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医師の課題と患者さんの課題。インスリン注射の誤差。
こんばんは。

劇症1型糖尿病発症で、血糖値は1848mg/dl、意識不明、糖尿病ケトアシドーシス

という、極めて重症の状態から生還されたちくてつさんから、

「医師の課題と患者さんの課題」
「インスリン注射の誤差」

について、とても興味深いコメントをいだだきました。
ちくてつさん、ありがとうございます。

高雄病院で私が医師として新患の糖尿病患者さんを外来で診察するとき、まず「糖質制限食」という食事療法を紹介し説明します。
その後、管理栄養士が栄養指導します。

糖質制限食を紹介し説明するのが医師の課題(仕事)で、具体的な食事の指導をするのが栄養士の課題(仕事)です。

家に帰ってから糖質制限食を実践するのは、糖尿病患者さん自身の課題です。

ちくてつさんの仰る通り、「医師の課題」と「患者さんの課題」は全く別のものであり、医師が患者さんの課題をこなすことはあり得ないのです。

また、患者さんが勉強してきて質問してくれることは、医師は大歓迎です。

医師・患者関係も良くなるし、協力態勢もとりやすくなります。

ちくてつさんにコメントして頂いたバーンスタイン先生のインスリンに関する説明も大変参考になります。→ 青太字で大きい文字の部分です。

20単位とかの量を打つと、誤差は29%あるというのは医師も患者も知っておいたほうがいいです。

内因性インスリンがゼロの1型にはインスリンは絶対に必要ですが、1回に注射する単位が、6~7単位以下だと誤差がほとんどないとのことです。


江部康二


【15/06/13 ちくてつです

1型糖尿人の必読書ですね

江部先生、毎日のブログ更新、ありがとうございます。

先生がおっしゃるとおり、私たち糖尿人は、自分で調べられることは自分で調べ、「どうしてもわからないこと」はまず主治医に聞くべきだと思います。

私は劇症1型糖尿人のインスリンポンプ人ですが、主治医が言ってくれなかった「暁現象」について、「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(金芳堂)で知り、ポンプのベーサル(基礎)設定を変更し、主治医に言いましたら、「そうなんですよ」と説明してくれました。
 
江部先生は超多忙ですが、大学病院の主治医も多忙なのです。ですから、血糖がコントロールできているかどうかを主眼として、患者が聞くこと、疑問に思うことに対応する方がほとんどだと思います。ということは、患者が勉強することが、主治医の協力を得る上で大切なのです。

アドラー心理学では、その課題、問題は「誰の課題、問題なのか」を問えといいます。

私たちの糖尿病は、私たちの問題であり、主治医の問題ではありません。主治医が私たちの糖尿病を治してくれるのではなく、私たちが学び、実践し、主治医をサポーターとして信頼関係を築ければ、血糖のコントロールが上手にでき、無事に大往生まで長生きできるのだと思います。
 
糖尿人にとって、とくに1型糖尿人にとって、糖質制限食が「絶対に必要だ」ということが、「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」の85ページに書かれています。

私が日々、認識し続けている情報開示です。良かったら、皆さんの参考にしてください。

◎インスリンの誤差は29%もある

<インスリンを打つとき、その全部が血液中に到達するわけではない。どの程度の量のインスリンが実際に吸収されるかについて、またインスリンに対する身体の感受性が毎日異なるなどある程度不確実性がある。インスリンをたくさん使うほど、不確実性の程度も増す。インスリンを打つとき、免疫の側から見た場合,あなたは皮下に本来そこにはないはずのものを注射しようとしているのである。したがって、そのインスリンの一部は血中に到達する以前に異物として破壊されるであろう。身体が破壊できる量はいくつかの要因による。第1はどの程度の量を注射するかということである。量が多いほど炎症と刺激を起こし、免疫系に対して危険信号を送る。その他の要因としては、深さ、スピード、注射の場所などがある。

あなたの注射はおのずとその都度変わるであろう。とても気むずかしい人でも毎日無意識に細かいことを変えるであろう。したがって、血流に到達するインスリンの量には常に多少の変動がある。量が多ければ変動も大きい。

数年前ミネソタ大学の研究者たちは、腕に20単位のインスリンを打った場合、血流に到達する量には日によって平均39%の変動があることを示した。彼らは腹部注射では変動がたった29%だったので、腹部注射だけを勧めた。研究報告を読むだけならばそれですむが、実際に注射する場合は血糖値に及ぼす影響を見逃せない。

例えば,一度にインスリン20単位打つとする。1単位は68kgの成人の血糖値を40mg/dl下げる。29%の変動は20単位の注射のなかで6単位の差を生ずる。すなわち,これは血糖値にして240mg/dlの不確実性(40mg/dlx6)である。

その結果は全く偶然に支配される血糖値であり、完全に予測不可能であり、まさにインスリン吸収量の変動によるものである。

研究や私自身の経験は,インスリン量が少ないほど変動が少ないことを示している。肥満でない1型糖尿病患者に対してわれわれは理想的には4分の1から6単位、最高でも7単位の1回注射量を希望する。典型的な場合、あなたは1回に3〜5単位注射するかもしれない。

このような低注射量では吸収の不確実性はゼロに近いから、腕に注射するか腹部に注射するかを悩む必要はない>


私の1日のインスリン注射量は平均でリスプロ15単位くらいです。

主治医が定めてくれたのは20単位でした。糖質制限食でインスリンの量を減らせています。しかし、ほかの1型の方もそうだと思いますが、インスリンで血糖値をコントロールするのはかなりやっかいです。試行錯誤の連続です。ですから、バーンスタイン先生のように、明るく糖質制限を実践してゆくことが大事だと思います。

「私の量は多いですか?」と主治医に聞きましたら、「あなたの体重の患者さんで、40単位打つ人もいますから、少ないですよ」と答えてくれました。

問えば答える、問わなければ答えてくれない。

糖尿病は私たちの問題ですから、1型の方はこの本で多くの知識が得られます。皆さんが読まれることを私は希望します。】




テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
バーンスタイン先生の本は、本当に参考になりますよね。

私は、原因不明の高血糖(1日を通して120以上)が続いた時期があり、困っていたときにふとバーンスタイン先生の本を読んで1年半ぶりに歯科で歯石を除去してもらったところ、その日のうちに血糖値が2ケタに下がり始め、数日で80台になりました。
注射するランタスの量は変えていません。


2015/06/14(Sun) 19:34 | URL | misako | 【編集
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