2015年04月09日 (木)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?
(洋泉社)江部 康二 (著) \1404-
2015/4/11刊行。アマゾンで予約受付中。
こんばんは。
「脳はケトン体をエネルギー源にできるはずなのに、何故低血糖になると意識不明になるの?」
という質問をいただきましたので、検討してみます。
糖質を普通に食べている人の、総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L」
その中でβヒドロキシ酪酸の基準値は、「76μM/L以下」です。
胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸は、60検体の平均値で2235.0μM/Lです。
私が34才のとき、本断食(カロリーゼロ、塩ゼロ)をしましたが、血糖35mg/dlでした。しかし、外来診察もこなしていました。
このときのβヒドロキシ酪酸は5000μM/Lくらいはあったと思います。
1991年に甲田光雄先生推奨のすまし汁断食(210kcal、3gの塩)を行った時は
3日間の漸減食
3日間の210kcal/日の超少食期
3日間の漸増食
というパターンです。
1991
3/4 1200kcal/日
3/5 1200
3/6 1200
3/7 1000
3/8 700
3/9 330
3/10 210
3/11 210
3/12 210
3/13 350
3/14 600
3/15 1000
3/16 1200
3/17 1600
3/18 1600
3/13、断食(超少食期)あけの朝で
βヒドロキシ酪酸:3507
空腹時血糖値:52
でした。
すまし汁断食中は、外来業務、病棟業務、テニスクラブでテニス・・・要するに、ごく普通の日常を送っていました。
私以外にも、2015年2月に高雄病院に入院されて超少食療法を実践された男性も、断食(超少食期)あけの朝で
空腹時血糖値:41mg/dl
βヒドロキシ酪酸:5562μM/L
というデータでしたが、全く普通に喋って歩いて問題なしでした。
つまり、ケトン体(βヒドロキシ酪酸)が、2000~3000~4000レベルあれば、血糖値が35mg/dlとか41mg/dlとか52mg/dlとかでも、脳はケトン体をエネルギー源として普通に活動できるわけです。
血糖値35mg/dlは、ブドウ糖しかエネルギー源として使えない赤血球のために、肝臓が糖新生して確保していると考えられます。
日頃糖質を摂取している人は、「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」を主に使っていますので、脳はもっぱらブドウ糖をエネルギー源として利用しています。
このときインスリン注射やSU剤で急に低血糖になったら、総ケトン体は「26~122」、βヒドロキシ酪酸は「76以下」しかないので、脳のエネルギー源としてはまったく足らないのです。
脳が低血糖発作を生じないレベルのケトン体数値の目安は、胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸濃度の2235.0μM/Lくらいかなと推測しています。
江部康二
(洋泉社)江部 康二 (著) \1404-
2015/4/11刊行。アマゾンで予約受付中。
こんばんは。
「脳はケトン体をエネルギー源にできるはずなのに、何故低血糖になると意識不明になるの?」
という質問をいただきましたので、検討してみます。
糖質を普通に食べている人の、総ケトン体の基準値は、「26~122μM/L」
その中でβヒドロキシ酪酸の基準値は、「76μM/L以下」です。
胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸は、60検体の平均値で2235.0μM/Lです。
私が34才のとき、本断食(カロリーゼロ、塩ゼロ)をしましたが、血糖35mg/dlでした。しかし、外来診察もこなしていました。
このときのβヒドロキシ酪酸は5000μM/Lくらいはあったと思います。
1991年に甲田光雄先生推奨のすまし汁断食(210kcal、3gの塩)を行った時は
3日間の漸減食
3日間の210kcal/日の超少食期
3日間の漸増食
というパターンです。
1991
3/4 1200kcal/日
3/5 1200
3/6 1200
3/7 1000
3/8 700
3/9 330
3/10 210
3/11 210
3/12 210
3/13 350
3/14 600
3/15 1000
3/16 1200
3/17 1600
3/18 1600
3/13、断食(超少食期)あけの朝で
βヒドロキシ酪酸:3507
空腹時血糖値:52
でした。
すまし汁断食中は、外来業務、病棟業務、テニスクラブでテニス・・・要するに、ごく普通の日常を送っていました。
私以外にも、2015年2月に高雄病院に入院されて超少食療法を実践された男性も、断食(超少食期)あけの朝で
空腹時血糖値:41mg/dl
