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「低糖質食vs 低脂質食」RCT研究論文、低糖質食に軍配
こんにちは。

2014年9月5日のMT Proに

「低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減でどちらに軍配?」

という記事が、掲載されました。

148人の肥満者を低糖質食と低脂質食にわけて、1年間みた並行群間ランダム化比較試験(RCT)であり、掲載雑誌はAnn Intern Medです。

Ann Intern Medの2013年のインパクトファクターは16.104で、高いです

evidence based medicine(証拠に基づく医学、EBM)においては、
①無作為割り付け臨床試験
②前向きコホート研究
③コホート内症例割り付け研究
④後ろ向けコホート研究
⑤症例対照研究
⑥地域相関研究
⑦時系列研究
⑧症例報告
⑨実証的研究に基づかない権威者の意見

の順番で、信頼度が高いとされています。

一般にエビデンスレベルが高い研究論文と言うときは、
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究
に基づく論文のことをさします。

今回の「低糖質食vs 低脂質食」RCT研究論文は、148人という規模で、1年間の介入で、完遂率は両群とも約80%ですので、EBM的には、極めて信頼度の高い良質な論文と言えます。

<方法と経過>
両群で、1年間を通して、摂取エネルギーには有意差なしです。

低糖質群は、糖質40g/日ですから、スーパー糖質制限食レベルの食事で緩やかな糖質制限ではなく、タイトな糖質制限であり、とても好ましいです。

低脂質群は、脂肪エネルギー比率30%未満,飽和脂肪酸は7%未満です。

<結果>
1)体重減少は低糖質群で優位に大きく、改善しました。
2)内臓脂肪減少は低糖質群で優位に大きく、改善しました
3)HDLコレステロールは、低糖質群で優位に大きく、上昇しました。
4)TC/HDL-C比は,低糖質食群で有意に低下して、改善です。
5)トリグリセライド(TG)値も低糖質食群でより大きな低下が認められました。
6)C反応性蛋白(CRP)値も、低糖質群でが有意に改善しました。
7)フラミンガムリスクスコア(FRS)を用いた冠動脈性心疾患(CHD)の10年リスクは低糖質食群で有意に改善していました。

8)総コレステロール値、 LDLコレステロール値は両群ともに変化なしです。
9)両群とも血圧や血糖値の有意な低下はなしです。
10)血中インスリン値や血中クレアチニン値は両群で低下していて、群間差はなしです。

1)~7)の7項目において、低糖質食が低脂質食に圧勝ですね。

タイトな糖質制限食であれば、これくらいの差が出て当然と思います。

今までの研究は、糖質摂取が120g/日とか緩やかなものが多かったので、項目によっては、やや有意差が出にくいきらいもあったようですが、今回は40g/日未満だったので、顕著に差がでました。

<結論>
完遂率の高い(約80%)1年間のRCTにおいて、低糖質食により「CVDや糖尿病・腎臓病のない肥満者」の体重、内臓脂肪、HDL-C値、TC/HDL比、TG値、CRP値、CHDの10年リスクが有意に改善することが示されました。
RCTで、Ann Intern Medに掲載ですので、信頼度が高い論文です。

<考察>
このように信頼度の高いRCT研究論文において、低糖質食のメリットが明確に示されたことは、糖質制限食推進派において、大変大きな追い風であり、嬉しい限りです。



江部康二



以下MT Pro記事から抜粋です。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1409/1409018.html
低糖質食 vs. 低脂質食,減量やCVDリスク低減でどちらに軍配?

肥満者が対象の米・RCT

 米・Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのLydia A. Bazzano氏らは,心血管疾患(CVD)や糖尿病のない肥満者148例を対象に低糖質食と低脂質食による介入を行った並行群間ランダム化比較試験(RCT)の結果をAnn Intern Med(2014; 161: 309-318)で報告。1年間の介入後,減量やCVD危険因子の改善効果を比較した結果が示された。

試験完遂率は約80%

 低糖質食は減量を目的とした食事療法として普及しているが,CVDリスクとの関連を検討した研究の結果は一貫していない。また,その多くは小規模研究で試験完遂率が低く,多様な人口群を対象としていないなどの限界があった。さらに,標準的な低糖質食が評価されていない研究や, 2型糖尿病やメタボリックシンドロームを既に発症した重症肥満患者を対象とした研究が多かった。

