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玄米菜食なのに妊娠糖尿病発症、人工甘味料の安全性は?糖質の危険性は?
こんばんは

みききさんから、人工甘味料に関してコメント質問をいただきました。

みききさんは玄米菜食を実践していたのに、妊娠糖尿病を発症されました。
今は糖質制限ライフでお元気です。

私自身も、34才(1984年)から、高雄病院給食では玄米魚菜食、家では胚芽米と魚菜食を主として油脂や肉はできるだけ控えめにして、健康には留意していたつもりでした。

それなのに、52才(2002年)のときに、糖尿病を発症してしまいました(*- -)(*_ _)

その後は、スーパー糖質制限食で、速やかに糖尿病は改善し、全く藥はなしで、64才(2014年)の現在まで元気に過ごしています。

玄米魚菜食も18年間していましたが、その長所と欠点も今ではよく分かっています。

そして糖質制限食は、人類本来の食事・人類の健康食ですので、「百利あって一害なし」と考えています。

さて、

『人工甘味料は砂糖より悪く神経錯乱させるとかあまいものがもっと食べたくなる』

というコメントですが、科学的根拠となる信頼度の高い論文はありません。

そして人工甘味料に関しては、許容量が定められています。

まず人工の添加物に対する無毒性量というのがあります。

無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の2分の1の量のことです。

無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。

人工甘味料を使用した飲料やチョコレートなどを常用量摂取したとしても、1日許容摂取量(ADI)を超えることは、まずありえません。

厚生労働省が、食品を許可するときに人工甘味料の使用量を1日許容摂取量(ADI)を考慮して設定しているからです。

例えば人工甘味料入りの飲料を、350ml缶で3本(1050ml)くらいまでなら、1日許容摂取量(ADI)を超えることはありません。

各添加物の安全性に関しては、下記のJECFAのサイトで自分でお調べいただけば幸いです。

JECFA安全性評価-指定添加物のサイト
http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRHOME.nsf/pages/JECFA-ADI-D07

をみると、あいうえお順で、人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。

なお、ラカントSの主成分である糖アルコールのエリスリトールは、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により

『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』

との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。(1999年6月)

従いまして、どうしても信念として人工甘味料が嫌という人は、サラヤの「ラカントS」を使用するか、エリスリトールを使用すればいいですね。

ラカントSの主成分はエリスリトールでごく少量の羅漢果エキスが含まれています。

エリスリトールは果物やワインの甘み成分で、羅漢果は果物ですので、全て自然界に存在するものです。

私自身は、味の素の「パルスイートゼロ」や浅田飴の「シュガーカットゼロ」もOKと思います。

それぞれ少量のアスパルテームとスクラロースという人工甘味料が含まれていますが、1日許容摂取量(ADI)的には全く問題ありません。

糖質制限OKのサントリーの「オールフリー」もよく飲んでいます。アセスルファムKが含まれていますが、全く気にしていません。

日本小児神経学会のサイト 
http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a36.html
36:てんかんの食事療法(ケトン食療法)について。

においても、「・・・砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、・・・」と記載してあります。

つまり小児科医の学会という非常に慎重な集団においても、このように人工甘味料を受容しています。

人工甘味料のことよりも、福助さんもご指摘のように、糖質の害のほうがはるかに大きく深刻なのです。

糖質の過剰摂取により、糖尿人だけで考えても、食後高血糖と平均血糖変動幅増大による酸化ストレスで、透析、足切断、失明、心筋梗塞、脳梗塞、がん・・・多大な被害が出ています。

さらに日本人の

四大死因(がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患)
五大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患)

に関しても、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の元凶は、糖質の頻回・過剰摂取の可能性が極めて高いのです。

近年のうつ病の増加に関しても糖質摂取による血糖変動の関与が疑われます。

無根拠に人工甘味料の批判をするよりも、現実に存在する糖質摂取の実害をしっかり見つめることの方が、優先順位の一位です。


江部康二




【14/10/31 みきき

お久しぶりにコメントします★

江部先生、おはようございます。

次男妊娠中糖尿病になり、 玄米菜食が糖尿病予防に良いと信じて続けてたから 粗食のすすめの幕内さんや、乳がんと牛乳の佐藤さんの影響でした) 添加物は控えたりいわゆるマクロビに近い考えをとりいれていて 健康に気を付けてたつもりだったから 糖尿病とわかったときは相当ショックでした。

