2015年05月23日 (土)
こんばんは。
劇症1型糖尿病から生還された、ちくてつさんから、とても参考になるコメントをいただきました。
ありがとうございます。
「インスリンを上手に使ってください」
とのコメントですが、まさにその通りです。
インスリンは絶対に必要ですが、少量ですむほど身体には優しいのです。
ロッテルダム研究によれば、インスリン使用中の糖尿人ではアルツハイマー病の相対危険度は4.3倍です。
Rotterdam研究(Neurology1999:53:1937-1942)
「高齢者糖尿病における、脳血管性痴呆(VD)の相対危険度は2.0倍。
アルツハイマー型痴呆(AD)の相対危険度は1.9倍。
インスリン使用者の相対危険度は4.3倍」
インスリン注射をしている糖尿人は、メトグルコで治療している糖尿人に比べてガンのリスクが1.9倍というカナダの研究もあります。
2005年の第65回米国糖尿病学会、
カナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告、
その後論文化。コホート研究。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)を内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
Diabetes Care February 2006 vol. 29 no. 2 254-258
1型糖尿人でも2型糖尿人でも、インスリン注射を打っているなら、是非ともスーパー糖質制限食を実践して欲しいと思います。
従来の糖尿病食に比べたら、食前のインスリンの単位を1/3以下に減らすことができます。
インスリン注射は、上手に使いこなすことが、大変重要なのです。
アルツハイマー病もガンも各種難病も、皆なりたくないのは当たり前と思います。
10年前の京大医学部49年卒の同窓会で、「一番なりたくない病気は何か?」という質問を集まった数十名にしてみたところ、
ほぼ全員が「アルツハイマー病」と答えたのは印象的でした。
ちくてつさんのご意見と全く同様ですね。
閑話休題
ちくてつさん、
「ばあさまと恋に落ちた」
糖質制限OK食材、わかりやすくていいですね。
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
江部康二
【15/05/22 ちくてつです
インスリンを上手に使ってください
江部先生、ご紹介、ありがとうございます。
インスリンポンプ人になって、いろんなことに気づきました。
ニプロのCMに、中学生が手帳を見せて、ナースさんから「頑張っているじゃない」とほめられるものがありました。
何の手帳か、何の意味か、わからなかったのですが、この男子学生は1型糖尿病で、血糖値の記録をつける手帳をみせていたのだと、退院後にはじめて理解しました。
注射をし、血糖をつける日々。小学生から死ぬまで続きます。
私は63歳で発症しましたから、平均余命は19年ほどありますので、合併症さえ起こさなければ、良い人生を過ごせると思います。
「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた『いのち』の現場三百六十五日」 (幻冬舎新書)
というベストセラーに、医者は「死ぬよりつらい人生があることを100%知っている」というすごいコメントがありました。
本当です。私も劇症1型を発症するまでは、死を意識したことはありませんから、「死ぬよりつらい状態」を考えもしませんでした。しかし著者のドクターは、ALSの例を出して、そんな状態があると説明しています。
私の場合、「死ぬよりつらい状態」があると、この本で気づきました。
糖尿病由来の失明。毎年3000人。
闘病由来の下肢切断。毎年3000人。
糖尿病由来の血液透析。毎年1万6000人。そのうちの2人に1人は5年生きられない。
「死ぬよりもつらい状態」よりもさらにつらい「最悪の状態」があることにも気づきました。
アルツハイマー病です。
糖尿人は正常人の2倍のリスク、インスリン依存の糖尿人は4倍のリスクです。
ですから、真剣に糖質制限をおこなって、自分も家族も不幸にする、このような未来を回避しなければならないと思います。
事実を知って、真摯に努力したいですね。
◎インスリンを拒む必要はありません
私の場合、この世に生還した時に、インスリンが出なくなっていました。完璧にすい臓の機能が壊れていました。
主治医の、「あなたを自殺させるわけにはゆかない」という説得に、「はい、従います」と答えました。
そして、想像もしなかったインスリン注射生活が始まりました。
第一回の注射、自分でしますが、「あらっ、なんてことはない」
全然痛くもなく、チクリ以下の感覚でした。
