京都糖尿病治療講演会に参加してきました。
こんにちは。

2015年11月28日(土)18:30~20:30
ウェスティン都ホテルで、 京都糖尿病治療講演会が開催されました。

一般演題
座長 福井道明先生 京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝内科学 教授
演者 原島伸一先生 京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 講師
高齢者糖尿病患者の現状と糖尿病治療」

特別講演
座長 稲垣暢也先生 京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 教授 演者 石井均先生 奈良県立医科大学 糖尿病学講座 教授
「One size fits allから個別性へ;患者価値観を尊重する医療」


そうそうたるメンバーの講演会ですね。
私も勉強のために参加しました。

原島先生は、高齢糖尿病患者さんに関して「フレイル」(*)あるいは「プレフレイル」の段階で気がついて対応していくことが必要と話されました。

そして低血糖の既往がある人はフレイルになりやすいし、転倒もしやすいし、認知症にもなりやすいし、要注意であることを指摘されました。

(*)
『フレイルとは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態として、日本老年医学会は提唱しています。 多くの方は健常な状態から、フレイルの時期を経て要介護状態に至ります。』


石井先生は、ワンパターンの治療を押しつけるのではなく、患者さんの価値観を尊重して一人一人に個別に対応することの大切さを強調されました。

そして、米国糖尿病学会とヨーロッパ糖尿病学会の
『patient centered approrch (患者が中心のアプローチ)』
という考え方を紹介されました。

これは、生活習慣の改善を主眼においた教育を基本とし、必要に応じて薬物治療で補い、患者さんに応じたアプローチにより治療方法や目標を個別化するという新しい概念です。

講演会のあと、立食パーティーがありましたので私も参加しました。

稲垣暢也先生とお話できたので、ちゃっかりお願いをしてきました。

1)現行の糖尿病コントロール目標の評価基準である「HbA1c」は、
  短時間の食後高血糖を反映しない。
2)「グリコアルブミン」なら短時間の食後高血糖も反映する。


これらは、勿論、稲垣先生はご存知のことなのですが、1)2)を考慮して、日本糖尿病学会として、糖尿病コントロール目標の指標に、
「グリコアルブミン」も取り上げて頂けないかというお願いです。

稲垣先生、話を聞いて頂き、ありがとうございました。

HbA1cは6.5%(7.0未満良好)でコントロール良好なのにグリコアルブミンは28%(20未満良好)でコントロール不良な私が担当している1型の患者さんの例もお話しました。

この1型の患者さんは、300mg/dlとか400mg/dlとかの食後高血糖もあるのですが、50mg/dlとか60mg/dlの低血糖もあり、HbA1cでは、食後高血糖が反映されていません。一方、グリコアルブミンは、食後高血糖をしっかり反映しています。

このように、HbA1cとグリコアルブミン(GA)が乖離している時は、GAの方が信頼できるのです。

グリコアルブミン(GA)という検査が、日本中にもっともっと普及していけば、食後高血糖による糖尿病合併症予防に繋がります。

是非、グリコアルブミン(GA)がメジャーな検査になって欲しいものです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
糖質
江部先生、初めまして。

この約1ヶ月間、自分の身体で実験してみました。糖質を多量に摂取すると、どうなるかという実験です。

私は、一見すると長身痩躯ですが、筋肉量が豊富です。
あまり糖質が好みでないので、普段の食事は動物性タンパク質(豚肉、鶏肉、鶏卵、天然魚の刺身)、食物繊維(生の海藻、自生している植物)を中心として、糖質は極めて少ないです。
飲料は、ブラックコーヒー(一日にコップ一杯)、ミネラルウォーター、たまにコカコーラゼロを口にします。
夕食のみの一日一食で、毎晩自炊しています(と云っても、焼くぐらいですが)。外食はほぼしません。

このように、糖質をほぼ摂らない生活を送っていますが、体調はすこぶる良いです。

しかし、現代社会では、糖質を摂取しなければならないという風潮があります。糖質を摂取しないひとを、奇異な目で見るとでも云うべきでしょうか......。
そこで、この約1ヶ月間、糖質を多めに摂取する実験に取り組みました。体調が悪化すれば、明らかに糖質が身体に合っていないのだから、元の食生活を継続すればいいと考えました。
糖質を多めに摂取する実験を開始すると、すぐさま体調が悪化しました。


・朝の目覚めが悪くなる
・夜の寝つきが悪くなる
・肌が痒くなる
・肌が黒ずむ(もともと色白です)
・肌・髪の艶がなくなる
・肌が乾燥する
・身体が浮腫む
・胴回りが太くなる
・鼻が詰まりやすくなるetc.