でも江部先生に初心者むけのレシピ本をブログで 丁寧に教えて頂き、救われた一人です。

その節は本当にありがとうございました。

あれから約2年たちますが今ではガイドブックを見ずに 食材の糖質量も把握できて料理が出来るようになり 楽しく糖質制限ライフを過ごせています。

今日コメントしたのは、どうしても疑問があり、 江部先生や江部先生ブログ愛読者の大先輩にアドバイス頂けたら‥と思い 先生お忙しいなか本当に申し訳ないですがコメントさせて頂きました。

糖質制限を続けていくなかで なにか不安なことや解らないことがあったら 江部先生のブログからキーワード検索すれば いつも解決できて不安がなくなって 有用な情報量に感謝でした。

今回、玄米菜食してたころのブログを 放置していて久しぶりにログインしたら、 最新記事に血糖値に影響しない甘味料一覧などの記事だけあげてたんですが

http://blog.livedoor.jp/mikiki_boss/archives/51842246.html
上記リンクの記事に書かれたコメントです。

人工甘味料は砂糖より悪く 神経錯乱させるとか あまいものがもっと食べたくなる

というような内容でした。

わたし自身体感として 炭水化物、糖質たっぷりなスイーツを見ても 血糖値が急上昇することは自己測定していくなかで
いやというほど解っているからなのか 体質変化なのか、全く食べたい欲求は起こらなくなりました。

あえて食べたいなら、菓子職人さんの 糖質制限仕様のプロが作る血糖値に影響しないスイーツを かんばったごほうびに♪というくらいです♪ヽ(´▽`)/

個人的な体感としてだけですが 人工甘味料で甘いものがもっと食べたくなるどころか 炭水化物たっぷり糖質たっぷりの食べ物をみても何も思わなくなっているんですが わたし一人の体感としてだけでは根拠に乏しく 上記リンクの記事に書かれたしらないかたからのコメントの内容には 科学的事実や科学的根拠など何か情報はありますでしょうか?

江部先生ブログを検索したのですが、 神経錯乱だとか、甘いものの欲求が増えるなど そのようなデータは見つけられませんでした

私のブログに不安を煽るコメント入れてきた方はデータに基づいた上で コメントしてきたのか、ご存知の方いらっしゃいましたらご教授頂けましたら幸いです。m(__)m 】



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございます!!
江部先生、お忙し中こんなに丁寧に解説して頂きありがとうございます。
感謝の気持ちでいっぱいです!


以前より、たまーに、代替甘味料の商品のレビューとか、
個人のブログの中での書き込みのなかで

伝聞のような書き込みで、データなどは添えてなく解らない状態で
「人工甘味料で甘さへの欲求が増える」などの書き込みを数回見たことがありました。

それがとうとう今回わたしの更新してないブログにまで
書き込みがあったものですから
これって根拠はあるのだろうか?
いつどこから出てきた話なのだろうか?
持っていきたい結果に数字をごまかされたりする実験レベルの話が大きくなった?
お砂糖会社向け研究が出所?
都市伝説?!と
物凄くもやもやモヤモヤしてきてしまって、、><

そんなときは江部先生ブログの過去の日記から検索していくと
だいたいの疑問は解決できていたけれど、
今回は、それらしき検索結果が出なくて
思わずコメントしてしまいました。

本当に丁寧にありがとうございます。

もともと玄米菜食やマクロビが好きだったから
わかるのですが、天然のもの、動物性以外のもの、
添加物なしが素晴らしいという傾向があり
いわゆる自然派信仰的なものが強くなりすぎると
人工=危険!!という認識になってくるのは少なからず起こり得るので

私が、糖質制限をはじめたばかりのころも
玄米菜食をしていた友達から
「人工甘味料は危険!!!」と複数から言われて
血糖値への影響を説明して少しわかってもらえて
それでも、「植物性で血管を強くするから蕎麦を積極的に食べたらどう?」とか
炭水化物自体が糖質のかたまりということさえ理解してもらえてなかったりしていました。

