FC2ブログ
テコンドー選手と減量と運動能力、ケトン食が有効
【15/01/25 精神科医師A

テコンドー選手の研究
 12/31に公表された、
テコンドー選手のketone食研究の続編です。炭水化物4.3%と40%の群の比較です。

The effects of ketogenic diet on oxidative stress and antioxidative capacity markers of Taekwondo athletes

http://www.e-jer.org/journal/view.php?year=2014&vol=10&page=362


先に、10/31に公表された第1報は以下の論文です

The effect of weight loss by ketogenic diet on the body composition, performance-related physical fitness factors and cytokines of Taekwondo athletes

http://www.e-jer.org/journal/view.php?year=2014&vol=10&page=326



こんにちは。

精神科医師Aさんから、興味深いコメントをいただきました。
ありがとうございます。

格闘技のテコンドー選手の研究で、炭水化物4.3%(ケトン食)と40%の群の比較です。
韓国の研究です。

まず、第一報の検討をしてみます。

減量をする必要があるテコンドー選手において、ケトン食と普通食で減量して、どちらが良かったかをみる研究です。

両群とも、3日間の平均摂取カロリーを計算して、研究開始後は、その平均摂取カロリーの75%を摂取する設定です。

ケトン食群は、脂質:55.0%、タンパク質:40.7%、炭水化物:4.3%

一日の、炭水化物限度量は、22gです。

非ケトン食群は、脂質:30.0%、タンパク質:30.0%、炭水化物:40.0%

両群で減量効果は同一でした。

100m走では、両群に差はなく、2000m走ではケトン食群が有意にタイムが短縮しているので、有酸素運動の走力に関しては、ケトン食がやはりとてもいいですね。

しかし、100m走では、両群とも減量後は、ややタイムが遅くなる傾向でしたが両群に有意差はなしです。

100m走という高強度の運動では、ケトン食の効果はないようです。

ウィンゲートテストでも、ケトン食群が、無酸素疲労が少なくて良かったです。

Wingate Testとは、自転車エルゴメーターを全力で30秒間こいで、そのときの最大パワーや平均パワーなどを評価するテストです。

無酸素運動能力を的確に評価できる方法として一般的に行われています。

両群とも、減量に伴い、Wingate Testで、最大パワーと平均パワーはやや低下傾向でしたが、両群に有意差はなしです。

TNF-αという炎症反応の指標に関しては、ケトン食群が良い影響を与えました。

テコンドーなどの格闘技で、体重別の競技には、減量が必須であり、他に柔道や空手やレスリングなどもあります。

これらの競技においては、ケトン食による減量が、有酸素的運動パフォーマンスと筋肉疲労、そして炎症の改善に有効である可能性が示されました。

ただ、ケトン食も非ケトン食も減量そのものにより、一定のパワーダウン傾向と100mのタイムが遅くなる傾向がみられました。


江部康二


☆☆☆
<テコンドー選手における、体組成、体力関連要素パフォーマンス、サイトカインへのケトン食による減量効果>

<要約>
この研究の目的はテコンドー選手における体力関連パフォーマンス、炎症性サイトカインへの3週間のケトン食による減量効果を調べることである。

この研究の対象者はサマーキャンプトレーニングプログラムに参加した20名の高校生テコンドー選手から選ばれた。

対象者はランダムに、ケトン食群10名と非ケトン食群10名に配属された。

体組成、体力関連要素パフォーマンス(2000m走、ウィンゲートテスト、握力、背筋力、腹筋運動、100m走、立ち幅跳び、片足起立)、サイトカイン(インターロイキン-6、インターフェロン-γ、TNF-α)が、3週間のダイエットのあと、分析された。

体重、体脂肪率、BMI、徐脂肪量はケトン食群と非ケトン食群で差はなかった。

しかしながら、ケトン食群では、減量後、2000m走でタイム短縮し、ウィンゲートテストで疲労が少なく、TNF-αの増加も少なかった。

この結果は、ケトン食が、テコンドー選手のような体重区分のある競技者に対して、有酸素限度容量、疲労抵抗限度容量の改善と炎症反応へのよい影響により、助けになることを示唆する。



The effect of weight loss by ketogenic diet on the body composition, performance-related physical fitness factors and cytokines of Taekwondo athletes
Hyun-seung Rhyu, Su-Youn Cho
J Exerc Rehabil. 2014;10(5): 326-331.

Abstract
The purpose of this study was to investigate the effects of the weight loss through 3 weeks of ketogenic diet on performance-related physical fitness and inflammatory cytokines in Taekwondo athletes. The subjects selected for this research were 20 Taekwondo athletes of the high schools who participated in a summer camp training program.
The subjects were randomly assigned to 2 groups, 10 subjects to each group: the ketogenic diet (KD) group and the non-ketogenic diet (NKD) group.
Body composition, performance-related physical fitness factors (2,000 m sprint, Wingate test, grip force, back muscle strength, sit-up, 100 m sprint, standing broad jump, single leg standing) and cytokines (Iinterleukin-6, Interferon-γ, tumor necrosis factor-α) were analyzed before and after 3weeks of ketogenic diet.
No difference between the KD and NKD groups in weight, %body fat, BMI and fat free mass.
However, the KD group, compared to the NKD group, finished 2,000 m sprint in less time after weight loss, and also felt less fatigue as measured by the Wingate test and showed less increase in tumor necrosis factor-α.
This result suggests that KD diet can be helpful for weight category athletes, such as Taekwondo athletes, by improving aerobic capacity and fatigue resistance capacity, and also by exerting positive effect on inflammatory response.


