2014年09月14日 (日)
こんにちは。
2014年09月05日 (金)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬、副作用多発。対象例は、絞るべき。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3095.html
で書きましたように、
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤はなしか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思うので、逆に言えばかなり安易に使われた可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。
さらにもう一つ懸念があります。
それは、SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬を服用すると、1日あたりおよそ400kcal⇒240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖100g⇒60gが尿から排泄される』
400kcal/日のエネルギーが排泄されるということは、単純理論的には痩せ続けることになります。
しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日400kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく一定期間でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー食に対応した結果と考えられます。
昨日(2014/9/13)のブログで検証したDIRECT論文の図が以下ですが、カロリー制限をして、5ヶ月目にボトムになったあと、
徐々に体重はリバウンドしています。
これは上述の如くカロリー制限に人体が適応して、基礎代謝を下げた結果と考えられます。
カロリー制限を指示された「脂肪制限食と地中海食」を比較すると、特に脂肪制限食のリバウンドが大きいです。
この研究、さらに6年後には脂肪制限食だけは体重減少の有意差がなくなっていました。
糖質制限食と地中海食は、体重減少は少なくなりましたが、6年後も有意差をもって減っていました。

カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、低エネルギー状態に適応すると考えられます。
そのため、カロリー制限食での減量は、必然的に失敗に終わるのです。
SGLT2阻害剤も短期間の使用にとどめないと、数年後には、逆に体重が増える可能性もあるのです。
そして、SGLT2阻害薬を中止しても、基礎代謝が低下した状態がしばらく残存するなら、非常に肥満しやすい体質になっている可能性があるのです。
スーパー糖質制限食なら、基礎代謝が低下することなく、基礎代謝は増加するほうに向かいます。
そして、
「肥満ホルモンがほとんど出ないこと」
「糖新生でエネルギーを使うこと」
「体脂肪が常に燃えていること」
「食事誘発熱産生が増加すること」
により、順調に適正体重まで減量できますので、SGLT2阻害薬の減量効果とは、明らかに違いますね。
江部康二
2014年09月05日 (金)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬、副作用多発。対象例は、絞るべき。」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3095.html
で書きましたように、
もともと、SGLT2阻害薬は、比較的若い(40代、50代くらいまで)糖尿病患者で、肥満傾向のある人が対象です。
さらに、SU剤など低血糖を生じやすい薬は内服していなくて、他剤はなしか、せいぜい、1~2種類程度の薬までで、しっかり水分補給する意味を理解できる人まで絞って投与する必要がある薬と思います。
このように絞って、投与したならば、「重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞」はまず生じないと思うので、逆に言えばかなり安易に使われた可能性が高いのです。
とても脱水になりやすい薬なので、脳梗塞のリスクを高める可能性は高く、充分な水分補給が必要不可欠な薬なので、高齢者には向かないのです。
とにかく、SGLT2阻害薬は、対象者を限定するべきであり、使用期間は短期(せいぜい半年から1年)にとどめるべき薬と私は思っています。
夢の新薬のように登場したSGLT2阻害薬ですが、そんなええもんではなかったようです。
