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米国では糖尿病合併症20年間で大幅減少、日本では増加。何故?再考。
こんばんは。

米国の調査で、糖尿病合併症の発症率が、この20年間(1990~2010年)に急速に低下していることが判明しました

医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に2014年4月17日付けで発表されました。


米国では、
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% 
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% 
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3%


日本では
A)1996年開始のJDCS(2型糖尿病2205人の研究では)心筋梗塞、脳卒中の発症率は、
  7年目の統計より9年目の統計が増加している。
B)下肢切断も増加傾向にある。2014年で、年間約3000人以上。
C)糖尿病腎症からの透析絶対数は2013年まで増え続けている。



結局、米国では、1990~2010年にかけての20年間で、糖尿病合併症が大幅に減少していますが、日本では増加しています。
米国では、半減以上に減少した、心筋梗塞と脳卒中は、日本では増加しています。
米国では半減した下肢切断も、日本では増加傾向です。
米国では3割近く減った透析も、日本では絶対数は増加し続けています。
何故こんなにも差がついてしまったのでしょう?

糖尿病の治療薬としては、米国も日本もそんなに差はありません。

まあ、経口糖尿病薬7種の使い方や、注射薬2種の使い方に日米で差があって、それで、米国の方が圧倒的に合併症が少ないのなら、日本の糖尿病治療に携わる医師の医療レベルが米国に比し、極端に低レベルということになりますが、さすがにそれはないと思います。

なので、合併症発症率の差は、薬以外に要因があることとなります。

運動療法もそんなに差があるとは思えません。

そうなると残るのは、糖尿病の食事療法だけです。

米国では1993年から糖質管理食が広まりはじめました。

米国では1994年に炭水化物と脂質の割合を固定しなくなりました。

2005年、ボストンのジョスリン糖尿病センターは、炭水化物の推奨量を40%に下げました。

全米最大の糖尿病患者会は、大分前から炭水化物40%程度を推奨しているそうですが、いつ頃からそうなのかは、判然としません。

ともあれ、米国では糖尿病と診断されたら、糖質摂取を意識することは、1993年糖質管理食が広まり始めたころからは、常識になっていったと思われます。

これに対して日本の糖尿病食は、1969年から一貫して糖質60%を推奨しています。

あくまでも仮説ですが、
糖質摂取比率が、40%の米国の糖尿病患者と
糖質摂取比率が、60%の日本の糖尿病患者の差が、
合併症の差に繋がった可能性は高いと私は思います。

なお米国でも、糖尿病合併症の発症率は減少ですが、糖尿病患者数は増え続けています。

これは、糖尿病患者以外の米国人は、50%くらいの糖質摂取比率のため、、糖尿病発症が予防できていない可能性があります。


江部康二


☆☆☆
以下糖尿病ネットワークより抜粋
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/021697.php

糖尿病合併症が20年間で大幅減少 
心筋梗塞や高血糖は60%以上減


2014年04月25日
カテゴリー:2014年 医療の進歩 糖尿病合併症

 心臓病や脳卒中、腎臓病、下肢切断といった糖尿病合併症の発症率が、米国でこの20年間に急速に低下していることが判明した。「糖尿病は数百万の患者の生活に影響をもたらす破壊的な病気ですが、医療は進歩しており、糖尿病合併症は減りつつあります」と、研究者はこの調査結果を歓迎している。

「脳卒中」や「下肢切断」も、20年間で50%以上減少
 この調査は、米国疾病予防管理センター(CDC)から研究助成を得て行われたもので、医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に4月17日付けで発表された。
 研究チームは、「米国医療聞取り調査」(National Health Interview Survey)、「全米退院調査」(National Hospital Discharge Survey)、「米国腎臓データシステム」(U.S. Renal Data System)、「米国人口動態統計」(National Vital Statistics System)の4件の大規模調査のデータを用いて、1990~2010年の糖尿病合併症の発症について調べた。
 その結果、2010年までに、以下の5つの合併症すべてにおいて、相対的な発生率が低下していることが判明した。

(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8% (95%信頼区間[CI] -76.2~-59.3)
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4% (同-68.0~-60.9)
(3)脳卒中 マイナス52.7%
(4)下肢切断 マイナス51.4%
(5)末期腎不全 マイナス28.3% (同-34.6~-21.6)