入院中、食前に3回、血糖値の測定とともに注射しました。
その後、糖尿病の雑誌、「さかえ」を渡されて、開いたページに、インスリン注射生活50年以上を達成した(生き延びた)人たちが、メーカーのイーライリリー社から表彰されたと紹介されていました。
実名での紹介です。
山田タエ子さま90歳、インスリン治療歴51歳などと。
10数名の皆さんの笑顔を見ていて、インスリンへの偏見が消えました。
2型人はインスリンをつかえば、すい臓の機能をよみがえらせる可能性があります。
1型人はインスリンで合併症を予防できて、死ぬよりつらい人生を回避できます。
糖質制限でインスリンの量が減らせると江部先生が言われているとおりです。インスリン人こそ、糖質制限ですね。
ところで、私が大好きだったのが、カツカレーです。美味しかったですねぇ^^;
いまも思い出します。
しかし、糖尿人にカレーはNGです。
「マンガでわかる肉体改造」というギャグマンガの単行本のなかに、カレーの材料、米、小麦粉、じゃがいも、人参などでカレーライス1杯500グラムに糖質が150グラムと説明されていました。
糖質150グラム=1型糖尿人の血糖値を150x5=750mg/dl上げてしまいます。
カツカレーへの欲求はこの数値を見て、完璧に消えました。
笑ってしまったのが、食べて良い食材の暗記方法です。
ごろあわせ。
「ばあさまと恋に落ちた」
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
犬が入っているのがギャグなんです。笑えますが、忘れませんね。
皆さんの参考、糖質制限への刺激になれば幸いです。】
劇症1型糖尿病から生還された、ちくてつさんから、とても参考になるコメントをいただきました。
ありがとうございます。
「インスリンを上手に使ってください」
とのコメントですが、まさにその通りです。
インスリンは絶対に必要ですが、少量ですむほど身体には優しいのです。
ロッテルダム研究によれば、インスリン使用中の糖尿人ではアルツハイマー病の相対危険度は4.3倍です。
Rotterdam研究(Neurology1999:53:1937-1942)
「高齢者糖尿病における、脳血管性痴呆(VD)の相対危険度は2.0倍。
アルツハイマー型痴呆(AD)の相対危険度は1.9倍。
インスリン使用者の相対危険度は4.3倍」
インスリン注射をしている糖尿人は、メトグルコで治療している糖尿人に比べてガンのリスクが1.9倍というカナダの研究もあります。
2005年の第65回米国糖尿病学会、
カナダのSamantha博士等が、10309名の糖尿病患者の研究成果を報告、
その後論文化。コホート研究。
「メトフォルミン(インスリン分泌を促進させない薬)を使用しているグループに比べて、インスリンを注射しているグループは、癌死亡率が1.9倍高まる。SU剤(インスリン分泌促進剤)を内服しているグループは癌死亡率が1.3倍高まる。」
Diabetes Care February 2006 vol. 29 no. 2 254-258
1型糖尿人でも2型糖尿人でも、インスリン注射を打っているなら、是非ともスーパー糖質制限食を実践して欲しいと思います。
従来の糖尿病食に比べたら、食前のインスリンの単位を1/3以下に減らすことができます。
インスリン注射は、上手に使いこなすことが、大変重要なのです。
アルツハイマー病もガンも各種難病も、皆なりたくないのは当たり前と思います。
10年前の京大医学部49年卒の同窓会で、「一番なりたくない病気は何か?」という質問を集まった数十名にしてみたところ、
ほぼ全員が「アルツハイマー病」と答えたのは印象的でした。
ちくてつさんのご意見と全く同様ですね。
閑話休題
ちくてつさん、
「ばあさまと恋に落ちた」
糖質制限OK食材、わかりやすくていいですね。
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
江部康二
【15/05/22 ちくてつです
インスリンを上手に使ってください
江部先生、ご紹介、ありがとうございます。
インスリンポンプ人になって、いろんなことに気づきました。
ニプロのCMに、中学生が手帳を見せて、ナースさんから「頑張っているじゃない」とほめられるものがありました。
何の手帳か、何の意味か、わからなかったのですが、この男子学生は1型糖尿病で、血糖値の記録をつける手帳をみせていたのだと、退院後にはじめて理解しました。
注射をし、血糖をつける日々。小学生から死ぬまで続きます。
私は63歳で発症しましたから、平均余命は19年ほどありますので、合併症さえ起こさなければ、良い人生を過ごせると思います。
「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた『いのち』の現場三百六十五日」 (幻冬舎新書)