そして、口腔カンジダが現れました。左下奥歯の部分が痛むので、歯科に赴きました。すると、「免疫が低下しているのかもしれない」と云われました。明らかに、糖質を多めに摂取した影響です。

そして、「甘い物や炭水化物を多めに摂ったら、痛みだしたのです」と医師に告げると、「糖尿病だったらいけないので、すぐに血液検査をしましょう」と云われました。

前日、意図的に糖質を多めに摂取していたので、血液検査はしたくありませんでした。確実に悪い結果になるからです。しかし、ほぼ強制的に血液を採取されてしまいました。来週の月曜日には、結果が出るそうです。

その夜からは、また元の動物性タンパク質、食物繊維中心、糖質ほぼゼロの食生活に戻しました。すると、すぐに体調が良くなり始めました。やはり、糖質が私の身体に合わないのは明確でした。

来週、血液検査の結果が糖尿病と出ないか心配です。意図的に糖質を多めに摂取する実験によって、糖尿病と診断されてはマヌケ過ぎるからです。

元の食生活に戻したのであれば、β細胞の調子は元に戻るのでしょうか? 心配ないでしょうか?
ちなみに、私は男性で、年齢は22歳です。

江部先生、どうかアドバイスをよろしくお願いします。
2015/11/29(Sun) 16:13 | URL | 323D | 【編集
Re: 糖質
323D さん

糖質の少ない食生活は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
元の糖質制限食に戻して体調良好なら、β細胞も含めて心配ないと思います。

「必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、微量元素、食物繊維」
をヒトは食事から摂取する必要があります。

323Dさんは、必須脂肪酸とビタミンCの摂取に留意してくださいね。
動物性脂肪も必要と思います。
2015/11/30(Mon) 07:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生、おはようございます。
アドバイスをありがとうごさいます。

先刻、血液検査の報告書を受け取りました。結果、糖尿病ではなかったです(血糖87)!!
ただし、多血気味らしいです。

・赤血球数572
・ヘモグロビン17.3
・MCV84.8
・MCHC35.7
※上記の項目以外は、すべて正常値でした

医師から「偏った食生活を送っていないかな?」と質問されました。

このまま、糖質の少ない食生活を継続しても大丈夫でしょうか??
無理して米、パン、麺、甘い物を摂らなければと思うと、気が重いです......(´・_・`)。
2015/11/30(Mon) 11:37 | URL | 323D | 【編集
教えてください
1型の夫の血糖値管理について、教えていただきたくお願いします。

糖質制限食を始めて、インスリン量が確実に減っているのですが
分からないことが出てきました。

早朝血糖値と朝食前血糖値とは、どう違うのでしょうか?


夫の、朝起きてすぐの血糖値が58程しかありません。
起きてから20分も経てば、何も食べていなくても70後半まで血糖値は上がり、朝食前には80を超えた血糖値になっています。

いままで朝食前より早い時間に血糖値を測っていなかったので、夫にこのような血糖値変動が起きているとは知らなかったです。

就寝前にランタスを打っていますが、これは朝食前の血糖値を目安に調節すれば良いのでしょうか?

それとも起きてすぐの血糖値が58前後(最近3回連続で測ったところ、いつもこのような数値です)は、低すぎると考えて、ランタスを減らすのが良いのでしょうか?