βヒドロキシ酪酸:5562μM/L
というデータでしたが、全く普通に喋って歩いて問題なしでした。
つまり、ケトン体(βヒドロキシ酪酸)が、2000~3000~4000レベルあれば、血糖値が35mg/dlとか41mg/dlとか52mg/dlとかでも、脳はケトン体をエネルギー源として普通に活動できるわけです。
血糖値35mg/dlは、ブドウ糖しかエネルギー源として使えない赤血球のために、肝臓が糖新生して確保していると考えられます。
日頃糖質を摂取している人は、「ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム」を主に使っていますので、脳はもっぱらブドウ糖をエネルギー源として利用しています。
このときインスリン注射やSU剤で急に低血糖になったら、総ケトン体は「26~122」、βヒドロキシ酪酸は「76以下」しかないので、脳のエネルギー源としてはまったく足らないのです。
脳が低血糖発作を生じないレベルのケトン体数値の目安は、胎児の胎盤組織液の、βヒドロキシ酪酸濃度の2235.0μM/Lくらいかなと推測しています。
江部康二
先生、お疲れ様です。糖質制限勉強中の内科医です。低血糖発作のときにはブドウ糖を速やかに投与しないと脳に重大な障害を残します。低血糖発作の時ケトン体はどんな動きをするのでしょうか?また今後ケトン体を投与できる可能性がありますか?
2015/04/10(Fri) 09:57 | URL | HK | 【編集】
2015/04/10(Fri) 12:34 | URL | ののいち | 【編集】
アガベシロップについてお聞きします。最近北海道大学病院嶋村准教授監修の血糖値スマートライフキャンディを購入しました。GI値が砂糖より低い、ブドウ糖の吸収がゆるやかと書かれています。血糖値を上げる甘味料と日本糖質制限医療推進協会HPには書かれていますが…
HK さん
ケトン体が2000μU以上あれば、血糖35mgでも
ケトン体が脳細胞の充分なエネルギー源となるので、低血糖発作にはならないと思います。
ケトン体を投与できる可能性はあります。
アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能 単行本 – 2013/5/31
メアリー・T・ニューポート (著), Mary T.Newport (著), 白澤 卓二 (監修), 日向 やよい (翻訳)
で、定かではありませんが
ケトン体を注射したというような記述があったように思います。
ケトン体が2000μU以上あれば、血糖35mgでも
ケトン体が脳細胞の充分なエネルギー源となるので、低血糖発作にはならないと思います。
ケトン体を投与できる可能性はあります。
アルツハイマー病が劇的に改善した! 米国医師が見つけたココナツオイル驚異の効能 単行本 – 2013/5/31
メアリー・T・ニューポート (著), Mary T.Newport (著), 白澤 卓二 (監修), 日向 やよい (翻訳)
で、定かではありませんが
ケトン体を注射したというような記述があったように思います。
2015/04/10(Fri) 16:18 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ののいち さん
2014年10月31日 (金)の本ブログ記事
「玄米菜食なのに妊娠糖尿病発症、人工甘味料の安全性は?糖質の危険性は?」
をご参照いただけば幸いです。
2014年10月31日 (金)の本ブログ記事
「玄米菜食なのに妊娠糖尿病発症、人工甘味料の安全性は?糖質の危険性は?」
をご参照いただけば幸いです。
2015/04/10(Fri) 16:29 | URL | ドクター江部 | 【編集】
柴山祐子 さん
アガペシロップの糖質の過半数が果糖で残りがブドウ糖のようです。
従って、ブドウ糖分は血糖値が上がります。
果糖は血糖はあげませんが、肥満や糖化
の問題があり、お奨めではないですね。
アガペシロップの糖質の過半数が果糖で残りがブドウ糖のようです。
従って、ブドウ糖分は血糖値が上がります。
果糖は血糖はあげませんが、肥満や糖化
の問題があり、お奨めではないですね。
2015/04/10(Fri) 16:31 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ご誘導ありがとうございます。
大変勉強になりました。恐怖心を煽られずに、やっていこうと思います。
大変勉強になりました。恐怖心を煽られずに、やっていこうと思います。
2015/04/10(Fri) 17:05 | URL | ののいち | 【編集】
51歳の薬剤師です。
ケトン体について教えていただけますでしょうか。
今回の記事で、ケトン体が2000μU以上であれば、低血糖時にも脳のエネルギーとして働くとのことですが、スーパー糖質制限時ではケトン体量は数百のレベルだったと思います。
この程度のレベルのケトン体が、脳細胞のエネルギーの一部として使われている可能性はあるのでしょうか?
