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膵炎と糖質制限食2。慢性膵炎。
おはようございます。

膵炎と糖質制限食2

慢性膵炎と糖質制限食です。

2)「慢性膵炎」

■慢性膵炎の臨床診断基準
(膵臓24: 645-708,2009)
慢性膵炎の診断項目
① 特徴的な画像所見
② 特徴的な組織所見
③ 反復する上腹部痛発作
④ 血中または尿中膵酵素値の異常
⑤ 膵外分泌障害
⑥ 1日80g以上(純エタノール換算)の持続する飲酒歴

慢性膵炎確診: a、bのいずれかが認められる。
a. ①または②の確診所見。
b. ①または②の準確診所見と, ③④⑤のうち2項目以上。

慢性膵炎準確診:①または②の準確診所見が認められる。
早期慢性膵炎:③~⑥のいずれか2項目以上と早期慢性膵炎の画像所見が認められる。

難病情報センターのサイトから抜粋

定義

膵臓の内部に不規則な線維化、細胞浸潤、実質の脱落、肉芽組織などの慢性変化が生じ、進行すると膵外分泌・内分泌機能の低下を伴う病態である。

膵内部の病理組織学的変化は、基本的には膵臓全体に存在するが、病変の程度は不均一で、分布や進行性も様々である。

これらの変化は、持続的な炎症やその遺残により生じ、多くは非可逆性である。

慢性膵炎では、腹痛や腹部圧痛などの臨床症状、膵外分泌・内分泌機能不全による臨床症候を伴うものが典型的である。
臨床観察期間内では、無痛性あるいは無症候性症例も存在し、このような症例では、臨床診断基準をより厳密に適用するべきである。

慢性膵炎を、成因によってアルコール性と非アルコール性に分類する。

自己免疫性膵炎と閉塞性膵炎は、治療により病態や病理所見が改善する事があり、可逆性である点より、現時点では膵の慢性炎症として別個に扱う。

分類
・アルコール性慢性膵炎
・非アルコール性慢性膵炎(特発性、遺伝性、家族性など)
注 1. 自己免疫性膵炎および閉塞性膵炎は、現時点では膵の慢性炎症として別個に扱う。


慢性膵炎に関して詳しくは
難病情報センターのサイト
http://www.nanbyou.or.jp/entry/193
をご参照いただけば幸いです。


厚生労働省難治性疾患克服研究事業難治性膵疾患に関する調査研究班の全国調査によると、2011年1年間に医療機関を受診した慢性膵炎患者さんの数は約67,000人、人口10万人あたりの数は52.4人と推定されています。

2011年の1年間に新たに慢性膵炎を発病した患者さんは約18,000人でした。

慢性膵炎は、再燃と改善(間欠期)を繰り返しながら、徐々に膵臓が慢性炎症のために壊れて膵機能不全に進行していく病気です。

確定診断には画像診断或いは組織診断が必須です。

慢性膵炎の再燃期は、腹痛があり、アミラーゼ・リパーゼなどが高値となります。

慢性膵炎の再燃期は、急性膵炎に準じる治療が必要なので、絶飲食や、脂肪制限が必要であり、糖質制限食は無理です。

絶飲食の期間を過ぎても、腹痛を有する時期は、禁酒と脂肪制限が必要です。

食事中脂肪は1回摂取量10g以下、1日摂取量30g(0.5g/kg/日)が目安となります。

再燃を予防するには、アルコールを控えることと禁煙が最も重要です。

間欠期で腹痛がない時期も、確定診断がついている慢性膵炎では、高脂肪食は好ましくないので、糖質制限食はNGと思われます。

しかし、本格的に診断基準を満たしている慢性膵炎とアミラーゼが軽度高値だけで腹痛もないというレベルの状態とは違うと思います。

現在、アミラーゼやリパーゼが少し高いだけで、他の検査が正常で、腹痛もなければ糖質制限食はOKと思います。

しかしアルコールとタバコは、膵臓には大変良くないので注意が必要です。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
AGEにつて
先生始めまして、こんにちは!
持病の逆流性食道炎やディスペプシアの療養の為と子供のために、先生著書の主食をやめると健康になるを読ませて頂き、糖質制限を今年の年始から始め、体調などの波がありながらも、今まで一番効果を感じた食事療法だったので続けて糖質制限実践しております。
思う様に食事が取れないで体重も体力も落ちた時、制限食だと食べられたり元気が出たり、糖質制限には幾度と助けられました、この療法に出会えたことと探求熱心でいらっしゃる先生に感謝感謝です、ありがとう御座います。

