2015年02月25日 (水)
【15/02/25 うらら
HOMA-βの高値について
江部先生、はじめまして。
境界型で先生の本を一気購入し、blogも拝読、勉強してせっせと発症を防ぐ為に糖質制限食を実施中です。
今回は私ではなく24歳の娘についてちょっと疑問が有り、もしよろしければご享受頂けないものかと思い書き込ませて頂きました。
◆血液検査でHbA1cが5.5(NGSP)だったので24歳にしてこれは高いのでは?とブドウ糖負荷検査を受けさせました。
血糖値 インスリン
空腹時 88 8.4
30分 158 76.9
60分 107 93.9
120分 81 55.0
身長165cm、体重48kg
HDL-80 LDL-99 中性脂肪 46
計算してみると
HOMA-R 1.8
HOMA-β 120
インスリン分泌指数 0.9
…と、HOMA-Rも高め、HOMA-βにおいては「120%」と異常高値なのですが…
診察して貰ったのは糖尿病専門医の内科医師ですが、
「問題有りませんでした。今日の検査で飲んだモノの様な甘い飲み物とかあまり飲まないようにね」
と言われただけでした。
この場合はインスリン抵抗性アリで、境界型にはならないのでしょうか。
負荷検査を受ける前に、他の2軒の内科医でもHbA1cがこの年齢で高めですがと尋ねてみましたが「年齢関係なく6.2までは気にしなくていい」とあっさり帰されました。
何しろ若いので、このまま鵜呑みにして甘いものだけを避けていたらいいのか、軽い糖質制限を始めた方がいいのかとても困っています。
普段からサイダーの様な甘い飲料系は苦手なので飲んでいませんし痩せ型なのでこれ以上体重も落とせません。
大変お忙しい中お手を煩わせてしまう様で申し訳御座いませんが何かアドバイスを頂けたらとてもありがたいと思います。
よろしくお願いします。】
うららさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
娘さん、24才でHbA1cが5.5%(NGSP)ということは、<HbA1c(NGSP)×28.7-46.7>で計算して、推定平均血糖値は111mgです。年齢的には確かに、やや高めですね。
2008年4月に始まった特定健診・特定保健指導(メタボ健診)のための基準において、HbA1c5.6%以上は特定保健指導の対象ですから、正常ギリギリのところです。
40才から70才がメタボ健診の対象ですので、24才の数値としては仰有るとおり少し心配です。
HOMA-R 1.8 ・・・1.6以下は正常。2.5以上はインスリン抵抗性あり。
なので、インスリン抵抗性傾向が少しありです。
HOMA-β 120 ・・・40~60%が基準値なので、かなり追加分泌インスリンが多いです。
インスリン分泌指数 0.9 ・・・0.4以上で正常です。
75g経口ブドウ糖負荷試験の結果はデータだけで見ると医師のいうとおり、正常型です。
しかし、120分値で81mgまで血糖が低下しているのに、インスリンはまだ55μU/mlと、結構分泌されているので、このあと機能性低血糖になりやすいパターンなので、そのことを知っておきましょう。
清涼飲料水や精製炭水化物の白米やパンやお菓子などは、機能性低血糖のリスクとなりやすいので注意が必要です。
うららさんが境界型なら、娘さんも将来境界型になりやすいと思います。
今から、つらくない範囲で糖質制限食を実践すれば、予防できます。
スーパー糖質制限食でなくて、緩やかな糖質制限食でも充分境界型発症予防になります。
またそれで、機能性低血糖のリスクも防げると思います。
スーパー糖質制限食なら、1回の食事の糖質量が10~20g以下が目安で、
緩やかな糖質制限食なら、1回の食事の糖質量が30~40gでOKです。
江部康二
インスリン分泌指標
HOMA-β
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関する。
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60%
30%以下は軽度、15%以下は顕著なインスリン分泌低下。
HAOMA-βはインスリン使用中の患者には使えない。
インスリン分泌指数
インスリン追加分泌のうち初期追加分泌能はインスリン分泌指数で見る。
Insulinogenic index(⊿IRI/⊿BS)
=(負荷後30分IRI値-負荷後IRI値)/ (負荷後30分血糖値-負荷前血糖値)
0.4以上は初期追加分泌能維持。2型では0.3以下が多い。
インスリン抵抗性指標
HOMA-R
<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い
HOMA-βの高値について
江部先生、はじめまして。
