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SGLT2阻害薬と尿中ブドウ糖排泄量。減量効果は?
こんにちは。

もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。

さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤は無しか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。

このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思います。

逆に言えばかなり安易に使われたので重篤な副作用が多発した可能性が高いのです。

とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、

充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。

とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、

使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。

夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。

さらにもう一つ懸念があります。

それは、SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。

『SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます。

2型糖尿人のデータでは、毎日71~93gのブドウ糖が尿から排泄されます。』


過去記事で、一日に100gのブドウ糖が尿中に排泄されるとか、一日に60gとか混乱していて、ブログ読者の皆さんにはご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

SGLT2阻害薬の各メーカーさんに確認して、上記のことが判明しましたので、今回記事にしました。

つまり2型糖尿病患者さんにおいては、284~372kcal/日のエネルギーが尿中に排泄されるので、以前と同じ量の食事を食べているなら、理論的には痩せ続けることになります。

しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。

ということは、人体が毎日284~372kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。

そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ284~372kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。

例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく、一定期間でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー食に対応した結果と考えられます。

カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、低エネルギー状態に適応すると考えられます。

そのため、カロリー制限食での減量は、必然的に失敗に終わるのです。

SGLT2阻害剤も短期間の使用にとどめないと、数年後には逆に体重が増える可能性もあるのです。

そして、SGLT2阻害薬を中止しても、基礎代謝が低下した状態がしばらく残存するなら、非常に肥満しやすい体質になっている可能性があるのです。

スーパー糖質制限食なら、基礎代謝が低下することなく、基礎代謝は増加するほうに向かいます。

そして、

「肥満ホルモンがほとんど出ないこと」
「糖新生でエネルギーを使うこと」
「体脂肪が常に燃えていること」
「食事誘発熱産生が増加すること」

により、順調に適正体重まで減量できますので、SGLT2阻害薬やカロリー制限食の減量効果とは、明らかに違いますね。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
妊娠糖尿病について
はじめました。田中と申します。

本文と全く関係のない内容ですが、
お時間ございましたら先生の見解を教えてください。

婦人科の医師3名に確認しましたが、糖尿病は専門外の為見解が分かれ、はっきりとした説明がなく不安です。

pcosの為、1年ほどメトグルコを飲んで不妊治療しておりました。

この度、メトグルコのおかげか妊娠いたしました。

3w5dで妊娠が判明し、メトグルコの服用を中止しました。

婦人科で妊娠判定後hcgの伸びを確認しましたが、3w5dから4w3dの伸び率が最低8倍必要なところ3.5倍しかありませんでした。

4w3dからその後hcgの伸び率は正常で、現在7wで胎嚢や胎児の成長は3日遅れていますが問題ないようです。

婦人科の医師から3w5dから5日間のhcgの伸び率が悪かったのはメトグルコ服用中止による血糖値の異常のせいではないかと言われました。

メトグルコを処方していただいていた医師はその医師とは別で妊娠判定後に服用をやめるよう言われました。

メトグルコを中止すると血糖値が急激に上がるのでしょうか?

hba1cは5.4%です。
最近2度血糖値を調べました。
1.食後2時間128
2.食パン2枚、空腹65、食後1時間165、食後2時間152

2は前日の夜あまり食べなかった為、空腹の血糖値が普段は80くらいですが65と低かったです。

妊娠糖尿病の境界型と言われております。

産科からはまだ血糖値を調べる必要はないと言われていますが、今すぐに糖尿病専門医に診てもらった方がよろしいでしょうか?

胎児の奇形が心配ですが、境界型も奇形率は高くなりますか?

長々と申し訳ございませんが、長い不妊治療と流産を経験している為不安で専門医にご説明していただけると安心です。

お時間ございましたらよろしくお願いします。
2015/06/16(Tue) 22:22 | URL | 田中 | 【編集
助言をよろしくお願いします。
江部先生
コメント欄にて失礼します。
今年に入り糖質制限を始めており、以前も2月ぐらいに相談させていただいたぱぴこと申します。

今回投稿したのは、アドバイスをいただけたらと思ったためです。

私は30代、157cm、40kgのやせ型、昨年末にOGTT1時間が243、(HOMA-β0.3) IGTの診断を受けました。

主治医は、糖質制限が良いとも悪いともいえないが血糖変動幅が少ないメリットや経過で採血上は大きな問題はなく、私の思いを尊重して下さっています。

3食主食抜き、糖質は1食15-30g程度でしています。
やせの大食いタイプのため、脂質とタンパク質で何とか体重は保つよう努力しています。

SMBGを購入し、食前、食後の推移を見ています。

当時はOGTT再検の相談もしましたが、主治医からは、先生と同様、再検よりは何を食べればどう推移するのかを見ながら食事をしていきましょうと助言を頂き、定期的に採血フォローをしています。

4月あたりから、食前、食後血糖が平均10程度上昇しており、6月の定期採血ではHbA1c5.1→5.6に上昇していました。
食前は70台→80-90台、食後1時間値は100-110台→120-150台に上がっている感じです。

また、2時間値にピークがずれてくることも出てきました。

一応、Hba1cでの平均血糖は116ぐらいですし、1時間値180 2時間値140の目安はクリアしているのですが…。

先生は糖質制限で、β細胞が休養できて耐糖能が改善する人もおり先生も改善した一方で、悪化することもあり、個人差があるとブログで読みました。また、様々な研究がされていることも知りました。

私の場合も、β細胞が休養ができ、少しづつでも改善することを期待していましたが、私の場合は、逆に耐糖能は悪化傾向なのかなと感じています。

とは言っても、ごくたまの普通のランチ等でご飯やパンの糖質をとれば200を優に超えるため、もはや糖質をとる食事内容に変えることは考えられないです。

主治医の先生とも相談し、こちらのブログも参考にしながら、糖質制限という食事療法を選択し続けているのは私なので、もちろん自己責任ということは承知の上ですが、

先生の患者さんで耐糖能が改善している人はそれでよいと思うのですが、逆に耐糖能が悪化しているような患者さんに対しては、その後の食事、内服療法他、フォローについては具体的にはどのようにされていますか?

