2015年06月02日 (火)
【15/06/01 まな
妊娠糖尿病
こんばんは☆
妊娠4ヶ月で妊娠糖尿病と分かり色々勉強しスーパー糖質制限をしています。
糖尿病内科の先生にはケトン体のことを指摘され涙しました。自分なりに調べて調べてケトン体は大丈夫なんだと言い聞かせています。でも病院にいくたびに不安で赤ちゃんに影響でたらどうしようと不安です。糖質制限で血糖値は落ち着いてるのでインスリンではなく糖質制限で進めていきたいです。赤ちゃんは元気に産まれてもケトン体のせいで成長していくにすれ影響下したらどうしようと怖くなります。宗田マタニティクリニックに通院したいけれど大阪なので通えないし、、、江部先生を信じて安心して産んで良いんですよね?ケトン体て言葉がもう恐怖でしかないです。。】
まな さん
インスリン作用が保たれている時のケトン体が基準値より高値でも生理的なもので、なんの心配もないです。
胎盤のケトン体の基準値は成人の20~30倍です。
新生児の血中ケトン体濃度も成人の3~4倍です。
胎児や新生児はケトン体を重要なエネルギー源として利用しているのです。
成人のβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)の血中濃度基準値は
85μmol/L以下です。
胎盤60検体の平均値は2235.0μmol/Lです。
臍帯血60検体のは平均値は779.2μmol/Lです。
生後4日目の新生児312例の平均値は240.4μmol/Lです。
つまり、胎盤や胎児や新生児のケトン体の基準値は成人の数倍~30倍ということで、それが当たり前なので、危険でも何でもないです。
宗田先生と永井先生のおかげで、ケトン体の安全性が証明されたわけです。
あとは、医師が、ケトン体に対する、上記の最新の知識を知っているか否かの差です。
2015年第18回日本病態栄養学会。宗田先生らの発表。60検体。
*胎盤組織液の平均βヒドロキシ酪酸値は2235.0μmol/L、臍帯血は平均779.2μmol/L
2014年第17回日本病態栄養学会。宗田先生らの発表。
*胎児の胎盤(絨毛間液)の平均βヒドロキシ酪酸値、平均1730μmol/L(58検体)
*新生児の血中平均βヒドロキシ酪酸値は、 平均240.4μmol/L(312例、生後4日)
◎成人の現行の基準値は、 βヒドロキシ酪酸値は85 μmol/L以下。
☆☆☆
以下は
2015年1月13日(火)の本ブログ記事です。
宗田先生ポスター発表。ケトン体は安全。日本病態栄養学会。
こんにちは。
第18回日本病態栄養学会年次学術集会において、2015年1月10日(土)宗田先生がポスター発表されました。
私も共同発表者の一人です。
宗田哲男先生は、2014年の病態栄養学会年次学術集会で、普通に糖質を食べている女性における人工流産児の絨毛のβヒドロキシ酪酸値を、58検体測定され、平均1730μmol/Lで、通常の基準値(βヒドロキシ酪酸85μmol/l以下)に比し、はるかに高値であることを報告されました。
58検体全てが成人の基準値よりはるかに高値(20~30倍)でしたので、胎児のケトン体の基準値は成人よりかなり高値であると言えます。
これは世界で初めての報告であり、極めて貴重なデータです。(^-^)v(^-^)v
6週から18週までの胎児の絨毛間液のケトン体値がこれほど高値であることは、胎児の脳を始めとした組織の主たるエネルギー源はケトン体である可能性を示唆しており、このことはそのままケトン体の本質的安全性を証明するものです。
勿論58検体全例で、酸性血症(アシドーシス)ありませんでした。
今回は、耐糖能正常妊婦60名において、分娩時に胎盤組織液と臍帯血のβヒドロキシ酪酸値を測定です。
その結果、胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、平均2235.0μmol/Lであり、臍帯βヒドロキシ酪酸値は、平均779.2μmol/Lで、胎盤内が有意に高値でした。
胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、いわゆる基準値(85μmol/L以下)に対して20~30倍の高値でした。