一部のてんかん発作やアルツハイマーにもケトン体がプラスに働く可能性が示されつつあると思いますが、それはケトン食や断食レベルでケトン体を数千レベルまで上げないとまったく効果を示さないのでしょうか?
まったく的外れの質問かもしれませんが、ご教授のほどお願いいたします。
ケトン体について教えていただけますでしょうか。
今回の記事で、ケトン体が2000μU以上であれば、低血糖時にも脳のエネルギーとして働くとのことですが、スーパー糖質制限時ではケトン体量は数百のレベルだったと思います。
この程度のレベルのケトン体が、脳細胞のエネルギーの一部として使われている可能性はあるのでしょうか?
一部のてんかん発作やアルツハイマーにもケトン体がプラスに働く可能性が示されつつあると思いますが、それはケトン食や断食レベルでケトン体を数千レベルまで上げないとまったく効果を示さないのでしょうか?
まったく的外れの質問かもしれませんが、ご教授のほどお願いいたします。
2015/04/10(Fri) 18:30 | URL | yuki | 【編集】
yuki さん
ケトン体も脳細胞は日常的にエネルギー源として使っていると思います。、
しかし、基準値26~122レベルだと、脳のエネルギー源のほとんどはブドウ糖と思います。
ケトン体が2000~5000レベルあれば、
脳のエネルギー源として、充足しているので、ブドウ糖が35mgとか超低値でも問題ないわけです。
ケトン食の効果は、
難治性てんかんであれば
ケトン体が3000~4000~5000レベルでないと期待できないと思います。
ケトン体も脳細胞は日常的にエネルギー源として使っていると思います。、
しかし、基準値26~122レベルだと、脳のエネルギー源のほとんどはブドウ糖と思います。
ケトン体が2000~5000レベルあれば、
脳のエネルギー源として、充足しているので、ブドウ糖が35mgとか超低値でも問題ないわけです。
ケトン食の効果は、
難治性てんかんであれば
ケトン体が3000~4000~5000レベルでないと期待できないと思います。
2015/04/10(Fri) 18:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生こんにちは
NHKの団塊スタイル「食で延ばす!健康寿命」という番組はご覧になったでしょうか?番組のアンケートによると、高血圧、糖尿病、高脂血症(脂質異常症に変わっていますが)、肥満を持つ方向けの番組のようです。
肉を減らして野菜摂取量を増やす取り組みや、塩分、カロリーを減らすのがヘルシーだという意図です。ご飯を食べて、牛乳、みりんや果物を使うものが多いなと思って見ていました。
ゲストの国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部の笠岡宜代氏のコメントの中に、糖質制限をしないように、主食は少しでも食べること、今までの食生活を維持するようにというものがありました。脳は炭水化物しか栄養素として使えないと強調していました。
厚労省、日本糖尿病学会、日本栄養士会、日本看護協会といった大きな組織の意識改革が 必要ですね。
NHKの意識も(`_´メ)
