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スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移
こんばんは。

今回は、検査データのお話しです。

糖質制限食を実践により、血糖値や中性脂肪やコレステロール値など、さまざまな数値が改善します。

ただ、これらの検査データは、はっきり一定の傾向が出るものと、そうでないものがありますので、まずはその変化を示します。


<スーパー糖質制限食実践時の検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
 個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。



LDLコレステロール・総コレステロールに関して「低下・不変・上昇」と個人差があるのですが、糖質制限食開始前に菜食中心で食材のコレステロールが少ない場合、肝臓でコレステロールをつくる能力が高まっています。

そういう場合糖質制限食で肉や卵などコレステロールの多い食材を摂取すると、一過性にLDL-コレステロール値が高くなりますが、半年~1年~2年で落ち着くことが多いです。

私自身は、HDLコレステロールはかなり増加し、LDLコレステロールは少し低下しました。

尿酸値が上昇した場合、摂取エネルギー不足のことが多いので注意が必要です。

私は2002年発覚の糖尿人で、その数年前から、早朝の空腹時血糖値109~111~112mg/dlとか、ギリギリ境界型でした。

2002年に糖尿病が発覚していらい、スーパー糖質制限食を実践しています。

食事は朝食抜きで、1984年34才から昼と夕の2回です。

身長:167cm 体重:67kg からスーパー糖質制限食を開始して半年で56~57kgとなりました。

現在57~58kgくらいです。1月8日で65才となりました。


以下は2014年9月13日、朝9時、空腹時の検査結果です。

<江部康二の検査データ>
空腹時血糖値:99mg 
HbA1c:5.8%(6.2未満、NGSP)
グリコアルブミン:13.4%(11.8~16.0)
総ケトン体:265μM/L(26~122) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:71μM/L(13~69)
βヒドロキシ酪酸:194μM/L(76以下)
尿酸:3.7mg/dl(3.4~7.0)
TC:240mg/dl(150~219)
TG:55mg/dl(50~149)
HDL-C:80mg/dl(40~98)
LDL-C:123mg/dl(140未満)
BUN:23.3mg/dl(8~20)
クレアチニン:0.63mg/dl(0.6~1.1)  eGFR:97.1ml/min./1.73m2
シスタチンC:0.63mg/dl   (0.53~0.95) eGFR:120.3ml/min./1.73m2

IRI:4.9(3~15μU/ml)
γGTP:30IU/L(48以下)
GOT:21IU/L(9~38)
GPT:21IU/L(5~39)
アルブミン:4.5g/dl(3.8~5.3)

尿中アルブミン:6.3mg/g・c(30.0未満)
尿蛋白:陰性
尿糖:陰性
尿中アセトン体:陰性

IRI:4.9(3~15μU/ml)
空腹時採血血糖値99mg
<HOMA-R=空腹時血糖値×空腹時インスリン値÷405>
<HOMA-β=360×空腹時インスリン値(μU/ml)÷(空腹時血糖値mg/ml-63)>
HOMA-R:1.19  1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があり。
HOMA-β:49   正常値:40-60尿蛋白:陰性

空腹時血糖値99mgですが、108mgとか120mgのこともあります。
若干、暁現象もあります・

IRI4.9Uと、今回は正常値でした。

HOMA-βは、49と過去最高記録でした。

いままでHOMA-βはずっと、40未満でインスリン分泌能が減少でしたが、2014年4月初めて、40と基準値下限に達しました。

インスリン分泌能が少し改善したみたいです。

HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、経口血糖負荷試験時の2時間値のインスリン分泌量と、よく相関することがわかっています。

HbA1cは5.6~5.9%(NGSP値)くらいを行ったり来たりしています。

グリコアルブミンを、試しに私費で、測定してみたらグリコアルブミン:13.4%(11.8~16.0)とかなり良好でした。

ケトン体は265μM と基準値よりはるかに高値ですが、心筋・骨格筋をはじめ全身の細胞がケトン体をしっかり効率よく利用していて、腎臓の再吸収も良好なので、尿中アセトン体は陰性です。

今回の血中ケトン体は、いつもよりはやや低めでした。

尿酸は3.7mgと低いくらいですが、これは体質と思います。

一日のタンパク質摂取量は130~140gくらいと、普通人よりかなり大量のタンパク質を摂取してます。

体重あたり2.4gのタンパク質ですね。それでも尿酸は低めですし、腎機能に何の問題もありません。
BUNがBUN:23.3mg/dl(8~20)と基準値を少し超えていますが、
クレアチニンとシスタチンCが正常なので、何の問題もありません。
高タンパク食を13年間続けてますが、eGFRはとても良いです。

