2015年11月20日 (金)
おはようございます。
今日は、糖尿病発症に至る流れを考察してみます。
<糖尿病発症に到る流れ>
1) 正常型→IGT→糖尿病
2) 正常型→ IGT→IFG/IGT→糖尿病
3) 正常型→IFG→IFG/IGT→糖尿病
糖尿病発症に到る流れとしては、上記1)2)3)の3つのパターンがあります。
1)の場合は、既に糖尿病を発症していても早朝空腹時血糖値は正常で健診で見逃されるので、注意が必要です。
2)の場合は、IFG/IGTの段階で、通常の健診でもチェックできます。
3)の場合も通常の健診でチェックできますが、パターンとしては少ないです。
日本人では、IGTや200mg/dl以上の食後高血糖が数年から10年続いて、初めて早朝空腹時血糖値が110mg/dlを超えることが多いとされています。
つまり1)のパターンが多くて、3)のパターンは少ないのですね。
従いまして、一般的な健康診断の早朝空腹時血糖値で、糖尿病の早期診断をするのは、大いに無理があります。
そもそも日本人ではIFG単独の例は、かなり少ないと考えられます。
1)2)3)どのパターンでも、最終的には、IGTを経て糖尿病型になると考えられます。
IFGからいきなり糖尿病型になるというのは、少ないと思います。
<糖尿病早期発見のためには>
従って、なんとかIGTの段階(糖尿病発症前)でチェックできれば、治療的には大変役立ちます。
そのためには、75g経口ブドウ糖負荷試験が一番確実です。
しかし、かなり面倒で手間暇がかかりますから、一人前のご飯やパンを食べ始めて60分後の血糖値、あるいは60~90分後の尿糖を調べれば簡便です。
1時間値が180mg/dlを超えていると、2時間値が140mg/dl未満で正常でも、将来糖尿病になりやすいので注意が必要なのです。
尿糖が陽性だと、ピークの血糖値が180mg/dlを超えている可能性が高いのです。
ともあれ、IGT、IFG、IFG/IGTの段階で発見できればおおきなアドバンテージですね。
この段階でなら、緩やかな糖質制限食でも、糖尿病発症は防げると思いますよ。
勿論、すでに糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が最適です。
<日本人と糖尿病発症パターンと欧米人の糖尿病発症パターンは異なる>
糖尿病は、インスリン作用不足(インスリン分泌不足+インスリン抵抗性)がベースにあり、発症します。
日本人では、インスリン分泌不足が主で、インスリン抵抗性が従と言われています。
IGTの段階で、まずインスリン追加分泌が不足、あるいは遷延しています。
それが数年以上続いて、インスリン基礎分泌も不足してきたら、IFGも合併してきます。
発症時の平均BMIは24~25くらいです。
一方、欧米人では、インスリン抵抗性が主で、インスリン分泌不足が従とされています。
発症時の平均BMIは31~32くらいで、かなりの肥満です。
この場合、インスリン分泌能力はまだあるけれど、効きが悪い(インスリン抵抗性)ため高血糖となります。
そうすると、インスリン抵抗性のため、基礎分泌のインスリンの量では早朝空腹時血糖値がやや高いけど、追加分泌は大量に出せるので食後高血糖は防いでいるというIFGの人が、欧米人では日本より高率に存在する可能性があります。
日本人でも肥満が目立つ人は、インスリン抵抗性が主の欧米パターンの糖尿病発症もありえます。
この場合、早期に発見できれば、インスリン分泌能力は残っているので、肥満が改善してインスリン抵抗性が改善すれば、糖尿病がほぼ治ることもあり得ます。
☆☆☆ 参考
A) 正常型
「空腹時血糖値が110mg/dl未満かつ
120分後血糖値が140mg/dl未満」を満たせば正常型。
B) 境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合を言う。
具体的にはWHO分類のIGT、IFG、IFG/IGTがある。
1) 2時間値が140-199mg/dlとなる耐糖能異常であるIGT (Impaired Glucose Tolerance)
IGT単独なら早朝空腹時血糖値は110mg/dl未満で正常である。
2) 空腹時血糖値が110-125mg/dlとなるIFG (Impaired fasting glycaemia)
IFG単独なら75gOGTTにて2時間値は140mg/dl未満で正常である。
3) 両者の合併であるIFG/IGT
の3つのパターンがある。
C) 糖尿病型
①「空腹時血糖値が126mg/dl以上または120分後血糖値が200mg/dl以上」
を満たせば糖尿病型。
② 随時血糖値200mg/dl以上は糖尿病型
③ HbA1c≧6.5%は糖尿病型
江部康二
今日は、糖尿病発症に至る流れを考察してみます。
<糖尿病発症に到る流れ>
1) 正常型→IGT→糖尿病
2) 正常型→ IGT→IFG/IGT→糖尿病
3) 正常型→IFG→IFG/IGT→糖尿病
糖尿病発症に到る流れとしては、上記1)2)3)の3つのパターンがあります。
1)の場合は、既に糖尿病を発症していても早朝空腹時血糖値は正常で健診で見逃されるので、注意が必要です。
2)の場合は、IFG/IGTの段階で、通常の健診でもチェックできます。
