2015年06月05日 (金)
【15/06/04 しらねのぞるば
糖尿病学会はSGLT2阻害薬を推奨?
SGLT2阻害薬の売り上げが期待通りに伸びないことにしびれを切らして糖尿病学会の重鎮が,こんな記事を書いています.
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201506/542314.html
記事では,日本でのSGLT2阻害薬の処方実績が米国の1/10であることをけしからんとしていますが,そもそも高度肥満の多い米国糖尿病患者と,そうではない日本とでは適応範囲が異なるのは当たり前のことなのに,『日本でも米国並みに使え』というのは乱暴です.
また,日本での皮膚疾患副作用発生率が20%以上なのは,
『そんなに発生するわけがない.診断した医師にバイアスがかかっている』
とまで決めつけています.
結論として,もっとSGLT2阻害薬を使って,製薬会社の売り上げ向上に寄与しなさいという『指示』なのですが,現場の医師は初期副作用のあまりの多さに投与に慎重になっているわけで,これを学会の威光で強制するのは人体実験なのではないでしょうか.
短期・中長期の安全性にこれほど不安を持たれているSGLT2阻害薬を『もっと使え』と言う一方で,今年の下関での年次学術集会では,食事療法に関するシンポジウムで,糖質制限食への不安をかきたてる発表を行うなど,学会の基準はDouble Standardです.】
こんにちは。
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』という日経メディカルの記事について、しらねのぞるばさんから、コメントを頂きました。ありがとうございます。
しらねのぞるば さん
全く同感です。
SGLT2阻害薬を飲んで、毎日強制的に60~100gのブドウ糖を尿中に排泄させるなら、 最初から糖質制限しておけば、そんな薬は必要ないわけです。
副作用が明らかに多くて死亡例も複数でたため、糖尿病学会そのものが、使用注意の緊急勧告を2回も出した薬であることを 忘れて、SGLT2阻害薬を『もっと使え』とは、この糖尿病学会重鎮氏、困ったものです。
【新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ
朝日新聞デジタル
田内康介2015年1月9日
新糖尿病治療薬の副作用報告
昨年4月以降に相次いで発売された新型の糖尿病治療薬を服用した患者10人が死亡していたことが、各製薬会社による副作用調査でわかった。因果関係は必ずしも明確でないが、脱水症を招き死亡につながったとみられる事例もあった。厚生労働省は適切な使用を呼びかけるため、添付文書を改訂するよう各社に指示する方針。
新薬は「SGLT2阻害薬」で、生活習慣が原因で患者数が多い2型糖尿病が対象。インスリンの分泌を促す従来の薬とちがい、尿中の糖を体内に吸収させるたんぱく質の働きを邪魔し、体外に出して血糖値を下げる。利尿作用があり、体重を減らす効果もあるとして注目されている。昨年4月以降、国内で6製品が販売され、専門家によると10万人以上が服用していると推定される。
朝日新聞が各社の調査を集計したところ、約3700人で約4800件の副作用報告があった。うち重篤なものは皮膚障害、尿路感染症、脱水症など630件で、10人が死亡していた。副作用報告は因果関係にかかわらず幅広く届けられる。】
朝日新聞デジタル版に「新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ」という記事が載ったのは記憶に新しいところです。
新型糖尿病内服薬とは「SGLT2阻害薬」のことです。
2014年4月に鳴り物入りで発売したものの、 いきなり死亡例が出て6月と8月に勧告(☆)ですから、さしもの日本糖尿病学会も事態の深刻さには気がついて、 対応は早かったと思います。
しかし、勧告後にも死亡例が相次いだことになります。
6月や8月の勧告にあるように 本来SGLT2阻害薬は、ごく限られた症例に使うべき薬剤です。
また、利尿剤との併用は推奨されないどころか禁忌と思います。
降圧剤の合剤で、利尿剤を含んでいるものもあるので、注意が必要です。
4月の発売時に、勧告レベルの注意喚起をしていれば、これほど重篤な副作用が多発することはなかったと思われますので 、やはり日本糖尿病学会の責任は重いと思います。
学会のプレスリリースにしても「夢の新薬」のようなイメージでした。
これにマスコミが安易に飛びつき、多くの糖尿病患者さんが偏った情報を鵜呑みにしてしまいました。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったということです。
今まで、SGLT2阻害薬は症例を絞って(若い人、脱水予防できる人、利尿剤を飲んでない人・・・)、短期間投与にとどめるべき薬と強調してきました。
私自身も糖毒解除のために短期間処方することがあります。
SGLT2阻害薬投与により、
空腹時血糖値は30~ 40mg/dL、
食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL
下がるくらいの効果が期待できるので糖毒解除には便利な薬剤と思います。
しかし短期間にとどめるべき薬剤ということは変わりません。