境界型で先生の本を一気購入し、blogも拝読、勉強してせっせと発症を防ぐ為に糖質制限食を実施中です。
今回は私ではなく24歳の娘についてちょっと疑問が有り、もしよろしければご享受頂けないものかと思い書き込ませて頂きました。
◆血液検査でHbA1cが5.5(NGSP)だったので24歳にしてこれは高いのでは?とブドウ糖負荷検査を受けさせました。
血糖値 インスリン
空腹時 88 8.4
30分 158 76.9
60分 107 93.9
120分 81 55.0
身長165cm、体重48kg
HDL-80 LDL-99 中性脂肪 46
計算してみると
HOMA-R 1.8
HOMA-β 120
インスリン分泌指数 0.9
…と、HOMA-Rも高め、HOMA-βにおいては「120%」と異常高値なのですが…
診察して貰ったのは糖尿病専門医の内科医師ですが、
「問題有りませんでした。今日の検査で飲んだモノの様な甘い飲み物とかあまり飲まないようにね」
と言われただけでした。
この場合はインスリン抵抗性アリで、境界型にはならないのでしょうか。
負荷検査を受ける前に、他の2軒の内科医でもHbA1cがこの年齢で高めですがと尋ねてみましたが「年齢関係なく6.2までは気にしなくていい」とあっさり帰されました。
何しろ若いので、このまま鵜呑みにして甘いものだけを避けていたらいいのか、軽い糖質制限を始めた方がいいのかとても困っています。
普段からサイダーの様な甘い飲料系は苦手なので飲んでいませんし痩せ型なのでこれ以上体重も落とせません。
大変お忙しい中お手を煩わせてしまう様で申し訳御座いませんが何かアドバイスを頂けたらとてもありがたいと思います。
よろしくお願いします。】
うららさん。
拙著のご購入ありがとうございます。
娘さん、24才でHbA1cが5.5%(NGSP)ということは、<HbA1c(NGSP)×28.7-46.7>で計算して、推定平均血糖値は111mgです。年齢的には確かに、やや高めですね。
2008年4月に始まった特定健診・特定保健指導(メタボ健診)のための基準において、HbA1c5.6%以上は特定保健指導の対象ですから、正常ギリギリのところです。
40才から70才がメタボ健診の対象ですので、24才の数値としては仰有るとおり少し心配です。
HOMA-R 1.8 ・・・1.6以下は正常。2.5以上はインスリン抵抗性あり。
なので、インスリン抵抗性傾向が少しありです。
HOMA-β 120 ・・・40~60%が基準値なので、かなり追加分泌インスリンが多いです。
インスリン分泌指数 0.9 ・・・0.4以上で正常です。
75g経口ブドウ糖負荷試験の結果はデータだけで見ると医師のいうとおり、正常型です。
しかし、120分値で81mgまで血糖が低下しているのに、インスリンはまだ55μU/mlと、結構分泌されているので、このあと機能性低血糖になりやすいパターンなので、そのことを知っておきましょう。
清涼飲料水や精製炭水化物の白米やパンやお菓子などは、機能性低血糖のリスクとなりやすいので注意が必要です。
うららさんが境界型なら、娘さんも将来境界型になりやすいと思います。
今から、つらくない範囲で糖質制限食を実践すれば、予防できます。
スーパー糖質制限食でなくて、緩やかな糖質制限食でも充分境界型発症予防になります。
またそれで、機能性低血糖のリスクも防げると思います。
スーパー糖質制限食なら、1回の食事の糖質量が10~20g以下が目安で、
緩やかな糖質制限食なら、1回の食事の糖質量が30~40gでOKです。
江部康二
インスリン分泌指標
HOMA-β
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/mL)/(空腹時血糖値(mg/dL)-63)>
経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関する。
空腹時血糖値130mg以下なら信頼度高い。
正常値:40-60%
30%以下は軽度、15%以下は顕著なインスリン分泌低下。
HAOMA-βはインスリン使用中の患者には使えない。
インスリン分泌指数
インスリン追加分泌のうち初期追加分泌能はインスリン分泌指数で見る。
Insulinogenic index(⊿IRI/⊿BS)
=(負荷後30分IRI値-負荷後IRI値)/ (負荷後30分血糖値-負荷前血糖値)
0.4以上は初期追加分泌能維持。2型では0.3以下が多い。
インスリン抵抗性指標
HOMA-R
<HOMA-R=空腹時血糖値(mg/dL)×空腹時インスリン値(μU/mL)/405 >
1.6以下が正常、2.5以上は抵抗性あり。
空腹時血糖値140mg以下なら信頼度高い
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