本人は低血糖を感じておらず、また、放っておいても上がるのですが
万一、無自覚低血糖などで大変な事態にでもなったら嫌だなぁと不安を感じています。


お忙しいところ、恐縮ですが、ご教授いただけましたら嬉しいです。
宜しくお願いします。
2015/11/30(Mon) 16:50 | URL | ユキ | 【編集
江部先生、はじめまして。

先日の富山講演では、先生のお話を直接伺うことができ、改めて糖質制限を続けていこうと自信を持つことができました、ありがとうございます。

さて、現在妊娠初期の段階なのですが、医師に米を食べた後の過去の血糖値記録(食後30分後から200近くに上がり、2時間ほど下がらない)を見せたところ、2時間糖負荷試験を受けるように指示されました。それを見てインスリンなりどうするか決めるとのことでした。

あらかじめ、普段糖質は控えており、糖質を取らなければ血糖値は安定していることは伝えたものの、医師は聞く耳を持ちません。

もともといわゆる機能性低血糖、副腎疲労と疑われる症状から糖質制限をはじめ、生理もほぼ止まっていた状態から、糖質制限により少しずつ改善、今年に入り2回妊娠、流産という経緯があります。正直なところ、前2回の妊娠では糖質をある程度摂ってしまったところがあり、今回は摂らない覚悟はできています。

このような状態で、2時間糖負荷を受けてよいものなのでしょうか。ここまで頑張ってきたので、例え1回でも、妊娠初期の段階に、空腹時で砂糖水を飲みわざわざ血糖値を激しく上げることに大変抵抗、不安があります。
また、血糖異常が出ることは明らかなので、その後インスリン等勧められても、受け入れられないので非常に困惑しています。

初めての妊娠が子宮外妊娠疑いがあったこともあり、大き目の病院(北陸の赤○字病院です)に通っています。

例え医師と対立してでも、断るべきでしょうか。それともしょうがないことなのでしょうか。
ちなみにここ数年HbA1cは5.5、空腹時血糖は90周辺で安定しています。
2015/11/30(Mon) 17:54 | URL | たまご | 【編集
Re: タイトルなし
323D さん

私は2002年以来、足かけ14年、スーパー糖質制限食を実践しています。
323D も糖質制限食を続けられて、問題ないですよ。
2015/11/30(Mon) 18:36 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 教えてください
ユキ さん

早朝空腹時血糖値が58mg/dlは、低すぎます。
ランタスの単位を2単位減らしましょう。
ランタスの単位は、早朝空腹時血糖値をみて決めます。

早朝空腹時血糖値が、80~109mg/dlくらいで調整しましょう。
糖尿病学会は、130mg/dl未満が目安としています。


「朝起きてすぐの血糖値が58程しかありません。
起きてから20分も経てば、何も食べていなくても70後半まで血糖値は上がり、朝食前には80を超えた血糖値になっています。」


多くの場合、就寝後8~10時間で、血糖値が一番上昇します。
肝臓がアミノ酸や乳酸からブドウ糖を作る「糖新生」のためです。
2015/11/30(Mon) 18:46 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
たまご さん

糖尿病妊娠でも、スーパー糖質制限食なら、インスリンなしで、血糖コントロール可能と思います。

金沢大学付属病院の糖尿病・代謝内科の
篁 俊成 (たかむら としなり) 教授は
糖質制限食に理解があると思います。

問い合わせてみられては如何でしょう。
2015/11/30(Mon) 18:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
グリコアルブミンとグリコアルブミン
一般的にHbA1cは1~2ヶ月の平均血糖値、グリコアルブミンは直近の2週間の平均血糖値と言われています。
HbA1cが正常でグリコアルブミンが高値を指した場合、たまたま直近の2週間が高めで、それ以前及び1~2ヶ月間は正常だったという事は考えられないでしょうか。また、タンパク質の取り過ぎがグリコアルブミン値に影響を与える事はないでしょうか。

しょうもない話で申し訳ありません。お暇な時にご返事頂けたら幸いです。
2015/11/30(Mon) 19:05 | URL | 山田太郎 | 【編集
クローズアップ現代
今さっきあったクローズアップ現代の食品の危険の番組でしたが、「日本は長年米を主食としてきたにも関わらず健康被害がない」と言ってましたね。出てきた科学ジャーナリストの女性が塩分が一番悪いとか、そのジャーナリストがバランスのいい食事が一番と言って番組が終わってました。健康損失ランキングでは、糖質は一切入ってなかったです。

