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日本糖尿病学会への提言2 2015年9月
こんにちは。

日本糖尿病学会への提言2

です。

A)糖尿病合併症とカロリー制限食の弊害
B)ACCORD:厳格治療群で総死亡率上昇というとエビデンス

まず、A)B)について検討します。

日本糖尿病学会の「熊本宣言2013」に以下の記載があります・

『・・・糖尿病網膜症による失明者は年間3,000人以上(新規失明者の約18%)、
糖尿病腎症による新規透析導入者は年間16,000人以上(新規透析導入の約44%)、
糖尿病足病変による下肢切断者が年間3,000人以上(全切断患者の40~45%)であると報告されており、
糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していません。・・・』

さらに心筋梗塞や脳梗塞を発症して救急車で運ばれる人の過半数は糖尿病か耐糖能異常です。

ここで疑問が出てきます。

これらの合併症を起こした糖尿人は、皆さん、医師や栄養士の言うことを聞かずに、薬もまともに内服せずに暴飲・暴食をしたために、このような結果になってしまったのでしょうか?

いえいえそんなことはありません。

ほとんどの方は、医師や栄養士の言うとおりに、辛くとも我慢してカロリー制限食を実践し、酒も飲まず、運動もし、血糖コントロールが徐々に悪くなれば、経口糖尿病薬が増えていき、それでも効果が良くなければ、インスリン注射を導入して、清く正しく頑張ってきたにもかかわらず、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病壊疽、心筋梗塞、脳卒中・・・を合併してきてしまったのです。

即ち、糖尿病患者さんに罪はないのです。

罪は一重に、カロリー制限食(高糖質・低脂質食)にあるのです。

カロリー制限食(高糖質・低脂質食)を実践する限り、相当な幸運で良くない限り、糖尿病合併症から免れることは至難の技です。

何故なら、糖質を摂取する限り、「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を必ず生じるからです。

食後高血糖と平均血糖変動幅増大は、糖尿病合併症の最も大きな要因です。

食後高血糖と平均血糖変動幅増大を防ぐことこそが合併症予防の優先順位の一番なのです。

そして糖質制限食が唯一、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を防ぐ治療食なのです。


ACCORDの結果(RCT研究論文)とランセットの報告(コホート研究論文)(★)によれば、

「糖質を普通に摂取しながら、強力な糖尿病の薬物治療を行えばかえって総死亡率が上昇する」

という、明白なエビデンスが存在します。(*)


私は一人の医師であり、一人の糖尿病患者です。

医師としてそして一糖尿病患者として、日本糖尿病学会に、提言します。


<日本糖尿病学会への提言2>

1)
ACCORDなどの明白なエビデンスを無視せずに、現実を認めて、
ワンパターンの食事療法(カロリー制限・高糖質食)の見直しに着手することをお願い申し上げます。
米国糖尿病学会が公的に受容している「糖質制限食」も選択肢の一つとして認めることが、
糖尿病専門医として科学的な態度と言えると思います。

2)
従来の日本の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食と薬物療法)で、
糖尿病網膜症で失明、糖尿病腎症で透析、糖尿病壊疽で下肢を切断、心筋梗塞、脳梗塞・・・といった
糖尿病合併症が毎年多数発症している現状を、どのようにとらえておられるのでしょうか?
現実に多くの糖尿病患者さんを合併症で苦しめてきたという反省はないのでしょうか?
是非、冷静に日本の糖尿病治療と合併症の現状を検討して頂きたいと思います。

3)
糖尿病学会が推奨するカロリー制限食(高糖質・低脂質食)では、
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅の増大」を生じ、酸化ストレスリスクを決して防げません。
この生理学的事実を、日本糖尿病学会は、
糖尿病患者さんに、きちんと説明する義務があると思いますのでよろしくお願い申し上げます。

4)
農耕開始前の人類約700万年間の進化の歴史は狩猟・採集で糖質摂取は少なく、
農耕開始(穀物摂取開始)は約1万年前からに過ぎないことを、認識してくださるようお願い申し上げます。

5)
日本人も旧石器時時代と縄文時代の約数万年間は狩猟・採集で糖質摂取は少なく、
農耕開始(米摂取開始)は弥生時代以降の約3000年間に過ぎないことを、
認識してくださるようお願い申し上げます。



(*)
2011年07月21日 (木) の本ブログ記事
「ACCORDとLancet誌2010年2月6日号の報告、HbA1cの目標値は?」
をご参照ください。

★ACCORD
Effects of Intensive Glucose Lowering in Type 2 Diabetes
The Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes Study Group
N Engl J Med 2008; 358:2545-2559