脂質もかなりの量(110g/日)食べていますが中性脂肪は55mgです。

糖質は1日に40g足らずです。

TCは240mg、HDL-Cは85mg、LDL-Cは123mg
コレステロールに関しては、HDL-コレステロールが多いのが目立ちます。
糖質制限食でHDL-Cが増加しますが、程度には個人差があります。

総コレステロールは、2007年ガイドライン以降では、評価基準から外されています。

中性脂肪が少なくて、HDL-Cが多いので、真の悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは少ないと考えられ安心です。

なお、お酒は、糖質ゼロ発泡酒、焼酎の水割りかお湯割り、赤ワイン、辛口白ワインを毎日、適宜、適量??飲んでいます。( ̄_ ̄|||)

肝機能は幸い正常です。 (^^)


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
私が糖質制限を始めて一年が過ぎましたが、昨年5月の検査で尿酸値が異常値になり、今年1月の検査では10.6mg/dlになり、ベンズブロマロンを処方されました。
毎日1500~2000カロリーは摂っているはずなのでエネルギー不足という事は無いと思います。
また、鉄欠乏性貧血と不眠にもなり、鉄剤と入眠剤も処方されています。血圧も不安定です。
検査データが良好になる方もおられる様ですが、私自身の推移と照らして、これは個人差がかなり大きい事なのではないかと考えています。
2015/02/15(Sun) 18:49 | URL | kkk | 【編集
Re: タイトルなし
kkk さん

糖質制限食で鉄欠乏性貧血になることはないと思います。
糖質制限食の食材は鉄分が多いものがたくさんあります。
鉄不足が明らかななら、出血などの精査が必要かと思います。

摂取カロリーが充分足りているなら、
尿酸の上昇する一番の要素は、ストレスですので、考えてみていただけば幸いです。

糖質制限食は
肉、魚、卵、チーズ、大豆製品、葉野菜、茸、海藻などしっかり摂取しますので
鉄も含めて、不足する栄養素はないと思います。

必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、微量元素の全てが、食材から摂取できます。

糖質制限食を選択するのは、個人の自由で自己責任です。
一方で、ご自分に合わないと判断されたら、中止するのもまた個人の自由と思います。

2015/02/15(Sun) 21:18 | URL | ドクター江部 | 【編集
古典に学ぶ
アンナ・カレーニナ
新潮文庫 木村 浩 訳

第二編<19>

 クラースノエ・セロー競馬の当日、ヴロンスキーはいつもより早めに、将校集会所の食堂へ、ビフテキを食べに行った。彼の体重はちょうど所定の四プード半(訳注・約73.7kg)に達していたので、そう厳重に節制する必要はなかった。しかし、もうこれ以上太ってはまずいので、澱粉質と甘いものを避けるようにしていた。
 彼はフロックコー卜のボタンをはずして、白いチョッキをのぞかせ、両手でテープルに肘をついて、注文したビフテキを待ちながら、皿の上にのっていたフランスの小説本を見ていた。彼がその本を見ていたのは、出たりはいったりする将校連と口をききたくないためであり、彼は考え事をしているのであった。


http://www.health.ne.jp/column/column141111.html

エミリオ森口クリニックの望月吉彦氏は、湿潤療法と、糖質制限をやっています
2015/02/15(Sun) 21:47 | URL | 精神科医師A | 【編集
まだ、下がりません
先生の指示で経過を見ていましたが、なかなか下がらずに来ています。落ち込んでしまします。もう一度入院してみた頂こうかしら、とか別の先生 宗田先生のところに伺おうかしらと思ってしまいます。
この1ヶ月 130~160 あたりです。
2015/02/16(Mon) 09:06 | URL | yokohama:瑞穂 | 【編集
Re: 古典に学ぶ
精神科医師A さん

文学糖質制限情報、ありがとうございます。
文豪トルストイも糖質制限食を実践していたのでしょうかね。
2015/02/16(Mon) 16:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: まだ、下がりません
yokohama:瑞穂 様

1型糖尿病ですので、なかなか、下がりにくいと思います。

早朝空腹時血糖値が、90~125mg/dlになるように、
以下のスケールで適宜調整しましょう。
そうなるまで、3~4~5日間は、毎日1単位増やす必要があるかもしれません。

【トレシーバのスケール】
早朝空腹時血糖値のデータに基づき、前日夜のトレシーバの単位を基準に、
当日夜のトレシーバの単位を増減する。

早朝空腹時血糖値90mg/dl未満:  トレシーバ1単位減量
早朝空腹時血糖値90~125mg/dl未満: トレシーバ同量
早朝空腹時血糖値126mg/dl以上: トレシーバ1単位増量