3)の場合も通常の健診でチェックできますが、パターンとしては少ないです。
日本人では、IGTや200mg/dl以上の食後高血糖が数年から10年続いて、初めて早朝空腹時血糖値が110mg/dlを超えることが多いとされています。
つまり1)のパターンが多くて、3)のパターンは少ないのですね。
従いまして、一般的な健康診断の早朝空腹時血糖値で、糖尿病の早期診断をするのは、大いに無理があります。
そもそも日本人ではIFG単独の例は、かなり少ないと考えられます。
1)2)3)どのパターンでも、最終的には、IGTを経て糖尿病型になると考えられます。
IFGからいきなり糖尿病型になるというのは、少ないと思います。
<糖尿病早期発見のためには>
従って、なんとかIGTの段階(糖尿病発症前)でチェックできれば、治療的には大変役立ちます。
そのためには、75g経口ブドウ糖負荷試験が一番確実です。
しかし、かなり面倒で手間暇がかかりますから、一人前のご飯やパンを食べ始めて60分後の血糖値、あるいは60~90分後の尿糖を調べれば簡便です。
1時間値が180mg/dlを超えていると、2時間値が140mg/dl未満で正常でも、将来糖尿病になりやすいので注意が必要なのです。
尿糖が陽性だと、ピークの血糖値が180mg/dlを超えている可能性が高いのです。
ともあれ、IGT、IFG、IFG/IGTの段階で発見できればおおきなアドバンテージですね。
この段階でなら、緩やかな糖質制限食でも、糖尿病発症は防げると思いますよ。
勿論、すでに糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が最適です。
<日本人と糖尿病発症パターンと欧米人の糖尿病発症パターンは異なる>
糖尿病は、インスリン作用不足(インスリン分泌不足+インスリン抵抗性)がベースにあり、発症します。
日本人では、インスリン分泌不足が主で、インスリン抵抗性が従と言われています。
IGTの段階で、まずインスリン追加分泌が不足、あるいは遷延しています。
それが数年以上続いて、インスリン基礎分泌も不足してきたら、IFGも合併してきます。
発症時の平均BMIは24~25くらいです。
一方、欧米人では、インスリン抵抗性が主で、インスリン分泌不足が従とされています。
発症時の平均BMIは31~32くらいで、かなりの肥満です。
この場合、インスリン分泌能力はまだあるけれど、効きが悪い(インスリン抵抗性)ため高血糖となります。
そうすると、インスリン抵抗性のため、基礎分泌のインスリンの量では早朝空腹時血糖値がやや高いけど、追加分泌は大量に出せるので食後高血糖は防いでいるというIFGの人が、欧米人では日本より高率に存在する可能性があります。
日本人でも肥満が目立つ人は、インスリン抵抗性が主の欧米パターンの糖尿病発症もありえます。
この場合、早期に発見できれば、インスリン分泌能力は残っているので、肥満が改善してインスリン抵抗性が改善すれば、糖尿病がほぼ治ることもあり得ます。
☆☆☆ 参考
A) 正常型
「空腹時血糖値が110mg/dl未満かつ
120分後血糖値が140mg/dl未満」を満たせば正常型。
B) 境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合を言う。
具体的にはWHO分類のIGT、IFG、IFG/IGTがある。
1) 2時間値が140-199mg/dlとなる耐糖能異常であるIGT (Impaired Glucose Tolerance)
IGT単独なら早朝空腹時血糖値は110mg/dl未満で正常である。
2) 空腹時血糖値が110-125mg/dlとなるIFG (Impaired fasting glycaemia)
IFG単独なら75gOGTTにて2時間値は140mg/dl未満で正常である。
3) 両者の合併であるIFG/IGT
の3つのパターンがある。
C) 糖尿病型
①「空腹時血糖値が126mg/dl以上または120分後血糖値が200mg/dl以上」
を満たせば糖尿病型。
② 随時血糖値200mg/dl以上は糖尿病型
③ HbA1c≧6.5%は糖尿病型
江部康二
以前、こちらで先生に質問させていただいた、たかおいいます。
お忙しいところ大変恐縮ではありますが、今回もお答えいただけたら幸いです。
今年の2月にブドウ糖75の負荷検査の結果
境界型と診断されました。
その時の数値は、ヘモグロビンA1C6.0
空腹時106 30分後血糖値210
60分後血糖値170 120分後血糖値184 でした
インスリン分泌指数は0.44でかろうじて?OKでした
その後3ヶ月に一度づつ随時血糖で検査を受けて来ました。その間、糖質制限をしておりました。基本、朝食のみ6枚切り食パン(全粒粉タイプ)の糖質を摂り、昼、夜は主食としての炭水化物はなるべく摂らないようにしてきました。
8月の検査では、ヘモグロビンA1C5.8
食後3時間血糖81(25~30gの糖質アリの朝食を摂っています)
先日の検査で、ヘモグロビン5.7食後2時間半後の血糖91(25~30gの糖質を摂っています)
今回C-ペプチドも測定していただき0.9でした
この結果から、境界型から正常型へ戻れていると言えるのでしょうか??