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
腎臓機能低下について
はじめまして。いつも楽しくブログを拝見しています。
先生の御本「主食をやめると健康になる ー 糖質制限食で体質が変わる!」を読みました。そして昨年6月からスーパー糖質制限をスタートし、半年の間にに6キロ減を果たしました。
出産後、なかなか落とせなかった体重も、156センチ 53.5キロとほぼ標準まで落とすことができました。

しかし、気になることがあります。
先月12月に行った健康診断の結果、クレアニチンが0.81とわずかですが正常範囲を上回ってしまい、eGFRが62.6でした。尿タンパク(-)、尿潜血反応(+-)です。腎機能障害(高クレアチン血症)要経過観察と出てしまいました。

念のため、保健師や近くの内科医かかりました。
医師が言うには「糖質制限で肉や大豆などのタンパクとりすぎが影響しているかもしれない。タンパク質は腎臓に負担をかけるからね。糖質制限はおすすめしない」といわれてしまいました。

私はこのまま糖質制限を続けていきたいと思っていますが、理由がわからないままこのまま腎臓機能が悪化してしまったらと不安でいます。
やはり医師に言われてしまうと不安になります。
そして好きなコーヒーも極力減らしたほうがいいですとも言われました。
(一日4杯程度、ブラックは苦手で豆乳と混ぜて飲んでいます。コーヒーは水分とっているようで、利尿作用で体から水分が出て行ってしまう)

やはり糖質制限のせいで腎臓に負担がかかるようなことはあるのでしょうか。
このまま糖質制限をやめてしまいたくないです。

今は毎日手作りの大豆パンやおから蒸しパンを食べ、手作りのチーズケーキ・ナッツ類をつまみ、肉や魚を好きなだけ食べ、野菜も糖質を少し気にする程度ですがたくさん食べています。このまま体重も好きなお肉も食べて維持していきたいです。

ぜひ先生のアドバイスをいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。
2015/01/28(Wed) 20:18 | URL | グリーン | 【編集
Re: 腎臓機能低下について
グリーン さん

拙著のご購入、ありがとうございます。

「日本腎臓病学会編 CKD診療ガイド2013」によれば
eGFRが60以上あれば、タンパク質制限の必要はありません。

従って糖質制限食を実践されて良いと思います。
コーヒー4杯程度も問題ないと思いますが、カフェインの総量には留意してください。

「糖質制限のせいで腎臓に負担がかかる」というエビデンスはありません。
2015/01/28(Wed) 22:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
お聞きしたいのですが
昨年はお世話になりました 糖質制限でだいぶいいと思われていたアレルギーがまた出始めました

花粉の時期になると鼻水目薬はまったくいらず私の場合気管に反応して一日に何回も咳がとまらなくなります

病院いくとなんにでも平気だからといつもセレスタミンをだされますがはっきりいってまったくきいてないのが現状です

仕事にも集中できずです お客様対応なのでどうしたらいいものか

入院中に喉が痛い?の時に処方してあおただいた漢方が私には以外と即効きいたのですが本日薬やさんで麦もんとう?というのを目にしてこれどうなんだろーと
漢方って甘かったりするじゃないですか?
そのへんは神経質に考えなくていいんでしょうか?

きつい咳き込みにきく漢方ってなにがいいのでしょうか?生姜湯とかってみんなお砂糖はいってるし
で 薬あまりつかいたくなくてうかがってみようと

わたしにとっては深刻なかつ本気でこのようなアレルギーもなおせたらなぁーと
毎日本当になやんでます
もし市販でも買えるようなものがあれば教えてください
よろしくおねがい致します
2015/01/29(Thu) 14:54 | URL | 東京 窪田です | 【編集
Re: お聞きしたいのですが
東京 窪田 さん

花粉によるアレルギー性咳嗽には、
吸入薬がいいです。
シムビコート吸入とかレルベア吸入とか、
東京トータルライフクリニックでも処方して貰えますよ。
吸入ステロイドと吸入気管支拡張剤の合剤です。

セレスタミンは内服のステロイドなので糖尿病が悪化するので、止めた方がいいです。
2015/01/29(Thu) 17:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
やっぱりですか
やっぱりそうなんですか
なにかで見て確か糖尿には?と記憶してありました
まだ病院いけてなくて土日休みなので
早退できる日がなく平日休みの職場にと天職する予定です

お忙しいなかありがとうございます。
2015/01/30(Fri) 00:46 | URL | 東京 窪田です | 【編集
Re: やっぱりですか
東京 窪田 さん

土曜日やっている、近くの内科でもOKです。

「アレルギー性咳嗽」あるいは「気管支喘息」
ということで
「シムビコート」や「レルベア」などの
<ステロイド吸入薬+長時間作用型気管支拡張剤>の合剤の
吸入薬が、世界中の標準治療です。
2015/01/30(Fri) 15:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可