 絶対的減少がもっとも大きかったのは「急性心筋梗塞」(1万人あたりマイナス95.6人)で、もっとも小さかったのは「高血糖による死亡」(同マイナス2.7)だった。
 「糖尿病合併症を長期間予防すれば、生活の質(QOL)の低下を防ぐことができます。糖尿病をもつ人は、治療を続けながら、より良く生活していくことができます」と、CDCのシニア研究員のエドワード グレッグ氏は述べている。
 糖尿病合併症が急速に減っている背景として、新しい治療薬が開発されるなど、糖尿病の治療の選択幅が拡大していることや、コレステロールなどの脂質や、血圧をコントロールする治療が普及したことを挙げている。
 「医療の進歩が影響しているのはもちろんのことですが、患者自身が食事や運動、禁煙などの生活スタイルを改善し、自己管理することが一般的に行われるようになったことも、大きく貢献しています。糖尿病は、医師や医療スタッフが合併症の危険因子を管理するよりも、患者自身が生活スタイルを改善することで得られるメリットが多い病気です」(グレッグ氏)。
 糖尿病の治療では、医療従事者が患者の生活習慣の指導を行い、自己管理を促しており、その努力が成果をもたらしはじめている。「生活習慣の指導はますます重要です」と指摘している。

20年で糖尿病人口は3倍に増加 医療費も急増
 良いニュースをもたらした調査結果だが、一方では、米国を含め世界中で糖尿病の患者数が増え続けていることが懸念されている。
 「米国だけでも糖尿病有病数が20年間で650万人から2,070万人と、3倍以上に増えています。さらに、糖尿病予備群の数は7,900万人以上に上ります。糖尿病合併症の発症率を抑えられても、糖尿病の全体の有病数が増え続けているので、糖尿病合併症は減っているとは言えないのです」と、グレッグ氏は注意を促している。
 糖尿病の経済的な負担も深刻だ。米国の糖尿病や合併症の医療費は年間18兆円(1,760億ドル)に上り、毎年増え続けている。
 「糖尿病腎症による腎不全、脳卒中、下肢切断などの数は、まだ多いのが現状です。糖尿病合併症を予防するとともに、2型糖尿病の発症数を減らす対策を行う必要があります」と、グレッグ氏は言う。
 なお、20年間の調査は情報が不足しており、1型糖尿病と2型糖尿病を識別できていないことや、糖尿病が原因となる視覚障害や、低血糖の影響などについても不明な点も多いことを付け加えている。

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
1型の方、インスリンの温度管理をぜひ!
 江部先生、毎日の情報発信、ありがとうございます。
 日本の糖尿病の現状はひどいですねぇ。
 この状況を打破し、パンクしかけている国家財政を立て直したいですね。

 新国立も、国民が「巨額な税金投入にはノー」と声をあげて、状況が一変しました。
 同様のことが、糖尿病治療でも起きると思います。
 1型、2型の私たちが、まず、声をあげたいですね。
 これは私たちがかかわる「私たちの課題」なのですから。

 ところで、8月1日に行った「らくらく毛管運動」の勉強会に、男性の常連さんがこられて、マスコミが伝えない情報を開示しました。

 「私の取引先の方からうかがった話です。その方は、輸入小麦にたいへん詳しいのです。
 私に説明してくれました。
 アメリカでは、栽培中に農薬、収穫前には除草剤のラウンドアップを大量に使い、保存のためにも農薬、日本に輸出するときにも抗カビ剤の農薬、そして日本の輸入業者も、保管のために農薬を使っている、というのです。
 ですから、輸入小麦は一切口にしないと言われていました」
 
 これについて、食にたいへん詳しい女性は、こう言いました。
 「私はお米は契約農家から購入していますが、その農家の方は、『皆さん、お米のことは気にしていますが、小麦のほうがたいへんなんですよ』と言われて、小麦も国産のの有機小麦を契約農家から購入し始めました。でも、最近は小麦はあまりいただかなくなりました」

