2015年02月18日 (水)
こんにちは。
今回は、高タンパク食と腎機能と糖質制限食について考えてみます。
1)日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、
eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなし。
2)米国糖尿病学会の栄養療法に関する声明
米国糖尿病学会(ADA)は、Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定。
根拠はランク(A)で、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解。
糖質制限食は、高タンパク・高脂質食になりますが1)により、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
そして2)により、今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
3)「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II 各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。
<98ページ>
4─1─1.たんぱく質と発症予防との関連
たんぱく質の摂取不足が脳卒中のリスクとなる可能性が指摘されており 70)、疫学的にもたんぱく質摂取量と脳卒中発症率との間に有意な負の関連を認めた研究が存在する 71─73)。しかし、有意な関連を認めなかった研究もあり 74)、結論はまだ出ていない。
たんぱく質の由来により、心血管危険因子に対するアウトカムや、死亡率に大きな差が見られる。しかし、一致した見解は得られていない 75,76)。高齢者の肥満では、内臓脂肪が増加しても筋肉量が減少するため、BMI では肥満の程度が過小評価されがちである 77─79)。減量する場合、生活機能を悪化させないように筋肉と骨量の喪失を最小限にする必要があり、食事療法だけでなく運動療法も考慮しなければならない 80,81)。
健康な人でも、たんぱく質を過剰に摂取すると、1 週間程度の短期では腎血行動態に変化をもたらして尿中アルブミンが増加するが 82)、中期的には腎機能へ与える影響はほとんどない 83─85)。たんぱく質が糖尿病腎症のない糖尿病において、腎症発症リスクになるとする明らかな根拠はない。
しかし、日本人を含む調査によれば、たんぱく質の過剰摂取が糖尿病や心血管疾患の発症リスク増加につながる可能性がある 86─90)。たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の健康障害として、糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加、骨量の減少、BMI の増加などが挙げられる。
たんぱく質と糖尿病発症リスクとの関係を認めた研究 91─94)並びに、最近の系統的レビュー 94)では、これらのどの事象についても明らかな関連を結論することはできないとしながら、たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の安全性は確認できないと述べ、注意を喚起している。
結局、現時点では、正常人がタンパク質をたくさん食べて危険という根拠もないけれど、たくさん食べても安全という根拠もないということですね。
まさに、自分で考えて選択して自己責任で食事療法を実践することとなります。
ちなみに、江部康二は、糖尿病発覚の2002年(52才)からスーパー糖質制限食を開始して2015年2月(65才)現在まで続けています。
タンパク質の摂取量は、一日あたり130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。体重あたり2.4gのタンパク質ですね。それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
2014年9月の検査データは
BUN:23.3mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.63mg/dl(0.6~1.1) eGFR:97.1ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.63mg/dl(0.53~0.95) eGFR:120.3ml/min./1.73m2
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
です。
BUNがやや高値ですが、高タンパク食において生理的な現象であり、クレアチニン、シスタチンC、eGFR、尿中微量アルブミンの検査が全て基準値内なので、腎機能に何の問題もありません。
私は糖尿病患者さんに対して、糖尿病腎症でeGFRが60mg/分未満でも、個別によく相談して糖質制限食を実践するかどうかを決めています。
A)血糖コントロール良好を保つことは、腎血管と腎機能にはとてもよいことです。
B)eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能に悪影響を与えるか否かは、現在明確ではありません。
eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能を悪化させるという研究もありますが、エビデンスレベル はかなり弱いのです。あとは、個人差がある可能性があります。
A)B)を考慮しながら、検査結果を経過観察して、糖質制限食を続けるか否かを検討していきます。
江部康二
今回は、高タンパク食と腎機能と糖質制限食について考えてみます。
1)日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2013」において、
eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、制限という記載はなし。
2)米国糖尿病学会の栄養療法に関する声明