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、先生のご意見を伺いたくコメントしまいた。
お忙しいところ大変恐縮ではありますが、今回もお答えいただけたら幸いです。
今年の2月にブドウ糖75の負荷検査の結果
境界型と診断されました。
その時の数値は、ヘモグロビンA1C6.0
空腹時106 30分後血糖値210
60分後血糖値170 120分後血糖値184 でした
インスリン分泌指数は0.44でかろうじて?OKでした
その後3ヶ月に一度づつ随時血糖で検査を受けて来ました。その間、糖質制限をしておりました。基本、朝食のみ6枚切り食パン(全粒粉タイプ)の糖質を摂り、昼、夜は主食としての炭水化物はなるべく摂らないようにしてきました。
8月の検査では、ヘモグロビンA1C5.8
食後3時間血糖81(25~30gの糖質アリの朝食を摂っています)
先日の検査で、ヘモグロビン5.7食後2時間半後の血糖91(25~30gの糖質を摂っています)
今回C-ペプチドも測定していただき0.9でした
この結果から、境界型から正常型へ戻れていると言えるのでしょうか??
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、先生のご意見を伺いたくコメントしまいた。
2015/11/20(Fri) 11:42 | URL | たか | 【編集】
いつもブログを読ませていただき、糖質制限を2年ほど続け、効果に驚いている代後半です。
ご著書も何冊か買わせていただいております。
ところで以下のような本が出たようです。
マグネシウムは血糖値に効くという内容らしいです。
http://www.amazon.co.jp/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%99%E3%81%90%E3%81%AB%E3%80%8C%E3%81%93%E3%82%8C%E3%80%8D%E3%82%92%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%AA%E3%81%95%E3%81%84%EF%BC%81%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%94-%E6%A8%AA%E7%94%B0-%E9%82%A6%E4%BF%A1-ebook/dp/B017UH7Y4U/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1447991562&sr=1-1&keywords=%E6%A8%AA%E7%94%B0%E9%82%A6%E4%BF%A1
ご著書も何冊か買わせていただいております。
ところで以下のような本が出たようです。
マグネシウムは血糖値に効くという内容らしいです。
http://www.amazon.co.jp/%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%99%E3%81%90%E3%81%AB%E3%80%8C%E3%81%93%E3%82%8C%E3%80%8D%E3%82%92%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%AA%E3%81%95%E3%81%84%EF%BC%81%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%94-%E6%A8%AA%E7%94%B0-%E9%82%A6%E4%BF%A1-ebook/dp/B017UH7Y4U/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1447991562&sr=1-1&keywords=%E6%A8%AA%E7%94%B0%E9%82%A6%E4%BF%A1
2015/11/20(Fri) 12:58 | URL | リーフ24 | 【編集】
肥満者で炭水化物摂取量と糖尿病リスクが関連―日本人男性で検討
http://www.carenet.com/news/general/hdnj/40987
肥満の日本人男性では、炭水化物摂取量が増えると糖尿病リスクが上昇するが、正常体重者ではこの関連はみられず、両者の関連には肥満度が影響することが、金沢医科大学公衆衛生学の櫻井勝氏らの検討でわかった。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」10月31日オンライン版に掲載された。