さらにもう一つ懸念があります。
それは、SGLT2阻害薬の長期投与により、基礎代謝が低下する可能性があることです。
『SGLT2阻害薬を服用すると、1日あたりおよそ400kcal⇒240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖100g⇒60gが尿から排泄される』
400kcal/日のエネルギーが排泄されるということは、単純理論的には痩せ続けることになります。
しかし、あるSGLT2阻害薬を投与開始して、一旦、37週で3kg減量になったあと、最終的に102週間(2年間)90名くらいで評価して、体重は1.7kg減というデータがあります。
ということは、人体が毎日400kcal相当のブドウ糖が尿から排泄されることに関して、何らかの調整を行って、37週目でボトムになったあと、体重は102週目まで緩やかに増加して、1.3kg分は戻ったということです。
そうすると、仮説としてまず最初に考えられるのは、1日あたりおよそ240kcalのエネルギーに相当するブドウ糖が、尿から排泄される結果としてのカロリー制限に対し、人体が基礎代謝を低下させて対応して体重減少を防いだということです。
例えば、通常のカロリー制限食を続けた場合も、体重が減り続けることはなく一定期間でそれ以上減らなくなりますが、これも人体が基礎代謝を低下させて、低カロリー食に対応した結果と考えられます。
昨日(2014/9/13)のブログで検証したDIRECT論文の図が以下ですが、カロリー制限をして、5ヶ月目にボトムになったあと、
徐々に体重はリバウンドしています。
これは上述の如くカロリー制限に人体が適応して、基礎代謝を下げた結果と考えられます。
カロリー制限を指示された「脂肪制限食と地中海食」を比較すると、特に脂肪制限食のリバウンドが大きいです。
この研究、さらに6年後には脂肪制限食だけは体重減少の有意差がなくなっていました。
糖質制限食と地中海食は、体重減少は少なくなりましたが、6年後も有意差をもって減っていました。

カロリー制限食にせよ、SGLT2阻害薬によるカロリー排泄にせよ、結果として摂取エネルギーが減少するので、人体は基礎代謝を低下させて、低エネルギー状態に適応すると考えられます。
そのため、カロリー制限食での減量は、必然的に失敗に終わるのです。
SGLT2阻害剤も短期間の使用にとどめないと、数年後には、逆に体重が増える可能性もあるのです。
そして、SGLT2阻害薬を中止しても、基礎代謝が低下した状態がしばらく残存するなら、非常に肥満しやすい体質になっている可能性があるのです。
スーパー糖質制限食なら、基礎代謝が低下することなく、基礎代謝は増加するほうに向かいます。
そして、
「肥満ホルモンがほとんど出ないこと」
「糖新生でエネルギーを使うこと」
「体脂肪が常に燃えていること」
「食事誘発熱産生が増加すること」
により、順調に適正体重まで減量できますので、SGLT2阻害薬の減量効果とは、明らかに違いますね。
江部康二
グラフでは低炭水化物食もリバウンドしてますが・・・
2014/09/14(Sun) 19:07 | URL | aaa | 【編集】
aaa さん
2014/9/14のブログ記事にあるように、
低炭水化物食群は、最初の2ヶ月間は、糖質20g/日です。
その後徐々に緩めて、6ヶ月目には、女性150g/日、男性180g/日の糖質を摂取しています。
そのために、リバウンドしています。
ただ6年後のデータでも、有意差をもって体重減少はありました。
糖質20g/日のあと、スーパー糖質制限食40-60g/日で維持すれば
体重減少も維持できたと思われます。
2014/9/14のブログ記事にあるように、
低炭水化物食群は、最初の2ヶ月間は、糖質20g/日です。
その後徐々に緩めて、6ヶ月目には、女性150g/日、男性180g/日の糖質を摂取しています。
そのために、リバウンドしています。
ただ6年後のデータでも、有意差をもって体重減少はありました。
糖質20g/日のあと、スーパー糖質制限食40-60g/日で維持すれば
体重減少も維持できたと思われます。
2014/09/15(Mon) 11:51 | URL | ドクター江部 | 【編集】
グラフではリバウンドしていない地中海食(低GI)と、低脂肪食、低炭水化物食(しだいに炭水化物摂取量を増加)とを比べると炭水化物-食後高血糖-多量インスリン、が体重増加に関係している様子が予測されます。
地中海食は「オリーブオイルをたくさん使い、油の少ない子羊の肉や背の青い魚が副食です。」(出典下記)
出典:循環器病情報サービスの、[74]糖尿病の食、では、「-“テーラーメード食事療法”のすすめ-」ています。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/obesity/pamph74.html