 そこでBazzano氏らは今回,CVDや糖尿病,腎臓病がない肥満者に対し,標準的な低糖質食または低脂質食による介入を行い,各食事療法による体重とCVDリスクへの影響について検討した。

 2008~11年にメーリングリストやチラシ,職場や地域のスクリーニング,テレビ広告などを通じ, BMI 30~45で22~75歳の男女に参加を募り,148例を登録。肥満治療薬の使用者や過去6カ月以内に6.8kg以上の体重減少が見られた者は除外した。参加者の平均年齢は46.8歳で,女性が88%,アフリカ系米国人が51%を占めた。

 73例を低脂質食(脂肪エネルギー比率30%未満,飽和脂肪酸は7%未満)群に,75例を低糖質食(糖質40g/日未満)群にランダムに割り付けた。参加者には身体活動量を変えないように指導し,1日1食,低脂質食や低糖質食の置き換え食品(バーやシェイク)を支給した。また,両群において介入開始後4週までは個別に週1回,その5カ月後までは少人数グループ単位で隔週,残りの6カ月間は月1回のペースで栄養士によるカウンセリングが行われた。

 ベースライン時および3,6,12カ月時に平日と週末の食事内容に基づき栄養摂取量を算出。また,身長,体重,血圧を測定し,採血,採尿を行った。

 1年間の試験完遂率は低脂質食群82%(60例),低糖質食群79%(59人)であった。追跡期間中,エネルギー摂取量に群間差はなく,低脂質食群では総糖質量が多く,蛋白質,総脂肪,飽和脂肪酸,一価不飽和脂肪酸の摂取が少なかった。


低糖質群で体重,HDL-C,CHD 10年リスクなどが有意に改善

 3,6,12カ月時の体重減少は低脂質食群と比べて低糖質食群で大きかった。ベースライン時と比べた12カ月後の体重の変化は低脂質食群の−1.8kgに対して低糖質食群では−5.3kgとより大きく,両群間の平均差は−3.5kg(95%CI −5.6~−1.4,P=0.002)であった。

 12カ月後の内臓脂肪の減少率も,低脂質食群に比べて低糖質食群でより大きかった(平均差−1.5%,95%CI −2.6~−0.4,P=0.011)。腹囲については,3,6カ月後には低糖質食群でより大きな減少が見られたが,12カ月後には群間差は消失した。

 12カ月後の両群における総コレステロール(TC)値, LDLコレステロール(LDL-C)値に有意な変化はなかった。一方,HDLコレステロール(HDL-C)値は低脂質食群と比べ低糖質食群で有意に上昇(平均差7.0mg/dL,95%CI 3.0~11.0mg/dL,P<0.001)。TC/HDL-C比は,低糖質食群で有意に低下していた(平均差−0.44 ,95%CI −0.71~−0.16,P=0.002)。トリグリセライド(TG)値も低糖質食群でより大きな低下が認められた(平均差 −14.1mg/dL,95%CI −27.4~−0.8mg/dL,P=0.038)。

 その他,低糖質食群では低脂質食群と比べて12カ月後のC反応性蛋白(CRP)値が有意に改善した。両群とも血圧や血糖値の有意な低下はなかった。血中インスリン値や血中クレアチニン値は両群で低下していたが,群間差はなかった。

 フラミンガムリスクスコア(FRS)を用いた冠動脈性心疾患(CHD)の10年リスクは低糖質食群で有意に改善していた(平均差−1.4%,95%CI −2.1~−0.6)。


糖質制限は減量やCVD予防の選択肢の1つに

 このように,完遂率の高い(約80%)1年間の試験RCTにおいて,低糖質食によりCVDや糖尿病,腎臓病のない肥満者の体重,HDL-C値,TC/HDL比,TG値,CRP値,CHDの10年リスクが有意に改善することが示された。

 米国ではCVDが死因の3分の1を占め,その危険因子である肥満は公衆衛生の最重要課題となっている。Bazzano氏らは「減量やCVD危険因子の改善を望む肥満者にとって,糖質制限は選択肢の1つになるだろう」と結論付けている。

(木下 愛美)


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
定例の勉強会のご案内です
                          2014.9.7
糖質セイゲニスト 各位
             糖質セイゲニストin北九州 世話人 三島 学



          第29回 月例会のご案内

期   日 : 2014.9.14 (定例、第二日曜日) 12~16時
場   所 : 三島塾 2階
参 加 費 : 1,000円 (資料代として)