わが国の糖尿病患者数は増加の一途をたどっている。この背景には、食生活の欧米化も一因である可能性が指摘されている。日本人の食事摂取における脂肪エネルギー比率は、1960年の10.6%から2011年の25.5%に著増している一方で、炭水化物のエネルギー比率は76.1%から59.7%まで大きく低下している。しかし、日本人の炭水化物エネルギー比率は欧米と比較するとまだ高く、炭水化物の過剰摂取が日本人の糖尿病発症と関連している可能性がある。
そこで、櫻井氏らは、日本人男性を対象に、炭水化物摂取量と2型糖尿病の発症リスクの関連を検証する10年間の前向きコホート研究を行った。
対象は、工場に勤務する33~55歳の男性勤労者2,006人(平均年齢45.9歳、平均BMI 23.4)。対象のうち肥満者(BMI≧25)は557人(27%)だった。2003年に食事に関する質問票調査を行い、栄養摂取状況を評価した。2型糖尿病の発症の有無は、2003~2013年の健康診断データ(年1回)の血液検査で判断した。
10年間の追跡期間中、232人が糖尿病を発症した。対象を炭水化物エネルギー比率で4群に分けて糖尿病の粗発生率を比較したところ、50%未満群が16.5、50~57.4%群が14.4、57.5~65%群が12.7、65%超群では17.6(単位はいずれも/1,000人・年)であり、食事や生活習慣に関連する因子を補正後も、炭水化物摂取量と糖尿病リスクに関連はみられなかった。
次に、対象者を肥満(BMI≧25)の有無に分けて検討したところ、肥満があると、炭水化物摂取量の増加に伴い糖尿病リスクが上昇した。肥満者で炭水化物エネルギー比率が65%を超えると、50~57.4%の場合に比べて、関連因子を補正後も糖尿病リスクが約2倍に増加した。一方、正常体重者ではこの関連はみられなかった。
櫻井氏は、HealthDayの取材に応じ、「肥満者では、肥満に伴うインスリン抵抗性に炭水化物の過剰摂取が加わることで、食後の高血糖・高インスリン血症を介して糖尿病を引き起こす可能性が考えられる。肥満者では、食事摂取基準で推奨される50~65%以下に炭水化物を制限した食事も有用な可能性が示唆される」と述べている。
一方で、炭水化物制限により、脂質摂取の増加に伴う脂質異常症や、蛋白質摂取の増加に伴う腎臓への負担が危惧されるとし、同氏は、「最近では、青壮年期の蛋白質過剰摂取はがんのリスク増加と関連する可能性も示唆されている。これらを踏まえると、単純に炭水化物摂取量を制限すればよいというわけではなく、三大栄養素のバランスを考えた食事が重要と思われる」とアドバイスしている。
原文
Dietary carbohydrate intake, presence of obesity and the incident risk of type 2 diabetes in Japanese men
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12433/full
http://www.carenet.com/news/general/hdnj/40987
肥満の日本人男性では、炭水化物摂取量が増えると糖尿病リスクが上昇するが、正常体重者ではこの関連はみられず、両者の関連には肥満度が影響することが、金沢医科大学公衆衛生学の櫻井勝氏らの検討でわかった。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」10月31日オンライン版に掲載された。
わが国の糖尿病患者数は増加の一途をたどっている。この背景には、食生活の欧米化も一因である可能性が指摘されている。日本人の食事摂取における脂肪エネルギー比率は、1960年の10.6%から2011年の25.5%に著増している一方で、炭水化物のエネルギー比率は76.1%から59.7%まで大きく低下している。しかし、日本人の炭水化物エネルギー比率は欧米と比較するとまだ高く、炭水化物の過剰摂取が日本人の糖尿病発症と関連している可能性がある。
そこで、櫻井氏らは、日本人男性を対象に、炭水化物摂取量と2型糖尿病の発症リスクの関連を検証する10年間の前向きコホート研究を行った。
対象は、工場に勤務する33~55歳の男性勤労者2,006人(平均年齢45.9歳、平均BMI 23.4)。対象のうち肥満者(BMI≧25)は557人(27%)だった。2003年に食事に関する質問票調査を行い、栄養摂取状況を評価した。2型糖尿病の発症の有無は、2003~2013年の健康診断データ(年1回)の血液検査で判断した。
10年間の追跡期間中、232人が糖尿病を発症した。対象を炭水化物エネルギー比率で4群に分けて糖尿病の粗発生率を比較したところ、50%未満群が16.5、50~57.4%群が14.4、57.5~65%群が12.7、65%超群では17.6(単位はいずれも/1,000人・年)であり、食事や生活習慣に関連する因子を補正後も、炭水化物摂取量と糖尿病リスクに関連はみられなかった。
