2015年01月04日 (日)
【糖質制限食を実践される時のご注意】
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、
糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
本にも書いてありますが、 糖質制限食によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、自力で 糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲であるていど下がると、肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、ブドウ糖をつくるからです。
これを糖新生といいます。
血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、
糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、合わないとご自分で判断されたら中止していただけば幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetesによれば、食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わりますが、タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「食品交換表」の
男性1400~1800kcal
女性1200~1600kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
国立健康・栄養研究所の
「日本人の食事摂取基準」(2010年、厚生労働省)
への解説に示す推定エネルギー必要量の範囲、
すなわち18才以上の成人で身体活動レベルが普通なら
男性:2200~2650キロカロリー
女性:1700~1950キロカロリー
身体活動レベルが低い人は
男性:1850~2250キロカロリー
女性:1450~1700キロカロリー
くらいが目安です。
なお、米国糖尿病学会は、2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記しました。
これはそのまま、日本糖尿病学会への痛烈な批判となっています。
そして、地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書) 2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2013年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」 2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
DVD「糖質制限食を語る」http://www.yaserutabekata.com/shop/dvd.php 2011年
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、コメント欄にお答えするか、一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、よろしくお願い申し上げます。
江部康二
江部先生
初めまして。突然の書き込みで大変失礼いたします。わたくしは茨城県在住の50歳代の男性です。10年以上前から夏井先生のウェブサイトを拝見し、自らの体で検証・納得しながら湿潤治療からシャンプーレス、歯磨き粉レス、ワセリン使用などを細々と行い、さらに3年前から糖質制限を行い、現在まで基本的にパン・麺・米をたべず、まあなんちゃってスーパー糖質制限を行っているものです。お陰様で日々の生活を大変順調かつ楽しく送らせて頂いております。
さて、じつは自分の趣味の範囲に限って読み書きできるように制限したフェイスブックの書き込みに以下のような歯科医の先生の書き込み見られました。他者が「いいね」をしたためですが、突っ込みどころ満載のようにおもいました。先生はどうおかんがえになりますか?
************************
久野 淳
『食物繊維の摂取の重要性』
身体の免疫細胞の約7割が存在するといわれる腸内環境を整える上で、食物繊維は絶対に欠かせないものです。食物繊維とは、栄養学的には炭水化物に含まれ、炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質です。