胎盤でエネルギー源であるβヒドロキシ酪酸を産生して、胎児に供給しているということです。
前回は、妊娠初期の段階での絨毛間液の測定で、今回は分娩時の測定です。
これにより、妊娠初期から分娩時まで、胎盤のβヒドロキシ酪酸値は、一貫して成人の基準値の20~30倍という高値が当たり前ということが判明しました。
妊娠初期から分娩時まで、胎盤のβヒドロキシ酪酸高値は当たり前のことであり、再び安全性は確立されました。
胎盤組織内の血糖値は75~80mg/dlで、全ての妊婦で臍帯血の血糖値と比べて有意差なしですから、胎児は、ブドウ糖よりもβヒドロキシ酪酸などケトン体を主たるエネルギー源としているので、胎盤でせっせと生産していると考えられます。
つまり、胎児においてはケトン体高値は当たり前のことであり、危険であるどころか、主たるエネルギー源である可能性が極めて高いのです。
母体のケトン体が高値だと、出生児が2才時点で知能テストで低下がみられたというRizzo Tらの論文がよく引用されます。(*)
Rizzo Tらの論文は、βヒドロキシ酪酸値は100から180μmol/Lでの比較です。
正常分娩の胎盤のβヒドロキシ酪酸値は、平均2235.0μmol/L、臍帯血臍帯βヒドロキシ酪酸値は、平均779.2μmol/Lですので、Rizzo Tらの論文の、βヒドロキシ酪酸値「100から180μmol/L」というのが、いかに無意味であるかは一目瞭然です。
Rizzo Tらの論文は、結局、飢餓や血糖コントロール不良からの結果として、βヒドロキシ酪酸値が180μmol/Lと軽度高値になった母体のグループをチェックしたものと思われます。
(*)Rizzo T, Metzger BE, Burns WJ, Burns KC: Correlations between antepartum
maternal metabolism and child intelligence. N Engl J Med 325: 911-16, 1991.
江部康二
☆☆☆
以下宗田先生ポスター発表の抜粋。
第18回日本病態栄養学会年次学術集会。
ポスター22 小児栄養・母子栄養
第1日目 1月10 日(土) 18:00~18:56 イベントホール
P-169 胎児、新生児-胎盤系の高ケトン血症の研究(糖質制限食による妊娠管理第3報)
宗田マタニティクリニック 宗田 哲男、他
<目的>
糖質制限食では、βヒドロキシ酪酸値(以降ケトン体という)が上昇する。
これを危険なこととする考えがある一方、近年ケトン体は小児の重症てんかんの治療や活性酸素を無害化すること、アルツハイマー病の治療や予防、がん治療などにも使われて、積極的に脳の保護的エネルギー源になるという知見が増えている。
2013年、2014年と我々は、臍帯血、胎児、新生児には、高濃度のケトン体が存在することを発表した。
今回は初めて、胎盤組織内のケトン体を測定することができ、そこにさらに高濃度のケトン体があることを発見した。
これをもとに胎児、新生児、胎盤系のケトン体について検討した。
<方法>
60名の耐糖能が正常の妊婦の分娩時の胎盤と臍帯血のケトン体値(βヒドロキシ酪酸値)を検討。
<成績>
1)胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、平均2235.0μmol/Lであり
臍帯βヒドロキシ酪酸値は、平均779.2μmol/Lで、胎盤内が有意に高値であった。
胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、いわゆる基準値85μmol/Lに対して
20~30倍の高値であった。
2)胎盤組織内の血糖値は75~80mg/dlで、全ての妊婦で臍帯血の血糖値と比べて有意差なし。
<考察>
1)
ケトン体値は胎盤組織で極めて高く、血糖値は、臍帯と胎盤組織で差はない。
これは妊娠中の胎児の栄養代謝が脂肪酸に依存していることを示す。
自然流産の場合でも絨毛のケトン体は高値であって、これは絨毛でケトン体が産生されていることを示唆する。
