2015年03月11日 (水)
こんにちは。
今回は久しぶりに、甘味料のことを復習を兼ねて考えてみます。
まず大きく分けて、天然甘味料と人工甘味料の2つに分類できます。
次に、人工甘味料を合成甘味料と糖アルコールに分けてみました。
1 天然甘味料
ショ糖(サトウキビ、テンサイなど)、ステビオサイド(ステビア)、グリチルリチン酸(甘草)、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖など、天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のこと。
2 人工甘味料(広義の意味)
人工的に作られた甘みのある物質のこと。
合成甘味料、糖アルコールなどがあります。
a)合成甘味料
人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)のこと。
砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴がある。
狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。
サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アドバンテームなどがあります。
これらの6種は、FDA(アメリカ食品医薬品局)および厚生労働省が認可しています。
b)糖アルコール
キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。
キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、
エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。
自然界に存在するものなので、糖アルコールは合成甘味料には分類されません。
糖アルコールの安全性は確立しています。
糖アルコールの中でエリスリトールだけは、血糖値を上昇させず、カロリーもゼロです。
糖アルコールのカロリーですが、欧州連合 (EU) では、エリスリトール以外のすべての糖アルコールに対し一律に 2.4 kcal/g という値を表示することが義務付けられているようです。
合成甘味料のなかで、ズルチンとチクロは戦後間もない日本で貴重な甘みとして広く使用されたのですが、発ガン性などのため、1969年と1970年にそれぞれ使用禁止となっています。
サッカリンも発癌性テストが陽性に出て、食品衛生法により1973年にいったん全面禁止となりました。
ところが1ヶ月後、食品別の使用基準が制定されると、制限付きながらサッカリンはあっさり再認可されました。
米国では長期間にわたり結構大量に使っているようです。
アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。
現在、製法特許は味の素が持っており、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料「パルスイート® カロリーゼロ」が販売されています。
アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つの天然アミノ酸が結合したものです。
体内に吸収されると、速やかに2つのアミノ酸とごく微量のメタノールに分解されます。
欠点は添加物として比較的不安定であることです。
メタノール(メチルアルコール)は、大量だと失明を起こすなど毒性が強いですが、本来、ひと、動物、植物の体内に天然に存在するもので、ひと血液中の常成分の一つです。
現在、FDAおよび厚生労働省が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテームの6種です。
これらの人工甘味料は「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。
カロリーはないのでダイエットにはよいし、血糖値を上昇させないという意味では糖尿病にもOKですが、一日摂取許容量が決められている合成甘味料をわざわざ大量に摂取する必要もないと思います。
アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほかクッキーなどの焼き菓子にも利用できます。
江部康二
今回は久しぶりに、甘味料のことを復習を兼ねて考えてみます。
まず大きく分けて、天然甘味料と人工甘味料の2つに分類できます。
次に、人工甘味料を合成甘味料と糖アルコールに分けてみました。
1 天然甘味料
ショ糖(サトウキビ、テンサイなど)、ステビオサイド(ステビア)、グリチルリチン酸(甘草)、蜂蜜、メープルシロップ、果糖、麦芽糖など、天然の植物や食品中に含まれている甘み成分を取り出し精製、濃縮した甘味料のこと。
2 人工甘味料(広義の意味)
人工的に作られた甘みのある物質のこと。
合成甘味料、糖アルコールなどがあります。
a)合成甘味料
人工甘味料の一種で、人為的に化学合成された甘みのある物質(甘味料)のこと。
砂糖より低カロリー、低価格、などの特徴がある。
狭義の意味の人工甘味料は合成甘味料と同義で使われることがあります。
サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アドバンテームなどがあります。
これらの6種は、FDA(アメリカ食品医薬品局)および厚生労働省が認可しています。
b)糖アルコール
キシリトール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトールなどがあります。
キシリトールは野菜や果物などに、ソルビトールはプルーン、ナシ、リンゴなどに、
エリスリトールは果実、花の蜜などにそれぞれ含まれています。
マルチトール、ラクチトールもそれぞれ麦芽糖、乳糖を原料としています。
自然界に存在するものなので、糖アルコールは合成甘味料には分類されません。
糖アルコールの安全性は確立しています。
糖アルコールの中でエリスリトールだけは、血糖値を上昇させず、カロリーもゼロです。
糖アルコールのカロリーですが、欧州連合 (EU) では、エリスリトール以外のすべての糖アルコールに対し一律に 2.4 kcal/g という値を表示することが義務付けられているようです。
合成甘味料のなかで、ズルチンとチクロは戦後間もない日本で貴重な甘みとして広く使用されたのですが、発ガン性などのため、1969年と1970年にそれぞれ使用禁止となっています。
サッカリンも発癌性テストが陽性に出て、食品衛生法により1973年にいったん全面禁止となりました。
ところが1ヶ月後、食品別の使用基準が制定されると、制限付きながらサッカリンはあっさり再認可されました。
米国では長期間にわたり結構大量に使っているようです。
アスパルテームは、FDA(米国食料医薬品庁)により人工甘味料として1981年に使用が許可されています。
現在、製法特許は味の素が持っており、国内ではアスパルテームを使った食卓用甘味料「パルスイート® カロリーゼロ」が販売されています。
アスパルテームはアスパラギン酸とフェニルアラニンという2つの天然アミノ酸が結合したものです。
体内に吸収されると、速やかに2つのアミノ酸とごく微量のメタノールに分解されます。
欠点は添加物として比較的不安定であることです。
メタノール(メチルアルコール)は、大量だと失明を起こすなど毒性が強いですが、本来、ひと、動物、植物の体内に天然に存在するもので、ひと血液中の常成分の一つです。
現在、FDAおよび厚生労働省が食品への使用を許可している人工甘味料は、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテームの6種です。
これらの人工甘味料は「フリーフード」と呼ばれ、米国心臓病協会や米国糖尿病協会も肯定的ではあります。
カロリーはないのでダイエットにはよいし、血糖値を上昇させないという意味では糖尿病にもOKですが、一日摂取許容量が決められている合成甘味料をわざわざ大量に摂取する必要もないと思います。
アセスルファムカリウムは、アスパルテームと違って酸性・高温条件でも変化しにくいので、炭酸飲料のほかクッキーなどの焼き菓子にも利用できます。
江部康二
今日から術前の血糖コントロールと教育目的で入院しました。
最初からインシュリンの話、内服の話でビクビクしました。
早速糖質山盛りの食事が出されています。
今では江部先生はじめ、
糖質制限に理解ある方も増えてきているはずなのになかなか浸透しないのは何故なんでしょうか?
(糖質制限に理解を示している医療従事者の方はもどかしいですよね。)
一か八か話してみましたがやっぱり玉砕でした……。
急激な血糖コントロールは眼底出血を起こすので運動も禁止と言われましたが…
糖尿が発覚した2週間前から糖質制限とウォーキングをしてたので心配です。
最初からインシュリンの話、内服の話でビクビクしました。
早速糖質山盛りの食事が出されています。
今では江部先生はじめ、
糖質制限に理解ある方も増えてきているはずなのになかなか浸透しないのは何故なんでしょうか?
(糖質制限に理解を示している医療従事者の方はもどかしいですよね。)
一か八か話してみましたがやっぱり玉砕でした……。
急激な血糖コントロールは眼底出血を起こすので運動も禁止と言われましたが…
糖尿が発覚した2週間前から糖質制限とウォーキングをしてたので心配です。
2015/03/11(Wed) 19:07 | URL | チョ | 【編集】
チョ さん
薬を使って、急に血糖を下げると、眼底出血の可能性があります。
糖質制限食なら速やかに血糖コントロールしても大丈夫です。
2013年08月13日 (火)の本部ブログ記事
「急激な血糖値・HbA1cの改善と糖尿病網膜症、糖質制限食は?」
をご参照いただけば幸いです。
薬を使って、急に血糖を下げると、眼底出血の可能性があります。
糖質制限食なら速やかに血糖コントロールしても大丈夫です。
2013年08月13日 (火)の本部ブログ記事
「急激な血糖値・HbA1cの改善と糖尿病網膜症、糖質制限食は?」
をご参照いただけば幸いです。
2015/03/11(Wed) 23:15 | URL | ドクター江部 | 【編集】
お返事ありがとうございました。
過去の記事を読ませていただいてホッとしているところです。
ホッとしたのも束の間、
これから徹底的に検査するようです。
眼科(←これは理解できます)、
24時間の尿検査、
血液中にどのくらいインスリンが出てるかなんちゃらこんちゃら。
江部先生のところでもこの位の検査はするのですか?
