2014年11月20日 (木)
【14/11/20 米国在住
江部先生こんにちは
丁寧に解説いただき光栄です。
ありがとうございます。
私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。
私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。
患者の認識としても、ダイエット法としてのAtkins、Macrobioticなどとよい意味で混同されていて 白いパンや砂糖はダメ、WHOLE FOODS(全粒粉や玄米)はセーフ、野菜類は更に良しという感じで、 厳密でないものの、比較的簡単に実践できる環境にあります。
薬についてですが、保険の種類や保険非加入など経済的条件により様々です。
国柄食べ過ぎ肥満が多く、まず痩せることに集中します、医療費に制限のない高い保険の人にはたんまり薬がでる反面、保険の無い人には絶食してでも痩せろという過激な先生もいるようです。
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。
薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?
投薬なしの割合、糖質制限の認知度ともに地域差はかなりあると思います。
New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。
肥満率が低く投薬なしの人が多いです。
上記のようにDietとDiabetesが言葉から似ていて、血糖を下げること=痩せること=糖質を減らす のような概念が広く浸透しています。
それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。
余談ですが、アメリカでもアジア系の糖尿率は高いそうで、一番はインドなど西アジア系だそうです。
やはり食事の影響は大きいんですかね。】
米国在住さんから、米国の糖尿病事情について、コメントいただきました。
米国在住さん、早速にわかりやすい情報提供をありがとうございます。
とても参考になります。
『私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。』
なるほど、米国でもここ4年くらい糖質制限が広がり、現在では少なくとも都市部では指導が受けられる状況なのですね。
日本も、もう一頑張り、二頑張りくらいで都市部なら糖質制限OK医療機関が出揃いそうです。
『私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。』
そうですね。
米国の医師は医学部教育において、「摂取後血糖に変わるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は変わらない」という生理学的事実を学ぶので、糖質制限の意義は共通認識していると思います。
ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインでも2013年10月からは、糖質制限食を正式に受容しました。
これにより一般のクリニックにおいても流れは良い方向に向かっていくと思います。
『体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。 薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?』
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 、投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いというのは素晴らしいですね。
日本でも、糖質セイゲニストなら、藥なしで血糖コントロール良好は当たり前なのですが、まだまだ少数派です。
投薬を続ける場合は、糖質制限を薦めなくなるというのは、米国医師の実践的な判断と思います。
アマリール、グリミクロン、オイグルコンなどのSU剤はインスリン分泌促進剤で膵臓のβ細胞に長時間作用します。
糖質制限食を実践するとリアルタイムに食後高血糖が改善するので、SU剤をそのまま内服していると低血糖の恐れがあるのです。
まあ、きっちり糖質制限食ができれば、SU剤など要らないのですが、それができない患者さんもいるので仕方ないのでしょう。
メトグルコやDPP-4阻害剤やαGI薬などは、低血糖の恐れがほとんどないので、内服しながら糖質制限食を実践してもOKと思います。
『New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。 肥満率が低く投薬なしの人が多いです。』
富裕層やインテリ層など糖尿病のことをよく勉強している糖尿人は、自分で選んで糖質制限食実践で自己管理なのだと思います。
糖質制限食実践者なら、肥満率も低く血糖コントロールも良好で、投薬もなしなのでしょう。
『それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。』
南部諸州は黒人の住民が多く、貧困層も多いです。
貧困層が摂取可能な、安価な食品は、圧倒的に炭水化物です。
肉や魚は高価なので、貧困層には高値の花なのです。
南部を中心とした15州の644郡にまたがる一帯は「糖尿病ベルト地帯」と呼ばれています。
南部諸州は、黒人を主に貧困層が多く、全米平均に比べると、糖尿病や肥満の罹患率が高いのです。
まさに「炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません」状態なのです。
江部康二
江部先生こんにちは
丁寧に解説いただき光栄です。
ありがとうございます。
私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。
私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。
患者の認識としても、ダイエット法としてのAtkins、Macrobioticなどとよい意味で混同されていて 白いパンや砂糖はダメ、WHOLE FOODS(全粒粉や玄米)はセーフ、野菜類は更に良しという感じで、 厳密でないものの、比較的簡単に実践できる環境にあります。
薬についてですが、保険の種類や保険非加入など経済的条件により様々です。
国柄食べ過ぎ肥満が多く、まず痩せることに集中します、医療費に制限のない高い保険の人にはたんまり薬がでる反面、保険の無い人には絶食してでも痩せろという過激な先生もいるようです。
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。
薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?