2)
卵生動物、例えば両生類、鳥類などの卵には糖質はなく、脂肪とタンパク質で胎仔となる。
哺乳類はこれらの進化を受け継いで受精卵が着床し卵黄嚢造血を行う間巨大有核赤血球が存在する。
これは糖質がない状態で代謝が可能であることを示す。
3)
酸素の十分にない環境でも、ケトン体は効率的にエネルギーを生み、脳神経にも好影響を与える。
我々はこの時期の絨毛が、ケトン体2000μmol/Lになることを、2014年発表した。
妊娠初期から分娩まで胎児は高ケトン体環境下にある。
4)
RizzoTは、ケトン体高値が知能指数を低下させると述べたが(1991年)
そのケトン体値は100から180μmol/Lでの比較である。
ところが、
①つわりの妊婦でもケトン体は3000μmol/Lを超える。
②胎盤には、ケトン体が、常に2000μmol/Lは存在。
③新生児の4日-30日目のケトン体は240μmol/Lである。
RizzotTのいう知能低下は、ケトン体には無関係と考える。
5)
糖質制限食ではケトン体が上昇するが、胎児の体内環境を考えるとそもそもケトン体は上記のように高値であるので、危険なものではない。
胎児は脂肪酸-ケトン体をエネルギー源としていると考える。
6)
電極法ケトン体測定器は、臍帯血、胎盤組織液などでも酵素サイクリング法などのラボデータときわめて高い相関を示し、これらのケトン体の迅速な検査に利用できることがわかった。
<結論>
1)
妊娠中の胎児は母体からのブドウ糖を主なエネルギー源としていると言われてきたが、初期から全妊娠期間を通じて脂肪酸-ケトン体を中心にした栄養に依存していることが推測される。
2)
糖質制限食によるケトン体上昇は、脂肪酸代謝の結果であって、飢えの結果でもなく、危険なものでもない。
催奇形性や知能低下の影響因子とは考えにくい。
3)
胎児の影響環境は、ヒトの本来の栄養が、今ほど糖質依存ではなかった可能性を示している。
4)
ヒトの栄養代謝には、糖質制限食は、合理的なものであり、とくに、妊娠時は、妊娠糖尿病にも糖尿病合併妊娠に管理にも効果的で、安全であると考える。
妊娠糖尿病
こんばんは☆
妊娠4ヶ月で妊娠糖尿病と分かり色々勉強しスーパー糖質制限をしています。
糖尿病内科の先生にはケトン体のことを指摘され涙しました。自分なりに調べて調べてケトン体は大丈夫なんだと言い聞かせています。でも病院にいくたびに不安で赤ちゃんに影響でたらどうしようと不安です。糖質制限で血糖値は落ち着いてるのでインスリンではなく糖質制限で進めていきたいです。赤ちゃんは元気に産まれてもケトン体のせいで成長していくにすれ影響下したらどうしようと怖くなります。宗田マタニティクリニックに通院したいけれど大阪なので通えないし、、、江部先生を信じて安心して産んで良いんですよね?ケトン体て言葉がもう恐怖でしかないです。。】
まな さん
インスリン作用が保たれている時のケトン体が基準値より高値でも生理的なもので、なんの心配もないです。
胎盤のケトン体の基準値は成人の20~30倍です。
新生児の血中ケトン体濃度も成人の3~4倍です。
胎児や新生児はケトン体を重要なエネルギー源として利用しているのです。
成人のβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)の血中濃度基準値は
85μmol/L以下です。
胎盤60検体の平均値は2235.0μmol/Lです。
臍帯血60検体のは平均値は779.2μmol/Lです。
生後4日目の新生児312例の平均値は240.4μmol/Lです。
つまり、胎盤や胎児や新生児のケトン体の基準値は成人の数倍~30倍ということで、それが当たり前なので、危険でも何でもないです。
宗田先生と永井先生のおかげで、ケトン体の安全性が証明されたわけです。
あとは、医師が、ケトン体に対する、上記の最新の知識を知っているか否かの差です。
2015年第18回日本病態栄養学会。宗田先生らの発表。60検体。
*胎盤組織液の平均βヒドロキシ酪酸値は2235.0μmol/L、臍帯血は平均779.2μmol/L
2014年第17回日本病態栄養学会。宗田先生らの発表。