米国糖尿病学会(ADA)は、Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定。
根拠はランク(A)で、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解。
糖質制限食は、高タンパク・高脂質食になりますが1)により、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
そして2)により、今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
3)「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書
II 各論
たんぱく質(PDF:1,149KB)
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042630.pdf
<97ページ>
3─1.耐容上限量の設定
たんぱく質の耐容上限量は、たんぱく質の過剰摂取により生じる健康障害を根拠に設定されなければならない。しかし現時点では、たんぱく質の耐容上限量を設定し得る明確な根拠となる報告は十分には見当たらない。そこで、耐容上限量は設定しないこととした。
<98ページ>
4─1─1.たんぱく質と発症予防との関連
たんぱく質の摂取不足が脳卒中のリスクとなる可能性が指摘されており 70)、疫学的にもたんぱく質摂取量と脳卒中発症率との間に有意な負の関連を認めた研究が存在する 71─73)。しかし、有意な関連を認めなかった研究もあり 74)、結論はまだ出ていない。
たんぱく質の由来により、心血管危険因子に対するアウトカムや、死亡率に大きな差が見られる。しかし、一致した見解は得られていない 75,76)。高齢者の肥満では、内臓脂肪が増加しても筋肉量が減少するため、BMI では肥満の程度が過小評価されがちである 77─79)。減量する場合、生活機能を悪化させないように筋肉と骨量の喪失を最小限にする必要があり、食事療法だけでなく運動療法も考慮しなければならない 80,81)。
健康な人でも、たんぱく質を過剰に摂取すると、1 週間程度の短期では腎血行動態に変化をもたらして尿中アルブミンが増加するが 82)、中期的には腎機能へ与える影響はほとんどない 83─85)。たんぱく質が糖尿病腎症のない糖尿病において、腎症発症リスクになるとする明らかな根拠はない。
しかし、日本人を含む調査によれば、たんぱく質の過剰摂取が糖尿病や心血管疾患の発症リスク増加につながる可能性がある 86─90)。たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の健康障害として、糖尿病発症リスクの増加、心血管疾患の増加、がんの発症率の増加、骨量の減少、BMI の増加などが挙げられる。
たんぱく質と糖尿病発症リスクとの関係を認めた研究 91─94)並びに、最近の系統的レビュー 94)では、これらのどの事象についても明らかな関連を結論することはできないとしながら、たんぱく質エネルギー比率が 20% エネルギーを超えた場合の安全性は確認できないと述べ、注意を喚起している。
結局、現時点では、正常人がタンパク質をたくさん食べて危険という根拠もないけれど、たくさん食べても安全という根拠もないということですね。
まさに、自分で考えて選択して自己責任で食事療法を実践することとなります。
ちなみに、江部康二は、糖尿病発覚の2002年(52才)からスーパー糖質制限食を開始して2015年2月(65才)現在まで続けています。
タンパク質の摂取量は、一日あたり130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。体重あたり2.4gのタンパク質ですね。それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
2014年9月の検査データは
BUN:23.3mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.63mg/dl(0.6~1.1) eGFR:97.1ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.63mg/dl(0.53~0.95) eGFR:120.3ml/min./1.73m2
尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
です。
BUNがやや高値ですが、高タンパク食において生理的な現象であり、クレアチニン、シスタチンC、eGFR、尿中微量アルブミンの検査が全て基準値内なので、腎機能に何の問題もありません。
私は糖尿病患者さんに対して、糖尿病腎症でeGFRが60mg/分未満でも、個別によく相談して糖質制限食を実践するかどうかを決めています。
A)血糖コントロール良好を保つことは、腎血管と腎機能にはとてもよいことです。
B)eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能に悪影響を与えるか否かは、現在明確ではありません。
eGFRが60mg/分未満の場合、高タンパク食が腎機能を悪化させるという研究もありますが、エビデンスレベル はかなり弱いのです。あとは、個人差がある可能性があります。
A)B)を考慮しながら、検査結果を経過観察して、糖質制限食を続けるか否かを検討していきます。
江部康二
何度か質問させていただいております。
今回はマラソンと糖質制限と、カーボローディングについてです。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3261.html
こちらを拝見したうえでの質問なのですが、インターバルトレーニング(私にとって高強度)の前に糖質を取らないと、負荷が強すぎて保たないので、昼食にご飯を食べています。
同じような理由で、マラソンでガス欠になるのが怖いので、カーボローディングや走行中のジェル補給を行っています。
通常はなるべく糖質制限をして、マラソン直前の数日間に糖質をとり、ラン中も糖質を取る…というのは、身体的にはどうなのでしょうか?
