2015年12月06日 (日)
【メディカルトリビューン
あなたの
健康百科
http://kenko100.jp/articles/151204003701/#gsc.tab=0
脂肪抑えた食事は効果薄い? 長期結果で糖質制限食と差
米研究
炭水化物(糖質)の量を抑えた低炭水化物食(糖質制限食)のダイエット効果が注目される中、その存在感を失いつつある低脂肪食。心臓病や脳卒中、動脈硬化を予防するとして、現在も専門家に推奨されている一方、推奨する根拠(エビデンス)がないという専門家からの指摘も相次いでいる。
米ハーバード大学医学大学院と同大付属のブリガム・アンド・ウイメンズ病院のディアドラ・トビアス氏らは、過去の研究結果を分析した結果、低脂肪食のダイエット効果は、長期的には糖質制限食と比べて低かったと、英医学誌「Lancet Diabetes & Endocrinology」12月号(2015; 3: 968-979)に報告した。
普通の食事よりは効果あり
トビアス氏らは、2014年7月までに行われた低脂肪食と他の食事法を比較した53研究、6万8,128人分のデータを分析し、1年以上の減量効果を調べた。なお、サプリメントや食事以外のダイエットを行った人、妊婦は除外した。
その結果、糖質制限食との比較では、低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高く、人数で調整した平均(加重平均)で1.15キロの差があった。また、脂肪を制限しないほかの食事との比較では差が認められず、普通の食事との比較でのみ効果があった(加重平均で5.41キロ)。さらに、脂肪が多い食事の方が減量効果が高い場合もあったという。
トビアス氏らは「低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。どのような食事法でも、成功させるには長期的に続けることが重要であり、食事内容が健康面に与える長期的な影響も考慮すべき」と述べている。
低脂肪食を推奨する根拠となる優れた研究結果(エビデンス)がないにもかかわらず、低脂肪食を推奨するのはなぜなのか。その理由の一つに、脂肪は食べ物の重さに対するカロリーが炭水化物やタンパク質の2倍以上のため、脂肪摂取を減らせば自然と減量につながるだろうという考え方があるという。しかし、この点についてトビアス氏らは「今回の堅牢なエビデンスは、明白に逆の結果を示している」としている。
(あなたの健康百科編集部)】
こんにちは。
精神科医師Aさんから、
「脂肪抑えた食事は効果薄い? 長期結果で糖質制限食と差」
という結論のランセットの論文についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
メディカルトリビューンの「あなたの健康百科」に上記の要約が掲載されました。
『2014年7月までに行われた低脂肪食と他の食事法を比較した53研究、6万8,128人分のデータを分析』
ですから、研究責任者のトビアス氏が述べる如く、この論文「堅牢なエビデンス」と言えます。
53RCT研究論文のメタアナリシスであり、システマティックレビューですので、エビデンスレベルは、最高ランクです。(*)
エビデンスレベルⅠの英医学誌「ランセット 糖尿病と内分泌学」12月号の論文(**)の結論は
1)糖質制限食との比較では、
低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
です。
(*)エビデンスレベルのランク「診療ガイドライン作成の手引き2007」より
I システマティック・レビュー/RCTのメタアナリシス
II 1つ以上のランダム化比較試験による
III 非ランダム化比較試験による
IVa 分析疫学的研究(コホート研究)
IVb 分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究)
V 記述研究(症例報告やケース・シリーズ)
VI 患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見
(**)
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis
Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968–979, DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
江部康二
あなたの
健康百科
http://kenko100.jp/articles/151204003701/#gsc.tab=0
脂肪抑えた食事は効果薄い? 長期結果で糖質制限食と差
米研究
炭水化物(糖質)の量を抑えた低炭水化物食(糖質制限食)のダイエット効果が注目される中、その存在感を失いつつある低脂肪食。心臓病や脳卒中、動脈硬化を予防するとして、現在も専門家に推奨されている一方、推奨する根拠(エビデンス)がないという専門家からの指摘も相次いでいる。