食物繊維は、以前は「吸収されない」「必要な栄養素まで出してしまう」などの理由から、食べ物のカスだと考えられ、栄養素として認識されていませんでした。
現在では、タンパク質、脂質、糖質の「三大栄養素」、それにビタミン、ミネラルを加えた「五大栄養素」、その次の「第六の栄養素」として食物繊維が位置づけられるようになりました。
食物繊維は、腸内では消化・吸収されることなく体外へ排出されます。まさに便通を改善してくれる重要な栄養素といえます。
最新の日本人の食事摂取基準(2015年版:厚労省データ)では、食物繊維の目標量は、18歳以上70歳未満では1日あたり男性20g以上、女性18g以上とされていて、男女とも2010年版の食事摂取基準よりも目標量が1日あたり1g引き上げられています。
また、2010年版までのデータでは18歳未満の目標量が設定されていなかったのですが、2015年版ではあらたに6〜17歳までの目標量が設定されました(6歳未満は未設定)。
これは近年小児において頻度の高い健康障害には「便秘」があり、小児期の食習慣はその後の食習慣に影響する可能性があるばかりでなく、小児期の食習慣が成人後の循環器疾患の発症などに影響を与えている可能性も示唆されていることから目標量を定めたものと考えられます。
このようにわずか5年間においても食物繊維を摂取する重要性が高まっているのです。
しかしながら平成24年の国民健康・栄養調査の「日本人の年代別食物繊維摂取量」の結果では、乳幼児を除き20歳〜29歳代の摂取量が最も少なく、他のすべての年代においても目標量を下回っているのが現状です(平均14.2g)。
食物繊維には大きく分けて、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があります。
★「水溶性食物繊維」について
水溶性食物繊維には、サラサラ系とネバネバ系があり、昆布、ワカメなどの海草類、こんにゃく、果物、里芋などに含まれています。(ただし、こんにゃくの原料は水に溶けますが、食べるこんにゃくになると水に溶けません。)
代表的なものとしては、リンゴ、ミカンなどの果実、芋類やキャベツや大根などの野菜類に含まれる「ペクチン」、昆布やワカメなどの海草類に含まれる「アルギン酸」や「カラギーナン」、こんにゃくなどに含まれる「グルコマンナン(コンニャクマンナン)」などがあります。
水溶性食物繊維の特性は、その粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹が空きにくく、食べ過ぎを防ぎます。特に糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇および反応性の低血糖を抑えてくれます。そのため、「食物繊維は食前に摂るのがベスト」なのです。また吸着性があるため、胆汁(酸)やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。胆汁(酸)は、食材に含まれているビタミンA、D、E、KやコエンザイムQ10などの脂溶性の成分を吸収するために必要であるだけでなく、体内に溜まったコレステロールや毒素、ある種の薬剤などを排出する役割を持っています。水溶性食物繊維は、この胆汁(酸)を引き連れて便から排出させるという役割も担っているのです。
またその優れた発酵性から、大腸内の善玉菌によって発酵・分解されることで、腸内細菌(善玉菌)の栄養分(エサ)になります。また水溶性食物繊維が分解されると、酪酸や乳酸などの有機酸ができます。これらの酸によって大腸内の酸性度が高まり、酸に弱い悪玉菌の増殖が抑えられ、ビフィズス菌などの善玉菌が増えて腸内環境が良くなるなど、整腸効果(腸内細菌のバランスを整える)が期待できます。
● 水溶性食物繊維を多く含む食品(100g当たりの含有量)は、
「水分が40%以上のもの」では…
・ エシャロット(9.1g)
・ にんにく(3.7g)
・ 柚子(果皮)(3.3g)
・ ゆりね(3.2g)
・ ごぼう(2.7g)
・ 納豆(2.3g)
・ 豆みそ(2.2g)
・ レモン(全果)(2.0g)
・ アボカド(1.7g)
・ オクラ(1.6g)
「水分が40%未満のもの」では…
・ かんぴょう(乾燥)(6.8g)
・ 抹茶(6.6g)
・ カレー粉(6.5g)
・ 大麦(押麦)(6.0g)
・ ピュアココア(5.6g)