身体への糖質摂取によるダメージや、平常時の食生活から急に変化させて直前にカーボローディングしないほうがいいのかどうか等気になりつつ、結局カーボローディングとレース中のジェル補給は行っています。
今回はマラソンと糖質制限と、カーボローディングについてです。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3261.html
こちらを拝見したうえでの質問なのですが、インターバルトレーニング(私にとって高強度)の前に糖質を取らないと、負荷が強すぎて保たないので、昼食にご飯を食べています。
同じような理由で、マラソンでガス欠になるのが怖いので、カーボローディングや走行中のジェル補給を行っています。
通常はなるべく糖質制限をして、マラソン直前の数日間に糖質をとり、ラン中も糖質を取る…というのは、身体的にはどうなのでしょうか?
身体への糖質摂取によるダメージや、平常時の食生活から急に変化させて直前にカーボローディングしないほうがいいのかどうか等気になりつつ、結局カーボローディングとレース中のジェル補給は行っています。
2015/02/18(Wed) 15:37 | URL | 道産子21号 | 【編集】
こんにちは。
2014/12/28に「糖尿病が治った!? 糖質制限食でインスリン抵抗性改善。第二弾」で記事にして頂いた者です。
記事とは直接関係の無い話で恐縮ですが、
1月に血液検査を行いましたので、その結果をご報告させて頂きます。
- 2015/1
- 体重:67kg(BMI:24.3)
- HbA1c:4.8
- 空腹時血糖値:79
- 空腹時インスリン:2.3
その結果、2014年1月から以下の様に改善しました。
2014/1 2014/4 2015/1
-HOMA-β:132.6 → 97.2 → 51.7
-HOMA-R:5.75 → 1.86 → 0.45
空腹時インスリンが基準値下限(報告書に記載されていた基準値は2.2-12.4)に近いのは、インスリン抵抗性が改善された結果、インスリンの分泌が基準値下限近くでも血糖値を十分に下げられるようになったためで問題はないものと解釈して良いのでしょうか?
2014/12/28に「糖尿病が治った!? 糖質制限食でインスリン抵抗性改善。第二弾」で記事にして頂いた者です。
記事とは直接関係の無い話で恐縮ですが、
1月に血液検査を行いましたので、その結果をご報告させて頂きます。
- 2015/1
- 体重:67kg(BMI:24.3)
- HbA1c:4.8
- 空腹時血糖値:79
- 空腹時インスリン:2.3
その結果、2014年1月から以下の様に改善しました。
2014/1 2014/4 2015/1
-HOMA-β:132.6 → 97.2 → 51.7
-HOMA-R:5.75 → 1.86 → 0.45
空腹時インスリンが基準値下限(報告書に記載されていた基準値は2.2-12.4)に近いのは、インスリン抵抗性が改善された結果、インスリンの分泌が基準値下限近くでも血糖値を十分に下げられるようになったためで問題はないものと解釈して良いのでしょうか?
