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75g経口ブドウ糖負荷試験を実施することの意味
【15/07/04 ゆうげつ

ブドウ糖負荷試験前の運動は?

はじめまして、江部先生
42歳 148cm 39kg の女性です。

ちょうど1年前、かかりつけのクリニックで食後2時間後くらいに採血をする機会がありました。そこで血糖値145mg/dlくらいあることが分かり、主治医の先生からはあまり気にしなくていいといわれました。

半年前の職場の健康診断では、空腹時血糖84mg/dl HbA1c4.9%でほぼ例年通りの結果でした。

食後高血糖だとわかってから気になっていたのですが、偶然にも6月初めに近くの薬局の店頭で自己血糖測定器(アキュチェックSTメーター)を見つけ、早速購入しました。

糖質制限(3食主食抜き)開始し始めてからは、食後1時間値110mg/dl台のことがほとんどです。

   0分 82mg/dl
  30分 163mg/dl
  60分 172mg/dl
  120分 137mg/dl でした。

この結果を見て、やはり一度医療機関を受診しようかと考えています。
確定診断があったほうが、周囲にも、糖質制限をしている事情を説明しやすいかな…と。

そこで、質問なのですが、ブドウ糖負荷試験3日前から150g以上の糖質を摂取とのことですが、 高血糖になるとわかっていて、計4日間も糖質を大量にとるのは非常に不安なのです。

せめて3日間、糖質を取った後に、運動をして血糖値を下げたいと考えています。しかし、血糖値を運動によって下げることは「ブドウ糖負荷試験前3日間の150g以上の糖質摂取」の検査条件に反するものなのでしょうか?それともそんなことは関係ないのでしょうか?

江部先生、お忙しいところ恐れいますが、ご教授お願いいたします。】



ゆうげつさん。
1年前に、食後2時間血糖値が145mg/dlであったなら
その時点で、アバウトですが『境界型』で、食後高血糖タイプの可能性が高いです。

75g経口ブドウ糖負荷試験で、負荷後2時間値が

140mg~199mg/dlまでが境界型で、
140mg/dl未満が正常型、
200mg/dl以上が糖尿病型です。

2015/7/4朝に、だいたい45gの糖質を摂取したところ、
   0分 82mg/dl
  30分 163mg/dl
  60分 172mg/dl
  120分 137mg/dl


このデータでは60分値がピークで172mg、空腹時の82mgから90mgの血糖値上昇です。
すなわち、1gの糖質がピーク2mg/dlほど血糖値を上昇させています。

食事で75gの糖質を摂取したり、75gブドウ糖を経口負荷したりすれば、ピークの60分値は180mg/dlを超えて、120分値は140mg/dlを超える可能性が極めて高いです。

早朝空腹時血糖は82mg/dlとまったく問題ないので、食後高血糖タイプの境界型(IGT)ということです。

すなわち、自己血糖測定器により、ここまで詳細な情報がすでに得られているので、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する意味は少ないと思います。

食後高血糖で60分値が180mg/dlを超えているときは、将来糖尿病になりやすいので、今から緩くてもいいので糖質制限食を実践しておけば予防になりますね。

75g経口ブドウ糖負荷試験は、早期に境界型とか糖尿病型を発見するための手段です。

ゆうげつさんは、すでに境界型がほぼ確定しているので本来は適応外です。

勿論、すでに糖尿病と診断がついている人に75g経口ブドウ糖負荷試験は実施しません。

例えば、血糖自己測定器を持っていない人がメタボ健診で、早朝空腹時血糖値100mg/dl以上とかHbA1c5.6%以上のときは、正常高値の範疇に入るので特定保健指導を奨められます。

特定保健指導においては、肥満、糖尿病家族歴、高血圧、脂質異常症、喫煙の方は、75gOGTTを推奨されます。

日本糖尿病学会によれば、

「正常高値である100mg/dL~110mg/dL未満の人を対象に経口ブドウ糖負荷試験を行ったところ、25%~45%の人が境界型か糖尿病に属していた。」

とのことです。

私としては、メタボ健診正常高値の段階で、肥満や糖尿病家族歴がある人は、75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する選択肢ありかなと思っています。

なお、75g経口ブドウ糖負荷試験の前3日間は、150g/日以上の糖質摂取を、日本糖尿病学会は推奨しています。

この間、日頃はしない運動をすることは、やはり検査結果に一定の影響が及ぶ可能性があり、今まで通りの普通の生活がいいと思います。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
月例会開催の告知をお願いします。
2015.7.5
糖質セイゲニストの皆様
糖質セイゲニストin北九州
世話人 三島 学