糖質制限して1ヶ月なのでどの検査も結果が良くなさそうで怖いです。
過去の記事を読ませていただいてホッとしているところです。
ホッとしたのも束の間、
これから徹底的に検査するようです。
眼科(←これは理解できます)、
24時間の尿検査、
血液中にどのくらいインスリンが出てるかなんちゃらこんちゃら。
江部先生のところでもこの位の検査はするのですか?
糖質制限して1ヶ月なのでどの検査も結果が良くなさそうで怖いです。
2015/03/12(Thu) 09:43 | URL | チョ | 【編集】
お久しぶりですプーすけです。
昨年、ダイエットの成果をブログで紹介していただきました
あれから、ほぼ5ヶ月。体重は減り続け、ついに58キロ台になり、体脂肪率も28%になりました。
さすがに最初のように一ヶ月で5キロとかは減りませんが、一ヶ月単位で見たら1キロづつくらい緩やかに下がり続けています。
ウエスト84センチが67センチになりました。
あと、昨年要精密検査だった項目はすべて異常なしになりました。
毎日空腹を感じることなく生活できて、健康になっている
本当にすばらしいダイエットに出会えてよかったです。
でも、これでわかったことがひとつあります。
私、低血糖のようでした。
どうしても仕事上、昼には糖質の多い食事になることがあるのですが、その時、食後2時間くらいで軽いめまいを感じます。最初は貧血かと思ったのですが、たまたま血液検査で血糖値が54しかありませんでした。
確実に制限出来ているときは感じないめまいなので、これが原因だと思います。
糖尿病検査でひっかかったことはありませんが、予備軍なんでしょうか?
このまま、糖質制限で防げますか?
ちなみに、他界した父は重度の糖尿でした。
昨年、ダイエットの成果をブログで紹介していただきました
あれから、ほぼ5ヶ月。体重は減り続け、ついに58キロ台になり、体脂肪率も28%になりました。
さすがに最初のように一ヶ月で5キロとかは減りませんが、一ヶ月単位で見たら1キロづつくらい緩やかに下がり続けています。
ウエスト84センチが67センチになりました。
あと、昨年要精密検査だった項目はすべて異常なしになりました。
毎日空腹を感じることなく生活できて、健康になっている
本当にすばらしいダイエットに出会えてよかったです。
でも、これでわかったことがひとつあります。
私、低血糖のようでした。
どうしても仕事上、昼には糖質の多い食事になることがあるのですが、その時、食後2時間くらいで軽いめまいを感じます。最初は貧血かと思ったのですが、たまたま血液検査で血糖値が54しかありませんでした。
確実に制限出来ているときは感じないめまいなので、これが原因だと思います。
糖尿病検査でひっかかったことはありませんが、予備軍なんでしょうか?
このまま、糖質制限で防げますか?
ちなみに、他界した父は重度の糖尿でした。
2015/03/12(Thu) 13:38 | URL | プーすけ | 【編集】
プーすけ さん
データ改善、体重減少、良かったですね。
「血液検査で血糖値が54」
機能性低血糖の可能性が高いです。
糖質制限食なら、機能性低血糖の症状は予防できます。
父上が糖尿病なら、プーすけ さんも、インスリン追加分泌が遷延するタイプの可能性があり、
将来糖尿病になりやすいです。
糖尿病発症も糖質制限食で予防できます。
データ改善、体重減少、良かったですね。
「血液検査で血糖値が54」
機能性低血糖の可能性が高いです。
糖質制限食なら、機能性低血糖の症状は予防できます。
父上が糖尿病なら、プーすけ さんも、インスリン追加分泌が遷延するタイプの可能性があり、
将来糖尿病になりやすいです。
糖尿病発症も糖質制限食で予防できます。
2015/03/13(Fri) 07:38 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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