血管内の糖とたんぱく質が反応して血管内を傷つけるAGEについて、
その『血管内のたんぱく質』というのは『食事から摂取したたんぱく質なのかそれとは関係ないものなのか』が調べても詳細が見つけられず、糖質制限しながらもずっと気になっておりました、今後の食事を作る上でもどうかアドバイス頂ければとコメントさせて頂きました。
もし食事から摂取したたんぱく質がAGEの原因であれば、動物性たんぱく質なのか植物性たんぱく質なのかで良い悪いといったことはありますでしょうか?
食事からのたんぱく質であれば高血統時にたんぱく質を食べないほうが良い事になると思いますが、たんぱく質と糖質を同時に食べる事を避け、時間を置いて食べる事でAGEの生成を防げる事は出来ますか?
また、たんぱく質もですが脂質について、高血糖+脂質、動物性のもの?を摂取すると死亡率が高くなるのでしょうか?
今後の食事に是非役立てたいと思います、アドバイス頂ければ大変嬉しいです。
2015/05/14(Thu) 11:16 | URL | みるく | 【編集
Re:AGEにつて
みるくさん

まずはこちらを参照の上、それでも不明な点があるようでしたら再度質問されてはいかがでしょうか?

http://www.age-sokutei.jp/about/
2015/05/14(Thu) 16:20 | URL | 福助 | 【編集
ネットの記事から
江部先生

ネットで拾った記事ですが、セイゲニストには励みになる嬉しい記事です。

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『糖尿病とアルツハイマー病の間にリアルタイムな関係、高血糖が病気を加速させる』
脳の機能に損傷を与える可能性

http://www.mededge.jp/a/hcgo/12916

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『高タンパク質の食事はダイエットに有効』
長期的にはいかに守るかが重要

http://www.mededge.jp/a/hcgo/12794

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2015/05/14(Thu) 17:09 | URL | 福助 | 【編集
Re: AGEにつて
みるく さん

現在、ほぼ確定しているのは、血液の中の高血糖により体内で産生されたAGEは
動脈硬化の元凶ということです。

食材に含まれるAGEが体内に吸収されて、悪影響があるか否かは、わかっていません。

食事のタンパク質と、体内で産生されるAGEには、直接の関係はないと思います。

高血糖が一番良くないと思います。
2015/05/14(Thu) 17:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ネットの記事から
福助 さん

情報をありがとうございます。
2015/05/14(Thu) 18:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
山田太郎でございます。先日はご丁寧な返答有り難う御座いました。実は1月5日から12日まで急性膵炎で入院していまして、そのとき糖尿病で有る事も知らされました。急性膵炎の痛さといったらもう・・ まるまる24時間のたうちまわっていました。まぁ酒の飲みすぎ自業自得ですね。
一昨日(5月12日)の血液検査の結果が早速出まして,糖尿病の方は早朝血糖値215、HbA1c10.4からスタートしたのが2月17日からのスーパー糖質制限食のおかげをもちまして、早朝血糖値103、HbA1c5.0(ちょっと怖いです)まで回復しました。これも江部先生のおかげです。本当に有り難う御座いました。

実は今日は腎臓のことでお伺いしたい事がありまして。クレアチニンが0.8でした。0.6~1.1ぐらいが正常値みたいなので問題はないのですが、これをeGFRに換算すると75mL/分/1.73m2になってしまいます。即ち軽度の腎障害です。
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/kid/care/egfr.html

主治医の先生は腎機能は正常で心配はいらないとの事でした。でもちょっと心配です。

あ、65歳 男です。

御いそがしいところ申し訳ありませんがなにかアドバイスが有ったらお願いします。
2015/05/14(Thu) 20:55 | URL | 山田太郎 | 【編集
Re: タイトルなし
山田太郎 さん

「早朝血糖値103、HbA1c5.0」
とは、素晴らしいです。

「65才。男性。クレアチニン:0.8。eGFR:75mL/分/1.73m2」

eGFR:90mL/分/1.73m2以上が、正常とされているのですが、
これが基準値では、60才以上の過半数が腎障害ですので、何だか変です。
医師の間でも変という意見が多いです。

