2015年08月15日 (土)
こんにちは。
人体の基礎代謝の比率に関して、いろんなデータがネット上で出回っています。
その中で一番信頼できるデータが、
<人における組織・器官の代謝率>
肝臓27%、脳19%、心臓7%、腎臓10%、筋肉18%、その他19%
であり、「 FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告」1989、13ページのTABLE 2に記載されています。
一般に通説として筋肉が基礎代謝の40%とか言われていて、私も深く検証せずにそう思っていたのですが、肝臓27%、筋肉18%というのは意外でした。 (=_=;)
ともあれ、糖質制限食(高脂質・高タンパク食)においては、人体最大の基礎代謝率を占める肝臓が、糖新生で活性化されるので、糖質制限食で基礎代謝が増加するという仮説は、なかなか説得力があると自画自賛しています。(^^)
通常は、筋肉量の増加が基礎代謝の増加なのですが、例えば甲状腺機能亢進症でも、基礎代謝の増加のために体重減少が生じますね。
「エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告-ヒトにおける基礎代謝率」は、医歯薬出版 (1990/03)で単行本になっているのですが、とっくに絶版です。
以下が原著です。
今回、同級生の中村保幸氏の協力を得て、やっと原著を記載してあるサイトをつきとめることができました。
中村君に、謝謝です。 m(_ _)m
http://www.fao.org/3/contents/3079f916-ceb8-591d-90da-02738d5b0739/M2845E00.HTM
Joint FAO/WHO/UNU Expert Consultation on
Energy and Protein Requirements
Rome, 5 to 17 October 1981
BASAL METABOLIC RATE IN MAN
by J.V.G.A. Durnin University of Glasgow Glasgow Scotland
TABLE 2 .Metabolic Rates of Organs and Tissues in Man(13ページ)
アマゾン
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%BB%E8%9B%8B%E7%99%BD%E8%B3%AA%E3%81%AE%E5%BF%85%E8%A6%81%E9%87%8F%E2%80%95FAO-WHO-UNU%E5%90%88%E5%90%8C%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B0%82%E9%96%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%A0%B1%E5%91%8A-WHO%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-UNU%E5%90%88%E5%90%8C%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B0%82%E9%96%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/dp/4263702476
エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告 (WHOテクニカル・レポート・シリーズ)
単行本 – 1990/3
FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会 (著), 井上五郎 (著)医歯薬出版 (1990/03)
江部康二
人体の基礎代謝の比率に関して、いろんなデータがネット上で出回っています。
その中で一番信頼できるデータが、
<人における組織・器官の代謝率>
肝臓27%、脳19%、心臓7%、腎臓10%、筋肉18%、その他19%
であり、「 FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告」1989、13ページのTABLE 2に記載されています。
一般に通説として筋肉が基礎代謝の40%とか言われていて、私も深く検証せずにそう思っていたのですが、肝臓27%、筋肉18%というのは意外でした。 (=_=;)
ともあれ、糖質制限食(高脂質・高タンパク食)においては、人体最大の基礎代謝率を占める肝臓が、糖新生で活性化されるので、糖質制限食で基礎代謝が増加するという仮説は、なかなか説得力があると自画自賛しています。(^^)
通常は、筋肉量の増加が基礎代謝の増加なのですが、例えば甲状腺機能亢進症でも、基礎代謝の増加のために体重減少が生じますね。
「エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告-ヒトにおける基礎代謝率」は、医歯薬出版 (1990/03)で単行本になっているのですが、とっくに絶版です。
以下が原著です。
今回、同級生の中村保幸氏の協力を得て、やっと原著を記載してあるサイトをつきとめることができました。
中村君に、謝謝です。 m(_ _)m
http://www.fao.org/3/contents/3079f916-ceb8-591d-90da-02738d5b0739/M2845E00.HTM
Joint FAO/WHO/UNU Expert Consultation on