主な内容 :
● 今月の糖質制限ランチ 「 低糖質お好み焼き」
  愛農ナチュラルポーク(または、九州食肉学問所・桜島鶏)、イカ、キャベツ、モヤシ、自然薯、カツオ節、干しえび、青海苔粉、自家製紅しょうが、糖質制限ドットコム(ソース、ケチャップ)、マヨネーズ&ノンアルor糖質オフビール 350ml、ミネラルウオーター、コーヒー …。
  *大豆粉(㈱エヌ・ディ・シー、寺田様よりご提供いただきました)

● 糖質制限にまつわるトピックス、この1ヶ月の紹介

● 参加者による、体験・研究発表

● 今月の読書
「2週間チャレンジ!糖質制限の太らない生活」(江部康二・洋泉社)
 「医学常識はウソだらけ」・「脳細胞は蘇る」(三石巌・祥伝社黄金文庫)
 「子供たちが薬漬けにされている」(女性セブン、9.11)
                                                             
                           ~9月7日現在


◎ 食材の準備の都合があります。必ず、お申し込みを御願いします。
 PCEメールアドレス:misimyk@yahoo.co.jp
2014/09/07(Sun) 22:45 | URL | 北九州 三島 | 【編集
ドクターコウノの認知症ブログ
今日のblogに、糖質制限の記事があります

http://dr-kono.blogzine.jp/ninchi/2014/09/201498_e05e.html
2014/09/08(Mon) 09:53 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: ドクターコウノの認知症ブログ
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。

Medical ASAHI 2014年9月号の東京慈恵医大糖尿病・代謝内分泌科主任教授の宇都宮氏の「糖質制限食批判記事」に対して

「コウノメソッド」の河野和彦先生が、糖質制限食賛成派として、反論しておられますね。

2014/09/08(Mon) 18:00 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限療法にて体質改善
古希を迎え遅ればせながら江部康二先生の糖質制限療法を徹底的に実行しています。

今週で17週目ですが、体重変化は75.5Kgから74.5Kgに減量し、血液検査の数値は、中性脂肪と悪玉コレステロール値が200と留まるほかは、血圧は150/92から116/78と大幅な改善をみて、主治医もびっくりしています。

先生の最新著では、ガンを含む生活習慣病の防御に効力ありとのことで、糖質制限療法の将来を楽しみにしています。

週末の日経新聞にて「糖質制限療法は、BMI25以上、半年以上の継続は危険」との警鐘があり、やはり医薬既得権益サイドはしぶといと痛感し、真実の底難さを確信しています。

生来の天の邪鬼を自認する私ですが、近代栄養学の危うさを知るにつけ、江部康二先生の医学での検証と並び、物理学の熱エネルギー値であるカロリー量と生体のエネルギー摂取を無理矢理に接合した非常識のまかり通る現実に呆れています。

比叡山延暦寺の荒行、千日回峰行は七年の間、冬季以外の百日および二百日を平均40Kmを巡拝しますが、行者の食事は僅かにて、たぶん毎日200Calではないかと思われます。

かかる食事制限でも走れるとは驚きですが、私自身が糖質制限療法をしつつ、腹三分でも十分に活動できる現実を知り、行者の驚異的なエネルギー摂取を確認しています。

お暇の折に触れて、応答いただければ幸いです。
2014/09/08(Mon) 20:39 | URL | 浜千鳥 | 【編集
現代栄養学の科学的誤謬
昨晩の我が投稿が記載され喜んでいます。

企業の経営職を経て米国のNPOに興味を持ち、かの国の容赦ない市民活動、特に医薬既得権益などとの健康への鋭い応答の情報公開に江部先生も研究論文を探せる自由を発見して喜んでいます。

たたに短期間ながら某医学系大学の講師として「米国のNPO医療機関の真相」を医療衛生や看護学部で紹介したこともあります。

行政が予算をさほど使わず、官僚も過剰に関与せず、NPOの事業益課税を免除する「伝家の宝刀」を駆使して目標を達する神の知恵には大いに驚いています。

国家財政の破綻まで国債を発行し続ける我が沈没茹でガエル日本とは違うと警告し続けていますが、パニックまで気づけない悲劇の民族性には諦めている昨今です。

稼げる医療は大きく稼ぎ、公益性のある医療介護分野に注ぐ。これぞ究極の互助システムだと思いますが、如何でしょうか?

