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糖質制限食と便秘?
こんばんは。

ちくてつさんから、「日刊ゲンダイ」の記事についてコメントいただきました。
ありがとうございます。

「排便障害も…流行の「炭水化物抜き」は腸に悪いと医師警鐘」

ということで、

松生クリニックの松生恒夫院長が、

「炭水化物とは、消化・吸収される糖質と消化されない食物繊維を合わせた総称です。炭水化物を取らないようにすると、結果的に食物繊維の摂取量が激減します。もともと、日本人の食物繊維摂取量は減っているのに、拍車をかける。すると、排便障害を起こすなどの腸ストレスを招いてしまうのです」

と述べておられます。

しかしながら、糖質制限食では、野菜、海藻、キノコなどしっかり摂取するので、かなりの量の食物繊維を摂取することになります。

高雄病院の糖質制限給食、1800kcal/日のメニューで、25g/日くらいの食物繊維摂取量となります。

1800kcal/日というのは、病院給食なのでどうしても一般の家庭での食事に比べたら少なめのカロリーです。

退院して以後の糖質制限食なら、厚生労働省のいう推定エネルギー必要量を摂取していただけばいいので、食物繊維も、26~27g/日くらいはとることとなります。

推定エネルギー必要量
              男性                 女性
15-17才        2500 2850 3150          2050 2300 2550kcal/日
18-29才        2300 2650  3050          1650  1950   2200
30-49才        2300 2650  3050            1750  2000  2300
50-69才        2100 2450  2800           1650  1900 2200 
70才          1850 2200  2500            1500  1750 2000
身体活動レベル    低い 普通 高い         低い  普通  高い


従いまして、以下の松生恒夫院長の指摘するような例は、特殊例と思われます。

「松生院長は来院する患者の1週間の食事メニューをチェック。ひどい便秘の30代の女性患者の場合、朝食は豆乳、ジュース、飲むヨーグルトのどれか、昼はほとんどが野菜サラダで、時々おにぎりやパンなどを追加、夜は野菜や海藻のサラダを中心に、ナムルや野菜炒めを加えていた。」

この方は、糖質制限というよりも、かなりの低カロリー食ですね。
これでは1000kcal/日もないと思います。

食物繊維も少ないかもしれませんが、それ以前にあまりにも小食過ぎて便秘になったと考えられます。

管理栄養士が、低カロリーであることに全く触れていないのは不思議です。

糖質制限食で時に便秘になる人がおられますが、ほとんどの場合、摂取エネルギー不足でした。

このような場合は、推定エネルギー必要量を摂取すれば自ずと改善します。

便通には、ちくてつさんの仰るように、呼吸法や運動もいいでしょうね。
腹巻きもいいのでしょうが、私はしたことがないです。(*^-^)

私は、1回/1~2週、テニスをしていますが、日常的に運動するのは時間的に無理なので、病院内でよく歩いています。

電話は滅多に使わずに、給食(地下)から病棟(2階、3階)までいったりきたり歩きます。

高雄病院の理事長室は、ちょっとした丘の上にあります。

取材にこられた記者さんなど、正面玄関から理事長室までたどり着いた時には、ほとんどの方が息切れしてます。

高雄病院京都駅前診療所はビルの4階ですが、階段をジョギングで上がるようにしています。


江部康二



【15/07/08 ちくてつです
「日刊ゲンダイ」に否定的な記事が出ましたね
 江部先生、いつもお世話になります。
 毎日の励みにしています。
 ありがとうございます。

 ところで7月7日付の「日刊ゲンダイ」に、「排便障害も…流行の「炭水化物抜き」は腸に悪いと医師警鐘」という記事が出ました。
 ウエブ版でライフの欄に掲載されていました。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/161458/1

 同紙は以前から、糖質制限食をポジティブに記事にしています。ネットで検索すれば、たくさん、記事が出てきます。

 が、今回はこのようなタイトルで、以下の内容です。

<やみくもに炭水化物を減らすのは良くない(C)日刊ゲンダイ

「最近、腸の不調で来院する患者さんに新しい傾向が見られるようになった。共通しているのは“炭水化物抜きダイエット”をしていたか、現在、続行中ということです」

 こう話すのは、「『炭水化物』を抜くと腸はダメになる」などの著者である松生クリニックの松生恒夫院長。理由は何なのか?