Energy and Protein Requirements
Rome, 5 to 17 October 1981
BASAL METABOLIC RATE IN MAN
by J.V.G.A. Durnin University of Glasgow Glasgow Scotland
TABLE 2 .Metabolic Rates of Organs and Tissues in Man(13ページ)
アマゾン
http://www.amazon.co.jp/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%83%BB%E8%9B%8B%E7%99%BD%E8%B3%AA%E3%81%AE%E5%BF%85%E8%A6%81%E9%87%8F%E2%80%95FAO-WHO-UNU%E5%90%88%E5%90%8C%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B0%82%E9%96%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E5%A0%B1%E5%91%8A-WHO%E3%83%86%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-UNU%E5%90%88%E5%90%8C%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B0%82%E9%96%80%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A/dp/4263702476
エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告 (WHOテクニカル・レポート・シリーズ)
単行本 – 1990/3
FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会 (著), 井上五郎 (著)医歯薬出版 (1990/03)
江部康二
人の基礎代謝が7割で、運動による代謝は2割、食事誘導性熱産生1割程度と学びましたが・・。
ただ、運動をすると、ミトコンドリアなどの体組成のレベルが上がるようで、無駄ではようです(笑)
有酸素運動とか無酸素運動という概念も、実はないようで、ミトコンドリアは酸素を使わずにエネルギーを産生できるようです。
乳酸も疲労物質ではなく、効率のよいエネルギー源だということも学びました。
糖に含まれるのですね。
糖が分解されると乳酸になるため、運動強度が高いときに血中に多くあり、運動後、数時間で安静時のレベルに戻るため、筋肉痛とはまるで関係ないようです。
ただ、運動をすると、ミトコンドリアなどの体組成のレベルが上がるようで、無駄ではようです(笑)
有酸素運動とか無酸素運動という概念も、実はないようで、ミトコンドリアは酸素を使わずにエネルギーを産生できるようです。
乳酸も疲労物質ではなく、効率のよいエネルギー源だということも学びました。
糖に含まれるのですね。
糖が分解されると乳酸になるため、運動強度が高いときに血中に多くあり、運動後、数時間で安静時のレベルに戻るため、筋肉痛とはまるで関係ないようです。
2015/08/15(Sat) 20:56 | URL | クワトロ | 【編集】
◎NHK「チョイス」の「最新情報!認知症を防ぐ食事」
でも、
◎『糖質ベタベタ食事』を食わせる
を推奨してました。
久山町の人たちを糖尿病蔓延させたいのですかね???
でも、
◎『糖質ベタベタ食事』を食わせる
を推奨してました。
久山町の人たちを糖尿病蔓延させたいのですかね???
2015/08/15(Sat) 22:10 | URL | らこ | 【編集】
こんばんは。先生のブログに、たまにお邪魔させていただいております かんたん です。
今回は、娘との会話で嬉しく思った事があり先生と皆さんに報告したくなりました。
私は二人の娘の母親なのですが、夕飯時に次女と糖質制限続いてるね!偉いよ、お母さん。なんて会話をしていると、普段は夕飯を遅めにとる長女がテーブルにつき言いました。
長女「糖質制限って、どうなの?って思ったけど、お母さん鬱病なのに元気になったよね。良かったね。でね、この間、学校の先生がケトン体の話をしたんだけど…。」
私「うん、先生なんて言ってた?」(ニヤニヤ)
長女「今までは、脳のエネルギーはブドウ糖だけって話が覆って、ケトン体も使えるって話してた。それでね、ケトン体ってなに?って思って先生に聞いたら色々教えてくれたよ。こんな大事な事が、比較的最近世の中に知れ渡ったなんて不思議でさ。」
私「そうだね。貴女は、どこまで理解出来た?」
長女「まず、脳のエネルギーになるって事と、ブドウ糖が必須じゃない細胞はケトン体が使えるって事かな。だから、人類は度々おこる食糧難をのりこえてこれたんだなって。」
私「良いところに気がついたじゃない(^-^)」
なんて、会話だったのですが、高等学校教育で教師がケトン体の話をした事が嬉しかったです。そして、それに対しての説明も解りやすくされており、いまだケトン体は危険!脳のエネルギーはブドウ糖のみ!などと言っているお医者様に聞かせてあげたい!と、思ってしまったくらいです。
ネット上でも、いまだに脳のエネルギーはブドウ糖のみ!なんて書かれているのを見るとガックリでしたが、こんな身近で未来を担う子供達に、正しい教育がされているんだと思うと先生のブログに報告せずにはいられませんでした(^-^)