現実の臨床では、eGFR:60mL/分/1.73m2以上あれば、あまり問題ないとされることが多いです。
2015/05/14(Thu) 21:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
レジスタントスターチ
先生こんばんは。
先ほどテレビ番組の得する人損する人でダイエット特集をやっていました。

ご飯を冷やして食べるとレジスタントスターチが増えて、
食べても小腸で吸収されにくくなるそうです。
実際に春香クリスティーンさんも痩せてました。
しかも、しっかりと炭水化物を摂って。

この場合、レジスタントスターチはインスリンの分泌にも影響するのでしょうか?
だとしたら、ご飯を冷やせば多少の摂取は可能になるのでしょうか?

ダイエットで糖質制限を続けていますが、冷えたご飯がOKになると、
メニューに幅ができると考えています。
2015/05/14(Thu) 21:35 | URL | bonita | 【編集
授乳中 妊娠糖尿病
こんばんは。昨年妊娠糖尿病となり、出産いたしました。産後の2か月後の糖負荷試験で2時間値が200以上あり糖尿病といわれましたが、ホルモンのバランスがわるいのでまだで上がっているのではないかといわれました。
しかし糖尿病が悪化するのが怖いのでスーパー糖質制限をしています。しかし授乳のためか体重がかなり困っています。現在産後5ヶ月で159cm40キロまで体重が落ちました。
体重をふやすためには、どうしたらよいでしょうか?
ナッツやチーズ、脂質も多めにとるようにしています。
またよろしくお願いいたします。
2015/05/14(Thu) 22:12 | URL | れん | 【編集
Re: レジスタントスターチ
bonita さん

レジスタントスターチは、正常人においては
血糖の上昇がやや少なく、インスリン分泌もやや少なくなります。
普通のスターチに比べると、GI(血糖上昇指数)が低いと考えれば良いです。

しかし、糖尿人においては、摂取した糖質の絶対量が重要なので、
血糖コントロールにはあまりやくに立たないと思います。

糖尿病がなくてダイエット目的の人には、普通のスターチより、少しはましかなということです。
2015/05/15(Fri) 10:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
はじめまして。
糖尿歴16年くらい。入院時の血糖値、500オーバー。a1c12以上でした。
糖質制限はじめて、ひと月ぐらいになりましたが、インスリン必要量が先生の言われたとうり三分の一以下に減量できています。次回の血液検査が楽しみになりました。(5月25通院日
)乱文失礼しました。
2015/05/15(Fri) 13:00 | URL | 昭 | 【編集
Re: 授乳中 妊娠糖尿病
れん さん

摂取エネルギー不足です。
授乳婦の場合は、「本人+赤ちゃん」二人分のカロリーを摂取する必要があります。

小食タイプなら、果物も食べてよいです。

お肉も、豚バラ、牛バラとか、カロリーの多いものを食べましょう。
2015/05/15(Fri) 13:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
2型糖尿病は膵臓の脂肪を減らすと治る
2型糖尿病は膵臓の脂肪を減らすと治る
初めまして、江部先生
2型糖尿持ちです。入院時に2冊購入して読みました。病院食は食べれるものだけ食べて、あとはほぼローソンの唐揚げで切り抜けました。すぐに効果は現れ、1週間で退院しました。先生のおかげです。ありがとうございました。
今日は糖尿者にはうれしいかも知れないニュースです(本当なら……ですが)。最近読んだ記事です、シェアしたいと思います。
先生はどう思われますか、ご意見を伺えればと思います。よろしく。
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2型糖尿病は膵臓の脂肪を減らすと治る

DATE:2015年12月21日(月)
URL:http://kenkounews.rotala-wallichii.com/type-2-diabetes_pancreas-fat/
2015/12/21(Mon) 17:21 | URL | 糖尿持ち | 【編集
Re: 2型糖尿病は膵臓の脂肪を減らすと治る
糖尿持ち さん

拙著のご購入、そして情報をありがとうございます。

この研究は、

「肥満した2型糖尿病患者18人と肥満だが糖尿病ではない9人に、胃バイパス手術(減量のための手術)を行い、手術を行う前と手術を行ってから8週間後に体重・膵臓の脂肪量・インスリン値を測定して比較」

