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世界の潮流「修復腎移植」を阻む移植学会の闇。
こんにちは。

東洋経済オンラインに、

【世界の潮流「修復腎移植」を阻む移植学会の闇】

という、大変興味深い記事が掲載されました。

『だれが修復腎移植をつぶすのか 日本移植学会の深い闇』
の著者である高橋幸治氏へのインタビュー記事です。


腎不全による人工透析患者数は全国で31万人です。

そのうち、より根本的な治療となる腎移植を受けられるのは、希望者のわずか1%に過ぎません。

脳死移植にせよ生体移植にせよ、移植腎のドナーが圧倒的に不足しているのです。

そういった状況の中で、四国宇和島徳州会病院泌尿器科部長の万波 誠(まんなみ まこと)医師のグループが、4センチメートル未満の小径腎がんを切除した腎臓を、希望者に移植する治療を2005年頃に開始しました。

欧米における腎臓がん患者からの腎臓移植に対する考え方は、2000年ごろ大きく変わり、遺伝子検査法や移植免疫学の進歩等によって、「ドナーからがんが持ち込まれる」という旧来の学説は崩壊し、修復腎が正常に機能することが明らかになってきました。

2011年にはWHOが、「一定条件下では修復腎移植は低リスクである」と、通達を出しています。

こうした世界の潮流と逆行し、日本では移植学会が2007年に病腎移植を原則禁止としました。

その2年後、「移植への理解を求める会」や国会議員の「超党派の会」が立ち上がり、小径腎がんの修復腎移植は、宇和島徳州会における「臨床研究」という形でようやく認められました。

「修復腎移植」を阻む勢力においては、透析医療の利権問題があると考えられます。

1人当たり年間500万円の透析医療費は国庫負担で、透析医療費は、日本全体で年間1兆5000億円です。

「修復腎移植」に強硬に反対する日本移植学会のトップは、製薬会社や透析病院から資金を得て大学で寄付講座を開設しています。

「修復腎移植」を阻む勢力においては、透析患者さんが多いほど利権は膨らむわけで、「修復腎移植」を認めればその分は利権が減ることになるのです。

私は、世界の潮流であり、WHOも容認している「修復腎移植」に賛成の立場であり、万波誠医師とそのグループを支持します。



江部康二



☆☆☆

以下、東洋経済オンラインの記事から一部抜粋

高橋幸春(たかはし ゆきはる)/1950年生まれ。早稲田大学第一文学部を卒業後、ブラジルへ移住。邦字紙に勤務、1978年帰国。1991年に『蒼氓の大地』で講談社ノンフィクション賞受賞。『悔恨の島ミンダナオ』『絶望の移民史』『日系人の歴史を知ろう』『透析患者を救う!修復腎移植』、麻野涼のペンネームで小説『死の臓器』等、著書多数。

http://toyokeizai.net/articles/-/80469

世界の潮流「修復腎移植」を阻む移植学会の闇
裏には「透析医療の利権問題」も
中村 陽子 :東洋経済 編集局記者2015年08月22日

コメント8「世界の潮流「修復腎移植」を阻む移植学会の闇 裏には「透析医療の利権問題」
腎移植の需給ギャップは緩和できるのか

2005年、愛媛県宇和島市で起きた臓器売買事件。腎臓移植手術の執刀医だった万波(まんなみ)誠医師は程なく無実が立証されたものの、それは次なる深い闇への導入線にすぎなかった。

腎不全による人工透析患者数は全国で31万人。そのうち、より根本的な治療となる腎移植を受けられるのは希望者のわずか1%だ。高橋幸春氏著『だれが修復腎移植をつぶすのか 日本移植学会の深い闇』は、絶望的な需給ギャップを緩和する修復腎(病気腎)移植を先導してきた万波医師と、それに傲然と立ちはだかる日本移植学会の10年間の記録である。



マスコミによる異様な「万波バッシング」

──そもそも修復腎移植とは?