米ハーバード大学医学大学院と同大付属のブリガム・アンド・ウイメンズ病院のディアドラ・トビアス氏らは、過去の研究結果を分析した結果、低脂肪食のダイエット効果は、長期的には糖質制限食と比べて低かったと、英医学誌「Lancet Diabetes & Endocrinology」12月号(2015; 3: 968-979)に報告した。
普通の食事よりは効果あり
トビアス氏らは、2014年7月までに行われた低脂肪食と他の食事法を比較した53研究、6万8,128人分のデータを分析し、1年以上の減量効果を調べた。なお、サプリメントや食事以外のダイエットを行った人、妊婦は除外した。
その結果、糖質制限食との比較では、低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高く、人数で調整した平均(加重平均)で1.15キロの差があった。また、脂肪を制限しないほかの食事との比較では差が認められず、普通の食事との比較でのみ効果があった(加重平均で5.41キロ)。さらに、脂肪が多い食事の方が減量効果が高い場合もあったという。
トビアス氏らは「低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。どのような食事法でも、成功させるには長期的に続けることが重要であり、食事内容が健康面に与える長期的な影響も考慮すべき」と述べている。
低脂肪食を推奨する根拠となる優れた研究結果(エビデンス)がないにもかかわらず、低脂肪食を推奨するのはなぜなのか。その理由の一つに、脂肪は食べ物の重さに対するカロリーが炭水化物やタンパク質の2倍以上のため、脂肪摂取を減らせば自然と減量につながるだろうという考え方があるという。しかし、この点についてトビアス氏らは「今回の堅牢なエビデンスは、明白に逆の結果を示している」としている。
(あなたの健康百科編集部)】
こんにちは。
精神科医師Aさんから、
「脂肪抑えた食事は効果薄い? 長期結果で糖質制限食と差」
という結論のランセットの論文についてコメント頂きました。
ありがとうございます。
メディカルトリビューンの「あなたの健康百科」に上記の要約が掲載されました。
『2014年7月までに行われた低脂肪食と他の食事法を比較した53研究、6万8,128人分のデータを分析』
ですから、研究責任者のトビアス氏が述べる如く、この論文「堅牢なエビデンス」と言えます。
53RCT研究論文のメタアナリシスであり、システマティックレビューですので、エビデンスレベルは、最高ランクです。(*)
エビデンスレベルⅠの英医学誌「ランセット 糖尿病と内分泌学」12月号の論文(**)の結論は
1)糖質制限食との比較では、
低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
です。
(*)エビデンスレベルのランク「診療ガイドライン作成の手引き2007」より
I システマティック・レビュー/RCTのメタアナリシス
II 1つ以上のランダム化比較試験による
III 非ランダム化比較試験による
IVa 分析疫学的研究(コホート研究)
IVb 分析疫学的研究(症例対照研究、横断研究)
V 記述研究(症例報告やケース・シリーズ)
VI 患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見
(**)
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis
Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968–979, DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
江部康二
先生、度々の質問すみません。
先日、糖質制限とは関係のない腎症についての質問をしてしまい、すみません。後で気付いて凹みました(T_T)
今回の先生のトピックは脂質のことでしたので、ちょうど悩んでいたので質問させてください。
12月1日の段階で微尿アルブミンが30になり、これは前回先生にまだ回復出来ると教えて頂きました。
ところが、8月頭の血液検査でCre0.92
eGFR73.7だったのが気になります。
ちょうどこの頃から糖質制限を始めました。いまはa1C6.1です。
今月になって微尿アルブミンがでたのは、糖質制限によってたんぱく質を摂りすぎてもともと悪かった腎臓に負担をかけてしまったのかもと、以前このブログで腎症を改善されたけいさんの話しからたんぱく質を減らして、食事をしています。
なにかで、1日の脂質の目安は約50gとみたのですがカロリーや、たんぱく質を気にすると脂質は一食50gとかになってしまいますが、糖質を取ってない分この位の脂質は許容範囲でしょうか?
先生の今日のトピックからは、脂質は気にしなくて大丈夫だということでしょうか?
今月高雄病院に予約取れました。
残念ながら江部先生は初診を受け付けていないということで、他の先生ですが糖質制限、漢方共お詳しい先生と言うことで楽しみにしています。
それまでに、腎臓が酷くなってなければいいのですがσ^_^;急激に悪くなったりするものですか?