NHKの団塊スタイル「食で延ばす!健康寿命」という番組はご覧になったでしょうか?番組のアンケートによると、高血圧、糖尿病、高脂血症(脂質異常症に変わっていますが)、肥満を持つ方向けの番組のようです。
肉を減らして野菜摂取量を増やす取り組みや、塩分、カロリーを減らすのがヘルシーだという意図です。ご飯を食べて、牛乳、みりんや果物を使うものが多いなと思って見ていました。
ゲストの国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部の笠岡宜代氏のコメントの中に、糖質制限をしないように、主食は少しでも食べること、今までの食生活を維持するようにというものがありました。脳は炭水化物しか栄養素として使えないと強調していました。
厚労省、日本糖尿病学会、日本栄養士会、日本看護協会といった大きな組織の意識改革が 必要ですね。
NHKの意識も(`_´メ)
2015/04/12(Sun) 12:05 | URL | 糖尿人M | 【編集】
糖尿人M さん
情報をありがとうございます。
NHKテレビは見ていません。
「ゲストの国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部の笠岡宜代氏のコメントの中に、糖質制限をしないように、主食は少しでも食べること、今までの食生活を維持するようにというものがありました。脳は炭水化物しか栄養素として使えないと強調していました。」
これは、びっくりです。
国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部の医師が、
『脳はケトン体をエネルギー源として使う』
という初歩的な知識(生理学的事実)をご存じないとは、信じられません。
いやはや困ったもんです。
情報をありがとうございます。
NHKテレビは見ていません。
「ゲストの国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部の笠岡宜代氏のコメントの中に、糖質制限をしないように、主食は少しでも食べること、今までの食生活を維持するようにというものがありました。脳は炭水化物しか栄養素として使えないと強調していました。」
これは、びっくりです。
国立健康・栄養研究所 栄養疫学研究部の医師が、
『脳はケトン体をエネルギー源として使う』
という初歩的な知識(生理学的事実)をご存じないとは、信じられません。
いやはや困ったもんです。
2015/04/12(Sun) 12:20 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生
このNHK番組高齢の母と観ていて慌てました!
TV番組で慌てるのは何回めか…
高齢母にはTVがバイブルなので困ってしまいます。
「炭水化物しか…」の『しか』を少し間をあけて強調したのでビックリしました。
さっそく
江部先生「糖質制限は危ない」って本当ですか?
を購入し昨日から読んでいます。
TVではないので母に納得して貰うのは難しそうです…
このNHK番組高齢の母と観ていて慌てました!
TV番組で慌てるのは何回めか…
高齢母にはTVがバイブルなので困ってしまいます。
「炭水化物しか…」の『しか』を少し間をあけて強調したのでビックリしました。
さっそく
江部先生「糖質制限は危ない」って本当ですか?