がんの部分を切除した腎臓を移植に回す方法で、日本では日本移植学会(以下、移植学会)の働きかけで原則禁止されています。この禁忌を破り4センチメートル未満の小径腎がんを切除した腎臓を移植して、海外で注目されてきたのが宇和島徳洲会病院の万波医師と、仲間の医師たちでした。

万波さんは陰で売買された臓器と知らず執刀したことで事件に巻き込まれたのですが、その際病院側が、過去に修復腎を移植した例が11件あった事実を公表したことで、マスコミの目は一気にそちらへ飛び火します。2006年の万波バッシング報道は異様ともいえるものでした。

──当時はテレビや新聞、それに週刊誌で「猟奇的犯行」など過激なタイトルがあふれ返っていました。


事件調査に入った厚生労働省は結果公表前から、マスコミに事実無根の誹謗中傷を流しました。移植学会幹部は、がん部分を切除して使える腎臓なら患者本人に戻す(自家腎移植)べきだ、と非現実的なことを声高に叫んだ。実際の治療現場では、高難度かつ患者の肉体的負担が大きい自家腎移植はほとんど行われていないのにです。

医者が部分切除で大丈夫と説明しても、再発・転移リスクを恐れたり、もう一つの腎臓で事足りるからいっそ全摘してくれ、と言う患者がほとんどなのです。万波さんが修復腎移植を始めたのも、「この腎臓をあの患者に移植してあげられれば、助けることができる」と考えたのが始まりでした。


http://toyokeizai.net/articles/-/80469?page=2
2007年には、全米移植外科学会総会で修復腎移植の成果を発表する予定でしたが、それも移植学会に妨害されました。とにかく万波憎しで、万波さんの医師免許剥奪や病院の保健医療認定取り消しに躍起でした。もしそうなっていたら、あの地域の医療は完全に崩壊していましたよ。

世界の潮流と逆行する日本


──実際海外では、修復腎移植はどう評価されているのですか?


腎臓がん患者からの腎臓移植に対する考え方は、2000年ごろ大きく変わりました。遺伝子検査法や移植免疫学の進歩等によって、「ドナーからがんが持ち込まれる」という旧来の学説は崩壊し、修復腎が正常に機能することが明らかになってきた。

臓器不足は世界的にも明らかで、マージナル(境界線)の臓器を用いて移植を進めようという動きは加速しています。2011年にはWHOが、一定条件下では修復腎移植は低リスクである、と通達を出しています。

こうした世界の潮流と逆行し、日本は2007年に病腎移植を原則禁止とした。その2年後、万波医師の患者らによる「移植への理解を求める会」や国会議員の「超党派の会」が立ち上がり、小径腎がんの修復腎移植は「臨床研究」という形でようやく認められました。

でもそれはあくまで宇和島徳洲会病院の臨床研究であって、実用段階に入った欧米とは大きく乖離したままです。通常移植には400万~600万円かかりますが、それを全額病院側が負担するのです。2011年には病院が先進医療保険適用の承認申請をしたんですが、このときも学会側の横やりで認可されませんでした。

──なぜ移植学会は、そこまでかたくなに強硬姿勢を貫くのか

学会の「禁止」というお触れを、瀬戸内の田舎医者が平然と破っている。しかも世界の移植医師の論文に万波さんの論文が引用されるなど注目され、修復腎移植は実用段階に入っている。嫉妬もあるだろうし、権威失墜を恐れているのでしょうね。


http://toyokeizai.net/articles/-/80469?page=3
さらに見えてくるのは透析医療の利権問題です。透析は取りっぱぐれがない。患者は十何年、週3回通い続け、1人当たり年間500万円の医療費は国庫負担。合併症治療も含めれば透析医療は2兆円市場といわれます。透析患者を多く抱えることが病院の利益に直結するため、患者の紹介や引き抜きをめぐる贈収賄事件が頻発するのです。

透析病院では移植の話をタブーとする雰囲気が作られ、移植は怖いものと患者は信じ込まされている。患者は目隠しをされ、「透析がつらいと言うのはあなただけ。ほかの人はそんなこと言ってない」と恫喝され、「移植のことは考えるな」と切り捨てられる。だから取材してると、移植のことを知らない透析患者さんがけっこういますよ。

それに本の中で証拠を挙げて指摘したように、移植学会トップは製薬会社や透析病院から資金を得て大学で寄付講座を開設しています。中でも大金を寄付している製薬会社は薬事法違反の疑いで刑事告発され、最近では副作用報告義務違反で業務停止処分を受けている。そうした問題の多い会社から寄付を得、平然とトップの座に座り続けている事実にモラルの欠如を疑ってしまいます。