先日、糖質制限とは関係のない腎症についての質問をしてしまい、すみません。後で気付いて凹みました(T_T)
今回の先生のトピックは脂質のことでしたので、ちょうど悩んでいたので質問させてください。
12月1日の段階で微尿アルブミンが30になり、これは前回先生にまだ回復出来ると教えて頂きました。
ところが、8月頭の血液検査でCre0.92
eGFR73.7だったのが気になります。
ちょうどこの頃から糖質制限を始めました。いまはa1C6.1です。
今月になって微尿アルブミンがでたのは、糖質制限によってたんぱく質を摂りすぎてもともと悪かった腎臓に負担をかけてしまったのかもと、以前このブログで腎症を改善されたけいさんの話しからたんぱく質を減らして、食事をしています。
なにかで、1日の脂質の目安は約50gとみたのですがカロリーや、たんぱく質を気にすると脂質は一食50gとかになってしまいますが、糖質を取ってない分この位の脂質は許容範囲でしょうか?
先生の今日のトピックからは、脂質は気にしなくて大丈夫だということでしょうか?
今月高雄病院に予約取れました。
残念ながら江部先生は初診を受け付けていないということで、他の先生ですが糖質制限、漢方共お詳しい先生と言うことで楽しみにしています。
それまでに、腎臓が酷くなってなければいいのですがσ^_^;急激に悪くなったりするものですか?
もはや糖質制限の方が低脂肪食より減量に有効なのは臨床の実感として間違いないと思います。
ただ糖質制限で停滞期に入った時は低脂肪食(低カロリー食)も検討すべきかと思いますが、いかがでしょうか?
ただ糖質制限で停滞期に入った時は低脂肪食(低カロリー食)も検討すべきかと思いますが、いかがでしょうか?
2015/12/06(Sun) 20:03 | URL | H.K | 【編集】
心筋梗塞のコバタケです。手足言語に後遺症は残るもののまずまずの生活を送れております。
さて話題は私がコーヒー好きで変わった飲み方をしているということです。それは挽いたコーヒー粉にお湯を注ぎ適当に冷めたらそのまま飲んじゃうというシンプルな方法です。砂糖、ミルク無しは当然ですが、粉を濾すフィルターも使いません。だから粉も多少口内に入ってしまいますが、適当に苦くてジャリジャリした歯ごたえというか食感がちょっとした楽しみです。
特にお腹が空いた時の無糖質の間食として楽しんでます。もちろんフィルター代要らずも嬉しいです。
確かトルコかどこか外国のコーヒーの飲み方がそうだとテレビで見た記憶もあります。
ちょっとした雑談でした。
さて話題は私がコーヒー好きで変わった飲み方をしているということです。それは挽いたコーヒー粉にお湯を注ぎ適当に冷めたらそのまま飲んじゃうというシンプルな方法です。砂糖、ミルク無しは当然ですが、粉を濾すフィルターも使いません。だから粉も多少口内に入ってしまいますが、適当に苦くてジャリジャリした歯ごたえというか食感がちょっとした楽しみです。
特にお腹が空いた時の無糖質の間食として楽しんでます。もちろんフィルター代要らずも嬉しいです。
確かトルコかどこか外国のコーヒーの飲み方がそうだとテレビで見た記憶もあります。
ちょっとした雑談でした。
2015/12/07(Mon) 03:21 | URL | コバタケ | 【編集】
きみ さん
「8月頭の血液検査でCre0.92
eGFR73.7」
eGFRが60以上あれば、蛋白制限は必要ないです。
脂質の摂取量も気にしなくていいです。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-22.html
2015年10月12日 (月)の本ブログ記事
「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版。糖尿病腎症と糖質制限食。」
をご参照いただけば幸いです。
「8月頭の血液検査でCre0.92
eGFR73.7」
eGFRが60以上あれば、蛋白制限は必要ないです。
脂質の摂取量も気にしなくていいです。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-category-22.html
2015年10月12日 (月)の本ブログ記事
「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版。糖尿病腎症と糖質制限食。」
をご参照いただけば幸いです。
2015/12/07(Mon) 15:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
H.K さん
基礎代謝が低いタイプは、カロリー制限食も考慮する必要があると思います。
基礎代謝が低いタイプは、カロリー制限食も考慮する必要があると思います。
2015/12/07(Mon) 15:57 | URL | ドクター江部 | 【編集】