★Survival as a function of HbA1c in people with type 2 diabetes: a retrospective cohort study
The Lancet, Volume 375, Issue 9713, Pages 481 - 489, 6 February 2010



江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
体重と血糖値
江部先生、質問させていただきます。
私は、現在摂食障害治療中です。
身長152㎝ 体重26kgの拒食症で、ラコール(経口栄養剤)を1日に2パックと、朝昼夜の3食(ごはん80g、おかずなどは1人分)食べています。
最近少し気になる事があり、75gブドウ糖負荷検査を受けました。
その結果についての相談です。
空腹時血糖値 115
30分後  398
60分後  410
120分後 285
空腹時インスリン 4.5
空腹時Cペプチド 3.6
ヘモグロビンA1c 5.5
負荷後高血糖のため、来月に再度採血しますと言われました。
私の場合、筋肉や脂肪が少ないため、糖質の吸収が高くなると言われました。
薬の服用は、必要なしと言われたのですが、このまま負荷後高血糖(食後高血糖)を放置しておくと、今度はヘモグロビンA1cが高くなるそうです。
江部先生、私の場合糖質制限は可能なのでしょうか?
よろしくお願いします。

2015/09/19(Sat) 09:37 | URL | こゆき | 【編集
日本糖尿病学会提言1・2を拝読して!
都内河北 鈴木です。

江部先生は、千里眼の持ち主かと思える程私の糖尿病悪化経過を驚くほど的確に説明されています。

正に正にその通りです。

私は糖尿病発症21年。糖尿病専門医の指示通りと言ってもカロリー制限食オンリーの説明終始。
結果、糖尿病は悪化一途でした。

病態悪化で右目眼圧破裂失明、同時緑内障発症、その後7年間日本糖尿病学会公認専任医、指導医の肩書き医者に診療受けていましたが、
5年後には脳梗塞発症救急搬送。
糖尿病悪化は明らかです。

糖尿病悪化改善の為に食事療法入院しましたが、当然カロリー制限食です。
3日目にはインスリン投与が始りました。

その後病態改善無く悪化増すばかり、インスリン及び投薬量は増すばかりでした。

インスリン投与3年数ヶ月経過した頃、江部先生をメディアで垣間見て、ネット始めたばかりで検索し、改善者のオーディオさんブログから試してみる価値ありと、2012.10.1.よりスーパー糖質制限食生活を実践スタートしました。

スーパー糖質制限食実践翌日驚いたのは、朝食インスリン投与前に血糖値自己測定器計測は。今まで200前後が110以下でした。

以降日々血糖値は下がり、インスリンは自己判断で減量して行き2ヶ月経過した頃には血糖値53でした。

低血糖の説明はインスリン投与時より無かったので、ネット検索で危険数値知りインスリン離脱しました。

以降糖質制限理論食生活なら血糖値・HbaA1cは改善安定して現在に至ります。

私は江部先生情報を元にネットで欧米先進国の糖尿病解明の事実を確認する度に愕然としました。
世界は2000年以降カロリーという食理論概念を否定している事!

私が当時通院していた病院廃医院により転院したのは2005年です。
この年からアメリカADAなどが血糖値上昇栄養素は糖質だと解明世界発表していました。
2009年にはアメリカ医学会は血糖値上昇栄養素は糖質だと統一しています。
 
また福岡久山町・山形舟形町の研究データの事実も江部先生ブログより知りました確認しました!
上記の事は未だに信者医者達からは説明ありません。

この様な事から如何に可能性無い治療を受けていたかの事実被害体験者です。

そして私患者が改善してゆく事へ、担当医TとK病院は反省学習するどころか、数々の嫌がらせ。
転院をする羽目になりました。

江部先生に糖質制限理論に対しての現状報告として送付した転院紹介状などに何故あのような事を書くのでしょうか。

送付転院紹介状には日本において名のある病院の名前もあるかと思います。

私は日本糖尿病学会信者医者・信者病院は治療し改善することへ真摯な考えが無いことを実体験しました。

現在糖尿病など病態に悩んでいる患者の皆さんは、この国の権威・肩書きなどから既成概念打破するべきです。
パターナリズム覚醒して欲しいです。

病態悪化進行する前に!!!

私は面識無い江部先生の糖質制限理論により改善生還した証明者です。!!