修復腎移植は透析患者を救える

──腎不全患者7人が、自分たちの幸福追求権を奪われた、と移植学会幹部を提訴しましたね。


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昨年棄却判決が出て現在控訴中です。裁判の過程では、被告の幹部たちの修復腎移植批判がいかに時代遅れで的外れであるかが明らかになっています。それ以上に酷なのが、この間に原告7人のうち透析患者だった4人が亡くなっていることです。

透析生活は肉体的にも精神的にもたいへん過酷なものです。31万人の透析患者のうち腎移植希望登録者数は1万3000人。待機時間は平均16年ですが、その間透析を続けながら、5年で40%、10年で60%が移植を待ちきれず亡くなっていくんです。

ある大学教授の試算によれば、移植可能な修復腎は年間2000個出てきます。修復腎移植が認められれば、6年ほどの待機で移植を受けられることになります。死体腎移植は年間百数十例と全然足りない。親族間の移植でも、現実問題として直面するとたいへんな葛藤が生じます。遺伝的に無理な場合もある。そのとき第3の道として残されているのは修復腎しかないじゃないですか。

移植後、万が一がんが再発したとしても、その間高いQOLで生きられるなら、ましてそれが1%程度の低リスクであるなら、修復腎でいいから移植をという選択権は患者側にあっていいはずです。修復腎移植は患者を救えます。こうしている間に救える命が失われていく。一刻も早く認められることを願っています。



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
能登洋Drの最新刊
まだ内容を読んでいませんが、糖質制限にどのように解説してるか、注目されますす


https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/eye/201509/543602.html

http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E6%96%B0-%E7%B3%96%E5%B0%BF%E7%97%85%E8%A8%BA%E7%99%82%E3%81%AE%E3%82%A8%E3%83%93%E3%83%87%E3%83%B3%E3%82%B9-%E8%83%BD%E7%99%BB%E6%B4%8B/dp/4822200140

ところで、聖路加病院の日野原先生は糖質制限をしていたはずですが…

http://www.wound-treatment.jp/new_2014-03.htm#0320-06:00-9
2015/09/04(Fri) 22:26 | URL | 精神科医師A | 【編集
最近wowowでドラマ化されていました
糖尿病の治療といい、移植の件といい、お医者様が患者にとって最善の治療を選択してくださると思うのは幻想なのでしょうかね。
私が入院していた病院で、看護師さんとお話していた時にこんな事をおっしゃっていました。

私「旧館はずっとこのままなの?あっちの新館みたいになればいいのにね。」

看護師「ねー。結構古いですもんね。透析に頑張ってもらわないといけませんね♪」

心の声「そうですよね。透析患者は美味しい患者さんですもんね。駐車場も予約で優先ですもんね。新館の一番いい所は透析のお部屋になっていますものね。どんどん患者を増やして儲けないとね。」

医療費の削減が急務と言われています。
みなさん色んなしがらみを捨て、本当に必要なものを考えて頂ければおのずと答えは見えてくると思います。
2015/09/05(Sat) 00:16 | URL | rapsberry | 【編集
Re: 能登洋Drの最新刊
精神科医師A さん

日野原重明先生は103歳の現役医師で、糖質制限をされていると思います。
動物蛋白をしっかり摂取しておられて、ご飯はごく少量ですね。
2015/09/05(Sat) 08:35 | URL | ドクター江部 | 【編集
自家腎移植のリスク
癌を摘出したあとの腎臓を本人に戻すことのリスクが
どの程度か分からないので、
本人に戻さず他人に移植することの不自然さを訴えている
人が多いのではないでしょうか。
 
私も今まで手術の詳細を知らずそのためなんとなく反対していましたが、
江部先生の今回の記事で初めて調べてみようと思いました。 
2015/09/08(Tue) 23:02 | URL | エッグマン | 【編集
Re: 自家腎移植のリスク
エッグマン さん

そうですね。
これをきっかけに、ご自分で調べてみられるのが良いと思います。
2015/09/09(Wed) 12:52 | URL | ドクター江部 | 【編集
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