江部康二
(☆)
以下は、日本糖尿病学会のサイトから抜粋です。
http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466
SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation
策定:2014年6月13日
改訂:2014年8月29日
我が国で最初のSGLT2阻害薬が2014年4月17日発売され、続いて5月23日に新たにSGLT2阻害薬3剤が発売された。本薬剤は新しい作用機序を有する2型糖尿病薬であるが、治験の際に低血糖など糖尿病薬に共通する副作用に加えて、尿路・性器感染症など本薬剤に特徴的な副作用が認められていた。
加えて、本薬が広汎で複雑な代謝や循環への影響をきたしうることから、発売前から重篤なものを含む多様な副作用発症への懸念が持たれていた。発売開始から1ヶ月間の副作用報告を受け、重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが現実化したことを踏まえ、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」を発足させ、検討を行い、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を策定し公表した。
このたび、最初の副作用報告から2ヶ月半経過し新たな3剤の副作用報告も踏まえ最新の情報に基づき改訂を加えた。
8月17日の時点での各製剤の副作用報告によれば、予想された副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加している。
この中には、現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが、多くが当初より懸念された副作用であることから、本委員会としては、これらの副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する。
Recommendation
1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。
3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。
4.発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。
5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。
6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。
7.原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。
以上、SGLT2阻害薬が発売されてから約3か月半の副作用情報を踏まえ、その使用にあたっての重要な注意喚起を行った。本薬剤は適応を十分に考慮した上で、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また本Recommendationを十分に踏まえて、特に安全性を最優先して適正使用されるべき薬剤である。
発売日から3ヵ月間に本剤を服用した高齢者(65歳以上)では全例の特定使用成績調査が定められており、是非ともそれに則った使用が推奨される。尚、本委員会は継続的にSGLT2阻害薬の安全性情報を収集・分析し、必要は注意喚起を行っていく。
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 稲垣暢也
東京大学大学院医学系研究科 分子糖尿病科学 植木浩二郎
川崎医科大学 総合内科学1 加来浩平
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝
関西電力病院 清野裕
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野羽田勝計
東京大学大学院医学系研究科皮膚科学 佐藤伸一
糖尿病学会はSGLT2阻害薬を推奨?
SGLT2阻害薬の売り上げが期待通りに伸びないことにしびれを切らして糖尿病学会の重鎮が,こんな記事を書いています.
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/jds2015/201506/542314.html
記事では,日本でのSGLT2阻害薬の処方実績が米国の1/10であることをけしからんとしていますが,そもそも高度肥満の多い米国糖尿病患者と,そうではない日本とでは適応範囲が異なるのは当たり前のことなのに,『日本でも米国並みに使え』というのは乱暴です.
また,日本での皮膚疾患副作用発生率が20%以上なのは,
『そんなに発生するわけがない.診断した医師にバイアスがかかっている』
とまで決めつけています.
結論として,もっとSGLT2阻害薬を使って,製薬会社の売り上げ向上に寄与しなさいという『指示』なのですが,現場の医師は初期副作用のあまりの多さに投与に慎重になっているわけで,これを学会の威光で強制するのは人体実験なのではないでしょうか.