地中海食は「オリーブオイルをたくさん使い、油の少ない子羊の肉や背の青い魚が副食です。」(出典下記)
出典:循環器病情報サービスの、[74]糖尿病の食、では、「-“テーラーメード食事療法”のすすめ-」ています。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/obesity/pamph74.html
JUN ISOBE さん
地中海食も、リバウンドしていることはしています。
3群ともリバウンドしたのですが、
脂質制限食だけはは、6年目には体重減少の有意差が無くなったのです。
地中海食と糖質制限食は、あるていどのリバウンドはあったのですが、
6年後も体重減少は有意差がありました。
ともあれ、JUN ISOBE さんのご指摘通り、インスリンがくせもので
3重の肥満ホルモンなのです。
地中海食も、リバウンドしていることはしています。
3群ともリバウンドしたのですが、
脂質制限食だけはは、6年目には体重減少の有意差が無くなったのです。
地中海食と糖質制限食は、あるていどのリバウンドはあったのですが、
6年後も体重減少は有意差がありました。
ともあれ、JUN ISOBE さんのご指摘通り、インスリンがくせもので
3重の肥満ホルモンなのです。
2014/09/15(Mon) 19:48 | URL | ドクター江部 | 【編集】
こんにちは。2回目の投稿です。
定期的に江部先生のblogで勉強させてもらってます。
お忙しいなか、常に新しい情報を発信してくださり感謝しております。
先日 SGLT2阻害剤の薬品説明会があり(私は出席出来なかったのですが)出席した方々が口々に
「この薬があれば 好きなだけ食べ放題だねー 」と…。
ウーム 皆さん 糖質制限食には 何故か批判的なのに そのような眉唾もんの 新薬は スッと受け入れられるようで…本当に不思議でならないのですが。薬の添付書みなくても その薬って膀胱炎とか感染症リスクがあるでしょう って思いながら、さっそく江部先生のblogチェック!ありました ありました。私の求める記事が(^^)
やはりそんな都合のよい薬などありませんよね。 リスクを背負って糖質摂るぐらい
なら 最初から身体に入れなきゃいいのに…って思うわけですが 謎です。
副作用の報告が出されているとのことですが、先日 説明会があったので まだまだ積極的に臨床で 使用してくださいってことでしょうね。
いつも 分かりやすい内容で多岐に渡った情報が記載されている江部先生のblogは宝物です。今後とも 貴重な情報をせっせとチェックし続けていきたいと思います。
定期的に江部先生のblogで勉強させてもらってます。
お忙しいなか、常に新しい情報を発信してくださり感謝しております。
先日 SGLT2阻害剤の薬品説明会があり(私は出席出来なかったのですが)出席した方々が口々に
「この薬があれば 好きなだけ食べ放題だねー 」と…。
ウーム 皆さん 糖質制限食には 何故か批判的なのに そのような眉唾もんの 新薬は スッと受け入れられるようで…本当に不思議でならないのですが。薬の添付書みなくても その薬って膀胱炎とか感染症リスクがあるでしょう って思いながら、さっそく江部先生のblogチェック!ありました ありました。私の求める記事が(^^)
やはりそんな都合のよい薬などありませんよね。 リスクを背負って糖質摂るぐらい
なら 最初から身体に入れなきゃいいのに…って思うわけですが 謎です。
副作用の報告が出されているとのことですが、先日 説明会があったので まだまだ積極的に臨床で 使用してくださいってことでしょうね。
いつも 分かりやすい内容で多岐に渡った情報が記載されている江部先生のblogは宝物です。今後とも 貴重な情報をせっせとチェックし続けていきたいと思います。
2014/09/16(Tue) 20:06 | URL | wako | 【編集】
wako さん
本ブログ記事がお役に立てて幸いです。
SGLT2阻害薬、糖質制限食とは似て非なるものでしたね。
本ブログ記事がお役に立てて幸いです。
SGLT2阻害薬、糖質制限食とは似て非なるものでしたね。
2014/09/17(Wed) 07:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
こんにちわ。
体重減少がある程度で停滞する現象の理由として、基礎代謝の低下があるのではないか?とのことですが、ダパグリフロジン+メトフォルミンの投与観察では18週頃に尿糖排泄量が一定になってしまうという報告がありました。
すると、これは基礎代謝とは関係なく尿糖として排泄されるエネルギーが一定になるからなのではないでしょうか?