一番最初に、粗食のすすめなどの幕内さんの本や、
乳がんと牛乳の佐藤さんの本を私に教えてきた身内でさえも、
「炭水化物を食べて血糖値をあげたほうがいいんじゃない?」
「’血糖値を緩やかかに上昇させる’食材ならいいんじゃない?」などと
食材の「糖質量」ガン無視で、ことあるごとに、
糖質たっぷりな食材を「健康にいいから」と食べるようにすすめられ
そのたびに「その食材は100gあたりの糖質量がこれくらい
糖尿人の私が何g食べれば食後血糖値はおよそこのくらい上昇して~、、」と説明して
江部先生のブログの解説をたどり、お医者さんもこう言っているよと
説明して、やっと、わかってもらってを繰り返し、そして約2年がたち
よ~うやく、「糖質だけが血糖値をあげる」という科学的事実を
身内にも少し解ってもらえてきました。。


私自身、江部先生のレシピ本は数冊購入してそこから
自分好みのアレンジをしたり糖質制限食作りを楽しく満喫させて頂いていまして、
スイーツものも色々試して作ってきたのですが
どんどん甘味を使う量が減ってきて満足できています。

たまに正常人の家族におすそわけすると
「優しい味」「甘さ控えめ?」とか、
「全然甘くない!?」など苦情まで言われてしまうこともあります。

玄米菜食やマクロビで「添加物を一切やめ
天然のものを選び、粗食、玄米食になると
甘いものへの欲求がなくなる」とも言われてたりして
4年間ほど玄米菜食や粗食を実際続けましたが、それはなかったです。

マクロビと言われるスイーツレシピ本などでは
メープルシロップ計量カップになみなみどっばー!と使ったり
白砂糖使っていません!と、穀類の甘酒1カップにわっさー!!
バナナ2~3本どっばぁー!と入れて使ったり
代わりに、芋類、根菜類たっぷーりとか、
血糖値の上昇が緩やかだから予防にいいですよ!と
アガベシロップ、ココナッツシュガー、
甜菜糖、ハチミツ、どっさりーー!みたいなレシピがたくさんありまして(笑)
いま思えば、植物性だから
天然だから、体にいいんだ、予防になるんだと
どうして信じてたのかなぁと昔の自分には苦笑いです^^;

血液検査で食後高血糖を起こして自分の血糖値があがっていたこと、
科学的な事実に、早い段階で気づけて良かったと思うようにしています!

家族のなかで一人糖質制限をしているので
不安なこと解らないことがあったら
主治医に聞くより江部先生ブログの過去記事から解決できてしまっていたので
江部先生ブログにはいつも助けられてきました。

今回直接の疑問にも丁寧に解説して頂き、ありがとうございました。

そして、コメントもくださった 福助様、ありがとうございます!

私も代替甘味料のおかげで、高糖質生活から抜け出せたと実感しています
いわゆる「白砂糖より健康的(?!)」と言われているマクロビで使われる甘味料や
玄米菜食のほうが高糖質なものばかり食べることになっていたし、
高糖質食からの離脱は永遠に無理でした。

天然信仰が根強くなり、天然こそが正しいという考えに陥ると思考がそこで止まるので
根拠に乏しくても、添加物、人工もの=悪い物質!と、、
まわりが見えなくなる発想はこれからも出てきてしまうだろうと、そのフィールドに居たので解ります…。

今回、個人のブログでさえ、そういう考えから嫌な思いをさせられてしまいましたので
江部先生の日頃の尽力には、あらためて感謝しています。

もし江部先生のブログや本に辿り着けずにいたら
今頃、「添加物もとらず玄米菜食で、天然のもの、
マクロビで良いと言われている食材のものだけ食べてたのに?!」と
途方に暮れたままだったと思います。

本当にあらためて有難うございます
これからも宜しくお願い致しますm(__)m

コメント長々とすみません、
ツイッターのSNSなどでも
「玄米菜食から体を壊して、糖質制限にたどりついた」
という方を最近ちらほら見かけることが増えたので
いつか江部先生に報告するきっかけがあればと思っていました!
ブログの場をお借りして、聞いて頂けただけで嬉しいです!
読み飛ばしていただいて大丈夫ですm(__)m

今回は丁寧な解説の記事を書いてくださり本当に本当にありがとうございましたm(__)m

これからも外野に振り回されず
食後高血糖にならない生き方を続けたいと思います。

PS.
私はサントリーの無糖クリアのチューハイ、レモンライム息抜きで飲んだりします(*^o^*)
後味すっきり甘すぎなくて良かったです!
2014/11/01(Sat) 06:49 | URL | みきき | 【編集
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