 皆さんの参考にしていただければと思います。本当は国がちゃんと残留農薬を測定し、情報開示すべきだと思います。

◎インスリンの温度管理、極めて重要です

 インスリンポンプ人として生活し始め、猛暑の直前に、ポンプ内部に気泡を発見し、青ざめました。
 その直後、インスリン製剤は、未開封は冷蔵庫の野菜室で保管。
 開封したものは「室温」で保管すると、知りました。

 猛暑のなかで「室温」に保管するには魔法瓶を使います。
 底に氷を2、3個、インスリン製剤はジップロック袋に入れて輪ゴムで縛り、インスリンが氷から離れた上部に来るようにします。これで冷えすぎません。
 氷は毎日取り替えます。

 ポンプについて、私の使い方は、胸の谷間に置くというものでしたから、36.5度以上ある体温の影響で、ポンプが30度以上になり、その影響で内部に気泡が生じていたとわかりました。
 インスリン自体も劣化していたでしょう^^;

 そして血糖値は、「注入したのに下がらない」というトラブルが何度も起きました。

 猛暑の前に気づいて良かったです。
 以来、ファイテンのウォータクールタオルでポンプを覆い、ポンプ本体の温度が30度を超えないように管理しています。

 7月24日に、この方法を考案し、その日の平均血糖値は113mg/dlでした。
 測定した血糖値の合計を、測定回数で割ったものです。

 以降(数値はmg/dlです)、このような数値です。
 7月25日 155
 7月26日 134
 7月27日 116
 7月28日 101
 7月29日 100
 7月30日 116
 7月31日  95
 8月1日  136
 8月2日  116
 8月3日  137
 8月4日  126
 8月5日  115
 8月6日  123

 またポンプの針は皮下脂肪の多いお尻に置いています。
 これで、「ポンプトラブル=注入できない」が皆無となりました。

 また、わかったのは、インスリンはちゃんと管理すれば、注入単位に相当するだけ血糖値をさげてくれる、ということでした。
 「これだけ入れれば、5時間後、この数値になる」と想定でき、現実に、血糖値もそうなるのです。

 1型の皆さん、2型でインスリンを使っているみなさん、インスリンはデリケートなクスリのようですから、温度管理をしっかり行い、血糖値を低くコントロールし、合併症を防ぎましょう。

 私の体験がみなさんの役に立てば、うれしいです。

2015/08/07(Fri) 08:26 | URL | ちくてつ | 【編集
病態改善報告!!
都内河北 鈴木です。

スーパー糖質制限実践で、21年の糖尿病悪化が3か月正常化し2年足らずで糖尿病薬不要に完治しました。

結果、右目眼圧破裂失明・緑内障発症・脳梗塞・頸動脈梗塞などの後遺症は残りました。

現在もスーパー糖質制限は継続していますが糖尿病完治後1年5か月後の今年3月再度眼底出血が検出されました。

江部先生ブログ内でも「高血糖の記憶かと思われます」とコメント頂きました。

本日眼科検診では院長先生は不思議そうに「眼底出血が減少薄れている」との診療結果でした。

スーパー糖質制限食生活を、より多少気に留め食生活していただけなのですが、やはり糖質制限理論の効力の凄さを体感しました!!

江部先生には何等対価提供したした訳でもないのに驚異の改善のは日々感動尽きません!!

江部康二先生、ありがとうございます!!

尚、以前ブログ内にも書きましたが現在通院の
眼科医・歯科医の先生方は、私の糖質制限医療改善データ渡した事で、糖質制限の改善効果の凄さ現実・事実を知り以降大変関心を持たれています。
この事も承知おきください。

敬具



2015/08/07(Fri) 14:48 | URL | 都内河北 鈴木 | 【編集
宮崎の看護婦さんのブログ
ぜんたろうと申します。
宮崎のナースの方が、すばらしいご活躍です。ぜひ、先生のブログリンクのリストに加えてください。宮崎県は糖尿病が減少するかもしれません。

熱血ナースMrs.GAGAのダイエット支援ブログ!!〜低糖質に愛をこめて〜
http://ameblo.jp/gaga-nurse/
2015/08/07(Fri) 16:33 | URL | ぜんたろう | 【編集
日米の差を考えさせれれます、江部先生
毎日拝読させて頂いておりますが、日本とアメリカの差を感じております。私も2年前から糖尿病の専門医に行っておりましたが、糖質制限は肝臓が駄目になるから絶対にやるなと強く先生から言われました。日本のお医者さんは基本的にそう考えていると思います。
2015/08/07(Fri) 17:24 | URL | 広瀬 文久 | 【編集
Re: 病態改善報告!!
都内河北 鈴木 さん