短期・中長期の安全性にこれほど不安を持たれているSGLT2阻害薬を『もっと使え』と言う一方で,今年の下関での年次学術集会では,食事療法に関するシンポジウムで,糖質制限食への不安をかきたてる発表を行うなど,学会の基準はDouble Standardです.】
こんにちは。
『専門医が率先しSGLT2阻害薬の有用性を検証すべき』という日経メディカルの記事について、しらねのぞるばさんから、コメントを頂きました。ありがとうございます。
しらねのぞるば さん
全く同感です。
SGLT2阻害薬を飲んで、毎日強制的に60~100gのブドウ糖を尿中に排泄させるなら、 最初から糖質制限しておけば、そんな薬は必要ないわけです。
副作用が明らかに多くて死亡例も複数でたため、糖尿病学会そのものが、使用注意の緊急勧告を2回も出した薬であることを 忘れて、SGLT2阻害薬を『もっと使え』とは、この糖尿病学会重鎮氏、困ったものです。
【新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ
朝日新聞デジタル
田内康介2015年1月9日
新糖尿病治療薬の副作用報告
昨年4月以降に相次いで発売された新型の糖尿病治療薬を服用した患者10人が死亡していたことが、各製薬会社による副作用調査でわかった。因果関係は必ずしも明確でないが、脱水症を招き死亡につながったとみられる事例もあった。厚生労働省は適切な使用を呼びかけるため、添付文書を改訂するよう各社に指示する方針。
新薬は「SGLT2阻害薬」で、生活習慣が原因で患者数が多い2型糖尿病が対象。インスリンの分泌を促す従来の薬とちがい、尿中の糖を体内に吸収させるたんぱく質の働きを邪魔し、体外に出して血糖値を下げる。利尿作用があり、体重を減らす効果もあるとして注目されている。昨年4月以降、国内で6製品が販売され、専門家によると10万人以上が服用していると推定される。
朝日新聞が各社の調査を集計したところ、約3700人で約4800件の副作用報告があった。うち重篤なものは皮膚障害、尿路感染症、脱水症など630件で、10人が死亡していた。副作用報告は因果関係にかかわらず幅広く届けられる。】
朝日新聞デジタル版に「新型糖尿病薬服用、10人死亡 厚労省、適切使用指示へ」という記事が載ったのは記憶に新しいところです。
新型糖尿病内服薬とは「SGLT2阻害薬」のことです。
2014年4月に鳴り物入りで発売したものの、 いきなり死亡例が出て6月と8月に勧告(☆)ですから、さしもの日本糖尿病学会も事態の深刻さには気がついて、 対応は早かったと思います。
しかし、勧告後にも死亡例が相次いだことになります。
6月や8月の勧告にあるように 本来SGLT2阻害薬は、ごく限られた症例に使うべき薬剤です。
また、利尿剤との併用は推奨されないどころか禁忌と思います。
降圧剤の合剤で、利尿剤を含んでいるものもあるので、注意が必要です。
4月の発売時に、勧告レベルの注意喚起をしていれば、これほど重篤な副作用が多発することはなかったと思われますので 、やはり日本糖尿病学会の責任は重いと思います。
学会のプレスリリースにしても「夢の新薬」のようなイメージでした。
これにマスコミが安易に飛びつき、多くの糖尿病患者さんが偏った情報を鵜呑みにしてしまいました。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったということです。
今まで、SGLT2阻害薬は症例を絞って(若い人、脱水予防できる人、利尿剤を飲んでない人・・・)、短期間投与にとどめるべき薬と強調してきました。
私自身も糖毒解除のために短期間処方することがあります。
SGLT2阻害薬投与により、
空腹時血糖値は30~ 40mg/dL、
食後2時間血糖値はおよそ60mg/dL
下がるくらいの効果が期待できるので糖毒解除には便利な薬剤と思います。
しかし短期間にとどめるべき薬剤ということは変わりません。
江部康二
(☆)
以下は、日本糖尿病学会のサイトから抜粋です。
http://www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_7265636F6D6D656E646174696F6E5F53474C54322E706466
SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation
策定:2014年6月13日
改訂:2014年8月29日
我が国で最初のSGLT2阻害薬が2014年4月17日発売され、続いて5月23日に新たにSGLT2阻害薬3剤が発売された。本薬剤は新しい作用機序を有する2型糖尿病薬であるが、治験の際に低血糖など糖尿病薬に共通する副作用に加えて、尿路・性器感染症など本薬剤に特徴的な副作用が認められていた。