というベストセラーに、医者は「死ぬよりつらい人生があることを100%知っている」というすごいコメントがありました。
本当です。私も劇症1型を発症するまでは、死を意識したことはありませんから、「死ぬよりつらい状態」を考えもしませんでした。しかし著者のドクターは、ALSの例を出して、そんな状態があると説明しています。
私の場合、「死ぬよりつらい状態」があると、この本で気づきました。
糖尿病由来の失明。毎年3000人。
闘病由来の下肢切断。毎年3000人。
糖尿病由来の血液透析。毎年1万6000人。そのうちの2人に1人は5年生きられない。
「死ぬよりもつらい状態」よりもさらにつらい「最悪の状態」があることにも気づきました。
アルツハイマー病です。
糖尿人は正常人の2倍のリスク、インスリン依存の糖尿人は4倍のリスクです。
ですから、真剣に糖質制限をおこなって、自分も家族も不幸にする、このような未来を回避しなければならないと思います。
事実を知って、真摯に努力したいですね。
◎インスリンを拒む必要はありません
私の場合、この世に生還した時に、インスリンが出なくなっていました。完璧にすい臓の機能が壊れていました。
主治医の、「あなたを自殺させるわけにはゆかない」という説得に、「はい、従います」と答えました。
そして、想像もしなかったインスリン注射生活が始まりました。
第一回の注射、自分でしますが、「あらっ、なんてことはない」
全然痛くもなく、チクリ以下の感覚でした。
入院中、食前に3回、血糖値の測定とともに注射しました。
その後、糖尿病の雑誌、「さかえ」を渡されて、開いたページに、インスリン注射生活50年以上を達成した(生き延びた)人たちが、メーカーのイーライリリー社から表彰されたと紹介されていました。
実名での紹介です。
山田タエ子さま90歳、インスリン治療歴51歳などと。
10数名の皆さんの笑顔を見ていて、インスリンへの偏見が消えました。
2型人はインスリンをつかえば、すい臓の機能をよみがえらせる可能性があります。
1型人はインスリンで合併症を予防できて、死ぬよりつらい人生を回避できます。
糖質制限でインスリンの量が減らせると江部先生が言われているとおりです。インスリン人こそ、糖質制限ですね。
ところで、私が大好きだったのが、カツカレーです。美味しかったですねぇ^^;
いまも思い出します。
しかし、糖尿人にカレーはNGです。
「マンガでわかる肉体改造」というギャグマンガの単行本のなかに、カレーの材料、米、小麦粉、じゃがいも、人参などでカレーライス1杯500グラムに糖質が150グラムと説明されていました。
糖質150グラム=1型糖尿人の血糖値を150x5=750mg/dl上げてしまいます。
カツカレーへの欲求はこの数値を見て、完璧に消えました。
笑ってしまったのが、食べて良い食材の暗記方法です。
ごろあわせ。
「ばあさまと恋に落ちた」
ば バター
あ アボガド
さ 魚
ま マヨネーズ
と 豆腐
こ コーヒー
い 犬
に 肉
お オリーブオイル
ち チーズ
た 卵
犬が入っているのがギャグなんです。笑えますが、忘れませんね。
皆さんの参考、糖質制限への刺激になれば幸いです。】
江部先生こんばんわ。質問があります。
32歳、身長154体重38-39、体脂肪18-20、ジムで軽い筋トレとゆうさんそ運動をしています。空腹時血糖70-90代ですが,食べたものによって食後血糖値が200越えさします。糖質制限しようとこころがけてはいますが、どうしても我慢でしません。
だいだい血糖値が下がりだす1時間後くらいに糖質をとったり、アルコール過多になったとき、血糖値の上がりがマシかなと思いたべるのですが、それでもインスリンは追加分泌されて負担がかかっているのでしょうか?
食後血糖値は140を越えないことが大事なのですか?それとも上限の幅が大事なのでしょうか。
糖質制限をして、食後血糖が110を越えることでも怖くなってしまいます。
体重が少ないため、体重は落としたくありません。スタミナの心配もあり、もう少し糖質をとった方がいいのか悩んでいます。ただ糖質過多になると、低血糖症状もでてしまいます。
糖尿家系なので、いずれ発症はしてしまいますよね、、、
32歳、身長154体重38-39、体脂肪18-20、ジムで軽い筋トレとゆうさんそ運動をしています。空腹時血糖70-90代ですが,食べたものによって食後血糖値が200越えさします。糖質制限しようとこころがけてはいますが、どうしても我慢でしません。
だいだい血糖値が下がりだす1時間後くらいに糖質をとったり、アルコール過多になったとき、血糖値の上がりがマシかなと思いたべるのですが、それでもインスリンは追加分泌されて負担がかかっているのでしょうか?