「炭水化物とは、消化・吸収される糖質と消化されない食物繊維を合わせた総称です。炭水化物を取らないようにすると、結果的に食物繊維の摂取量が激減します。もともと、日本人の食物繊維摂取量は減っているのに、拍車をかける。すると、排便障害を起こすなどの腸ストレスを招いてしまうのです」

 これを確認するために、松生院長は来院する患者の1週間の食事メニューをチェック。ひどい便秘の30代の女性患者の場合、朝食は豆乳、ジュース、飲むヨーグルトのどれか、昼はほとんどが野菜サラダで、時々おにぎりやパンなどを追加、夜は野菜や海藻のサラダを中心に、ナムルや野菜炒めを加えていた。

「管理栄養士の計算では、その患者さんの1日の食物繊維摂取量は7・4グラム。18〜49歳の女性の理想的な食物繊維摂取量は20〜21グラム、男性は26〜27グラムなので、かなり低い。これでは腸の内容物を肛門に送り出す大蠕動が起こりにくい。仕事がデスクワークで運動量も少なく、より腸の状態が悪化したのです」

 60代の男性患者は、糖尿病のために朝食は紅茶、昼食は肉類と野菜、間食にナッツ、夕食は焼き魚や焼き肉、野菜炒め、ウイスキーの水割り数杯の生活を半年間続けた。

 すると体重が78キロから65キロまで減少(身長170センチ)したが、同時に腹部膨満感と残便感に悩まされるようになった。

「私が提唱している『停滞腸』を起こしていました。腸の活動が衰え、蠕動運動などがほとんど起こらなくなっていたのです。この患者さんのようなケースは、特に男性で炭水化物の摂取を制限している人に典型的です」

 (以下略)>

 江部先生のナツメ社の本には、糖質制限食で腸内細菌が変わり、便も質が変わると書いてありました。
 また、「炭水化物が人類を滅ぼす」(夏井睦著、光文社新書)の185ページですが、「雑食哺乳類の腸管と共生細菌」で、ヒトは「本来は肉食だったと考えざるをえない」と、ほかの哺乳類との比較で論じています。
 その上で、驚きの情報開示がなされています。

<話を人間の消化管に戻すと、人間の下部消化管(大腸)には数百種類、100兆個の腸内細菌が生息している。人間の体細胞の数がおよそ60兆個だから、数の上では体細胞より腸内細菌のほうがはるかに多いわけだ。
 とはいえもちろん、細菌の平均サイズは1ミクロンで、人間の細胞よりはるかに小さいため、100兆個の細菌をすべて集めても、せいぜい1・5kg程度である。
 ちなみに、人間の糞便の重量の半分以上は腸内細菌であり、これは前述の「食物のカロリー測定法」(【食物の熱量】=【食物を空気中で燃やして発生した熱量】ー【同量の食物を食べて出た排泄物を燃やして発生した熱量】)が、最初の前提からして間違っていることがわかる。糞便の半分以上が、食物と無関係の腸内細菌なのだから、いくら精密に発生熱量を測定したところで、正確な値が得られるわけがないのである。
 そして、大腸の腸内細菌は、ヒト(=宿主)の生存に極めて重要な役割を果たしている。一つは、外部から侵入した病原菌の増殖抑制と排除機能であり、もうひとつは、栄養産生機能である>

 「人間の糞便の重量の半分以上は腸内細菌」
 ですから、「腸内細菌よ、ありがとう」と感謝したいですね(^^)

 腸内細菌はとても大切。
 そして、腸の働きが正常かどうかも、とても大切です。

◎腸が動かない人の解決策は丹田呼吸法ですね

 ところで、「ゲンダイ」の記事は、糖尿病でなく、ダイエット目的で糖質制限食を行っている人に向けたもののようです。

 私が想像するに、あくまでも私の考えですが、こうした人たちは、
1)体温が低い(お腹が冷えている)
2)腸の働きが不活発
 ではないかと思います。

 排便も代謝ですから、1と2が原因で不調になっているのではないかと。
 解決するには、丹田呼吸法=腹式呼吸がいちばん楽で、効果的です。
 私は20年続けてきましたから、便秘に悩んだことはありません。
 低かった体温もあがりました。
 また、「グンゼの腹巻き」を使用した1か月の効果で、昨日、今朝と体温が36.6度に、平均から0.1度アップしています。
 