加えて、本薬が広汎で複雑な代謝や循環への影響をきたしうることから、発売前から重篤なものを含む多様な副作用発症への懸念が持たれていた。発売開始から1ヶ月間の副作用報告を受け、重篤な副作用の懸念のうち、残念ながらいくつかが現実化したことを踏まえ、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」を発足させ、検討を行い、6月13日に「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」を策定し公表した。
このたび、最初の副作用報告から2ヶ月半経過し新たな3剤の副作用報告も踏まえ最新の情報に基づき改訂を加えた。
8月17日の時点での各製剤の副作用報告によれば、予想された副作用である尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加している。
この中には、現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれているが、多くが当初より懸念された副作用であることから、本委員会としては、これらの副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考え以下のRecommendationおよび具体的副作用事例とその対策を報告する。
Recommendation
1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことから特に注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。
2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヶ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。
3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。
4.発熱・下痢・嘔吐などがあるときないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。
5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。
6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。
7.原則として、本剤は当面他に2剤程度までの併用が推奨される。
以上、SGLT2阻害薬が発売されてから約3か月半の副作用情報を踏まえ、その使用にあたっての重要な注意喚起を行った。本薬剤は適応を十分に考慮した上で、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また本Recommendationを十分に踏まえて、特に安全性を最優先して適正使用されるべき薬剤である。
発売日から3ヵ月間に本剤を服用した高齢者(65歳以上)では全例の特定使用成績調査が定められており、是非ともそれに則った使用が推奨される。尚、本委員会は継続的にSGLT2阻害薬の安全性情報を収集・分析し、必要は注意喚起を行っていく。
「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 稲垣暢也
東京大学大学院医学系研究科 分子糖尿病科学 植木浩二郎
川崎医科大学 総合内科学1 加来浩平
東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 門脇孝
関西電力病院 清野裕
旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野羽田勝計
東京大学大学院医学系研究科皮膚科学 佐藤伸一
やっぱり糖尿病学会辞めようかなぁ、と思ってしまいます。
はい、徳島県人です。
さて、今朝、トンガでは糖尿病が急激に増えているというニュースがありました。
NHKだったと思います。
中立、公平というスローガン、指針はどこへいったのでしょう?
ハナから中立などないし、公平などというものも存在しないと思っています。
トンガでは油の多い食事と野菜不足を解消しようと・・・まるで脂が糖尿病を引き起こしてるような編集でしたね。
言葉としては言ってませんが・・・そこら辺りが小ズルイと思いました。
血糖値を上昇させるのは糖質で、糖質をカットしたらたちまち改善しますよと、テレビに向かっていってしまいました。
さて、今朝、トンガでは糖尿病が急激に増えているというニュースがありました。
NHKだったと思います。
中立、公平というスローガン、指針はどこへいったのでしょう?