長女は、私が普段から「燃えろ!ケトン体!」なんて、笑いながら言ってるのを気に止めていたのも嬉しかったです。
長女の頭には、糖質制限とケトン体が関係あるんだな。と思ったのでしょう(^-^)
また、長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
今回は、娘との会話で嬉しく思った事があり先生と皆さんに報告したくなりました。
私は二人の娘の母親なのですが、夕飯時に次女と糖質制限続いてるね!偉いよ、お母さん。なんて会話をしていると、普段は夕飯を遅めにとる長女がテーブルにつき言いました。
長女「糖質制限って、どうなの?って思ったけど、お母さん鬱病なのに元気になったよね。良かったね。でね、この間、学校の先生がケトン体の話をしたんだけど…。」
私「うん、先生なんて言ってた?」(ニヤニヤ)
長女「今までは、脳のエネルギーはブドウ糖だけって話が覆って、ケトン体も使えるって話してた。それでね、ケトン体ってなに?って思って先生に聞いたら色々教えてくれたよ。こんな大事な事が、比較的最近世の中に知れ渡ったなんて不思議でさ。」
私「そうだね。貴女は、どこまで理解出来た?」
長女「まず、脳のエネルギーになるって事と、ブドウ糖が必須じゃない細胞はケトン体が使えるって事かな。だから、人類は度々おこる食糧難をのりこえてこれたんだなって。」
私「良いところに気がついたじゃない(^-^)」
なんて、会話だったのですが、高等学校教育で教師がケトン体の話をした事が嬉しかったです。そして、それに対しての説明も解りやすくされており、いまだケトン体は危険!脳のエネルギーはブドウ糖のみ!などと言っているお医者様に聞かせてあげたい!と、思ってしまったくらいです。
ネット上でも、いまだに脳のエネルギーはブドウ糖のみ!なんて書かれているのを見るとガックリでしたが、こんな身近で未来を担う子供達に、正しい教育がされているんだと思うと先生のブログに報告せずにはいられませんでした(^-^)
長女は、私が普段から「燃えろ!ケトン体!」なんて、笑いながら言ってるのを気に止めていたのも嬉しかったです。
長女の頭には、糖質制限とケトン体が関係あるんだな。と思ったのでしょう(^-^)
また、長くなりましたが読んでいただきありがとうございました。
クワトロ さん
乳酸は効率のよいエネルギー源ということは私も知っていました。
一方「ミトコンドリアは酸素を使わずにエネルギーを産生できる」
というのはよくわかりません。
まずはブドウ糖を解糖系で代謝してピルビン酸が生成されます。
酸素がないならば、ピルビン酸からの最終代謝産物は乳酸となります。
酸素があればピルビン酸は代謝されアセチルCoAとなります。
アセチルCoAはミトコンドリア内に入ってオキサロ酢酸とくっついてクエン酸となり
クエン酸回路(TCAサイクル)が開始されます。
解糖系は酸素が存在しなくても反応は進みます。
一方クエン酸回路の反応には、電子伝達系が関わっています。
電子伝達系の反応には酸素が必要なので、
ミトコンドリア内のクエン酸回路(TCAサイクル)は酸素がないと回らないと思うのですが・・・。
乳酸は効率のよいエネルギー源ということは私も知っていました。
一方「ミトコンドリアは酸素を使わずにエネルギーを産生できる」
というのはよくわかりません。
まずはブドウ糖を解糖系で代謝してピルビン酸が生成されます。
酸素がないならば、ピルビン酸からの最終代謝産物は乳酸となります。
酸素があればピルビン酸は代謝されアセチルCoAとなります。
アセチルCoAはミトコンドリア内に入ってオキサロ酢酸とくっついてクエン酸となり
クエン酸回路(TCAサイクル)が開始されます。
解糖系は酸素が存在しなくても反応は進みます。
一方クエン酸回路の反応には、電子伝達系が関わっています。
電子伝達系の反応には酸素が必要なので、
ミトコンドリア内のクエン酸回路(TCAサイクル)は酸素がないと回らないと思うのですが・・・。
2015/08/16(Sun) 10:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
らこさん
清原教授
毎日新聞2007.7.27東京朝刊18頁では、
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい。」
久山町研究に27年間かかわってきた九大久山町研究室長の清原裕教授(環境医学)は厳しい表情で語る。
と謙虚に述べておられるのですが・・・。
清原教授
毎日新聞2007.7.27東京朝刊18頁では、
「88年以後、運動や食事指導など手を尽くしたのに糖尿病は増える一方。どうすれば減るのか、最初からやり直したい。」
久山町研究に27年間かかわってきた九大久山町研究室長の清原裕教授(環境医学)は厳しい表情で語る。
と謙虚に述べておられるのですが・・・。
2015/08/16(Sun) 10:15 | URL | ドクター江部 | 【編集】
かんたん さん
高校の理科の先生か生物の先生かですね。
とても素晴らしいです。
高校の理科の先生か生物の先生かですね。
とても素晴らしいです。
2015/08/16(Sun) 12:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
強度の運動負荷がかかっても、ミトコンドリアが酸欠に陥ることはない、でした。
早合点で、酸素が必要ないと思い込んだみたいです。
失礼しました。
早合点で、酸素が必要ないと思い込んだみたいです。
失礼しました。
2015/08/16(Sun) 14:22 | URL | クワトロ | 【編集】
| ホーム |