・ とうがらし(5.4g)
・ 豆きんとん(4.3g)
・ 切干し大根(乾燥)(3.6g)
★「不溶性食物繊維」について
不溶性食物繊維は、成熟した野菜などに含まれる糸状に長い筋で、ボツボツ、ザラザラしているのが特徴で、穀類、野菜、豆類の他、エビやカニの表皮(キチン・キトサン)にも含まれています。
代表的なものとしては、植物の細胞壁を構成している主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどがあります。「セルロース」は大豆、ごぼう、小麦ふすま、穀類など、「ヘミセルロース」は小麦ふすま、大豆、穀類、野菜類など、「リグニン」は小麦ふすま、穀類、完熟野菜類などに含まれています。
不溶性食物繊維の特徴は、保水性が高く、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促進します。その性状からよく噛んで食べなければいけないので、食べ過ぎを防ぎ、成長期においては顎の発育を促し、歯並びを良くするなどの効果も期待できます。
また、水溶性食物繊維に比べると発酵性は少ないものの、不溶性食物繊維においても大腸内で発酵・分解されることにより、善玉菌が増えて腸内環境が良くなります。
● 不溶性食物繊維を多く含む食品(100g当たりの含有量)は、
「水分が40%以上のもの」では…
・ いんげん豆(ゆで)(11.8g)
・ ひよこ豆(ゆで)(11.1g)
・ おから(11.1g)
・ あずき(ゆで)(11.0g)
・ しその実(8.1g)
・ 栗(7.5g)
・ えんどう豆(7.2g)
・ よもぎ(6.9g)
・ しそ(6.5g)
・ 納豆(4.4g)
「水分が40%未満のもの」では…
・ きくらげ(乾燥)(57.4g)
・ 煎茶の茶葉(43.5g)
・ とうがらし(41.0g)
・ 干ししいたけ(乾燥)(38.0g)
・ 抹茶(粉)(31.9g)
・ カレー粉(30.4g)
・ かんぴょう(乾燥)(23.3g)
・ ひよこ豆フライ(19.9g)
この数値を見ると、海草類や豆類、穀類に多く含まれていますが、他にも野菜全般、果物にも比較的多く含まれていることが分かります。
ここには記載はありませんが、ひじき(乾燥)や青海苔(乾燥)などにも食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性、不溶性の摂取における理想的な比率については諸説がありますが、不溶性の食物繊維の摂取量が多過ぎると、水分を含まないという特徴を持っているために、便のかさは増しますが、便が硬くなりかえって便秘につながってしまう恐れがあります。
そのため、不溶性:水溶性=2:1もしくは3:1が理想的とされています。
以前の投稿で述べたビタミンCと同様、動物性食品には食物繊維がほとんど含まれていません。ストイックに糖質を制限して、毎日高タンパクな食事をしている皆さん!「ビタミンやミネラル」そして「食物繊維」足りてますか??この辺をしっかり理解せず、人のマネをして偏った「スーパー糖質制限食」や「極端なMEC食」などを実践していると、腸内環境が大変なことになりますよ!
※ 画像は、おから、乾燥きくらげ、干しシイタケ、枝豆(塩茹で) 、こんにゃくなど食物繊維が豊富な食材を用いて自作した『ファイバーたっぷり彩りおから煮』です。
************************
ご意見を伺えれば幸甚に存じます。
もんちゃん
初めまして。突然の書き込みで大変失礼いたします。わたくしは茨城県在住の50歳代の男性です。10年以上前から夏井先生のウェブサイトを拝見し、自らの体で検証・納得しながら湿潤治療からシャンプーレス、歯磨き粉レス、ワセリン使用などを細々と行い、さらに3年前から糖質制限を行い、現在まで基本的にパン・麺・米をたべず、まあなんちゃってスーパー糖質制限を行っているものです。お陰様で日々の生活を大変順調かつ楽しく送らせて頂いております。
さて、じつは自分の趣味の範囲に限って読み書きできるように制限したフェイスブックの書き込みに以下のような歯科医の先生の書き込み見られました。他者が「いいね」をしたためですが、突っ込みどころ満載のようにおもいました。先生はどうおかんがえになりますか?
************************
久野 淳
『食物繊維の摂取の重要性』
身体の免疫細胞の約7割が存在するといわれる腸内環境を整える上で、食物繊維は絶対に欠かせないものです。食物繊維とは、栄養学的には炭水化物に含まれ、炭水化物から食物繊維を除いたものが糖質です。