ハナから中立などないし、公平などというものも存在しないと思っています。
トンガでは油の多い食事と野菜不足を解消しようと・・・まるで脂が糖尿病を引き起こしてるような編集でしたね。
言葉としては言ってませんが・・・そこら辺りが小ズルイと思いました。
血糖値を上昇させるのは糖質で、糖質をカットしたらたちまち改善しますよと、テレビに向かっていってしまいました。
2015/06/06(Sat) 10:42 | URL | クワトロ | 【編集】
次回の「ためしてガッテン」の番組内容です。
http://www9.nhk.or.jp/gatten/schedule/
なんかもう、放送前から「これはアカンやろ」になりそうです。これでも人気番組ですから、トホホです。
http://www9.nhk.or.jp/gatten/schedule/
なんかもう、放送前から「これはアカンやろ」になりそうです。これでも人気番組ですから、トホホです。
2015/06/06(Sat) 15:08 | URL | ぜんたろう | 【編集】
クワトロ さん
トンガだけでなく、南太平洋の島々皆で
すごい勢いで、糖尿病と肥満が増えているようですね。
炭水化物の頻回過剰摂取が元凶と思います。
トンガだけでなく、南太平洋の島々皆で
すごい勢いで、糖尿病と肥満が増えているようですね。
炭水化物の頻回過剰摂取が元凶と思います。
2015/06/06(Sat) 16:41 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ぜんたろう さん
食物繊維摂取で、同じものを食べても、糖尿病改善という趣旨の番組ですね。
糖質だけが直接血糖値を上げるということを、無視して、
糖尿病が良くなることはあり得ないので、
まちがいなく「トホホ」でしょうね。
食物繊維摂取で、同じものを食べても、糖尿病改善という趣旨の番組ですね。
糖質だけが直接血糖値を上げるということを、無視して、
糖尿病が良くなることはあり得ないので、
まちがいなく「トホホ」でしょうね。
2015/06/06(Sat) 16:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
食物繊維摂取で多少血糖値の上昇が緩やかになることはあるでしょうけど、すでに糖尿病と診断されている人がそれだけで劇的に改善するとは思えないですよね。
ちなみに私、糖尿病と診断されるずっと前から、マイタケやらイージーファイバーやら…かなり意識して食物繊維を摂取していたのにこれですからね。。
ところで昨日は外食しました。
ステーキランチをご飯抜きで。
自己血糖測定器を持参してSMBGしたところ1時間後130で2時間後121でした。
ご飯を抜いたとはいえ普段よりは糖質多め(30g弱)だったので、この数値はまあまあだったと思います。
糖質制限開始時は食後2時間が血糖値のピークでしたが、最近では1時間後のほうがピークになってきました。
ちなみに私、糖尿病と診断されるずっと前から、マイタケやらイージーファイバーやら…かなり意識して食物繊維を摂取していたのにこれですからね。。
ところで昨日は外食しました。
ステーキランチをご飯抜きで。
自己血糖測定器を持参してSMBGしたところ1時間後130で2時間後121でした。
ご飯を抜いたとはいえ普段よりは糖質多め(30g弱)だったので、この数値はまあまあだったと思います。
糖質制限開始時は食後2時間が血糖値のピークでしたが、最近では1時間後のほうがピークになってきました。
misako さん
食後2時間血糖値がピークだったのが
1時間値がピークとなったのは、
「耐糖能改善」と思います。
良かったですね。
食後2時間血糖値がピークだったのが
1時間値がピークとなったのは、
「耐糖能改善」と思います。
良かったですね。
2015/06/07(Sun) 08:53 | URL | ドクター江部 | 【編集】
SGLT2阻害剤と高血糖の関係は、利尿剤と高血圧の関係に類似しているのではないかという話を宗田先生と中嶋先生がFacebookでされていました。
https://www.facebook.com/tetsuo.muneta/posts/632798283463358
高血圧治療には塩分を制限して、それでも高い場合には利尿剤で塩分を強制排除するという方法があるのだから、高血糖治療には糖質を制限して、それでも高い場合にはSGLT2阻害剤で糖分を強制排除するというのもアリではないかと。
費用的にも糖質制限ではややもするとエンゲル係数が上がりがちなので、SGLT2阻害剤の費用(保険適用なら1日あたり70円弱)とあまり差が無いようにも思われます。
すると個々人の生活習慣で無理がないライフスタイルを選択するとすれば、適度に糖質制限しながらのSGLT2阻害剤も選択肢に入れる価値はあるのではないかと考えています。
https://www.facebook.com/tetsuo.muneta/posts/632798283463358
高血圧治療には塩分を制限して、それでも高い場合には利尿剤で塩分を強制排除するという方法があるのだから、高血糖治療には糖質を制限して、それでも高い場合にはSGLT2阻害剤で糖分を強制排除するというのもアリではないかと。
