?日本の医学界にきちんと考えてほしいものです。
スレ違いの意見で申し訳ありません。これからも頑張ります。
2015/12/15(Tue) 23:04 | URL | 感謝 | 【編集】
先日のヘルミさんからの投稿で、山田悟先生著「糖質制限の真実」の中に「ケトン体が増えすぎることで、血管内皮細胞の機能が落ちてくるというデータがいくつもある」と書いてある、との指摘が気になりましたので、引用文献とされるBJN110, 969 (2013)を読んでみました。短い2ページの論文(Letter to the Editor)です。血管内皮機能の指標である血流依存性血管拡張反応(FMD)について、LC食とLF食を6報の論文のメタアナリシスによって比較したところ、LFにくらべてLC食でFMD値が有意に低くなった、という内容でした。ケトン体が原因とは書かれていませんので、山田先生の間違いかと思われます。
この筆者らはLC食により飽和脂肪酸摂取量が増え、LDL-C値が上昇することが原因ではないかと推察しているようです。LC食によるFMD値低下のメカニズムについては、さらなる研究が必要と結論づけていましたので、今後の動向を注意して行くのもよいかもしれません。
この筆者らはLC食により飽和脂肪酸摂取量が増え、LDL-C値が上昇することが原因ではないかと推察しているようです。LC食によるFMD値低下のメカニズムについては、さらなる研究が必要と結論づけていましたので、今後の動向を注意して行くのもよいかもしれません。
2015/12/16(Wed) 08:41 | URL | たま | 【編集】
先生のブログを読んだきっかけで 5年間A1c6代におさえ うまくいってたのに 引っ越しして環境がかわり 仕事で前はすごく動いていたのが 今はぼちぼち動く仕事になり 運動量も減り 炭水化物カットが甘くなったりで 2年間で徐々に上がり 今日指先1滴の血液で計るA1cが ついに9,7になってしまってました・・・
ジャヌビア朝50ミリグラム1度飲み それ以外糖尿薬飲んでなくて 頑張ってるつもりが・・・
医者からメトホルミン250ミリグラム飲むように処方されましたが 抵抗あり 薬屋にいってません どうでしょうか?飲まないで 真剣に徹底的に炭水化物カットしたら 良くなりますよね?
運動ももっとしないといけないでしょうかね?
眼底も少し出血見られます
それとも メトホルミン飲むべきでしょうか?
以前ずっと うまくコントロール出来ていたので
薬に抵抗あり そうかといって どんどんA1c上がっていってるので・・・このままでは やばいのです お知恵おかりしたいです
ジャヌビア朝50ミリグラム1度飲み それ以外糖尿薬飲んでなくて 頑張ってるつもりが・・・
医者からメトホルミン250ミリグラム飲むように処方されましたが 抵抗あり 薬屋にいってません どうでしょうか?飲まないで 真剣に徹底的に炭水化物カットしたら 良くなりますよね?
運動ももっとしないといけないでしょうかね?
眼底も少し出血見られます
それとも メトホルミン飲むべきでしょうか?
以前ずっと うまくコントロール出来ていたので
薬に抵抗あり そうかといって どんどんA1c上がっていってるので・・・このままでは やばいのです お知恵おかりしたいです
2015/12/16(Wed) 11:51 | URL | まんまるまる子 | 【編集】
感謝 さん
糖質制限食で、HbA1c、肥満、肝機能、中性脂肪改善
良かったです。
糖質制限食で、HbA1c、肥満、肝機能、中性脂肪改善
良かったです。
2015/12/16(Wed) 14:26 | URL | ドクター江部 | 【編集】
たま さん
情報をありがとうございます。
私もその論文を読んでみましたが、ケトン体のことは書いてありませんので、山田先生の勘違いと思います。
情報をありがとうございます。
私もその論文を読んでみましたが、ケトン体のことは書いてありませんので、山田先生の勘違いと思います。
2015/12/16(Wed) 14:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
まんまるまる子 さん
自分のインスリン分泌能力がどのくらい残っているかにもよります。
空腹時のインスリン値を主治医に検査して貰いましょう。
ともあれ、スーパー糖質制限食でどのていど改善するかも試してよいと思います。
自分のインスリン分泌能力がどのくらい残っているかにもよります。
空腹時のインスリン値を主治医に検査して貰いましょう。
ともあれ、スーパー糖質制限食でどのていど改善するかも試してよいと思います。
2015/12/16(Wed) 20:58 | URL | ドクター江部 | 【編集】
先生。お返事ありがとうございます。医師からも驚かれました。国内でも、先生のご尽力でかなり糖質制限の概念は広がってます。知り合いにも勧めてるのですが、従来のバランス食事による医療から抜けられないんですよね。残念です。
2015/12/16(Wed) 21:48 | URL | 感謝 | 【編集】
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