を購入し昨日から読んでいます。
TVではないので母に納得して貰うのは難しそうです…
2015/04/13(Mon) 21:45 | URL | ゆう | 【編集】
ゆう さん
「脳がブドウ糖しか利用できない、炭水化物しか利用できない」
というのは、間違いです。
脳はケトン体をいくらでも利用できます。
「脳がブドウ糖しか利用できない、炭水化物しか利用できない」
というのは、間違いです。
脳はケトン体をいくらでも利用できます。
2015/04/13(Mon) 23:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、はじめまして。いつもブログを楽しみにしています。2015年4月9日の記事の関連で質問させてください。スーパー糖質制限中に、血液検査を受けて、食後6時間後の採血での血糖値が64でした。ですが、極めて体調は良好でした。血中ケトン体の測定も、同じ採血検体でお願いしたのですが、オーダー漏れの為、検査結果がなく、わかりませんでした。江部先生のもとで、検査をしていれば、解釈も違うかと思いますが、他の先生では、理解が異なるようで、ケトン体を測る必要はないとの意見でした。今回お聞きしたいのは、糖質制限中の身体での数値と一般食をされている人での標準値で解釈の違いがある検査項目(たとえば1.5アンヒドログルシトール、cペプチド等)は、あるでしょうか?また、スーパー糖質制限中に、ブドウ糖負荷試験を勧められた場合、数日間、糖質を摂取してから受けた方が良い等、気をつける点は、ありますか?自己測定器でのデータは、あまり重視しない先生のようで、負荷試験を勧められています。この結果を受けて、糖質をとるよう医師から言われました。そこから、4日間、糖質を食べた後に『Cペプチド』を検査したところ 、3.4でした。「この結果により糖尿病予備軍です」と言われ、糖質制限を止めるように言われました。何かアドバイスあれば、よろしくお願いいたします。
2015/04/14(Tue) 07:40 | URL | さくら | 【編集】
さくら さん
血糖値64mg/dlですが、60mg以上で症状もなければ低血糖とはいいません。
糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第4版、2009年)293ページには、低血糖症の定義として、
「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」
と記載されています。
普通の食事で、空腹時血糖値が60mg/dl以下でも、無症状の人も時々います。
糖質制限食実践中は、1.5AGは基準値より低値となりますが、
これは生理的な現象ですので問題ないです。
つまり糖質制限食中は、1.5AGを測定する意味はないです。
糖質制限食中も、Cペプチドは一般的な基準値通りです。
経口ブドウ糖負荷試験は、一度受けられたならもう今後は要らないと思います。
もし、データ的に予備軍ということなら
糖質制限食を実践することで、将来糖尿病になるのを予防できます。
血糖値64mg/dlですが、60mg以上で症状もなければ低血糖とはいいません。
糖尿病専門医研修ガイドブック(改訂第4版、2009年)293ページには、低血糖症の定義として、
「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」
と記載されています。
普通の食事で、空腹時血糖値が60mg/dl以下でも、無症状の人も時々います。
糖質制限食実践中は、1.5AGは基準値より低値となりますが、
これは生理的な現象ですので問題ないです。
つまり糖質制限食中は、1.5AGを測定する意味はないです。
糖質制限食中も、Cペプチドは一般的な基準値通りです。
経口ブドウ糖負荷試験は、一度受けられたならもう今後は要らないと思います。
もし、データ的に予備軍ということなら
糖質制限食を実践することで、将来糖尿病になるのを予防できます。
2015/04/14(Tue) 09:56 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生へ
初めてメールいたします。MFと申します。
糖質制限(ケトン食)で認知症の母の介護をしています。
感謝と、お礼の中間報告です。
現在、母は85歳、私は57歳(男性)で、東京(新宿)に住んでいます。
先生の著書とブログの情報で勉強しながら、認知症の母(要介護1・アルツハイマー+血管性認知症)の介護をして、6年目になります。