2015/02/18(Wed) 16:15 | URL | きーぶー | 【編集】
江部先生、始めまして。
皆さんが質問されて居るのを見て私も糖質制限について質問させていただきたく、こちらに投稿させていただきました。
私は2015年1月中旬に劇症1型糖尿病と診断され、23日間の入院の後やっと退院できたばかりの糖尿病初心者33歳女性です。
2014年10月に第一子の長男を出産したばかりで母乳育児を行いながら血糖値をインスリンで調整しています。
妊娠中も急な完全破水で入院し、ステロイドの注射や24時間のブドウ糖が入った点滴をした結果、妊娠糖尿病になりましたが、産後1ヶ月の糖負荷試験では異常なしと診断されました。
その2ヶ月後、劇症1型を発症してしまい、ケトアシドーシスになってしまったためICUで治療の後一般病棟でインスリン治療となりました。
入院当日のHbA1cは7.9でした。
劇症にしては高い値なので、遺伝子検査を行い、1型の人が持つ特徴を全て持ち合わせているということで急性ではなく劇症という診断でした。
一ヶ月後の検診ではHbA1cは8.9になっていました。
現在、ノポラピッドとランタスを使用しております。
朝5昼5夕7就寝11
子供が生まれたばかりで、なんとか20年は合併症無く生きたいと必死で検索していたところ先生のスーパー糖質制限を見つけました。
私は最初からカロリー計算での食事制限に疑問を持っており、入院中は出された食事は全て食べていましたが、カロリー計算のみの食事で乱高下が激しくこのままではいけないと思っておりました。
退院してからは朝の血糖値は80〜110と落ち着いています。
一ヶ月検診で朝昼のインスリン単位は決め打ちでは無く幅を持って打って良いと言われたので日々格闘しております。
今回、質問させていただきたいのは食後血糖値についてです。
食後2時間値はいつも400を軽く超えています。
先生のブログを見ていると多くの人が食後2時間値は100代に抑えられて居るようですが・・・
食後の高血糖が気になり主治医にこれでいいのか確認しましたが、そんなもんだと言われてしまい納得が行きません。
私の理解では食前食後の血糖値の差が大きいと血管に負荷がかかり脳溢血などを起こしやすくなるのでは無いか?
食後血糖値を抑える事でHbA1cを下げる事が出来るのでは無いか?
と思っております。
スーパー糖質制限食は糖質を極端に減らす?無くす?事でインスリン単位を減らし、食後血糖値も抑えるというイメージですが糖質を減らす事で低血糖のリスクも高くなると思います。
食後高血糖と食後低血糖のリスクどちらを取るか悩んでいます。
また、食後2時間血糖値が400を軽く超えてしまうと言うことはインスリンが足りないのか?
インスリンが効くピークが血糖値のピークと合っていないのか?
合っていないなら超速攻インスリンより速攻インスリンの方が私には会うのか?
搾乳をしているとカロリーを消費するのはわかりますが、糖質も消費されるのでしょうか?
搾乳前と後で血糖値を測ったら搾乳後の方が高い事もありました。
昼夜の食前血糖値は150〜400の間で食べる物によってもちろん変わってしまいます。
今は何を食べると上がるのかを確認して居る状況です。
先生の著書で初歩のスーパー糖質制限食についてオススメの本を教えていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
皆さんが質問されて居るのを見て私も糖質制限について質問させていただきたく、こちらに投稿させていただきました。
私は2015年1月中旬に劇症1型糖尿病と診断され、23日間の入院の後やっと退院できたばかりの糖尿病初心者33歳女性です。
2014年10月に第一子の長男を出産したばかりで母乳育児を行いながら血糖値をインスリンで調整しています。
妊娠中も急な完全破水で入院し、ステロイドの注射や24時間のブドウ糖が入った点滴をした結果、妊娠糖尿病になりましたが、産後1ヶ月の糖負荷試験では異常なしと診断されました。
その2ヶ月後、劇症1型を発症してしまい、ケトアシドーシスになってしまったためICUで治療の後一般病棟でインスリン治療となりました。
入院当日のHbA1cは7.9でした。
劇症にしては高い値なので、遺伝子検査を行い、1型の人が持つ特徴を全て持ち合わせているということで急性ではなく劇症という診断でした。
一ヶ月後の検診ではHbA1cは8.9になっていました。
現在、ノポラピッドとランタスを使用しております。
朝5昼5夕7就寝11
子供が生まれたばかりで、なんとか20年は合併症無く生きたいと必死で検索していたところ先生のスーパー糖質制限を見つけました。
私は最初からカロリー計算での食事制限に疑問を持っており、入院中は出された食事は全て食べていましたが、カロリー計算のみの食事で乱高下が激しくこのままではいけないと思っておりました。
退院してからは朝の血糖値は80〜110と落ち着いています。
一ヶ月検診で朝昼のインスリン単位は決め打ちでは無く幅を持って打って良いと言われたので日々格闘しております。
今回、質問させていただきたいのは食後血糖値についてです。
食後2時間値はいつも400を軽く超えています。
先生のブログを見ていると多くの人が食後2時間値は100代に抑えられて居るようですが・・・
食後の高血糖が気になり主治医にこれでいいのか確認しましたが、そんなもんだと言われてしまい納得が行きません。
私の理解では食前食後の血糖値の差が大きいと血管に負荷がかかり脳溢血などを起こしやすくなるのでは無いか?