費用的にも糖質制限ではややもするとエンゲル係数が上がりがちなので、SGLT2阻害剤の費用(保険適用なら1日あたり70円弱)とあまり差が無いようにも思われます。
すると個々人の生活習慣で無理がないライフスタイルを選択するとすれば、適度に糖質制限しながらのSGLT2阻害剤も選択肢に入れる価値はあるのではないかと考えています。
2015/06/08(Mon) 06:39 | URL | 大虎猫 | 【編集】
大虎猫 さん
私も、糖毒解除には有効な薬と思っていますし、
糖質制限していても血糖値が高い2型糖尿人に
実際に処方しています。
一方、毎日強制的に60~100gのブドウ糖を尿中に排泄して
240kcal/日~400kcal/日を失い続けるわけです。
長期間にわたりSGLT2阻害剤を処方すると、人体は基礎代謝を減らして適応すると考えられます。
実際SGLT2阻害剤による体重減少は6ヶ月間で止まります。
従いまして、3~6ヶ月以内の使用期間にとどめることが好ましい薬と考えられます。
私も、糖毒解除には有効な薬と思っていますし、
糖質制限していても血糖値が高い2型糖尿人に
実際に処方しています。
一方、毎日強制的に60~100gのブドウ糖を尿中に排泄して
240kcal/日~400kcal/日を失い続けるわけです。
長期間にわたりSGLT2阻害剤を処方すると、人体は基礎代謝を減らして適応すると考えられます。
実際SGLT2阻害剤による体重減少は6ヶ月間で止まります。
従いまして、3~6ヶ月以内の使用期間にとどめることが好ましい薬と考えられます。
2015/06/08(Mon) 18:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はじめて、メールいたします。江部先生の糖質制限食療法にはまったくの同感で、ケトンの基礎知識についてもこのサイトで、大変深く学ばさせていただいております。開業して10年糖尿病診療に携わっています。私は、次の理由で、この薬の推進派(長期使用も含めて)
1:既存薬の中でベストな体重低下薬(もちろん食べてしまえば再増加します。食事療法実行への正の強化因子となります。)
2:PRO(patient reported outcome)が良好で中断が少ない。
3:心血管イベント抑制効果に期待(EMPA-REG OUTTCOME試験 中味はいろいろ議論あると思いますが、この10~20年の糖尿病薬ではまずamazing resultと評価されています。
4:腎保護効果に期待(CREDENCE試験進行中です)
以上より食事療法に加える薬物療法のファーストチョイスと私は考えます。12月1日M3サイトで 自論を講演予定です。江部先生は長期使用を薦めない理由をもう一度ご教示いただけると幸いです。今後もケトンなど色々先生から学ばせていただきたいです。よろしくお願いいたします。3
1:既存薬の中でベストな体重低下薬(もちろん食べてしまえば再増加します。食事療法実行への正の強化因子となります。)
2:PRO(patient reported outcome)が良好で中断が少ない。
3:心血管イベント抑制効果に期待(EMPA-REG OUTTCOME試験 中味はいろいろ議論あると思いますが、この10~20年の糖尿病薬ではまずamazing resultと評価されています。
4:腎保護効果に期待(CREDENCE試験進行中です)
以上より食事療法に加える薬物療法のファーストチョイスと私は考えます。12月1日M3サイトで 自論を講演予定です。江部先生は長期使用を薦めない理由をもう一度ご教示いただけると幸いです。今後もケトンなど色々先生から学ばせていただきたいです。よろしくお願いいたします。3
川田敏夫 先生
コメントありがとうございます。
2社のSGLT2阻害剤のMRさんによると、最近、
糖尿病専門医の講演においても「短期間使用」を推奨されることがあるようです。
私自身は、糖毒解除のために、3ヶ月から半年~8ヶ月くらいが、一番使い勝手がいいかと考えています。
糖毒解除には、DPP-4阻害剤やメトホルミンとも合わせて、よく効くと思います。
私が懸念しているのは
SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます。
2型糖尿人のデータでは、毎日71~93gのブドウ糖が尿から排泄されます。』
つまり2型糖尿病患者さんにおいては、284~372kcal/日のエネルギーが尿中に排泄されるので、
以前と同じ量の食事を食べているなら、理論的には痩せ続けることになります。
しかし、メーカーのパンフレットでは、約6ヶ月~8ヶ月で体重減少が止まりそこからは徐々に体重が増えていきます。
あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、
最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日284~372kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、
