2008年01月25日 (金)
こんばんは。
道に雪は積もりませんでしたが、早朝からある会議に出かけようとしたら、車のフロントガラスに雪が積もって凍ってました。
電気ポットのお湯をかけて溶かそうと思ったら、100ccくらいでたまたま切れてしまいました。(=_=)
仕方ないので水をかけて溶かしたら、また凍ってしまって、見えにくいのを怖々、ソロソロ運転して高雄病院にたどり着きました。
5分間の遅刻でした。<(_ _)>
気温の方は、氷点下まではいきませんでしたが0度でした。
さて、
ADA(米国糖尿病協会)の栄養勧告がDiabetes Care 31:S61-S78, 2008に掲載されました。その中に、炭水化物に関する栄養勧告がありましたので、要約して説明します。
【糖尿病管理における炭水化物】
<勧告>
フルーツ、野菜、無精白穀物、豆類、低脂肪ミルクからの炭水化物を含む食習慣は健康を推進する(B)。
炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である(A)。
グリセミックインデックス(Glycemic Index)やグリセミックロード(Glycemic load)を用いることは、炭水化物の総量だけを考慮するよりは少しは役に立つと思われる(B)。
蔗糖を含む食事は他の炭水化物に置き換えることができるし、インスリンや他の血糖降下剤でカバーするなら、食事計画にそれを追加することもできる。過剰のエネルギー摂取を避けるよう気をつけるべきである。(A)。
一般的に糖尿病の人々はいろいろな繊維を含む食品を摂ることが奨励されている。しかしながら、糖尿病の人々が一般の人々より高繊維の摂取を推奨されるという根拠は明らかでない(B)。
糖アルコールと栄養のない甘味料はFDAの定めた1日摂取量以内の消費なら安全である(A)。
***上記のABCDは推奨のていどを示しています。
グレードA:行うよう強く勧める。
グレードB:行うよう勧める。
グレードC:行うように勧めるだけの根拠が明確でない。
グレードD:行わないように勧める。
上記勧告のなかで、ADAがカーボカウンティング(糖質管理)を血糖コントロールを達成するための重要な手段として、強く推奨していることは注目に値します。
こうした中で日本糖尿病学会のガイドラインではADA推奨のカーボカウンティングに関してさえも無視しているのは如何なものでしょう?。
一方、130g/日以下の低糖質食(Low carb diet)に関しては、明確に糖尿病患者を対象とした研究がないとしています。
その中で、1年間の観察研究を行った2つの論文(主として体重減少を観察)の結果を引用して、低糖質食に関しては長期的な効果に対する評価と安全性についてさらなる検証が必要である、としています。
去年ADAのガイドラインが低糖質食に関して、2008年1月バージョンで高評価にシフトするという説が流れたのですが、残念ながら2007年度バージョンと変化なしでした。
カーボカウンティング(糖質管理)がグレードAの推奨ですから、さらに踏み込んで糖質制限まで行って欲しかったのですが、ADAもまだまだ保守的ですね。バーンスタイン先生がADAを批判するのもさもありなん。
残念!! (ノ-.-)ノ
江部康二
道に雪は積もりませんでしたが、早朝からある会議に出かけようとしたら、車のフロントガラスに雪が積もって凍ってました。
電気ポットのお湯をかけて溶かそうと思ったら、100ccくらいでたまたま切れてしまいました。(=_=)
仕方ないので水をかけて溶かしたら、また凍ってしまって、見えにくいのを怖々、ソロソロ運転して高雄病院にたどり着きました。
5分間の遅刻でした。<(_ _)>
気温の方は、氷点下まではいきませんでしたが0度でした。
さて、
ADA(米国糖尿病協会)の栄養勧告がDiabetes Care 31:S61-S78, 2008に掲載されました。その中に、炭水化物に関する栄養勧告がありましたので、要約して説明します。
【糖尿病管理における炭水化物】
<勧告>
フルーツ、野菜、無精白穀物、豆類、低脂肪ミルクからの炭水化物を含む食習慣は健康を推進する(B)。
炭水化物をモニタリングすることは、炭水化物計算にしろ、炭水化物交換にしろ、経験に基づく評価にしろ、血糖コントロールを達成するための鍵となる戦略である(A)。
グリセミックインデックス(Glycemic Index)やグリセミックロード(Glycemic load)を用いることは、炭水化物の総量だけを考慮するよりは少しは役に立つと思われる(B)。
蔗糖を含む食事は他の炭水化物に置き換えることができるし、インスリンや他の血糖降下剤でカバーするなら、食事計画にそれを追加することもできる。過剰のエネルギー摂取を避けるよう気をつけるべきである。(A)。
一般的に糖尿病の人々はいろいろな繊維を含む食品を摂ることが奨励されている。しかしながら、糖尿病の人々が一般の人々より高繊維の摂取を推奨されるという根拠は明らかでない(B)。
糖アルコールと栄養のない甘味料はFDAの定めた1日摂取量以内の消費なら安全である(A)。
***上記のABCDは推奨のていどを示しています。
グレードA:行うよう強く勧める。
グレードB:行うよう勧める。
グレードC:行うように勧めるだけの根拠が明確でない。
グレードD:行わないように勧める。
上記勧告のなかで、ADAがカーボカウンティング(糖質管理)を血糖コントロールを達成するための重要な手段として、強く推奨していることは注目に値します。
こうした中で日本糖尿病学会のガイドラインではADA推奨のカーボカウンティングに関してさえも無視しているのは如何なものでしょう?。
一方、130g/日以下の低糖質食(Low carb diet)に関しては、明確に糖尿病患者を対象とした研究がないとしています。
その中で、1年間の観察研究を行った2つの論文(主として体重減少を観察)の結果を引用して、低糖質食に関しては長期的な効果に対する評価と安全性についてさらなる検証が必要である、としています。
去年ADAのガイドラインが低糖質食に関して、2008年1月バージョンで高評価にシフトするという説が流れたのですが、残念ながら2007年度バージョンと変化なしでした。
カーボカウンティング(糖質管理)がグレードAの推奨ですから、さらに踏み込んで糖質制限まで行って欲しかったのですが、ADAもまだまだ保守的ですね。バーンスタイン先生がADAを批判するのもさもありなん。
残念!! (ノ-.-)ノ
江部康二
2011/02/11(Fri) 10:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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