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生活習慣病型のがんと感染症型のがんとスーパー糖質制限食
こんにちは。

今回は、がんについて、再考してみます。

がんには、生活習慣病型と感染症型との2つのタイプがあります。

A)
生活習慣病型のがんについて、世界がん研究基金が2007年に

腎臓がん、膵臓がん、食道がん、子宮体がん、大腸がん、乳がんの6つと、おそらく胆のうがんの7つには肥満がかかわっている」

と報告しています。

リスクを下げるには「適正体重の維持」が肝要であり、BMI20~25未満に保つことを推奨しています。

肥満は生活習慣に起因しているため、これら7つのがんは生活習慣病型と呼ばれており、日本を含めた先進諸国で急増しているタイプです。

そして、生活習慣病型のがんについて、元凶ではないかと疑われているのが、高血糖であり高インスリン血症なのです。

高インスリン血症も高血糖も肥満すると起こりやすくなりますが、この2つに発がんリスクがあることが、明らかになっています。

生活習慣病型のがんについて、スーパー糖質制限食には予防効果のある可能性が非常に高いと考えられます。

なぜならば、肥満、高インスリン血症、高血糖、これら生活習慣病型のがんにつながると疑われている要因の全てについて、スーパー糖質制限食で防ぐことができるからです。

肥満、高インスリン血症、高血糖は、いずれも糖質過剰な食生活で起こります。

生活習慣病型のがんに関しては、

1)高インスリン血症がない(高インスリン血症は発がんリスクでエビデンスあり)
2)食後高血糖がない(食後高血糖も発がんリスクでエビデンスあり)
3)肥満がない(肥満も発がんリスクでありエビデンスあり)
4)HDLコレステロールが増加する(HDLコレステロールにはがん予防効果あり)

あくまでも仮説ですが、1)2)3)4)の利点により、生活習慣病型のがんは、スーパー糖質制限食で予防できる可能性があります。


B)
感染症型のがんとしては、胃がん、肝がん、子宮頸がんなどがあります。

これらは、感染症が引き金になって起こるタイプのがんです。

がん細胞は、正常な細胞が増殖するときに遺伝子つまりDNAの複製に失敗して、生まれてしまいます。

細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こし細胞が頻繁に壊れます。それを修復するには細胞が増殖しなければなりませんが、このときにDNAの複製にエラーが起こり、それが蓄積されると、がん細胞が発生します。

つまり、細菌やウイルス感染により慢性炎症が起こり持続し、細胞傷害と再生を繰り返す機会が増えて細胞内の遺伝子異常が蓄積されて発症するのが、感染症型のがんなのです。

持続炎症により細胞が頻繁に壊れると、細胞はそれだけ多くの増殖をしなければなりません。

DNAの複製を頻繁に繰り返すため、エラーが起こりやすくなり、がん細胞の発生リスクが増すわけです。

胃がんはヘリコバクターピロリという特殊な細菌の持続感染、肝がんの場合はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染、子宮頸がんの場合は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が、主な原因でがん化を起こします。

感染症型のがんに関しては、スーパー糖質制限食でも予防は困難と考えられます。

何故なら細菌やウイルスの持続感染を食事療法(スーパー糖質制限食)で取り除くことはできないからです。

かつて伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。

EBウィルス持続感染で特に鼻咽頭と唾液腺のがんになったのは、イヌイットの民族としての特異性とされています。

同じEBウィルス感染で、アフリカではバーキットリンパ腫発症が多いのです。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ケトジェニックというダイエット法
先生、内容とは別のことで申し訳ありません。友人がケトジェニックダイエットを始めました。彼女が言うのには、糖質制限の進化系(本に書いてあるそうです)だから、同じよと言います。毎日ウロペーパーで尿を計っているようなので、私も計測してみましたら、まったく反応しません。私はスーパー糖質制限2年目です。体重も10キロ減量。血糖値は当初ほどは高くありませんが、まだ、空腹時が高く、ベイスン、アクアを処方されております。ケトジェニックは糖質制限の進化系なのでしょうか。尿ケトン検査紙は、体の指標になるのか、お教えください。
2014/09/16(Tue) 21:19 | URL | 横浜のM | 【編集
糖質制限と頭痛
江部先生、いつもブログで勉強させていただいております。先日はメールで返答いただきありがとうございました。自身も6月からスーパーで糖質制限を始めましたが、2週くらい経ったころから、持病の群発頭痛が再発してしまいました。最初は偶然かと思っていたのですが、3か月経っても、頭痛が終息する気配がありません。スポーツなど肉体的負荷があると必発な印象もあり、糖質制限に伴う高ケトン血症が原因なのかと考えるようになりました。ちなみに総ケトン体で750前後で経過してます。糖質制限で頭痛はよく起きる現象でしょうか?ケトン体との関連はいかがでしょうか?これまでに、頭痛を訴える患者を数例経験しました。糖質制限を止めればハッキリするのでしょうが、継続しながら頭痛を消すことはできないか思い悩んでました。実は、群発頭痛は救急医療から離れてから1年以上起きておらず、ストレスが原因であったと実感していたのですが・・。糖質制限と頭痛について教えてください。
PS:食品別糖質量ハンドブックですが、かれこれ50冊ほど買っていただきました。
2014/09/17(Wed) 10:47 | URL | 札幌頭痛男 | 【編集
Re: 糖質制限と頭痛
札幌頭痛男 さん