すると筋トレなどの運動を併用すれば基礎代謝の低下はあまり心配要らないのではないでしょうか。
もしSGLT2阻害剤と基礎代謝低下に関した文献があれば読んでみたいのですが、なにかないでしょうか。
体重減少がある程度で停滞する現象の理由として、基礎代謝の低下があるのではないか?とのことですが、ダパグリフロジン+メトフォルミンの投与観察では18週頃に尿糖排泄量が一定になってしまうという報告がありました。
すると、これは基礎代謝とは関係なく尿糖として排泄されるエネルギーが一定になるからなのではないでしょうか?
すると筋トレなどの運動を併用すれば基礎代謝の低下はあまり心配要らないのではないでしょうか。
もしSGLT2阻害剤と基礎代謝低下に関した文献があれば読んでみたいのですが、なにかないでしょうか。
2015/05/08(Fri) 18:47 | URL | 大虎猫 | 【編集】
大虎猫 さん
『SGLT2阻害薬を服用すると、
1日あたりおよそ400kcalのエネルギーに相当するブドウ糖100gが尿から排泄される』
ということです。
元々、尿からは毎日100gという一定量のブドウ糖が排泄され続けています。
例えば、1800kcal/日の食事を摂取したとすると、
400kcal/日が尿から失われることになります。
つまり、SGLT2阻害薬を服用していると
1800kcal/日摂取したつもりでも、
1400kcal/日のかなり厳しいカロリー制限食を、毎日実践していることとなります。
2014年09月14日 (日)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬でカロリー制限食と同様、基礎代謝が低下か。」
をご参照いただけば幸いです。
SGLT2阻害剤と基礎代謝低下に関した文献は、見たことがありません。
あくまでも私の仮説です。
『SGLT2阻害薬を服用すると、
1日あたりおよそ400kcalのエネルギーに相当するブドウ糖100gが尿から排泄される』
ということです。
元々、尿からは毎日100gという一定量のブドウ糖が排泄され続けています。
例えば、1800kcal/日の食事を摂取したとすると、
400kcal/日が尿から失われることになります。
つまり、SGLT2阻害薬を服用していると
1800kcal/日摂取したつもりでも、
1400kcal/日のかなり厳しいカロリー制限食を、毎日実践していることとなります。
2014年09月14日 (日)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬でカロリー制限食と同様、基礎代謝が低下か。」
をご参照いただけば幸いです。
SGLT2阻害剤と基礎代謝低下に関した文献は、見たことがありません。
あくまでも私の仮説です。
2015/05/09(Sat) 08:26 | URL | ドクター江部 | 【編集】
「1日あたりブドウ糖100g」の排泄量ですか。これって結構なものですね。
私が興味をもって読んだレポートは次のものでした。
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/61/9/2199.long
これでは原尿に180gのブドウ糖があり、そのうち90%がSGLT2で再吸収されるはずなので、SGLT2阻害剤により約160gの尿糖が期待されるところ、実際には50-80gしか排泄されないという現象があるようです。
もし、上記レポートが日本人にも当てはまれば200-320kcal/日程度が失われるという予想になるのではないかと思いました。
私が興味をもって読んだレポートは次のものでした。
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/61/9/2199.long
これでは原尿に180gのブドウ糖があり、そのうち90%がSGLT2で再吸収されるはずなので、SGLT2阻害剤により約160gの尿糖が期待されるところ、実際には50-80gしか排泄されないという現象があるようです。
もし、上記レポートが日本人にも当てはまれば200-320kcal/日程度が失われるという予想になるのではないかと思いました。
2015/05/09(Sat) 18:06 | URL | 大虎猫 | 【編集】
大虎猫 さん
情報をありがとうございます。
米国糖尿病学会の機関誌「Diabetes」に掲載された論文ですね。
私がブログに書いた、SGLT2阻害薬のデータは、発売時にメーカーのMRさんから貰った論文のデータです。
つまり、メーカーサイドが言っている「SGLT2阻害薬毎日100gのブドウ糖が尿中に排泄される」という