したものです。

まあ肥満解消のための胃のバイパス手術ですから、日本ではよほどのことがないかぎり、適応とならないですね。

糖尿病の方々は、インスリン抵抗性が減って、インスリン分泌量が減少して血糖値も改善しています。

糖尿病でない方々も、肥満が改善して、インスリン抵抗性が減って、インスリン分泌量が減っています。

2015/12/22(Tue) 08:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
はじめまして。
江部先生はじめまして。
3年前に機能性低血糖症を発症し、当時の状態から、糖負荷検査が怖くて出来ておりませんが、クリニック主治医の血液検査の結果をもとに糖質制限と栄養療法をしております。
仕事もできない時期がありましたが、発症後3か月で復帰、以来、糖質制限で体調を保っているような状態です。

20代だった25年ほど前に急性膵炎で入院を経験しており、もともと膵臓機能は悪いと思っていましたが、最近になってトリプシン高値で慢性膵炎であると診断されました。
昔からお酒は飲みませんが、タンパク質を頑張って取りすぎた代償なのでしょうか…
糖質により、当時はパニックを起こしたり、体調の不良が起きるため、怖くて炭水化物をあまり摂取できず、慢性膵炎には良くないタンパク質が必要な体なんだろうと思っております。

主治医にはタンパク質25%脂質25%炭水化物50%と言われていますが、低血糖を予防するために摂る豆乳をはじめ、間食にどうしてもタンパク質が多くなってしまいます。
低血糖症が良くなれば糖質制限もゆるく出来るのでしょうか。低血糖症がもっと回復する望みもあるのかわからないまま、これから先、どう食事をしていけばよいのか途方に暮れてしまいっています。

1年前の腹部エコーでは異常は見られませんでしたが時々鳩尾のあたりの鈍痛があったため処方されたエクセラーゼを服用しています。
最近は鳩尾の鈍痛があったりなかったりです。

低血糖症は回復の自覚があったのですが、ここへきて膵炎の不安とストレス、タンパク質を減らしていることもあり、動悸や軽い震えなどが出ています。
糖質NGで脂質もNGの私のような場合、慢性膵炎の治療方法はないのでしょうか。。。
低血糖症も慢性膵炎もどちらも悪化も心配で、絶望的な気持ちですが、3年前から拝読させていただいている先生にアドバイスいただけましたらと、勇気を出してコメントさせていただきました。

お忙しいところ申し訳ありませんが、お返事いただけましたら有り難く存じます。
2016/03/21(Mon) 13:42 | URL | いもあん | 【編集
Re: はじめまして。
いもあん さん

20代だった25年ほど前に急性膵炎・・・急性膵炎はほとんどの場合、完治します。

トリプシンやアミラーゼが高値だけでは、「慢性膵炎」の確定診断にはなりません。

診断基準を満たす膵炎は比較的まれと思います。
腹部エコーや腹部CTで異常がないなら、診断基準を満たす膵炎ではないように思います。

診断基準を満たす膵炎でなければ、少々トリプシンやアミラーゼが高値でも、糖質制限食OKです。
なお、アルコールとタバコは、膵臓に大きな負担となります。

2015年05月12日 (火)の本ブログ記事
「膵炎と糖質制限食。急性膵炎。」

2015年05月14日 (木)の本ブログ記事
「膵炎と糖質制限食2。慢性膵炎。」

をご参照いただけば幸いです。


2016/03/21(Mon) 15:08 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました
江部先生、
お忙しい中お返事をいただきましてありがとうございます。

絶食が怖くてなかなか出来ずにいる腹部エコーですが、主治医に相談し、もう一度受けてみようと思います。

丁寧なお返事をいただきましたこと、本当に感謝しております。
2016/03/21(Mon) 15:58 | URL | いもあん | 【編集
Re: ありがとうございました
いもあんさん

慢性膵炎診断基準のなかで
早期慢性膵炎の定義が改定されて
超音波内視鏡(EUS)の画像診断が取り入れられました。

EUSは、従来のERCPに比べたら、かなり楽そうです。
普通の内視鏡と同じですが、やや先端が太めです。
ERCPはかなりしんどい検査です。

主治医に「早期慢性膵炎の定義」を満たしているか否かも相談しましょう。
2016/03/21(Mon) 17:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生、ありがとうございます♪
EUSですね!

定義についても
主治医に相談してみます。

ありがとうございました。
2016/03/21(Mon) 22:46 | URL | いもあん | 【編集
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