2015/02/16(Mon) 16:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
わかりました。
アドバイスありがとうございます。何とか気長にやってゆきます。
HbA1cが先月の結果ですが1月13日検査で7.1でした。

糖質制限食をしているのになぜ、早朝血糖値が高くなるのでしょうね。夜に糖質を摂っていないのに。
2015/02/16(Mon) 20:58 | URL | yokohama:瑞穂 | 【編集
チョコレート
江部先生、いつも参考にさせて頂いています。糖尿病の診断は受けていませんが、高めか境界型かもと心配で、一日60グラム位に糖質をおさえています。
2015/02/17(Tue) 07:54 | URL | ゆかり | 【編集
Hba1cの上昇は?
江部先生
自身が糖尿人であることが発覚しまして糖質制限を始めて3年半になります。現在、もちろん危険な数値ではありませんが、Hba1cの数値にいささか不満と不安をもっています。スーパー糖質制限食により、1回の食事の糖質量は8gあるかないかです。もちろん間食もしません。いつも同じような質の食事で、a1c値が以前は5.4や5.5でしたのが、ここ4~5ヵ月で上がり続けて現在は5.7と出ました。このブログで皆様は糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が低下し、a1cも最終的には4点何某からせいぜい5.0あたりに落ち着かれているようです。どうして私の場合上昇するのでしょう。何か検査をした方がよろしいのでしょうか。
時々自分で血糖値を測定していますが、7,8時間を経過しないと100を切らないようです。食事でそんなに高くはないにせよ上昇した血糖値が何時間経ってもなかなか下がらないようです。
このままでよろしいのでしょうか。糖尿病が進んでいるのでしょうか。ご感触をお聞かせくださいますでしょうか。
2015/02/17(Tue) 19:37 | URL | a.m | 【編集
上昇し続けるHba1c
江部先生
先程、お伺いしました「上昇を続けるHba1c」の現在の数値ですが、5.7としましたが、5.8まで上昇していました。私にしましたら、同じ食事で数ヵ月で0.4の上昇はさらに深刻です。
数値の訂正でした。
2015/02/17(Tue) 20:05 | URL | a.m | 【編集
Re: Hba1cの上昇は?
a.m さん

私も、13年間、5.5~5.9%あたりをうろうろしています。
a.m さんも私も、HbA1cは基準値内で正常ですので、あまり気にしなくてもいいと思います。
6.0を超えるようなら、早朝空腹時血糖値とインスリン値を測定して、
HOMA-R、HOMA-βを計算してみましょう。

早朝空腹時血糖値が110mg未満、食後2時間血糖値が140mg未満なら
糖尿病合併症の心配はないと思います。

日本糖尿病学会は、早朝空腹時血糖値130mg未満、食後2時間血糖値180mg未満で合併症予防としています。
2015/02/18(Wed) 07:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
ReRe: Hba1cの上昇は?
江部先生
ご教示くださりありがとうございます。
早朝空腹時血糖値は自分でも測れますが、インシュリン値となりますとあの、ブドウ糖75mlを飲む負荷検査をしなければならないのでしょうか。
数ヵ月前から、一日に2杯ほどのコーヒーを飲むようになりました。ブラックで飲んでいたのですが、コーヒーのシュウ酸が尿路結石の原因になるのでミルクのカルシウムと結合させればよいと読み、10ml程度の牛乳を入れています。私は、すでに腎臓に小さな石を有しておりますので敏感になっています。
それと、尿が酸性に傾きがちとかで、1回に大匙7分目ほどのリンゴ酢を昼と夜の食事に摂取しています。それぐらいの糖質がじりじりと血糖値を上げていたのでしょうか。間食もしていないのですが…。
2015/02/19(Thu) 22:24 | URL | a.m | 【編集
Re: ReRe: Hba1cの上昇は?
a.m さん

1)
10mlの牛乳なら、0.5gの糖質ですので問題ないと思います。

2)
前日の夕食後は水以外は摂取せずに
早朝空腹時血糖値とインスリン値の1回の測定を測定します。

それで
HOMA-R、HOMA-βが、計算できます。


2011年10月07日 (金)の本ブログ記事
「糖尿人・江部康二の検査データ、HOMA-βとHOMA-R」
をご参照ください。
2015/02/20(Fri) 08:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
詳細なご教示をありがとうございます
江部先生
詳細なご教示を早々にくださりありがとうございます。2011年10月7日のブログを読み返します。ありがとうございました。
2015/02/20(Fri) 23:10 | URL | a.m | 【編集
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