何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、
体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ284~372kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、
尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく、
一定期間(約半年)でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、
低カロリー食に対応した結果と考えられます。
カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、
結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、
低エネルギー状態に適応すると考えられます。
コメントありがとうございます。
2社のSGLT2阻害剤のMRさんによると、最近、
糖尿病専門医の講演においても「短期間使用」を推奨されることがあるようです。
私自身は、糖毒解除のために、3ヶ月から半年~8ヶ月くらいが、一番使い勝手がいいかと考えています。
糖毒解除には、DPP-4阻害剤やメトホルミンとも合わせて、よく効くと思います。
私が懸念しているのは
SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬投与で健常人のデータでは、毎日50~60gのブドウ糖が尿から排泄されます。
2型糖尿人のデータでは、毎日71~93gのブドウ糖が尿から排泄されます。』
つまり2型糖尿病患者さんにおいては、284~372kcal/日のエネルギーが尿中に排泄されるので、
以前と同じ量の食事を食べているなら、理論的には痩せ続けることになります。
しかし、メーカーのパンフレットでは、約6ヶ月~8ヶ月で体重減少が止まりそこからは徐々に体重が増えていきます。
あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、
最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日284~372kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、
何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、
体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ284~372kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、
尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく、
一定期間(約半年)でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、
低カロリー食に対応した結果と考えられます。
カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、
結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、
低エネルギー状態に適応すると考えられます。
2015/09/22(Tue) 14:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、お久しぶりです。2015/09/22「SGLT2阻害薬は短期投与に、反論あり。」でお尋ねしたスバルの街太田市で開業している川田敏夫です。その節は大変丁寧なご回答有難うございました。さて本日は医師会主催の講演会「糖質制限食のエビデンスとSGLT2阻害薬の有効性(山田悟先生)」を聞いて浮かんだ素朴な疑問をお尋ねいたします。蛋白質と脂質摂取量が増えてしまう場合、気をつけないとトランス脂肪酸(心筋梗塞)と加工肉(大腸がん)を摂りすぎてしまわないでしょうか?まだ糖質制限食は勉強不足なので、そんな事はこの世界では当然気をつけているよという事ならお許し下さい。一度でも糖質制限食の本丸である徒然草に取り上げていただき誇らしく思っています。今回もどうぞよろしくお願いいたします。
2017/05/31(Wed) 22:02 | URL | 川田敏夫 | 【編集】
川田敏夫 先生
スーパー糖質制限食においても、加工肉とトランス脂肪酸は減らすように心がけています。
それは、充分可能と思います。
スーパー糖質制限食においても、加工肉とトランス脂肪酸は減らすように心がけています。
それは、充分可能と思います。
2017/06/01(Thu) 07:29 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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