見解に対して、この「Diabetes」の論文は、「実際には50-80gしか排泄されない」と意義を唱えているということですか。
2013年12月16日 (月)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬が2014年1月に認可。」
に京大の稲垣先生の解説が載っていますので参考にしていただけば幸いです。
また、MRさんの解説では、SGLT2阻害剤で90%分が排泄されるけれど、
その分SGLT1が活性化していつもの10%より多く再吸収されるので、排泄量が100gになるということでした。
SGLT1が、想定以上に再吸収している可能性があることとなりますね。
情報をありがとうございます。
米国糖尿病学会の機関誌「Diabetes」に掲載された論文ですね。
私がブログに書いた、SGLT2阻害薬のデータは、発売時にメーカーのMRさんから貰った論文のデータです。
つまり、メーカーサイドが言っている「SGLT2阻害薬毎日100gのブドウ糖が尿中に排泄される」という
見解に対して、この「Diabetes」の論文は、「実際には50-80gしか排泄されない」と意義を唱えているということですか。
2013年12月16日 (月)の本ブログ記事
「SGLT2阻害薬が2014年1月に認可。」
に京大の稲垣先生の解説が載っていますので参考にしていただけば幸いです。
また、MRさんの解説では、SGLT2阻害剤で90%分が排泄されるけれど、
その分SGLT1が活性化していつもの10%より多く再吸収されるので、排泄量が100gになるということでした。
SGLT1が、想定以上に再吸収している可能性があることとなりますね。
2015/05/10(Sun) 08:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
大虎猫 さん
すいません。
私がメーカーさんの話を誤解していました。
2015/5/13(水)SGLT2のメーカーさんに確認したところ、
1日に60gのブドウ糖排泄で、240kcal/日を排泄いうことでした。
すいません。
私がメーカーさんの話を誤解していました。
2015/5/13(水)SGLT2のメーカーさんに確認したところ、
1日に60gのブドウ糖排泄で、240kcal/日を排泄いうことでした。
2015/05/14(Thu) 18:59 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ちょっと忘れましたが、たしかSGLT1の糖再吸収量は最大120gまであるらしいというレポートをどこかで見ました。これでもやはり60g程度の糖が排出されるということですね。
ところで、実は興味をもったのはSGLT1の機能亢進があるので、SGLT2選択制の低い薬剤であれば、より良好な血糖低下効果が期待できるのでは?ということです。これにはまたα-GI剤類似の効果も期待できるとか。
それで、どうしても糖質制限が続かない人には補助剤として有効かも知れないという希望をもっています。
ところで、実は興味をもったのはSGLT1の機能亢進があるので、SGLT2選択制の低い薬剤であれば、より良好な血糖低下効果が期待できるのでは?ということです。これにはまたα-GI剤類似の効果も期待できるとか。
それで、どうしても糖質制限が続かない人には補助剤として有効かも知れないという希望をもっています。
大虎猫 さん
そうですね。
私がメーカーのMRさんに聞いた話でも、
ブログ記事に書きましたように
SGLT1の尿細管の糖再吸収量は最大120g/日のようです。
SGLT2は、腎の尿細管に特化して存在するので、薬となりました。
SGLT1は、主として小腸にあり、腎臓には少しあるていどです。
従って、SGLT1を阻害したら、小腸からのブドウ糖吸収が阻害されるので、
下痢など栄養障害になりかねないので、こちらは薬にはならないのです。
そうですね。
私がメーカーのMRさんに聞いた話でも、
ブログ記事に書きましたように
SGLT1の尿細管の糖再吸収量は最大120g/日のようです。
SGLT2は、腎の尿細管に特化して存在するので、薬となりました。
SGLT1は、主として小腸にあり、腎臓には少しあるていどです。
従って、SGLT1を阻害したら、小腸からのブドウ糖吸収が阻害されるので、
下痢など栄養障害になりかねないので、こちらは薬にはならないのです。
2015/05/16(Sat) 17:54 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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