先生、何度も回答有難うございます(^_^)
少し前向きに考えれる様になってきました。
17日の高雄病院受診まで、今まで以上に糖質制限頑張っていきます。
漢方が効くぐらいの腎機能が残っているようにと祈るばかりです。
有難うございましたm(__)m
少し前向きに考えれる様になってきました。
17日の高雄病院受診まで、今まで以上に糖質制限頑張っていきます。
漢方が効くぐらいの腎機能が残っているようにと祈るばかりです。
有難うございましたm(__)m
先生、糖質制限の意義がすっかり腑に落ち、ここ4年ほどは基本的に主食などは摂らない生活を続けております。特に糖尿の所見があったわけではありませんが、ドンブリ飯大食いの傾向はよろしくないと思い切り、今日に至っております。おかげさまで体調はすこぶる良く、ランニングやロードバイク、スキーなどのパフォーマンスが上がりました。糖質を摂らないことが持久力の向上につながると実感しています。また、メンタル的にも感情の乱高下が少なくなったことを実感しております。
と、おかげさまでいいことづくめだったのですが、今日職場の健康診断の数値を見て驚きました。Hba1cが5.6で、基準値(5.5)を超えていたのです。昨年は5.3でした。ただ、併記されていた旧来のJDS値で5.2という値は、前の職場で10年ほど受けてきた人間ドックの数値とさして変わってはおりません。聞くところでは、5.6以上を特定保健医の指導対象にするのは、今年からの変更点だそうで、この数値の意味にとまどってます。また、職場では健康診断の業者が昨年とは変更になりました。その辺も関係があるのかななどと疑心暗鬼にかられてしまっています。あと、LDLも高め(156)ではありますが、BMIは22と決してメタボ体型でもありません。むしろ洞性徐脈が所見に出てしまうくらいの運動過多でもあります。申し遅れましたが50歳の男性です。ご助言いただければさいわいです。
と、おかげさまでいいことづくめだったのですが、今日職場の健康診断の数値を見て驚きました。Hba1cが5.6で、基準値(5.5)を超えていたのです。昨年は5.3でした。ただ、併記されていた旧来のJDS値で5.2という値は、前の職場で10年ほど受けてきた人間ドックの数値とさして変わってはおりません。聞くところでは、5.6以上を特定保健医の指導対象にするのは、今年からの変更点だそうで、この数値の意味にとまどってます。また、職場では健康診断の業者が昨年とは変更になりました。その辺も関係があるのかななどと疑心暗鬼にかられてしまっています。あと、LDLも高め(156)ではありますが、BMIは22と決してメタボ体型でもありません。むしろ洞性徐脈が所見に出てしまうくらいの運動過多でもあります。申し遅れましたが50歳の男性です。ご助言いただければさいわいです。
ヘタレ さん
いわゆるメタボ健診では
5.6%(NGSP値)以上を特定保健指導の対象としています。
早い段階で糖尿病を拾い上げるために、あえて厳しい設定にしているようです。
2015年08月25日 (火)の本ブログ記事
「特定健康診査(メタボ健診)でひっかかり、糖質制限食で改善。」
をご参照頂けば幸いです。
いわゆるメタボ健診では
5.6%(NGSP値)以上を特定保健指導の対象としています。
早い段階で糖尿病を拾い上げるために、あえて厳しい設定にしているようです。
2015年08月25日 (火)の本ブログ記事
「特定健康診査(メタボ健診)でひっかかり、糖質制限食で改善。」
をご参照頂けば幸いです。
2015/12/08(Tue) 21:10 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、早速ご助言くださりありがとうございます。糖尿スクリーニングのために敢えて厳しめということ、得心しました。
先ほど過去の検査結果ひっくりかえしましたら、十数年前から5.2前後(JDSの値)で一定してました。経年劣化も考えれば、今回飛び抜けて悪くなったわけではないようです。ただ、過去の糖質暴食時代(一食でおひつカラッポ…)には5.4などというのも一度ありましたので、今後とも控えるようにいたします。糖質制限をしていると心身ともにクリアでいられるのが何よりありがたいことと感じています。
先ほど過去の検査結果ひっくりかえしましたら、十数年前から5.2前後(JDSの値)で一定してました。経年劣化も考えれば、今回飛び抜けて悪くなったわけではないようです。ただ、過去の糖質暴食時代(一食でおひつカラッポ…)には5.4などというのも一度ありましたので、今後とも控えるようにいたします。糖質制限をしていると心身ともにクリアでいられるのが何よりありがたいことと感じています。
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