次に、対象者を肥満(BMI≧25)の有無に分けて検討したところ、肥満があると、炭水化物摂取量の増加に伴い糖尿病リスクが上昇した。肥満者で炭水化物エネルギー比率が65%を超えると、50~57.4%の場合に比べて、関連因子を補正後も糖尿病リスクが約2倍に増加した。一方、正常体重者ではこの関連はみられなかった。
櫻井氏は、HealthDayの取材に応じ、「肥満者では、肥満に伴うインスリン抵抗性に炭水化物の過剰摂取が加わることで、食後の高血糖・高インスリン血症を介して糖尿病を引き起こす可能性が考えられる。肥満者では、食事摂取基準で推奨される50~65%以下に炭水化物を制限した食事も有用な可能性が示唆される」と述べている。
一方で、炭水化物制限により、脂質摂取の増加に伴う脂質異常症や、蛋白質摂取の増加に伴う腎臓への負担が危惧されるとし、同氏は、「最近では、青壮年期の蛋白質過剰摂取はがんのリスク増加と関連する可能性も示唆されている。これらを踏まえると、単純に炭水化物摂取量を制限すればよいというわけではなく、三大栄養素のバランスを考えた食事が重要と思われる」とアドバイスしている。
原文
Dietary carbohydrate intake, presence of obesity and the incident risk of type 2 diabetes in Japanese men
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12433/full
2015/11/20(Fri) 13:31 | URL | 精神科医師A | 【編集】
いつも参考にさせて頂いています。
9年前に空腹時血糖値のみが高く、妊娠糖尿になりました。出産後のブドウ糖負荷では正常型で、それ以来は年1回の健診を受けています。出産後はプチ糖質制限、または1回当たり糖質量を20㌘におさえる日を作ったりしてきました。
41歳になってからは空腹時血糖値が正常高値になりました。
糖質をとって食後2時間値も毎年調べていて、今までは100台だったのが、今年は128でした。これは加齢や体調のせいでしょうか。それともigtからifgに移行し、糖尿病が発症する段階なのでしょうか。
食事と運動を気を付けてきましたが、不安です。今年はHba1cはかわりなかったのですが、上がってきてしまうのではと不安です。空腹時血糖値が高めな人は予防は不可能でしょうか。
9年前に空腹時血糖値のみが高く、妊娠糖尿になりました。出産後のブドウ糖負荷では正常型で、それ以来は年1回の健診を受けています。出産後はプチ糖質制限、または1回当たり糖質量を20㌘におさえる日を作ったりしてきました。
41歳になってからは空腹時血糖値が正常高値になりました。
糖質をとって食後2時間値も毎年調べていて、今までは100台だったのが、今年は128でした。これは加齢や体調のせいでしょうか。それともigtからifgに移行し、糖尿病が発症する段階なのでしょうか。
食事と運動を気を付けてきましたが、不安です。今年はHba1cはかわりなかったのですが、上がってきてしまうのではと不安です。空腹時血糖値が高めな人は予防は不可能でしょうか。
2015/11/20(Fri) 15:37 | URL | EM | 【編集】
たか さん
境界型から正常型に改善したかどうかは、正確には75g経口ブドウ糖負荷試験をしないとわかりません。
しかし、HbA1cは5.7%と改善していますし、明らかに血糖コントロールは良くなっています。
今のままの食生活で続けていかれたらよいと思います。
境界型から正常型に改善したかどうかは、正確には75g経口ブドウ糖負荷試験をしないとわかりません。
しかし、HbA1cは5.7%と改善していますし、明らかに血糖コントロールは良くなっています。
今のままの食生活で続けていかれたらよいと思います。
2015/11/20(Fri) 20:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
リーフ24 さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
糖尿人が糖質を一人前摂取してしまえば、
マグネシウムを飲んでいても食後血糖値のピークは200mgを超えると思いますよ。
拙著のご購入、ありがとうございます。
糖尿人が糖質を一人前摂取してしまえば、
マグネシウムを飲んでいても食後血糖値のピークは200mgを超えると思いますよ。
2015/11/20(Fri) 20:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
EM さん
空腹時血糖値が正常高値で
糖質摂取後2時間の血糖値が128mgなら、
データ的には正常型です。
空腹時血糖値が110mg/dl以上になれば、IFGです。
1回の糖質摂取量が、40gくらいの緩やかな糖質制限食でも、充分将来の糖尿病発症が予防できると思いますよ。