拙著の50冊ものご購入、ありがとうございます。

通常の片頭痛は、スーパー糖質制限食実践により、ほとんどの症例で改善~消失します。
そして、糖質を摂取すると、片頭痛が再発します。
これは、かなり明白です。

筋緊張性頭痛は、片頭痛のようにクリアカットではないです。

群発頭痛は、経験したことがないので、よくわからないのですが、
通常の片頭痛とは発症メカニズムが違うようですね。

救急医療から、離れられて1年以上、群発頭痛が起きてないので、
糖質制限食がなんらかのきっかけになった可能性があります。
ストレスという意味では、食生活の急激な変化もストレスの一種とは思います。
あと、低エネルギーもストレスですので、ご注意ください。

ケトン体高値が原因の可能性もご指摘どおりありえるので、
緩やかな糖質制限にして、ケトン体値を下げて
様子をみるのも選択肢の一つですね。
2014/09/17(Wed) 11:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
肥満だけでも?
江部先生、こんにちは
がんと肥満の関係にとても関心があります。
少し前、3か月で-10㎏減量でコメントさせて頂いたものですが、これでもまだ、BMI25まで行っておりません。(あと10㎏あります)
3)に、まだ該当です、、、
減量前のHDLは、40mg/dl、空腹時血糖値は102mg/dlとぎりぎりでした。
肥満領域にあるということは、やはりまだまだ癌発生の危険領域にあるということですよね?
停滞期が長いので、焦ってしまって、、、まだなんか怖いです。

2014/09/17(Wed) 11:54 | URL | .あぷりこっとん | 【編集
Re: 糖質制限と頭痛
札幌頭痛男 さん

糖質制限食後の、頭痛・ニキビ・眠気・肥満・・・などさまざまな症状の変化に関しては

2014年04月10日 (木)の本ブログ記事
「夏井先生の糖質制限アンケート結果。」

もご参照いただけば、幸いです。
2014/09/17(Wed) 12:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 肥満だけでも?
.あぷりこっとん さん

肥満そのものに発がん性があるというよりも、

肥満に伴う「高インスリン血症」「食後高血糖」「空腹時高血糖」が、
酸化ストレスとなり、発がんリスクとなります。

従いまして、スーパー糖質制限食で、「高インスリン血症」「食後高血糖」が改善されていれば
BMIが25以上でも、それほど問題ではないと思います。
2014/09/17(Wed) 12:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生
これまで頭痛が3か月以上続いたことはなかったので、心配になっておりました。糖質制限で得られた体調の改善は多々あるのですが、頭痛はそれにも増し苦痛であります。大好きな酒も飲みたいけど、叶いません。スタンダードにして様子を見てみます。試しにケトンも調べてみます。ご回答ありがとうございました。
2014/09/17(Wed) 13:33 | URL | 札幌頭痛男 | 【編集
感染症型ガン
江部先生、こんにちわ。

感染症型ガンは糖質制限食では防止できまないとのことですが、ガン細胞はブドウ糖しか利用できないと聞いていますので、感染症型ガンであっても、ブドウ糖を制限することで、その増殖を抑えることは可能ではないでしょうか。

名古屋・h
2014/09/17(Wed) 15:43 | URL | 名古屋・h | 【編集
肥満だけではありませんでした、、、
江部先生、朝は早速にご返答ありがとうございました。3)以外の他に異常がなければ、BMI25以上でもOKといわれ、安心いたしました。
が、それもつかの間、、、、実は今日の夕方は、10キロg減量後、初めての採血の結果を知る日でした。
減量前の2月から、空腹時血糖値102→93、HbA1c6,0%→5,8%  と、少し減っていてホッとしたのですが、
1,5AGというのが、9,9で、これは、食後血糖値が170ということで、食後高血糖です、と言われてしまいました。(これについては、概念的なことなので説明は省く、と言われてしまいました)
おまけに、境界型糖尿病です、とも、、、、、
(上の改善した数値を見ても)
中性脂肪は、337→343、LDLコレステロールも、156→162と、増加で、それぞれ脳梗塞、心筋梗塞の恐れあり、と言われてしまいました。
ちょっとショックでした、、、
やはり、10キロ減らしても、まだまだ、ダメのようです。
これから、くわしい負荷検査をします、コレステロールについてはすぐ薬、と言われましたが、私は、これからも、糖質制限で、薬に頼らず生きて行きたいので、これを機に、もう一度スーパー食を見直して、減量も、糖尿病にならないことも、がんばって行きたいと思います。
東京なので、近くに糖質制限に理解あるお医者さんがいたら、そっちに通いたいです。
2014/09/17(Wed) 23:24 | URL | .あぷりこっとん | 【編集
Re: 感染症型ガン
名古屋・h さん

その可能性はあります。

伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。


しかし、イヌイットの例もありますので、発がんを予防するのは困難と思います。
ただ発がん後の転移や増殖は兵糧攻めできる可能性はあります。
2014/09/18(Thu) 08:05 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 肥満だけではありませんでした、、、
.あぷりこっとん さん

1.5AGは、糖質制限食実践で、低下しますが、これは生理的なもので食後高血糖ではないので
心配ないです。

2008年04月14日 (月)の本ブログ記事
「糖質制限食と1.5AG」


をご参照ください。

中性脂肪は、スーパー糖質制限食で、空腹時採血なら速やかに改善すると思います。
LDLコレステロールも、心配ないデータです。

扉ページの、コレステロールの項を、ご参照ください。


2014年09月15日 (月)のブログ記事
「脂肪・コレステロール・糖尿病の真実」東京講演会


もご参照いただき、講演会も参加されては如何でしょう。
2014/09/18(Thu) 08:27 | URL | ドクター江部 | 【編集
ぜひ、、、
江部先生、重ね重ね、ありがとうございました。
とても、ほっとしました。
記事のご案内や講演会のサイトなどもありがとうございます。
癌や、糖尿予防のためにも、ぜひ、講演会でお話をお聴きしたいと思いました。
2014/09/18(Thu) 20:34 | URL | .あぷりこっとん | 【編集
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