食後血糖値は140を越えないことが大事なのですか?それとも上限の幅が大事なのでしょうか。
糖質制限をして、食後血糖が110を越えることでも怖くなってしまいます。
体重が少ないため、体重は落としたくありません。スタミナの心配もあり、もう少し糖質をとった方がいいのか悩んでいます。ただ糖質過多になると、低血糖症状もでてしまいます。
糖尿家系なので、いずれ発症はしてしまいますよね、、、
2015/05/23(Sat) 23:39 | URL | まみ | 【編集】
文字にして読めば冷静に見ることができるのですが、改めて糖尿病という病気が凄まじいものであることを実感させられます。
簡単に言葉で糖尿病などと表記しますが、その病気は生きることすら否定するほど大きなものなのですね。
皆様のこういった生の声を聞かせていただいて、セイゲニストもこれから行おうと思っている方も響かない方はいないでしょうね。
本当に現代人は危険な食事を何の教育もなく躊躇なく口に運んでますね。
私の子供にもお菓子類などを注意するのですが、子供はうるさがるだけであり、パートナーですら糖質制限を理解しません。
本来なら毎日口にするはずの食事なので、学校教育で最重要な教育項目に入ってもいいはずなのですが、食育程度で習うだけですからね。
まぁ、こういった声が大きくなれば、どこぞのご親切な団体から恐怖の招待状(=脅迫状)すら送られてきかねませんからね(笑)
しかし、本当に食事で予防ができる病気があるなら、医療費の削減を本気で考えるなら即実行でしょう。
簡単に言葉で糖尿病などと表記しますが、その病気は生きることすら否定するほど大きなものなのですね。
皆様のこういった生の声を聞かせていただいて、セイゲニストもこれから行おうと思っている方も響かない方はいないでしょうね。
本当に現代人は危険な食事を何の教育もなく躊躇なく口に運んでますね。
私の子供にもお菓子類などを注意するのですが、子供はうるさがるだけであり、パートナーですら糖質制限を理解しません。
本来なら毎日口にするはずの食事なので、学校教育で最重要な教育項目に入ってもいいはずなのですが、食育程度で習うだけですからね。
まぁ、こういった声が大きくなれば、どこぞのご親切な団体から恐怖の招待状(=脅迫状)すら送られてきかねませんからね(笑)
しかし、本当に食事で予防ができる病気があるなら、医療費の削減を本気で考えるなら即実行でしょう。
2015/05/24(Sun) 06:02 | URL | クワトロ | 【編集】
まみ さん
1)
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後1時間血糖値:180mg/dl未満
食後2時間血糖値:140mg/dl未満
が、正常値の目安です。
2)
食前と食後の血糖変動幅は少ないほどいいです。
変動幅が少ないほどインスリンの分泌も少量ですみます。
3)
機能性低血糖の症状があるなら、
それを起こさない糖質摂取量にすればいいと思います。
緩やかな糖質制限食で、機能性低血糖が生じないならそれでOKです。
将来の糖尿病発症予防にもなります。
1)
空腹時血糖値:110mg/dl未満
食後1時間血糖値:180mg/dl未満
食後2時間血糖値:140mg/dl未満
が、正常値の目安です。
2)
食前と食後の血糖変動幅は少ないほどいいです。
変動幅が少ないほどインスリンの分泌も少量ですみます。
3)
機能性低血糖の症状があるなら、
それを起こさない糖質摂取量にすればいいと思います。
緩やかな糖質制限食で、機能性低血糖が生じないならそれでOKです。
将来の糖尿病発症予防にもなります。
2015/05/24(Sun) 08:49 | URL | ドクター江部 | 【編集】
クワトロ さん
同感です。
糖尿病は、とても恐ろしい病気です。
当分の間は高血糖があっても症状がないので、恐さを認識していない糖尿人が多いのは
残念なことです。
合併症など、症状が出てからでは、遅いのです。
合併症がでる前に、自分で考えて、勇気を持って
合併症を予防できる唯一の食事療法「スーパー糖質制限食」を選択して欲しいですね。
同感です。
糖尿病は、とても恐ろしい病気です。
当分の間は高血糖があっても症状がないので、恐さを認識していない糖尿人が多いのは
残念なことです。
合併症など、症状が出てからでは、遅いのです。
合併症がでる前に、自分で考えて、勇気を持って
合併症を予防できる唯一の食事療法「スーパー糖質制限食」を選択して欲しいですね。
2015/05/24(Sun) 08:53 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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