2009年に、母との同居を始めた頃から、糖質過剰な母親の食生活に大きな不安を抱き、糖尿病の心配をしていました。そこで、まずは、糖質依存症から抜け出せる様にと、少しづつ、糖質制限を開始したのですが、翌年の2010年に、母の様子がおかしくなり、「認知症」との診断を受け、アリセプトの処方を開始する事になってしまいました。
私としては、「何で、糖尿病じゃ無くて、認知症なんだ」と言うのが、最初の正直な感想でした。
でも、その様な経緯から、私にとって「糖尿病と認知症と糖質との関係性」は、疑い様の無い事でありました。(介護の忙しさと勉強不足のせいで、新or3型糖尿病と言う言葉に出会うのは、だいぶ後の事になってしまいましたが、当時から、何か関係が有ると信じていました)
その後、時間はかかりましたが、糖質依存症と思われる母の食生活を見直し、試行錯誤の末、糖質制限のレベルを少しづつ厳しくする事が出来ました。
幸い、経過は良好で、2010年5月から2014年6月の間に、
ヘモグロビンA1c 6.4→5.8
空腹時血糖値 105→91mg/dl
と改善され、健康なレベルに回復し、安定させる事が出来ました。
ありがとう御座います。
また、認知症のテスト(長谷川式)の点数は以下の通り、最初は低下しましたが、最近は、なんとか横ばい状態を維持し、母と2人で静かな介護生活を送れています。
糖質依存症やアリセプトの副作用(興奮)と格闘した、嵐の様な最初の3年間を過ぎてからは、糖質の摂取量を減らす度に、母の病状が良くなった様に感じています。
2010年-21点
2011年-20点
2012年-18点
2013年-ーー
2014年-17点
さらに、昨年(2014年9月)からは「スーパー糖質制限(+中鎖脂肪酸) 」の食事の糖質量を、更に厳しい、1食当たり10g以下。1日合計20g以下(ケトン食⁉︎) 。として、実施しています。
母が注射や針を極端に嫌がる為、厳密には確認出来ていませんが、ウロペーパーでのケトン体検査では、初期は陽性、その後は陰性になりました。
また、母と同じ食生活を送っている私のケトン値は、PrecisionXTRAの計測で、
1.1〜1.3mmol/L(1,300μmol/L)ですので、母も同レベルだと思っています。
母の病気は、「認知症」の他に「高血圧症」もあり、薬を飲んでいます。
また、身体のあちこちに「動脈硬化・石灰化」の跡があり、左脇下の血管が詰まっている為、右腕と左腕の血圧差が50以上あります。(薬で血圧の上を抑えている為、左腕の数値は低すぎて、家庭用の計測器では測れず、エラーになります)
今考えれば、全て、糖質依存症だった母の食生活(グルコース スパイク)が原因だったと、思っています。
その様な事もあり、この先、母の病状がどうなるかは、分かりませんが、とりあえず、今、平穏な日々を続けられている事を、心から感謝しています。
「糖質制限」と「ケトン食」を教えて下さった江部先生に、お礼の中間報告をさせて頂きます。
ありがとう御座いました。
ますますのご活躍を祈っております。
また、ご報告いたします。
初めてメールいたします。MFと申します。
糖質制限(ケトン食)で認知症の母の介護をしています。
感謝と、お礼の中間報告です。
現在、母は85歳、私は57歳(男性)で、東京(新宿)に住んでいます。
先生の著書とブログの情報で勉強しながら、認知症の母(要介護1・アルツハイマー+血管性認知症)の介護をして、6年目になります。
2009年に、母との同居を始めた頃から、糖質過剰な母親の食生活に大きな不安を抱き、糖尿病の心配をしていました。そこで、まずは、糖質依存症から抜け出せる様にと、少しづつ、糖質制限を開始したのですが、翌年の2010年に、母の様子がおかしくなり、「認知症」との診断を受け、アリセプトの処方を開始する事になってしまいました。
私としては、「何で、糖尿病じゃ無くて、認知症なんだ」と言うのが、最初の正直な感想でした。
でも、その様な経緯から、私にとって「糖尿病と認知症と糖質との関係性」は、疑い様の無い事でありました。(介護の忙しさと勉強不足のせいで、新or3型糖尿病と言う言葉に出会うのは、だいぶ後の事になってしまいましたが、当時から、何か関係が有ると信じていました)
その後、時間はかかりましたが、糖質依存症と思われる母の食生活を見直し、試行錯誤の末、糖質制限のレベルを少しづつ厳しくする事が出来ました。
幸い、経過は良好で、2010年5月から2014年6月の間に、
ヘモグロビンA1c 6.4→5.8
空腹時血糖値 105→91mg/dl
と改善され、健康なレベルに回復し、安定させる事が出来ました。
ありがとう御座います。
また、認知症のテスト(長谷川式)の点数は以下の通り、最初は低下しましたが、最近は、なんとか横ばい状態を維持し、母と2人で静かな介護生活を送れています。
