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α-グルコシダーゼ阻害薬でやせるか?
おはようございます。

昨日、α-グルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスンなど)のお話を書きました。
α-グルコシダーゼの働きを阻害することで、小腸からの糖質の分解・吸収を遅延させて、食後高血糖を防ぐ効果があるのですね。グルコバイには、α-アミラーゼに対する阻害作用もあることも説明しました。

そうすると、「グルコバイを飲んだら、糖質の吸収がじゃまされて、ダイエット効果があるのではないか?」と考える人もでてきそうですが、どうなのでしょう? (∵)?

実は、グルコバイはもともと、やせ薬としての効果をみこんで開発されたお薬なのです。

で、早速結論ですが、メーカーによればやせ薬としてはうまくいかなかったそうです。それでも研究の結果、食後高血糖を防ぐ効果が確認されて、糖尿病の薬として販売されたという経緯があるのです。

それではなぜ痩せないのでしょう? (´_`?)

α-グルコシダーゼ阻害薬により、上部小腸での吸収が阻害された糖質は、下部小腸で一部吸収されます。さらに、一部は大腸に移行し、腸内細菌により発酵されて短鎖脂肪酸に分解された後、吸収されます。

従って、早く吸収されるかゆっくり吸収されるかの差はあるものの、トータルのエネルギー吸収量は一緒なので、痩せないのです。

また腸内の発酵が増加するため、ガスの産生も亢進して、腹部膨満や放屁の副作用がでやすいのです。

やせ薬というのはなかなか難しいものですよね。やはり薬に頼るよりは 糖質制限食ですっきりダイエットですね。 (^_^)


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
なるほどー
でも、ダイエット薬として、並行輸入で売っているサイトもありますよね。
痩せたい乙女心を利用するなんて、ひどいと思います(`へ´)
2008/01/31(Thu) 20:03 | URL | メタミ | 【編集
知人(23歳女子、17歳で糖尿病の診断)について相談いたします。

グリミクロン40mgを1日3回服薬。
当初は昼食前のみの服薬でしたが数値の改善が見られず、現在の1日3回となりましたが改善見られないままです。最近では病院での血液検査で空腹時血糖が200を超えることもあります。

薬を飲み忘れても低血糖を起こすことなく立ち仕事に従事しています。薬の効果があるのか疑問に感じています。薬が合わないなど、あるのでしょうか?
 
 寮生活をしており、食事を3食管理することは可能です。現在は夕食のみ糖質制限食を実施しています。芋類は本人も嫌いなようでほとんど口にしません。
 
 糖尿病の診断から5年が経過しておりこのままでは悪化の一途をたどるように思います。まず何から取り組んでいけば良いでしょうか。

 回答しにくい質問で申し訳ありません。



2008/02/01(Fri) 13:21 | URL | 恵理 | 【編集
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