投薬なしの割合、糖質制限の認知度ともに地域差はかなりあると思います。
New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。
肥満率が低く投薬なしの人が多いです。
上記のようにDietとDiabetesが言葉から似ていて、血糖を下げること=痩せること=糖質を減らす のような概念が広く浸透しています。
それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。
余談ですが、アメリカでもアジア系の糖尿率は高いそうで、一番はインドなど西アジア系だそうです。
やはり食事の影響は大きいんですかね。】
米国在住さんから、米国の糖尿病事情について、コメントいただきました。
米国在住さん、早速にわかりやすい情報提供をありがとうございます。
とても参考になります。
『私は糖尿発覚した4年前、LOW-CARBO推奨のクリニックは ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク市の一部だけでしたが、 現在はほとんどの大都市では糖質制限の指導が受けられると思います。』
なるほど、米国でもここ4年くらい糖質制限が広がり、現在では少なくとも都市部では指導が受けられる状況なのですね。
日本も、もう一頑張り、二頑張りくらいで都市部なら糖質制限OK医療機関が出揃いそうです。
『私のドクター曰く、医師ほぼ全員が糖質を減らすとA1c値が改善すると認識していても ADAガイドラインに忠実なクリニックでは積極的に推進しないんだそう。
アメリカは患者の希望で治療が選べるので 自分から申し出れば糖質制限の選択はできるようです。』
そうですね。
米国の医師は医学部教育において、「摂取後血糖に変わるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は変わらない」という生理学的事実を学ぶので、糖質制限の意義は共通認識していると思います。
ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインでも2013年10月からは、糖質制限食を正式に受容しました。
これにより一般のクリニックにおいても流れは良い方向に向かっていくと思います。
『体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いです。
食事をコントロールしても数値が安定しない人、食欲を抑えるのが難しい人などは投薬が続くことになり、 その際には低血糖を心配してか糖質制限を薦めなくなります。 薬を飲みながら糖質を控えるくらいで低血糖になるものなのでしょうか?』
体重と食事をコントロール出来るようになった患者には 、投薬なし&糖質制限でずっと観察のみの人は非常に多いというのは素晴らしいですね。
日本でも、糖質セイゲニストなら、藥なしで血糖コントロール良好は当たり前なのですが、まだまだ少数派です。
投薬を続ける場合は、糖質制限を薦めなくなるというのは、米国医師の実践的な判断と思います。
アマリール、グリミクロン、オイグルコンなどのSU剤はインスリン分泌促進剤で膵臓のβ細胞に長時間作用します。
糖質制限食を実践するとリアルタイムに食後高血糖が改善するので、SU剤をそのまま内服していると低血糖の恐れがあるのです。
まあ、きっちり糖質制限食ができれば、SU剤など要らないのですが、それができない患者さんもいるので仕方ないのでしょう。
メトグルコやDPP-4阻害剤やαGI薬などは、低血糖の恐れがほとんどないので、内服しながら糖質制限食を実践してもOKと思います。
『New York、Bostonなどの北東部、西海岸でもLA、San Francisco、Seattleなど都市部では糖尿持ちの過半数は何らかの形でLow Carboを実践していると思います。 肥満率が低く投薬なしの人が多いです。』
富裕層やインテリ層など糖尿病のことをよく勉強している糖尿人は、自分で選んで糖質制限食実践で自己管理なのだと思います。
糖質制限食実践者なら、肥満率も低く血糖コントロールも良好で、投薬もなしなのでしょう。
『それ以外の南東部、中西部などは肥満率も高く経口薬インスリンとも投与率は高いです。
食事が肉とパン、パスタ、ポテト中心にサラダ少量と、大量の炭水化物を含み糖質制限しようにも食べる物がなくなってしまいそうです。』
南部諸州は黒人の住民が多く、貧困層も多いです。
貧困層が摂取可能な、安価な食品は、圧倒的に炭水化物です。
肉や魚は高価なので、貧困層には高値の花なのです。
南部を中心とした15州の644郡にまたがる一帯は「糖尿病ベルト地帯」と呼ばれています。
南部諸州は、黒人を主に貧困層が多く、全米平均に比べると、糖尿病や肥満の罹患率が高いのです。
まさに「炭水化物の食べすぎで早死にしてはいけません」状態なのです。
江部康二
去年の11月位に江部さんのことをお友達から教えられました。
私は37歳で22歳位に2型糖尿病と判りました。
17歳で統合失調症に罹り、10数回入退院を繰り返してます。
全部江部先生のブログを全部目を通していないところ恐縮ですが質問よろしいでしょうか?