食後血糖値を抑える事でHbA1cを下げる事が出来るのでは無いか?
と思っております。
スーパー糖質制限食は糖質を極端に減らす?無くす?事でインスリン単位を減らし、食後血糖値も抑えるというイメージですが糖質を減らす事で低血糖のリスクも高くなると思います。
食後高血糖と食後低血糖のリスクどちらを取るか悩んでいます。
また、食後2時間血糖値が400を軽く超えてしまうと言うことはインスリンが足りないのか?
インスリンが効くピークが血糖値のピークと合っていないのか?
合っていないなら超速攻インスリンより速攻インスリンの方が私には会うのか?
搾乳をしているとカロリーを消費するのはわかりますが、糖質も消費されるのでしょうか?
搾乳前と後で血糖値を測ったら搾乳後の方が高い事もありました。
昼夜の食前血糖値は150〜400の間で食べる物によってもちろん変わってしまいます。
今は何を食べると上がるのかを確認して居る状況です。
先生の著書で初歩のスーパー糖質制限食についてオススメの本を教えていただければ幸いです。
よろしくお願いします。
こんにちは。先日、コメントをさせていただきました、寝たきりのひきこもりの女性です。
検査にグリコアルブミン検査というものがあるそうなのですが、この検査で一般の総合病院などで低血糖症(乱高下や無反応など)は発見できるのでしょうか。見落としや誤診が怖くて病院に行けない状態です。宜しくお願いいたします。
検査にグリコアルブミン検査というものがあるそうなのですが、この検査で一般の総合病院などで低血糖症(乱高下や無反応など)は発見できるのでしょうか。見落としや誤診が怖くて病院に行けない状態です。宜しくお願いいたします。
2015/02/18(Wed) 17:28 | URL | みなみ | 【編集】
すでに2015/1/13付blogのコメントで書きましたが、1月10日の病態栄養学会で石田均氏から、重大発表があった。
「2014年11月30日の糖尿病学会理事会で、糖尿病腎症の第1期と第2期においては、食事のなかのたんぱく質制限に言及しないと決定した」との報告があった
これにより、食品交換表の文章表現が今後、訂正されるとのことであった。しかるに糖尿病学会のHPでは今日現在、全く公表されていない。製薬会社の広告がやたら目につくだけである。2月20-21日の「糖尿病学の進歩」で公表するのかもしれないが…
「2014年11月30日の糖尿病学会理事会で、糖尿病腎症の第1期と第2期においては、食事のなかのたんぱく質制限に言及しないと決定した」との報告があった
これにより、食品交換表の文章表現が今後、訂正されるとのことであった。しかるに糖尿病学会のHPでは今日現在、全く公表されていない。製薬会社の広告がやたら目につくだけである。2月20-21日の「糖尿病学の進歩」で公表するのかもしれないが…
2015/02/18(Wed) 21:29 | URL | 精神科医師A | 【編集】
道産子21号 さん
有酸素運動の長距離には、糖質制限食・ケトン食が有利です。
兎に角、最高強度の運動以外は、糖質制限食・ケトン食が有利です。
2015年01月28日 (水)の本ブログ記事
「テコンドー選手と減量と運動能力、ケトン食が有効」
もご参照いただけば幸いです。
有酸素運動の長距離には、糖質制限食・ケトン食が有利です。
兎に角、最高強度の運動以外は、糖質制限食・ケトン食が有利です。
2015年01月28日 (水)の本ブログ記事
「テコンドー選手と減量と運動能力、ケトン食が有効」
もご参照いただけば幸いです。
2015/02/18(Wed) 22:46 | URL | ドクター江部 | 【編集】