NHKはこの番組で以前にも、糖質制限でとんでもない叩きかたをしてましたね。http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3239_all.html

番組の中で、そのジャーナリストは農水省の情報を見るようにって言ってましたが、農水省は今でもブドウ糖は脳の唯一のエネルギーとか言ってたと思います。こんな糖質制限に無知なNHKが受信料を徴収する公共放送だとは納得がいかないですね。NHKは糖尿病学会の宣伝機関か、国の言いなりになる機関ですかね。癌のことも出てきてましたが、癌細胞はブドウ糖を餌にするとか、都合が悪すぎるんですかね。一切そのことには触れてませんでしたが。
2015/11/30(Mon) 20:12 | URL | NHKについて | 【編集
ありがとうございました!
いままでずっと 朝食前血糖値(80~100くらい)を見てランタスがちょうど良いと思っていました。
間違いに気が付けて良かったです。
ありがとうございます。
さっそく今夜からランタスを減らして調整してみます!


2015/11/30(Mon) 23:26 | URL | ユキ | 【編集
本日のクローズアップ現代
聞き流していたので正確な事は判りませんが
「米にヒ素の健康被害」の話の中でした。
その米を主食としてきた日本人に
特に健康被害がないと繋げていた様に思いました。
その部分に関しては「ヒ素の危険性」を指していたと思います。
(見当違いでしたらゴメンなさい)

食品の危険性を気にするより暴飲暴食や飲酒の方が健康被害度が高く
日本人は圧倒的に塩分摂取量の多さが問題であると〆ていましたよね。
私も心の中ではヒ素被害は少なくても糖質はどうなの?
塩分量より糖質量も取り上げて!と突っ込んでいました。
塩分量は世間に浸透してるのにもどかしいですよね。
比べようは無いのですが糖質量過多の方が健康被害は大きい様な気がしますが
江部先生はどの様にお考えですか?
塩分は問題無いという様な意見を聞いた事があり気になっております。
2015/12/01(Tue) 00:41 | URL | ゆう | 【編集
Re: グリコアルブミンとグリコアルブミン
山田太郎 さん

「HbA1cが正常でグリコアルブミンが高値を指した場合、たまたま直近の2週間が高めで、それ以前及び1~2ヶ月間は正常だったという事は考えられないでしょうか。」

それは、勿論あります。

「タンパク質の取り過ぎがグリコアルブミン値に影響を与える事はないでしょうか。 」

これは、ありません。
肝硬変や栄養不良では、アルブミンの半減期が長くなるので、見かけ上、グリコアルブミンは高値となります。
ネフローゼ症候群では、アルブミンの半減期が短くなるので、見かけ上、グリコアルブミンは低値となります。
2015/12/01(Tue) 08:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: クローズアップ現代
NHKについて

NHKクローズアップ現代、残念ですね。
白米を多く食べるとアルツハイマー病のリスクということは、久山町研究で明白です。

以前の放送も

糖質をほとんどとらなくなったことで、食事のカロリーは以前の3分の1にまで減りました。
2か月で血糖値の指標は大幅に改善しました。
ところがその後、体調が悪化。
足の筋力が衰え、手すりをつかまないと階段も上れなくなりました。


この男性は、極端なカロリー制限(以前の1/3)で筋力低下です。
糖質制限食はカロリー制限食ではありませんので、この例を糖質制限食のリスクというのは間違っていますね。
糖質制限食で充分なカロリーを摂取していれば、筋力低下など生じません。
2015/12/01(Tue) 08:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
ゆう さん

クローズアップ現代 、11月30日(月)放送の内容は
まだ導入部しか、掲載されていませんね。

全内容が掲載されたら、記事にしたいと思います。

すでに白米を沢山食べる人は、
アルツハイマー病発症リスクと糖尿病発症リスクが高まることは、研究で明らかとなっています。
2015/12/01(Tue) 08:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
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