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低炭水化物ダイエットは置き換える脂質の種類に注意・・・?? 欧州糖尿病学会
こんばんは。

日経メディカルのサイトに以下の記事が載っていました。(☆)
福助さん、toshitsuzeroさんからコメントをいただきました。
ありがとうございます。


(☆)
以下、日経メディカルのサイトから、一部転載です。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/flash/easd2014/201409/538486.html
学会フラッシュ:欧州糖尿病学会2014
2014年9月16日~20日 Vienna, Austria
低炭水化物ダイエットは置き換える脂質の種類に注意を
2014/9/20 欧州糖尿病学会取材班

オランダUniversity Medical Center UtrechtのMarjo Campmans氏

低炭水化物食で炭水化物を脂質に置き換える場合、脂肪酸の種類によって全死因死亡率や心血管疾患(CVD)死亡リスクが異なることが示された。オランダUniversity Medical Center UtrechtのMarjo Campmans氏が、第50回欧州糖尿病学会(EASD2014、9月16~19日、ウィーン開催)で発表した。

炭水化物を脂質に置き換える低炭水化物食では、やがて血中脂質を悪化させ、死亡リスクを増加させる高脂肪食につながる恐れがある。また、2型糖尿病患者がどの種類の脂質を炭水化物の置き換え食品とすべきかは、いまだに議論があるところだ。そこでCampmans氏らは、炭水化物を(1)総脂質、(2)飽和脂肪酸(SFAs)、(3)一価不飽和脂肪酸(MUFAs)、(4)多価不飽和脂肪酸(PUFAs)と置換した場合について、全死因死亡、CVD死亡リスク、5年間の体重変化との関連を検討した。

対象は、欧州の癌と栄養に関する前向きコホート研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に含まれる2型糖尿病患者6192人とした。平均9.2年間のフォローアップ期間中に、791例が死亡し、そのうちCVDによって死亡したのは268例だった。

解析の結果、炭水化物10gを総脂質またはSFAsへ置き換えると、全死因死亡リスクが増加していた。一方、MUFAsに置き換えるとリスクは低下した。CVD死亡リスクは、炭水化物をSFAsまたはPUFAsに置換した場合に増加した。炭水化物を総脂質またはMUFAsに置換した場合、5年間で体重が減少していた。MUFAsは有意な減少だった。

これらの結果からCampmans氏は、「糖尿病患者において、炭水化物を総脂質やSFAs、PUFAsに置換すると、CVD死亡リスクあるいは全死因死亡リスクが上昇した。一方、MUFAsへの置換は全死因死亡リスクの低減と関連した」と結論し、「低炭水化物食のガイドラインは、炭水化物を脂質に置き換えることを推奨するのではなく、脂肪酸の種類に焦点を当てるべき」と提言した。】



炭水化物10g(40kcal)を脂質に置き換えて解析した研究のようですが、福助さん、toshitsuzeroさんもご指摘のように、あまりにも少量なので意味がわかりません。

もしかしたら、日経メディカルさんの誤訳?かもしれないので、論文が医学雑誌に掲載されたら再検討が必要かもしれません。

結論的には、
MUFAs(一価不飽和脂肪酸・・・オリーブオイルなど)が良くて
SFAs(飽和脂肪酸・・・肉などの脂)と
PUFAs(多価不飽和脂肪酸・・・ナッツや魚貝など)が良くないということなのですが、これは、到底エビデンスレベルではないですね。

対象は、

「欧州の癌と栄養に関する前向きコホート研究(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition:EPIC)に含まれる2型糖尿病患者6192人」

です。

2型糖尿病患者の研究なのですが、ヨーロッパの人々、とりあえずアバウトに設定して、少なく見ても普通は約2000kcal/日くらいは摂取していて、糖質は50%くらいです。そうすると糖質摂取量は250g/日です。

糖質250gのうち、10gを置き換えても、僅か4%を置き換えただけですのでこの研究はますます意味不明です。

さらに言わせて貰えば、糖質130g/日以下が、世界基準での糖質制限食の定義です。

従って、この研究は糖質制限食とは、全く無縁のものと言えます。

例えばスーパー糖質制限食なら、糖質摂取量は40~60g/日以下です。

そして糖尿病患者において1回の糖質摂取量が、40~50g以上あれば、確実に「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」という
最大の酸化ストレスリスクを生じます。酸化ストレスは、糖尿病合併症、動脈硬化、がんなどの元凶です。