きーぶー さん
素晴らしい改善です。
少ない量のインスリンで、空腹時血糖値が79と正常なのは、大変好ましいことです。
血糖コントロールができている限り、インスリンは少量ですむほど良いのです。
素晴らしい改善です。
少ない量のインスリンで、空腹時血糖値が79と正常なのは、大変好ましいことです。
血糖コントロールができている限り、インスリンは少量ですむほど良いのです。
2015/02/18(Wed) 22:54 | URL | ドクター江部 | 【編集】
bluebird さん
本ブログの扉ページのカテゴリーで、1型糖尿病の項をしっかり読んでください。
スーパー糖質制限食を実践することで、インスリンの単位が、超速効型で1/3以下に
長時間持続型で同量~1/2ていどになります。
インスリンの単位が減るので、当然低血糖も起こしにくくなります。
内因性インスリンがゼロの場合はタンパク質も間接的に血糖値をあげるので
タンパク質のカウントも必要です。
本ブログの扉ページのカテゴリーで、1型糖尿病の項をしっかり読んでください。
スーパー糖質制限食を実践することで、インスリンの単位が、超速効型で1/3以下に
長時間持続型で同量~1/2ていどになります。
インスリンの単位が減るので、当然低血糖も起こしにくくなります。
内因性インスリンがゼロの場合はタンパク質も間接的に血糖値をあげるので
タンパク質のカウントも必要です。
2015/02/18(Wed) 23:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
みなみ さん
グリコアルブミンでは、低血糖症の発見はできません。
繰り返しますが、
もしみなみさんの患っている症状が、機能性低血糖によるものなら
糖質制限食でよくなると思います。
あるいは、糖質制限食で良くなった症状は機能性低血糖からくるものであり、
良くならなかった症状は機能性低血糖には関係なかったという、言い方もできます。
詳しくは、本ブログの扉ページのカテゴリーで「機能性低血糖」の項を読んでいただけば幸いです。
グリコアルブミンでは、低血糖症の発見はできません。
繰り返しますが、
もしみなみさんの患っている症状が、機能性低血糖によるものなら
糖質制限食でよくなると思います。
あるいは、糖質制限食で良くなった症状は機能性低血糖からくるものであり、
良くならなかった症状は機能性低血糖には関係なかったという、言い方もできます。
詳しくは、本ブログの扉ページのカテゴリーで「機能性低血糖」の項を読んでいただけば幸いです。
2015/02/18(Wed) 23:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
人工透析はじめて10年目です
閉経をきっかけに体重が10キロ近く増えてしまいました。
脂肪肝もあるし中性脂肪も高いです。特にカリウム、リンに氣をつけなくてはなりません。
こんなわたしに糖質制限ダイエットは可能でしょうか。
どうかご指南お願い致します
閉経をきっかけに体重が10キロ近く増えてしまいました。
脂肪肝もあるし中性脂肪も高いです。特にカリウム、リンに氣をつけなくてはなりません。
こんなわたしに糖質制限ダイエットは可能でしょうか。
どうかご指南お願い致します
まずは本を買って読んで下さい
2015/02/19(Thu) 09:04 | URL | 通りすがり | 【編集】
このブログの本編を読みましたか?
あなたの腎臓がどれだけ機能しているかデータを出さなければ答えようがないですよ?
あなたの腎臓がどれだけ機能しているかデータを出さなければ答えようがないですよ?