『本日眼科検診では院長先生は不思議そうに「眼底出血が減少薄れている」との診療結果』

素晴らしい結果です。
良かったです。

『眼科医・歯科医の先生方は、私の糖質制限医療改善データ渡した事で、糖質制限の改善効果の凄さ現実・事実を知り以降大変関心を持たれています。』


優れた臨床医は、目の前に著明に改善した患者さんがおられたら、
他の患者さんと何が違うのかなど、考慮されると思います。
よい眼科医、歯科医に巡り会われたと思います。
2015/08/07(Fri) 19:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 宮崎の看護婦さんのブログ
ぜんたろう さん

了解です。

宮崎の熱血ナースの方々、
2014年2月23日(日)の宮崎講演会でお会いしました。
やるき充分で行動も伴っていて、素晴らしいですね。
2015/08/07(Fri) 19:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 日米の差を考えさせれれます、江部先生
広瀬 文久 さん

そうなのですか。

「糖質制限は肝臓が駄目になる」・・・全く無根拠ですね。

根拠がないのに、断定するのは、科学的態度ではないです。
残念です。
2015/08/07(Fri) 19:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
日米の糖尿病合併症の違い
江部先生

時折、ブログを興味深く拝見しております。以前にも米国CDCのGreggらのデータをご自分流に解釈されており気になっていましたが、今回も明らかに誤った解釈をされていて患者さんの医療不信を助長しかねない内容になっておりますので、修正された方が良いと思い不躾ながら投稿いたします。当該論文は、dm-netの解説にもありますように、発症率の推移を見たもので発症した患者数ではありません。例えば、この間、米国の糖尿病患者数は、同じCDCのグループのJAMA 2014の論文を見ますと有病率が1.6倍ほどに増加していますので、米国全体の人口増も加味すると2倍近くになっているかもしれませんが、そうすると発症率は28%減少でも末期腎不全などの絶対数は増加しているはずです。dm-netでもGregg先生はそのように言われています。翻って、我が国の場合透析導入者数は、この数年は横ばいないしは減少傾向にあり、糖尿病患者は増加していますので、発症率は減少しています(CDCのようなデータがないのは残念ですが)。このような糖尿病患者における細小血管症・大血管症の発症率の低下は多くの先進国で同じ傾向と言われています。我が国でははっきりした統計は残念ながらありませんが、腎症や大血管症についてては降圧や脂質管理などなされるようになったことが大きな因子であると考えられますので、発症率は減少していると思われます。JDCSのデータは、同じコホート内での推移を見ていますので、糖尿病の罹病期間や年齢が上がった来れば大血管症のリスクは当然上がります。CDCのデータは、新規発症なども含めた糖尿病患者における発症率なので意味合いが違います。我が国では足切断も統計はありませんが、江部先生が言われる3000人が正しいとすれば、やはり発症率としては減少しているということになります。蛇足ですが、国民健康栄養調査などの結果から我が国の糖尿病患者数が増加していることについて、様々な批判があります。勿論減少した方がいいのですが、糖尿病は一度診断されると治癒しませんので、血糖コントロールが良くなっても糖尿病患者さんとしてカウントされます。したがって、糖尿病患者sンが長生きされるようになったことも患者数の増加に一定程度寄与していることに留意して頂きたいと思います。
このように、全体として糖尿病のケアは改善してきています。江部先生が言われるように、患者さんの選択肢が増えて少しでも快適な生活を送ることができることを多くのまじめな糖尿病専門医(かかりつけ医も)は願っていると思います。今回の様な、全く科学的根拠に基づかない記事は、医療不信を招くという意味において、江部先生が普段批判しておられる低糖質食を含めた患者さんの希望に全く耳を貸そうともしない医師と同じくらい、患者さんの不利益になると思います。
長文で申し訳ありませんが、ご一考ください。
2015/08/09(Sun) 15:07 | URL | 無名糖尿病専門医 | 【編集
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