去年の1月から統合失調症の薬をちゃんと飲むようになりましたが、睡眠薬を服用して効いてくると必ずと言っていいほど食欲が出てきて、糖尿に悪いと分かっていても歯止めがかからずコンビニへ行って食べてしまいます。
今年の1,2,3月は糖質制限をしっかりし寝る前も炭水化物の少ないものを選んで食べていたらA1Cが今までで11.0や9.0辺りだったのが6.8までに下がりました。
先生の糖質制限のよさは実体験しましたが、気の緩みかここ3か月元に戻りました。
朝昼夕は頑張れば抑えられるのですが、眠剤を飲んでからの食欲が湧いてどうしようもないです。
かかりつけの精神科医の先生は、関係性は無い、と言われます。
糖尿の薬は、1日1回インスリン注射(トレシーバ)を5単位。
エクア50㎎、メトグルコ250㎎、セイブル50㎎、グルファスト10㎎を朝昼夕と1錠ずつ飲んでます。
統合失調症はエビリファイOD錠12㎎、デパケンR200㎎、アーテン2㎎、を朝夕
眠剤はサイレース2㎎1錠、ベンザリン55㎎2錠、コントミン25㎎2錠、ヒベルナ25㎎1錠飲んでます。
睡眠薬(安定剤)と食欲の関係性はあるのでしょうか?
言葉足らずで失礼な質問かもしれませんが江部先生のお考えアドバイス頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。
私は37歳で22歳位に2型糖尿病と判りました。
17歳で統合失調症に罹り、10数回入退院を繰り返してます。
全部江部先生のブログを全部目を通していないところ恐縮ですが質問よろしいでしょうか?
去年の1月から統合失調症の薬をちゃんと飲むようになりましたが、睡眠薬を服用して効いてくると必ずと言っていいほど食欲が出てきて、糖尿に悪いと分かっていても歯止めがかからずコンビニへ行って食べてしまいます。
今年の1,2,3月は糖質制限をしっかりし寝る前も炭水化物の少ないものを選んで食べていたらA1Cが今までで11.0や9.0辺りだったのが6.8までに下がりました。
先生の糖質制限のよさは実体験しましたが、気の緩みかここ3か月元に戻りました。
朝昼夕は頑張れば抑えられるのですが、眠剤を飲んでからの食欲が湧いてどうしようもないです。
かかりつけの精神科医の先生は、関係性は無い、と言われます。
糖尿の薬は、1日1回インスリン注射(トレシーバ)を5単位。
エクア50㎎、メトグルコ250㎎、セイブル50㎎、グルファスト10㎎を朝昼夕と1錠ずつ飲んでます。
統合失調症はエビリファイOD錠12㎎、デパケンR200㎎、アーテン2㎎、を朝夕
眠剤はサイレース2㎎1錠、ベンザリン55㎎2錠、コントミン25㎎2錠、ヒベルナ25㎎1錠飲んでます。
睡眠薬(安定剤)と食欲の関係性はあるのでしょうか?
言葉足らずで失礼な質問かもしれませんが江部先生のお考えアドバイス頂ければ幸いです。
宜しくお願い致します。
hirobubu さん
睡眠薬(安定剤)と食欲の関係性はあるという説もないという説もあるようです。
ともあれ、つらくない範囲で「糖質制限」を実践すれば
体重減少効果は確実にあります。
睡眠薬(安定剤)と食欲の関係性はあるという説もないという説もあるようです。
ともあれ、つらくない範囲で「糖質制限」を実践すれば
体重減少効果は確実にあります。
2015/09/06(Sun) 17:43 | URL | ドクター江部 | 【編集】
お答え有難う御座いました。
頑張ります。
先生も頑張ってください。
頑張ります。
先生も頑張ってください。
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