後遺症の眼・脳は進行性であり今後も気が抜けませんが、
今後も江部先生の情報発信でより改善策を勉強したいです。

江部先生、ご苦労でしょうが今後も御尽力下さい。
お願い致します。
敬具












糖質制限理論食生活実践でインスリン量増える3年余りが、3ヶ月足らずで離脱しHba1正常化以降
2015/09/19(Sat) 14:39 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
相生でのご講演、有難うございました。
ご講演の後、不躾でしたが声をかけさせて頂いた者です。
貴重なお話を、有難うございました。

私は学生時代からの健康オタクですが、食欲がコントロールできず、甲田療法の玄米菜食に菓子パン、ドーナツを食べる生活でした。
今年3月からの糖質制限で、食欲が簡単にコントロールできるのに驚き、勉強中です。

夏井先生の賢さ、釜池先生のストイックさ、荒木先生の先見性、福田一典先生の緻密さ、同業の西脇先生に感じる親しみ、渡辺先生のMEC食の分かりやすさ、など感心していますが、牽引力においては、やはり先生が第一人者だと思います。
先生にぜひ、国民栄誉賞をもらって頂きたいと思っています。

精神科診療の片手間での糖質制限、MEC食指導でも、10年来菓子パン3個の食べ吐きが、わずか2週間で治ったという若い女性の患者さんが現れたりして、ますます糖質制限のポテンシャルを感じています。
専門分野の統合失調症、うつ病、アルツハイマー病、てんかん、自閉症etcの治療に糖質制限が応用できるのではと思うものの、この5月に開業したばかりで、まだ家族が生活していくのにやっとの状態です。
自分なりのスタンスで糖質制限と関わっていければと思っています。

今後もご指導よろしくお願い致します。

いのうえメンタルクリニック
井上 浩一
http://inoue-mental.com/
http://blogs.yahoo.co.jp/ino_iti
2015/09/20(Sun) 08:42 | URL | いのいち | 【編集
Re: 体重と血糖値
こゆき さん

糖質制限食は可能と思いますが、
兎に角、まずは主治医とよくよくご相談いただけば幸いです。
2015/09/20(Sun) 10:46 | URL | ドクター江部 | 【編集
最近このブログを発見し拝見させていただいております。ひとつおききしたいのですが、糖質制限をすると糖新生のためグルカゴン分泌が増え膵臓に負担をかけるということはないのでしょうか?それとも人間は飢餓状態には慣れておりインスリンよりも分泌能は余裕があるのでしょうか?
2015/09/20(Sun) 11:39 | URL | 白湯 | 【編集
Re: 相生でのご講演、有難うございました。
いのうえメンタルクリニック
井上 浩一  先生

昨日は、講演会へのご参加ありがとうございます。
質疑応答でとても盛り上がり、よい会でしたね。

耐糖能が正常型でも、糖質を普通に摂取すると血糖値の変動幅が増大します。
この血糖変動幅増大が、心理的不安定さと密接に関係があると思います。
糖質制限とメンタルなこと、またご教示いただけば幸いです。

2015/09/20(Sun) 12:23 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
白湯 さん

糖質を普通に食べている人でも、
食事開始後数時間経つと、肝臓や腎臓で糖新生をして、血糖値を保ちます。

人体において睡眠時などは、ほぼ糖新生で、血糖値を保ちます。

つまり飢餓状態という非常事態だけではなく、
人体は日常的に糖新生をしているわけなので、負担にはならないのです。

糖新生にはアドレナリン、グルカゴン、成長ホルモン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモンなどが関与します。



2015/09/20(Sun) 18:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re:体重と血糖値
こゆきさん

早く糖質制限を始めるべきと思います。
本ブログの本編や都内河北 鈴木様の声を聞けば、言わずもがなと思いますが、恐らく貴方の掛かり付け医に相談しても、その声が届く可能性は低いでしょう。

貴方が摂らなければいけないのは、エネルギーの元ではなくて、体の元です。体を造る、ホルモンを造る元です。
少食でしょうから、糖質制限食を、4~6回に分けて食べましょう。
今の貴方の腸内細菌は糖質に偏ったもののため、始めて数週間は不安定で辛いかもしれませんが、そこを乗り越えればもう大丈夫です。

西宮の川本治療所のこちらをご参照下さい(糖質制限推進派です)

『痩せ過ぎヘニャヘニャちゃんを元気に』

http://karada-naosu.com/blog/category/%E7%97%A9%E3%81%9B%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%83%98%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%83%98%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%82%92%E5%85%83%E6%B0%97%E3%81%AB/
2015/09/20(Sun) 19:01 | URL | 福助 | 【編集
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