空腹時血糖値が正常高値で
糖質摂取後2時間の血糖値が128mgなら、
データ的には正常型です。
空腹時血糖値が110mg/dl以上になれば、IFGです。
1回の糖質摂取量が、40gくらいの緩やかな糖質制限食でも、充分将来の糖尿病発症が予防できると思いますよ。
2015/11/20(Fri) 20:57 | URL | ドクター江部 | 【編集】
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2119.html
男性において、わずかではありますがマグネシウム摂取による糖尿病予防の可能性が示唆されますが、全体としてはマグネシウム摂取と糖尿病発症との関連は認めませんでした
男性において、わずかではありますがマグネシウム摂取による糖尿病予防の可能性が示唆されますが、全体としてはマグネシウム摂取と糖尿病発症との関連は認めませんでした
2015/11/20(Fri) 22:51 | URL | 精神科医師A | 【編集】
2015/11/20(Fri) 23:00 | URL | 精神科医師A | 【編集】
精神科医師A さん
情報をありがとうございます。
情報をありがとうございます。
2015/11/21(Sat) 07:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
精神科医師A さん
情報をありがとうございます。
1食20~40グラム程度の緩やかな糖質制限食でも、一定の有効性はあるのですね。
1食10~20グラム以下のスーパー糖質制限食なら、さらに著明な効果があるのですが・・・。
情報をありがとうございます。
1食20~40グラム程度の緩やかな糖質制限食でも、一定の有効性はあるのですね。
1食10~20グラム以下のスーパー糖質制限食なら、さらに著明な効果があるのですが・・・。
2015/11/21(Sat) 07:53 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、精神科医Aさま
見解、資料、ありがとうございます。
何となく胡散臭いと思っていましたが、やはりそうですか。
筆者紹介によると、東京慈恵医科大学教授。医学博士。同大学附属病院糖尿病代謝、内分泌内科診察医長。マグネシウム啓発目的で研究組織MAG21研究会を共同設立。日本生活習慣病予防協会参事。
とあります。主婦の友社という立派な出版社からこの肩書で出されると、信じてしまう人もいるでしょうね。
見解、資料、ありがとうございます。
何となく胡散臭いと思っていましたが、やはりそうですか。
筆者紹介によると、東京慈恵医科大学教授。医学博士。同大学附属病院糖尿病代謝、内分泌内科診察医長。マグネシウム啓発目的で研究組織MAG21研究会を共同設立。日本生活習慣病予防協会参事。
とあります。主婦の友社という立派な出版社からこの肩書で出されると、信じてしまう人もいるでしょうね。
2015/11/21(Sat) 12:48 | URL | リーフ24 | 【編集】
先生お忙しい中ありがとうございました。
やはり、負荷検査をしてみないとわからないのですね。
先日の検査の後、担当医の先生に負荷検査をお願いしたところ、来年と言われたものですから・・・
A1Cと空腹時はクリアーしていそうですが、やはり2時間後が気になります。
とりあえずは次回負荷検査の結果までは今の食生活や運動を続けてみます。
やはり、負荷検査をしてみないとわからないのですね。
先日の検査の後、担当医の先生に負荷検査をお願いしたところ、来年と言われたものですから・・・
A1Cと空腹時はクリアーしていそうですが、やはり2時間後が気になります。
とりあえずは次回負荷検査の結果までは今の食生活や運動を続けてみます。
2015/11/21(Sat) 14:41 | URL | たか | 【編集】
江部先生こんにちは。
私の場合以下の経緯で発症しました。
1.心療内科で抗うつ剤(ドグマチール)処方
2.薬の効果で食欲だけ亢進
3.休職後活動量が減少、食欲は薬の効果でそのまま、過食傾向。
4.復職後の健康診断で糖尿発症を確認
心療内科の先生ももう少し薬の副作用について考えて欲しかったです。(食欲亢進のリスクが有る等。。)
私の場合以下の経緯で発症しました。
1.心療内科で抗うつ剤(ドグマチール)処方
2.薬の効果で食欲だけ亢進
3.休職後活動量が減少、食欲は薬の効果でそのまま、過食傾向。
4.復職後の健康診断で糖尿発症を確認
心療内科の先生ももう少し薬の副作用について考えて欲しかったです。(食欲亢進のリスクが有る等。。)
2015/11/21(Sat) 18:35 | URL | 糖尿人 | 【編集】
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