このように多大な酸化ストレスリスクのある2型糖尿病患者に対して、糖質10gを脂質に置き換える程度のチェンジは焼け石に水のようなもので、研究目的もなんだかよくわかりません。

私は一2型糖尿人として、「食後高血糖」と「平均血糖幅増大」という最大の酸化ストレスリスクを生じない唯一の食事療法「スーパー糖質制限食」を美味しく楽しくこれからも続けていきます。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
日本のメディアって海外情報の誤訳やら悪質な引用をよくやりますから…(経済関連など原文と真逆のことを書いてあることも)
それと、海外の研究者が何者かも気になります(´Д` )


スーパー糖質制限やっている、自前の血糖値測定器を持っている人間はそんなのに騙されないです。
2014/09/25(Thu) 22:33 | URL | タブー改めみるみる | 【編集
EASD 2014
Dietary fat intake in low-carbohydrate diets and subsequent mortality and weight change in type 2 diabetes

http://www.easdvirtualmeeting.org/resources/18877
2014/09/26(Fri) 08:04 | URL | 精神科医師D | 【編集
Re: EASD 2014
江部先生

ブログへ掲載頂きありがとうございます。

そして精神科医師D様、原文のご投稿ありがとうございます。

その原文を拝見しますと、下表のデータが掲載されています。

--------------------------------------------------------------------
            |  total  |Tertiles of percentage of
            |       |energy from carbohydrates
--------------------------------------------------------------------
Tertile        |       |   1   |   3
--------------------------------------------------------------------
N           |     6192|     2064|    2064
Sex:male %(n)     | 54.2%(3355)| 68.1%(1405)| 42.5%(878)
Age [y]*        | 57.4(6.7)| 56.9(6.4)| 57.7(6.8)
BMI [kg/m2]      | 28.8(4.9)| 28.8(4.7)| 28.7(4.9)
Diabetes Duration [y]**|4.7(1.9-10.1)|4.6(2.2-10.1)|4.5(1.7-10.0)
Insulin use %(n)    | 23.3%(1383)| 22.2%(459)| 22.2%(458)
Low education     | 71.2%(4411)| 67.6%(1395)| 72.8%(1503)
physicaly active %(n) | 37.2%(2301)| 39.2%(809)| 36.1%(746)
Current smoker %(n)  | 25.1%(1553)| 32.3%(666)| 18.7%(385)
--------------------------------------------------------------------
Carbohydrates [en%]  | 42.7(7.3)| 34.9(3.9)| 50.6(4.0)
Protein [en%]     | 18.0(3.3)| 18.8(3.6)| 17.0(2.9)
Fat [en%]       | 34.7(6.2)| 38.3(6.6)| 30.4(4.2)
--------------------------------------------------------------------
 SFA [en%]      | 13.1(3.3)| 14.2(3.8)| 11.7(2.6)
 MUFA [en%]      | 12.7(3.4)| 14.6(3.7)| 10.8(2.4)
 PUFA [en%]      | 6.0(2.1)| 6.5(2.5)| 5.4(1.6)
--------------------------------------------------------------------
Total energy [kcal]  | 2074(639)| 2215(665)| 1940(606)
--------------------------------------------------------------------
*Mean ±SD (all such values);
**median (interquarties), all such values;


この表の見方が良く分からないのですが、tertile=3の群が通常食でtertile=1の群が低糖質・脂質置換え食なのでしょうか?
そう考えた場合、エネルギーベースで50.6-34.9=15.7%、1940kcalに対し305kcalを置き換えたことになりますでしょうか?
76gも炭水化物が減ったことになるようです。。。
だとしましても、2215kcalの34.9% 193gの炭水化物を摂取している分けで、到底低炭水化物と言えるものでは無いようです。。。

このようなものを、欧州糖尿病学会も日経メディカルも、何の精査も無しに取り上げるというのは如何なものかと思います。
2014/09/26(Fri) 11:14 | URL | 福助 | 【編集
Re: Re: EASD 2014
福助 さん

コメントありがとうございます。

私も日経メディカルの日本語訳と原文の表の差がよくわかりません。

ともあれ一定の価値があるならば、
学会発表後に論文化されて、医学雑誌に発表されると思います。
それから再検討ということに致しましょう。


2014/09/26(Fri) 16:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
精神科医D様原文ありがとうございます。
江部先生
騒いでしまってすみませんでした(>_<)



2014/09/26(Fri) 17:35 | URL | タブー改めみるみる | 【編集
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