 ちなみに、私と一緒に糖質制限食を始めた奥ちゃんは、腸内細菌が変化した頃から便秘に悩んでいました。
 丹田呼吸法はしていません。
 が、早朝、会社までの30分近くのウォーキングを始めたところ、快便になりました。
 糖質制限食するには「運動が不可欠」、これはバーンスタイン先生も力説されています。
 1)、2)で悩んでいる糖質制限人には、あ)ウォーキング、い)丹田呼吸法、う)腹巻きをすすめたいですね。

 世の中では、これから、糖質制限食が大ブームになってゆきそうですね。
 テニスのno1ジョコビッチ選手の本はベストセラーですし、サッカーのメッシ選手も「ピザ絶ち」で、プレーのキレが抜群になったと話題です。

 しかし、体温が低く、腸の働きが不活発な人が糖質制限食を始めると、とくに、超多忙でデスクのパソコンにかじりつき、運動不足のビジネスパースンには、このような症状が出てくるのかもしれません。
 ちょっと心配、ですね。】

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
やはり日刊ゲンダイ
気になる新刊
「間違いだらけの糖尿病食」堺研二著

http://nikkan-gendai.com/articles/view/book/161488
2015/07/08(Wed) 21:36 | URL | 精神科医師A | 【編集
糖質制限食の方が排便は快調
スーパー糖質制限食実行中のらこです。

1.焼酎摂取過多
2.放っておくと「食い過ぎ」タイプ

です><
糖質制限食開始時に1週間くらいは便秘でしたが、その後はずうっと快便です!!!

◎少食ならば、便秘になって当たり前。食い過ぎタイプにはスーパー糖質制限食万々歳
2015/07/08(Wed) 23:52 | URL | らこ | 【編集
私も便秘です
糖質制限食を時にきっちり、時に緩く始めて早2ヶ月足らず。
体重は6キロ減りました。
が、以前にも増して便秘に悩んでいます。
プレーンヨーグルトを食べたりしていますが、今日の記事を拝見して野菜と運動が不足している、そして摂取カロリーの不足が原因だと分かりました。
炭水化物や芋類が便の材料になる、と昔習ったような。
それも違っていたのですね。
改善に向けて頑張ります‼︎
タイムリーな記事に感謝です‼︎
たまに炭水化物が食べたくなりますが、現在の体調を考えると糖質制限食は止められません(笑)
これからも毎日の参考になるブログを楽しみにしています。
2015/07/09(Thu) 08:11 | URL | プニプニ | 【編集
コレステロールと睡眠
江別先生、先日は
お忙しいなか、コメントの回答を頂き、ありがとうございます。お陰様で、下痢も脱水症状も乗り越えることが出来ました。
血糖値もヘモグロビンも
平常値になりました。
ただ、私の家系はコレステロールを必要以上に作る
体質の人が多く、糖質制限をして半年がたちましたが、悪玉コレステロールが
多いです。ちなみに、LDLが350で、HDLが55です。
主治医の先生と話し合って、スタチン以外のコレステロール薬を服用することになりました。
就寝時の血糖値は低いことが多いのですが眠れないので、デゾラムを服用しています。コレステロールが
あまりに多いと不眠になるのでしょうか?
2015/07/09(Thu) 17:20 | URL | momo | 【編集
Re: やはり日刊ゲンダイ
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。

堺研二先生は、整形外科の医師で
高雄病院にも栄養士さん・看護師さんなどと共に
高雄病院に見学に来られました。

糖質制限食で素晴らしい成果をあげておられます。
2015/07/09(Thu) 17:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: コレステロールと睡眠
momo さん

コレステロールと不眠は関係ないと思います。

LDLコレステロールが350というのは、確かに多いですね。

糖質制限食を開始して以降に、LDLコレステロール値が急に上昇した場合は
スタチンではなくて、ゼチーアという食材からのコレステロール吸収を抑える薬がよく効きます。
2015/07/09(Thu) 17:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
>炭水化物とは、消化・吸収される糖質と消化されない食物繊維を合わせた総称です。

これかなりずるい書き方ですよね。
揚げ足取りというか。
2015/07/10(Fri) 18:31 | URL | テツ | 【編集
Re: タイトルなし
io さん

糖質制限食では、野菜、茸、海藻など食物繊維が豊富な食材も摂取します。

ブロッコリーやグリーンアスパラ、アボガドで便秘解消、良かったです。
2016/01/23(Sat) 16:33 | URL | ドクター江部 | 【編集
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