ぜひ参考にしたいです。
助言をよろしくお願いいたします。
2015/06/16(Tue) 23:34 | URL | ぱぴこ | 【編集
トランス脂肪酸について
お世話になります

江部先生にご質問があります

米食品医薬品局(FDA)は2015年6月16日
食用油などに含まれ肥満や心臓病との関連が指摘されるトランス脂肪酸を
2018年6月までに食品添加物から全廃すると発表しました

トランス脂肪酸の悪影響は血中の中性脂肪の大部分を占める
トリグリセロールが増加することでインシュリン抵抗性が増して
高血圧・糖尿病・心臓病の原因になると云われています

炭水化物が少なく安全だと思ってオムレツなどに
マヨネーズを使っていましたが記事を見て不安になりました

トランス脂肪酸を多く含むマヨネーズは
糖尿病患者とって悪影響なのでしょうか?

江部先生のご意見を伺いたいです


2015/06/17(Wed) 10:09 | URL | 涼風 | 【編集
SGLT2
>SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます。

健常者でもこれだけ出ていくというのは知りませんでした。
現在6種類のSGLT2阻害薬が発売されており、まだ比較情報も乏しいですが、これらの中から処方される時はどういう点に注目して選ばれまるのかご教授頂けると幸いです。

PS.今月また例の石に苦しまされ、毎日の食事内容にりんご酢(+エリスリトール)を追加しました。
2015/06/17(Wed) 11:48 | URL | 田中鈴木佐藤 | 【編集
Re: 妊娠糖尿病について
田中 さん



<妊娠中の血糖値コントロール目標>は

朝食前血糖値70~100mg/dl
食後1時間血糖値140mg/dl未満
食後2時間血糖値120mg/dl未満
GA(グリコアルブミン)15.8%未満

です

これををクリアすれば、胎児の様々なリスクは、激減します。
スーパー糖質制限食なら、インスリン注射なしで、上記の目標値が達成可能です。

2014年12月08日 (月)の本ブログ記事
「糖尿病妊娠」「妊娠糖尿病」と『糖質制限食』『従来の糖尿病食』

をご参照いただけば幸いです。

2015/06/17(Wed) 22:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: SGLT2
田中鈴木佐藤 さん

私は、SGLT2阻害薬は症例を厳しく絞って、少数例にしか使用していません。
6種類のそれぞれの差は、あまりないと考えています。
2015/06/18(Thu) 18:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
ルセフィと糖質制限
江部先生 初めまして
あむよんと申します。
41歳 女性
2年前に2型糖尿病になりました。

6月の記事に投稿してすみません。

2013. 5. 31
血糖値 180
HbA1c 8.6
中性脂肪 245
LDLコレステロール 201
体重 69kg

発覚した当初は目の前が真っ白になり、どうやって病院から帰宅したかも覚えてなく、夫に言うのも恥ずかしく
トイレで泣いていました。

処方された薬はメトグルコを朝昼夕に一錠ずつでした。

キチンとしなくてはと思い、カロリー制限と運動を頑張りました。(糖質制限の事を知りませんでした)
玄米や肉、魚、野菜、全てを計りながら食べて
有酸素運動も毎日ではないですが、頑張りました。

もともと太っていたので、体重が減ったおかげで
数値も良くなりました。

2014. 5. 28
血糖値 80
HbA1c 5.1
中性脂肪 207
LDLコレステロール 163
体重 58kg


ただ、とてもしんどく、お腹が空いてひもじく
空腹で眠れないし、顔色も青白い時がありました。
この頃、糖尿病の新薬が出まして
メトグルコからルセフィに変更になりました。
摂取した糖分を尿から出してしまうので、水分を多めに摂ることを医師から言われました。
ルセフィにしてからは、体重管理がとても楽になり
顔色も良くなりました。

今年の3月頃から糖質制限を取り入れるようにしました。

2015. 5. 22
血糖値 82
HbA1c 4.8
中性脂肪 106
LDLコレステロール 168
体重 58kg

SGLT2阻害薬は
長期服用はやめた方がいい、半年〜1年位との事ですが
私はもう1年2ヶ月ほど服用していますが、主治医からは
毎回同じ量を処方されます。
LDLコレステロールも高いときで190もあるものですから
コレステロールの薬も出そうとしています。

コレステロールはそんなに気にする必要もないとも記載されておりましたので、できたら飲みたくありません。
なので、主治医に『コレステロールの薬は様子を見させて下さい』と言いましたところ
とてもムッとされました。
なので、私が糖質制限をしている事は伝えていません。
怒られるのが分かっているので。

長くなってスミマセン。
ここからがご質問したいところなのですが、
2年間 良い数値をキープ出来ているので、これからもスーパー糖質制限をキチンとするという事で薬を止めてしまっても大丈夫でしょうか?

本当は主治医に相談するのが筋だと分かっておりますが、ど〜も流れ作業のように患者の目も見ずに事務的に対応されて『1時間待ちの1分診察』なので話しづらいのです。

あと、私のように2型糖尿病でコレステロールも多い時で200近くある人でも
糖質の少ない お肉やチーズ、バターなどを摂取していて大丈夫でしょうか?


ご相談したく、こちらをお借りしました。
大変お忙しいところ申し訳ございません。
宜しくお願いいたします。


2015/08/13(Thu) 16:13 | URL | あむよん | 【編集
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