2015/02/19(Thu) 09:19 | URL | 通りすがり | 【編集】
2015/02/19(Thu) 12:14 | URL | 精神科医師A | 【編集】
Pさん
可能です。
2012年10月07日 (日)の本ブログ記事
「人工透析中の糖尿人と糖質制限食について専門医のアドバイス。」
をご参照いただけば幸いです。
可能です。
2012年10月07日 (日)の本ブログ記事
「人工透析中の糖尿人と糖質制限食について専門医のアドバイス。」
をご参照いただけば幸いです。
2015/02/19(Thu) 18:05 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生へ
以前に数回アドバイスを頂きました、オーストラリア在住のMagpieです。
また、問題が生じてしまいましたので、質問致します。
今月、3月9日の血液検査で、糖尿人の主人の、eGFRがついに58ml/分になってしまいました。
主治医には心配はないと言って頂けましたが、糖質制限食は60ml/分が境目ですので、私としては、大変残念でしかたがありません。
また、前回のHbA1cが6.1%だったので、今までより少し糖質をひかえて、1か月間試してみたのですが、6.5%と上がってしまった事も残念です。
主人は、早朝空腹時血糖値が高いので、以前に、江部先生からアドバイスを頂きまして、Metformin 500mg 1錠を夕食後と寝る前に服用していたのですが、先生のブログで、午前3時頃に服用する方が、効果があると知りましたので、その後は、夕食後と午前3時頃前後に服用する様にしています。
早朝空腹時血糖値の平均値は6.0mmol/L(≒108mg/dl)です。
喜ばしい事は、尿中アルブミンは、前回と今回は同じですが、前回までは、検査のたびに下がっていっています。
eGFRが60ml/分未満になってしまったので、今日から、糖質制限食を継続していく上で、どの程度のタンパク質制限をしていったら良いのか、先生のご意見をぜひ、お知らせ下さいませ。
主なデーターは下記です。
2015/2/9 2015/3/9
eGFR 63ml/分 L 58ml/分 (>59)
Urea H 15.0mmol/L H 17.7mmol/L (3.5-9.5)
Creatinine 103umol/L 110umol/L (60-115)
HbA1c 6.1% H 6.5% (<6.5)
尿Albumin 9mg/L 9mg/L (<21)
タンパク質摂取量 約 100g 前後
糖質摂取量 約 20g 未満
身長181cm、体重66kg前後、70歳、糖尿病歴17年、
1日2食、スーパー糖質制限食歴丸4年
お忙しいところ、大変恐縮ですが、どうぞ、よろしくお願い致します。
以前に数回アドバイスを頂きました、オーストラリア在住のMagpieです。
また、問題が生じてしまいましたので、質問致します。
今月、3月9日の血液検査で、糖尿人の主人の、eGFRがついに58ml/分になってしまいました。
主治医には心配はないと言って頂けましたが、糖質制限食は60ml/分が境目ですので、私としては、大変残念でしかたがありません。
また、前回のHbA1cが6.1%だったので、今までより少し糖質をひかえて、1か月間試してみたのですが、6.5%と上がってしまった事も残念です。
主人は、早朝空腹時血糖値が高いので、以前に、江部先生からアドバイスを頂きまして、Metformin 500mg 1錠を夕食後と寝る前に服用していたのですが、先生のブログで、午前3時頃に服用する方が、効果があると知りましたので、その後は、夕食後と午前3時頃前後に服用する様にしています。
早朝空腹時血糖値の平均値は6.0mmol/L(≒108mg/dl)です。
喜ばしい事は、尿中アルブミンは、前回と今回は同じですが、前回までは、検査のたびに下がっていっています。
eGFRが60ml/分未満になってしまったので、今日から、糖質制限食を継続していく上で、どの程度のタンパク質制限をしていったら良いのか、先生のご意見をぜひ、お知らせ下さいませ。
主なデーターは下記です。
2015/2/9 2015/3/9
eGFR 63ml/分 L 58ml/分 (>59)
Urea H 15.0mmol/L H 17.7mmol/L (3.5-9.5)
Creatinine 103umol/L 110umol/L (60-115)
HbA1c 6.1% H 6.5% (<6.5)
尿Albumin 9mg/L 9mg/L (<21)
タンパク質摂取量 約 100g 前後
糖質摂取量 約 20g 未満
身長181cm、体重66kg前後、70歳、糖尿病歴17年、
1日2食、スーパー糖質制限食歴丸4年
お忙しいところ、大変恐縮ですが、どうぞ、よろしくお願い致します。
Magpie さん