糖質依存症やアリセプトの副作用(興奮)と格闘した、嵐の様な最初の3年間を過ぎてからは、糖質の摂取量を減らす度に、母の病状が良くなった様に感じています。
2010年-21点
2011年-20点
2012年-18点
2013年-ーー
2014年-17点
さらに、昨年(2014年9月)からは「スーパー糖質制限(+中鎖脂肪酸) 」の食事の糖質量を、更に厳しい、1食当たり10g以下。1日合計20g以下(ケトン食⁉︎) 。として、実施しています。
母が注射や針を極端に嫌がる為、厳密には確認出来ていませんが、ウロペーパーでのケトン体検査では、初期は陽性、その後は陰性になりました。
また、母と同じ食生活を送っている私のケトン値は、PrecisionXTRAの計測で、
1.1〜1.3mmol/L(1,300μmol/L)ですので、母も同レベルだと思っています。
母の病気は、「認知症」の他に「高血圧症」もあり、薬を飲んでいます。
また、身体のあちこちに「動脈硬化・石灰化」の跡があり、左脇下の血管が詰まっている為、右腕と左腕の血圧差が50以上あります。(薬で血圧の上を抑えている為、左腕の数値は低すぎて、家庭用の計測器では測れず、エラーになります)
今考えれば、全て、糖質依存症だった母の食生活(グルコース スパイク)が原因だったと、思っています。
その様な事もあり、この先、母の病状がどうなるかは、分かりませんが、とりあえず、今、平穏な日々を続けられている事を、心から感謝しています。
「糖質制限」と「ケトン食」を教えて下さった江部先生に、お礼の中間報告をさせて頂きます。
ありがとう御座いました。
ますますのご活躍を祈っております。
また、ご報告いたします。
MF さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
母上の病状が安定して良かったです。
「また、母と同じ食生活を送っている私のケトン値は、PrecisionXTRAの計測で、
1.1〜1.3mmol/L(1,300μmol/L)ですので、母も同レベルだと思っています。 」
βヒドロキシ酪酸の基準値は、85μmol/L以下ですので、とても上手に糖質制限食ができていると思います。
拙著のご購入、ありがとうございます。
母上の病状が安定して良かったです。
「また、母と同じ食生活を送っている私のケトン値は、PrecisionXTRAの計測で、
1.1〜1.3mmol/L(1,300μmol/L)ですので、母も同レベルだと思っています。 」
βヒドロキシ酪酸の基準値は、85μmol/L以下ですので、とても上手に糖質制限食ができていると思います。
2015/04/21(Tue) 14:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
大事な事を書き忘れていました。追加します。
母と同じ食生活を送っている私のケトン値は、PrecisionXTRAの計測で、
1.1〜1.3mmol/L(1,300μmol/L)
血糖値は、67〜84mg/dl
ですので、母も同レベルだと思っています。
低血圧の症状は、一切無く、認知症で高齢(85歳)の母も、大変元気に暮らしています。
ちなみに、私自身も、介護生活を通じて、17kの減量(78.3kg→61.3kg)が行えた事も、ご報告しておきます。ありがとう御座いました。
母と同じ食生活を送っている私のケトン値は、PrecisionXTRAの計測で、
1.1〜1.3mmol/L(1,300μmol/L)
血糖値は、67〜84mg/dl
ですので、母も同レベルだと思っています。
低血圧の症状は、一切無く、認知症で高齢(85歳)の母も、大変元気に暮らしています。
ちなみに、私自身も、介護生活を通じて、17kの減量(78.3kg→61.3kg)が行えた事も、ご報告しておきます。ありがとう御座いました。
低血圧→低血糖
MFさん
βヒドロキシ酪酸の濃度が、1,300μmol/Lなのは、素晴らしいです。
とても上手に糖質制限食が実践できていると思います。
減量成功も良かったです。
母上もお元気で良かったです。
βヒドロキシ酪酸の濃度が、1,300μmol/Lなのは、素晴らしいです。
とても上手に糖質制限食が実践できていると思います。
減量成功も良かったです。
母上もお元気で良かったです。
2015/04/26(Sun) 10:08 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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