食物繊維は、以前は「吸収されない」「必要な栄養素まで出してしまう」などの理由から、食べ物のカスだと考えられ、栄養素として認識されていませんでした。
現在では、タンパク質、脂質、糖質の「三大栄養素」、それにビタミン、ミネラルを加えた「五大栄養素」、その次の「第六の栄養素」として食物繊維が位置づけられるようになりました。
食物繊維は、腸内では消化・吸収されることなく体外へ排出されます。まさに便通を改善してくれる重要な栄養素といえます。
最新の日本人の食事摂取基準(2015年版:厚労省データ)では、食物繊維の目標量は、18歳以上70歳未満では1日あたり男性20g以上、女性18g以上とされていて、男女とも2010年版の食事摂取基準よりも目標量が1日あたり1g引き上げられています。
また、2010年版までのデータでは18歳未満の目標量が設定されていなかったのですが、2015年版ではあらたに6〜17歳までの目標量が設定されました(6歳未満は未設定)。
これは近年小児において頻度の高い健康障害には「便秘」があり、小児期の食習慣はその後の食習慣に影響する可能性があるばかりでなく、小児期の食習慣が成人後の循環器疾患の発症などに影響を与えている可能性も示唆されていることから目標量を定めたものと考えられます。
このようにわずか5年間においても食物繊維を摂取する重要性が高まっているのです。
しかしながら平成24年の国民健康・栄養調査の「日本人の年代別食物繊維摂取量」の結果では、乳幼児を除き20歳〜29歳代の摂取量が最も少なく、他のすべての年代においても目標量を下回っているのが現状です(平均14.2g)。
食物繊維には大きく分けて、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があります。
★「水溶性食物繊維」について
水溶性食物繊維には、サラサラ系とネバネバ系があり、昆布、ワカメなどの海草類、こんにゃく、果物、里芋などに含まれています。(ただし、こんにゃくの原料は水に溶けますが、食べるこんにゃくになると水に溶けません。)
代表的なものとしては、リンゴ、ミカンなどの果実、芋類やキャベツや大根などの野菜類に含まれる「ペクチン」、昆布やワカメなどの海草類に含まれる「アルギン酸」や「カラギーナン」、こんにゃくなどに含まれる「グルコマンナン(コンニャクマンナン)」などがあります。
水溶性食物繊維の特性は、その粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹が空きにくく、食べ過ぎを防ぎます。特に糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇および反応性の低血糖を抑えてくれます。そのため、「食物繊維は食前に摂るのがベスト」なのです。また吸着性があるため、胆汁(酸)やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。胆汁(酸)は、食材に含まれているビタミンA、D、E、KやコエンザイムQ10などの脂溶性の成分を吸収するために必要であるだけでなく、体内に溜まったコレステロールや毒素、ある種の薬剤などを排出する役割を持っています。水溶性食物繊維は、この胆汁(酸)を引き連れて便から排出させるという役割も担っているのです。
またその優れた発酵性から、大腸内の善玉菌によって発酵・分解されることで、腸内細菌(善玉菌)の栄養分(エサ)になります。また水溶性食物繊維が分解されると、酪酸や乳酸などの有機酸ができます。これらの酸によって大腸内の酸性度が高まり、酸に弱い悪玉菌の増殖が抑えられ、ビフィズス菌などの善玉菌が増えて腸内環境が良くなるなど、整腸効果(腸内細菌のバランスを整える)が期待できます。
● 水溶性食物繊維を多く含む食品(100g当たりの含有量)は、
「水分が40%以上のもの」では…
・ エシャロット(9.1g)
・ にんにく(3.7g)
・ 柚子(果皮)(3.3g)
・ ゆりね(3.2g)
・ ごぼう(2.7g)
・ 納豆(2.3g)
・ 豆みそ(2.2g)
・ レモン(全果)(2.0g)
・ アボカド(1.7g)
・ オクラ(1.6g)
「水分が40%未満のもの」では…
・ かんぴょう(乾燥)(6.8g)
・ 抹茶(6.6g)
・ カレー粉(6.5g)
・ 大麦(押麦)(6.0g)
・ ピュアココア(5.6g)
・ とうがらし(5.4g)
・ 豆きんとん(4.3g)
・ 切干し大根(乾燥)(3.6g)