eGFRが60ml/分も58ml/分も、そんなに差はないので
糖質制限食問題ないです。
可能ならば、血清シスタチンCを測定しましょう。
シスタチンCのほうが、血清クレアチニンより、正確に腎機能を反映します。
早朝空腹時血糖値の平均値は6.0mmol/L(≒108mg/dl)
早朝空腹時血糖値が改善してますので、今後HbA1cも改善すると思います。
このままスーパー糖質制限食で、血糖コントロールを保つことが、
腎臓にも一番優しいです。
米国糖尿病学会は、2013年10月の栄養療法に関する声明のなかで
「糖尿病腎症にタンパク制限は推奨しない」と明言しています。
eGFRが60ml/分も58ml/分も、そんなに差はないので
糖質制限食問題ないです。
可能ならば、血清シスタチンCを測定しましょう。
シスタチンCのほうが、血清クレアチニンより、正確に腎機能を反映します。
早朝空腹時血糖値の平均値は6.0mmol/L(≒108mg/dl)
早朝空腹時血糖値が改善してますので、今後HbA1cも改善すると思います。
このままスーパー糖質制限食で、血糖コントロールを保つことが、
腎臓にも一番優しいです。
米国糖尿病学会は、2013年10月の栄養療法に関する声明のなかで
「糖尿病腎症にタンパク制限は推奨しない」と明言しています。
2015/03/13(Fri) 17:46 | URL | ドクター江部 | 【編集】
お忙しい中、早急のお返事、誠に感謝、感激でございます。
このまま、eGFRが下がり続けて行って、人工透析と進んで行ってすまうのだと思い、悩んでおりました。
先生の心強いアドバイスを受けまして、安心を致しました。
血清シスタチンCの検査の件は、次回、主治医に尋ねて見ます。
しかし、今までに一度も、その検査を受けたことがありませんので、
きっと、扱っていないのだと、思われます。
糖尿病腎症の進行をくい止める事も、腎臓を守る事も、血糖のコントロールを、
良好にすることが、もっとも良い治療方法ですね!
スーパー糖質制限食が、ベストな方法と、再、確信致しました。
主人も、江部先生に、大変感謝をしております。
本当に、ありがとうございました。
今後も、どうぞ、よろしくお願い致します。
このまま、eGFRが下がり続けて行って、人工透析と進んで行ってすまうのだと思い、悩んでおりました。
先生の心強いアドバイスを受けまして、安心を致しました。
血清シスタチンCの検査の件は、次回、主治医に尋ねて見ます。
しかし、今までに一度も、その検査を受けたことがありませんので、
きっと、扱っていないのだと、思われます。
糖尿病腎症の進行をくい止める事も、腎臓を守る事も、血糖のコントロールを、
良好にすることが、もっとも良い治療方法ですね!
スーパー糖質制限食が、ベストな方法と、再、確信致しました。
主人も、江部先生に、大変感謝をしております。
本当に、ありがとうございました。
今後も、どうぞ、よろしくお願い致します。
Magpie さん
血清シスタチンCは、健康保険に収載されている検査です。
ほとんどの医療機関で検査できると思います。
1/3ヶ月くらいの頻度なら、保険適応です。
血清シスタチンCは、健康保険に収載されている検査です。
ほとんどの医療機関で検査できると思います。
1/3ヶ月くらいの頻度なら、保険適応です。
2015/03/15(Sun) 08:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
一日あたり130g~140gのたんぱく質を摂っても大丈夫とのことですが、
3食で分けると、1食で約45gのたんぱく質を摂っても大丈夫ですか?
3食で分けると、1食で約45gのたんぱく質を摂っても大丈夫ですか?
2015/04/16(Thu) 01:26 | URL | melody | 【編集】
melody さん
タンパク質の摂取上限に関しては、基準がありません。
根拠となる論文(エビデンス)がないからです。
少なくとも、現在腎機能正常の人が、タンパク質を多く食べたために、腎障害になるということはないです。
私は、1日あたり、140gくらいのタンパク質を摂取していて
1日2食です。
13年間、腎機能は正常です。
タンパク質の摂取上限に関しては、基準がありません。
根拠となる論文(エビデンス)がないからです。
少なくとも、現在腎機能正常の人が、タンパク質を多く食べたために、腎障害になるということはないです。
私は、1日あたり、140gくらいのタンパク質を摂取していて
1日2食です。
13年間、腎機能は正常です。
2015/04/16(Thu) 07:32 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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