*胎児の胎盤(絨毛間液)の平均βヒドロキシ酪酸値、平均1730μmol/L(58検体)
*新生児の血中平均βヒドロキシ酪酸値は、 平均240.4μmol/L(312例、生後4日)
◎成人の現行の基準値は、 βヒドロキシ酪酸値は85 μmol/L以下。
☆☆☆
以下は
2015年1月13日(火)の本ブログ記事です。
宗田先生ポスター発表。ケトン体は安全。日本病態栄養学会。
こんにちは。
第18回日本病態栄養学会年次学術集会において、2015年1月10日(土)宗田先生がポスター発表されました。
私も共同発表者の一人です。
宗田哲男先生は、2014年の病態栄養学会年次学術集会で、普通に糖質を食べている女性における人工流産児の絨毛のβヒドロキシ酪酸値を、58検体測定され、平均1730μmol/Lで、通常の基準値(βヒドロキシ酪酸85μmol/l以下)に比し、はるかに高値であることを報告されました。
58検体全てが成人の基準値よりはるかに高値(20~30倍)でしたので、胎児のケトン体の基準値は成人よりかなり高値であると言えます。
これは世界で初めての報告であり、極めて貴重なデータです。(^-^)v(^-^)v
6週から18週までの胎児の絨毛間液のケトン体値がこれほど高値であることは、胎児の脳を始めとした組織の主たるエネルギー源はケトン体である可能性を示唆しており、このことはそのままケトン体の本質的安全性を証明するものです。
勿論58検体全例で、酸性血症(アシドーシス)ありませんでした。
今回は、耐糖能正常妊婦60名において、分娩時に胎盤組織液と臍帯血のβヒドロキシ酪酸値を測定です。
その結果、胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、平均2235.0μmol/Lであり、臍帯βヒドロキシ酪酸値は、平均779.2μmol/Lで、胎盤内が有意に高値でした。
胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、いわゆる基準値(85μmol/L以下)に対して20~30倍の高値でした。
胎盤でエネルギー源であるβヒドロキシ酪酸を産生して、胎児に供給しているということです。
前回は、妊娠初期の段階での絨毛間液の測定で、今回は分娩時の測定です。
これにより、妊娠初期から分娩時まで、胎盤のβヒドロキシ酪酸値は、一貫して成人の基準値の20~30倍という高値が当たり前ということが判明しました。
妊娠初期から分娩時まで、胎盤のβヒドロキシ酪酸高値は当たり前のことであり、再び安全性は確立されました。
胎盤組織内の血糖値は75~80mg/dlで、全ての妊婦で臍帯血の血糖値と比べて有意差なしですから、胎児は、ブドウ糖よりもβヒドロキシ酪酸などケトン体を主たるエネルギー源としているので、胎盤でせっせと生産していると考えられます。
つまり、胎児においてはケトン体高値は当たり前のことであり、危険であるどころか、主たるエネルギー源である可能性が極めて高いのです。
母体のケトン体が高値だと、出生児が2才時点で知能テストで低下がみられたというRizzo Tらの論文がよく引用されます。(*)
Rizzo Tらの論文は、βヒドロキシ酪酸値は100から180μmol/Lでの比較です。
正常分娩の胎盤のβヒドロキシ酪酸値は、平均2235.0μmol/L、臍帯血臍帯βヒドロキシ酪酸値は、平均779.2μmol/Lですので、Rizzo Tらの論文の、βヒドロキシ酪酸値「100から180μmol/L」というのが、いかに無意味であるかは一目瞭然です。
Rizzo Tらの論文は、結局、飢餓や血糖コントロール不良からの結果として、βヒドロキシ酪酸値が180μmol/Lと軽度高値になった母体のグループをチェックしたものと思われます。
(*)Rizzo T, Metzger BE, Burns WJ, Burns KC: Correlations between antepartum
maternal metabolism and child intelligence. N Engl J Med 325: 911-16, 1991.