★「不溶性食物繊維」について
不溶性食物繊維は、成熟した野菜などに含まれる糸状に長い筋で、ボツボツ、ザラザラしているのが特徴で、穀類、野菜、豆類の他、エビやカニの表皮(キチン・キトサン)にも含まれています。
代表的なものとしては、植物の細胞壁を構成している主成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどがあります。「セルロース」は大豆、ごぼう、小麦ふすま、穀類など、「ヘミセルロース」は小麦ふすま、大豆、穀類、野菜類など、「リグニン」は小麦ふすま、穀類、完熟野菜類などに含まれています。
不溶性食物繊維の特徴は、保水性が高く、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促進します。その性状からよく噛んで食べなければいけないので、食べ過ぎを防ぎ、成長期においては顎の発育を促し、歯並びを良くするなどの効果も期待できます。
また、水溶性食物繊維に比べると発酵性は少ないものの、不溶性食物繊維においても大腸内で発酵・分解されることにより、善玉菌が増えて腸内環境が良くなります。
● 不溶性食物繊維を多く含む食品(100g当たりの含有量)は、
「水分が40%以上のもの」では…
・ いんげん豆(ゆで)(11.8g)
・ ひよこ豆(ゆで)(11.1g)
・ おから(11.1g)
・ あずき(ゆで)(11.0g)
・ しその実(8.1g)
・ 栗(7.5g)
・ えんどう豆(7.2g)
・ よもぎ(6.9g)
・ しそ(6.5g)
・ 納豆(4.4g)
「水分が40%未満のもの」では…
・ きくらげ(乾燥)(57.4g)
・ 煎茶の茶葉(43.5g)
・ とうがらし(41.0g)
・ 干ししいたけ(乾燥)(38.0g)
・ 抹茶(粉)(31.9g)
・ カレー粉(30.4g)
・ かんぴょう(乾燥)(23.3g)
・ ひよこ豆フライ(19.9g)
この数値を見ると、海草類や豆類、穀類に多く含まれていますが、他にも野菜全般、果物にも比較的多く含まれていることが分かります。
ここには記載はありませんが、ひじき(乾燥)や青海苔(乾燥)などにも食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性、不溶性の摂取における理想的な比率については諸説がありますが、不溶性の食物繊維の摂取量が多過ぎると、水分を含まないという特徴を持っているために、便のかさは増しますが、便が硬くなりかえって便秘につながってしまう恐れがあります。
そのため、不溶性:水溶性=2:1もしくは3:1が理想的とされています。
以前の投稿で述べたビタミンCと同様、動物性食品には食物繊維がほとんど含まれていません。ストイックに糖質を制限して、毎日高タンパクな食事をしている皆さん!「ビタミンやミネラル」そして「食物繊維」足りてますか??この辺をしっかり理解せず、人のマネをして偏った「スーパー糖質制限食」や「極端なMEC食」などを実践していると、腸内環境が大変なことになりますよ!
※ 画像は、おから、乾燥きくらげ、干しシイタケ、枝豆(塩茹で) 、こんにゃくなど食物繊維が豊富な食材を用いて自作した『ファイバーたっぷり彩りおから煮』です。
************************
ご意見を伺えれば幸甚に存じます。
もんちゃん
もんちゃん
久野 淳 先生の解説ですが、
水溶性、不溶性食物繊維に関しては、一般的な説として、こんなものと思います。
「スーパー糖質制限食」と「極端なMEC食」を一緒にくくっておられますが、
両者は異なっており、誤解ですね。
スーパー糖質制限食の場合は、ビタミンC摂取を考慮して、
葉野菜やピーマン、ゴーヤ、海藻、茸を積極的に摂取しますので
そもそも糖質ゼロではありません。
当然、ビタミンCなどビタミンも食物繊維も、ミネラル・微量元素も充分量摂取することとなります。
久野 淳 先生の解説ですが、
水溶性、不溶性食物繊維に関しては、一般的な説として、こんなものと思います。
「スーパー糖質制限食」と「極端なMEC食」を一緒にくくっておられますが、
両者は異なっており、誤解ですね。
スーパー糖質制限食の場合は、ビタミンC摂取を考慮して、
葉野菜やピーマン、ゴーヤ、海藻、茸を積極的に摂取しますので
そもそも糖質ゼロではありません。
当然、ビタミンCなどビタミンも食物繊維も、ミネラル・微量元素も充分量摂取することとなります。
2015/01/09(Fri) 16:56 | URL | ドクター江部 | 【編集】
| ホーム |