第41回 月例会 開催のお知らせ

○日 時:2015.7.12(第二日曜日~定例) 12~16時 予定 *11時半 開場
○場 所:804-0082 三島塾 2F *有料P 飛幡神宮境内
○参加費:1000円
○内 容:糖質制限に関わるさまざまな情報交換
●新着情報
・江部康二先生のコラム  から
・クロワッサン 2015年 7月10日号 No.904(井原裕子先生の塩トマトレシピ)
・ココナッツミルクとクリームの違いを知っていますか?
 …
●書籍
・糖質制限の教科書 (洋泉社MOOK) ムック 江部康二 (著)
・肉・卵・チーズをたっぷり食べて 1年で50kg痩せました 椎名 マキ (著), 渡辺 信幸 (監修)
・糖尿病専門医にまかせなさい (文春文庫) 牧田 善二 (著)
・なぜ、マーガリンは体に悪いのか? (廣済堂健康人新書) 山田 豊文 (著)
 …
・「糖質制限」は危険!―矛盾だらけの「糖質制限」論 …石原 結實 (著)
●メンバーの体験報告
・中国における糖質制限 前川さん(一時帰国で塾生の保護者)
 …
●お楽しみ、低糖質ランチ 総計糖質20g以内
・北海道のタコと沖縄のゴーヤが北九州で出会うと。
・ブログIDDMランナーの木村清ご夫妻 提供のスィーツ アイスバー・チョコ
http://plaza.rakuten.co.jp/iddmrunner/diary/201409120000/
・広州から一時帰国の前川さん(糖質制限暦2年)の本場仕込の中国茶を体験
・糖質オフビール、ノンアル、コーヒー、マテ茶、ミネラルウォーター、…
*裏メニュー:もみじは希望者にご用意します。 
※準備の都合があります。10日(水)までに、お申し込みください。PC受信:misimyk@yahoo.co.jp
2015/07/05(Sun) 19:00 | URL | 北九州 三島 | 【編集
初めまして
現在47歳の主婦です。
75g経口ブドウ糖負荷試験繋がりで質問させて頂きます。

若い頃より突然飢餓的な空腹に襲われることがあり、
その際に冷や汗や震え、手に力が入らなくなるなどの症状が出ます。
血糖値に異常があるのではと予想して、
ブドウ糖負荷試験(2時間)を受けました。

負荷前  80
30分後  144
60分後  216
90分後  217
120分後 222

食後高血糖ですね。
でも糖尿病ではないので気にすることはないとのこと。
低血糖症のことも聞いてみたのですが、あなたの場合は逆だから違いますよ、と。
境界型とも言われませんでした。

私は糖尿病でも低血糖症でもないのでしょうか?
2時間の計測では判断できないかもしれないですね。

最近の一番の悩みは、食後40〜50分経つと、激しい睡魔に襲われることです。
眠気を我慢するのではなく、眠いと感じる前に寝てしまっています。
座ったままで。

糖質20g以下を心がけること以外に、
対策やアドバイスがありましたらお願いいたします。
2015/07/05(Sun) 23:20 | URL | みなこ | 【編集
ブドウ糖負荷試験前の運動は?
江部先生 ブドウ糖負荷試験前の運動についての回答ありがとうございました。

私は青森に住んでおり、たまたまブログを通して江部先生に出会いました。
先生のブログなくして、糖質制限食の重要性や効果など知ることもなく、糖尿病は悪化の一途だったと思います。(それまでは単に糖質制限はダイエット方法の一種だと思っていて全く関心ををもったことがありませんでした!)
遠方に住む者が、先生の熱心なブログ更新で、命拾いしています。
今後も、糖尿病人、そして健康な人たちへの情報発信をおねがします。

自分の子どもたちは糖質大好きっ子です。
子どもたちの将来の健康も気がかりで、糖質をとりすぎることの大きすぎる代償をどう気付かせ、自己管理できる大人に育てていけばいいのかな、なんてこともぼんやり考えています。

糖質制限が世の中に当たり前のこととして、受け入れられる日が早く来ますように。

質問させていただいた、ブドウ糖負荷試験は、私には本来適応外と分かりましたので、負荷試験はせず、今後も前向きに糖質制限を続けていきたいと思います。

今後も江部先生のご活躍をご期待し、ブログを楽しみにしています。
江部先生ご自身のご健康にもご留意ください。

ありがとうございました。
2015/07/06(Mon) 05:34 | URL | ゆうげつ | 【編集
断食について
はじめまして。
最近、糖質制限のことを知ったものです。
お時間がありましたら教えていただけるとありがたいです。

断食に関することなのですが、長期断食をすると脂肪肝になってしまったという話をよく目にします。

こういった現象は、断食を始める前に糖質制限でエネルギー回路をブドウ糖からケトン体由来に変えたうえで行えば防げるのでは? と思ったのですがどうなのでしょうか。

糖質制限をしていなかった人が、断食を行う過程で野菜ジュースなどの糖分をとることでそのリスクが高まるように思います。

エネルギー回路がケトン体に変わってからなら、長期断食でも水と油分でしのぐことができ、なおかつ脂肪肝などにもならないのではないでしょうか。

御教授お願いいたします。
2015/07/06(Mon) 12:52 | URL | madoka | 【編集
Re: 断食について
madoka さん

私も10回以上断食をしました。
3日間漸減して、3日間断食して、3日間漸増という短期間のものです。
本断食は最初の1回だけで、あとは甲田式のすまし汁断食(210kcal/日)などでした。
そのような断食ですと、弊害はありません。

一方、スーパー糖質制限食なら、断食に匹敵する効果が得られますので
断食の必要性がなくなります。
従って、今は私は断食はしていません。

いずれにせよ、長期の断食は人体への負担が大きいので、高雄病院では推奨していません。
絶食期間が長期になり体脂肪がエネルギー源として枯渇してくると
体タンパクがエネルギー源として使われるようになり生命の危険があります。
ハンガーストライキで、30~50日くらいで、死亡例が複数報告されています。

現在は、断食希望者には
まずスーパー糖質制限食を実践していただき<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>を活性化させて
3日間豆腐などで210kcal/日の超小食期間を設けます。

この方式だと、大変楽に、断食(超小食療法)が行えます。
2015/07/06(Mon) 18:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
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