江部康二
☆☆☆
以下宗田先生ポスター発表の抜粋。
第18回日本病態栄養学会年次学術集会。
ポスター22 小児栄養・母子栄養
第1日目 1月10 日(土) 18:00~18:56 イベントホール
P-169 胎児、新生児-胎盤系の高ケトン血症の研究(糖質制限食による妊娠管理第3報)
宗田マタニティクリニック 宗田 哲男、他
<目的>
糖質制限食では、βヒドロキシ酪酸値(以降ケトン体という)が上昇する。
これを危険なこととする考えがある一方、近年ケトン体は小児の重症てんかんの治療や活性酸素を無害化すること、アルツハイマー病の治療や予防、がん治療などにも使われて、積極的に脳の保護的エネルギー源になるという知見が増えている。
2013年、2014年と我々は、臍帯血、胎児、新生児には、高濃度のケトン体が存在することを発表した。
今回は初めて、胎盤組織内のケトン体を測定することができ、そこにさらに高濃度のケトン体があることを発見した。
これをもとに胎児、新生児、胎盤系のケトン体について検討した。
<方法>
60名の耐糖能が正常の妊婦の分娩時の胎盤と臍帯血のケトン体値(βヒドロキシ酪酸値)を検討。
<成績>
1)胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、平均2235.0μmol/Lであり
臍帯βヒドロキシ酪酸値は、平均779.2μmol/Lで、胎盤内が有意に高値であった。
胎盤組織内のβヒドロキシ酪酸値は、いわゆる基準値85μmol/Lに対して
20~30倍の高値であった。
2)胎盤組織内の血糖値は75~80mg/dlで、全ての妊婦で臍帯血の血糖値と比べて有意差なし。
<考察>
1)
ケトン体値は胎盤組織で極めて高く、血糖値は、臍帯と胎盤組織で差はない。
これは妊娠中の胎児の栄養代謝が脂肪酸に依存していることを示す。
自然流産の場合でも絨毛のケトン体は高値であって、これは絨毛でケトン体が産生されていることを示唆する。
2)
卵生動物、例えば両生類、鳥類などの卵には糖質はなく、脂肪とタンパク質で胎仔となる。
哺乳類はこれらの進化を受け継いで受精卵が着床し卵黄嚢造血を行う間巨大有核赤血球が存在する。
これは糖質がない状態で代謝が可能であることを示す。
3)
酸素の十分にない環境でも、ケトン体は効率的にエネルギーを生み、脳神経にも好影響を与える。
我々はこの時期の絨毛が、ケトン体2000μmol/Lになることを、2014年発表した。
妊娠初期から分娩まで胎児は高ケトン体環境下にある。
4)
RizzoTは、ケトン体高値が知能指数を低下させると述べたが(1991年)
そのケトン体値は100から180μmol/Lでの比較である。
ところが、
①つわりの妊婦でもケトン体は3000μmol/Lを超える。
②胎盤には、ケトン体が、常に2000μmol/Lは存在。
③新生児の4日-30日目のケトン体は240μmol/Lである。
RizzotTのいう知能低下は、ケトン体には無関係と考える。
5)
糖質制限食ではケトン体が上昇するが、胎児の体内環境を考えるとそもそもケトン体は上記のように高値であるので、危険なものではない。
胎児は脂肪酸-ケトン体をエネルギー源としていると考える。
6)
電極法ケトン体測定器は、臍帯血、胎盤組織液などでも酵素サイクリング法などのラボデータときわめて高い相関を示し、これらのケトン体の迅速な検査に利用できることがわかった。
<結論>
1)
妊娠中の胎児は母体からのブドウ糖を主なエネルギー源としていると言われてきたが、初期から全妊娠期間を通じて脂肪酸-ケトン体を中心にした栄養に依存していることが推測される。
2)
糖質制限食によるケトン体上昇は、脂肪酸代謝の結果であって、飢えの結果でもなく、危険なものでもない。
催奇形性や知能低下の影響因子とは考えにくい。
3)
胎児の影響環境は、ヒトの本来の栄養が、今ほど糖質依存ではなかった可能性を示している。
4)
ヒトの栄養代謝には、糖質制限食は、合理的なものであり、とくに、妊娠時は、妊娠糖尿病にも糖尿病合併妊娠に管理にも効果的で、安全であると考える。
お返事ありがとうございます。丁寧に答えて頂いてとても安心しました。元気な赤ちゃんを生みたいと思います☆本当にありがとうございました。
2015/06/02(Tue) 19:42 | URL | まな | 【編集】
まなさん、ケトン体が危険なものなら人類はつわりを切り抜けられなかったでしょう。今や糖尿病医は、ケトン体に対する正しい知識が求められていますが、ほとんど無理です。ケトン体は怖いということで患者さんを脅かすだけで実際考えたことがないのです。でも、生まれたばかりの赤ちゃんはみんなケトン人間です。もともとケトン体で栄養されているからです。糖尿病専門医に、脅かされたら、鶏の卵は、何をエネルギーにしているのか質問してみてください。生物はほとんどみな、卵の時代を通過します。でもそこにはブドウ糖は、ありません。ケトン体を理解できるかどうかがこれからの医者の試される時です。でもまだ卵は1日1個だと言っている医師もいることでしょう。考えない医師が多すぎますが、実はよく考える妊婦さんは増え続けています。まなさんは間違っていませんから頑張ってください。
| ホーム |