さて、栄養学の科学的誤謬のこと、
「なぜ、糖質炭水化物栽培が人口の爆発を可能にしたのか?」

「あの炊きたてご飯の醍醐味は栄養素として有害だけなのか?」

「インドや中国の大多数の栄養が豆類や雑穀である真実と基礎代謝カロリーの実効値が極小ではとの疑問にどう答えるか?」

「穀類や芋類と豆類の糖質炭水化物のどこが違うのか?」

「医療介護財政が破綻すれば自力自律の健康生活を維持するには、江部流の糖質制限療法が唯一無二の救済策との巨大キャンペーンを如何に仕掛けるか?」

興味は尽きませんが、悠々と質疑応答をしていきたいと思います。宜しくお願いします。

2014/09/09(Tue) 10:05 | URL | 浜千鳥 | 【編集
体重変化は17週目で11Kg減量
一昨日の投稿の冒頭にて減量の幅を11Kgと言えば良かったのですが、現在の体重を64.5Kgとすべきところ誤記しました。訂正します。

最初の2週間で3Kg減量し、その後は毎月3Kg以上のペースです。主治医は当初びっくりして栄養不足と拒食症への傾斜を懸念し、精密に血液検査をしてきました。

血圧降下剤デオバンを常用していましが、4週目には服用を止めています。

脂肪肝を指摘されていたのも嘘のように消えました。有り難いことです。

2014/09/09(Tue) 19:43 | URL | 浜千鳥 | 【編集
Re: 現代栄養学の科学的誤謬
浜千鳥 さん


「稼げる医療は大きく稼ぎ、公益性のある医療介護分野に注ぐ。これぞ究極の互助システム」

そのように思います。
北欧型モデルでは、自分の家族を介護しても他人を介護しても、同じ報酬を得ることができると聞いたことがあります。介護への個人、社会の関わり方も考慮する必要があると思います。
介護に従事する職業の人達の給与が安すぎるのも問題ですね。
2014/09/10(Wed) 07:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 体重変化は17週目で11Kg減量
浜千鳥 さん

11kgの体重減少、脂肪肝の改善、血圧の改善、良かったです。
2014/09/10(Wed) 08:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
科学は仮説の集合体、医学も栄養学も確率で受け止めるべし
江部先生、迅速なご返答に感謝します。

体質は各人各様で糖質制限療法も反応条件はまちまちかと思います。

たんぱく質や脂質に対する消化機能も、体内脂肪の燃焼による体重減少も、血液検査の数値も、変動の中の一瞬を捉えるだけ。でも、傾向値は確かのようで?

栄養素がいかにエネルギーや生体組織になるのか、まだまだ解明されていませんね

糖質制限療法が唯一無二でないことも、超スーパーコンピューでも、方程式設定や測定器の限界があり、仮説の集合だと考えた方が良さそうですね。

2014/09/11(Thu) 12:55 | URL | 浜千鳥 | 【編集
Re: 科学は仮説の集合体、医学も栄養学も確率で受け止めるべし
浜千鳥 さん

仰有る通りと思います。

100/100を目指して、仮説を検証していくのが科学ですが、
現在、60/100なのか、90/100なのか誰にもわかりません。

100/100ではないし、それはあり得ないことも確かですね。

かなりわかったと思われていいた物理学でさえも、
ダークマター、ダークエネルギーの登場で、ほとんどわかっていなかったことがわかりましたね。
2014/09/12(Fri) 16:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
現代栄養学の科学的誤謬 その2
江部先生も医学という分野の科学者、私も理工系の技術に基盤を置く事業を追いかける者ですので、確率50%以上の蓋然性を前提にしてしているので、さまざまな疑念や例外を排除できませんね。

肉食のエネルギー摂取に適したメカニズムを持つ人類が、飢餓に備えるための体脂肪を蓄積するためにインシュリン分泌を非日常に行うのと、粉砕穀類や精製糖の常用を可能にできる技術を獲得したのも、生活習慣病を流行させる皮肉なパラドックスですね。

基礎代謝カロリーを如何にして設定しているのか?

牛やパンダのごとく腸内細菌が働かない人類には植物繊維は微塵も消化吸収できず、肉食のエネルギー摂取を軸に、脂質の一部を吸収できるのか?

この辺から、糖質制限療法をズバリと解析できる日を待ち望みます。

食品別の糖質炭水化物の一覧表も、栄養学の科学的成果である以上、極めて疑わしいのでは?
2014/09/13(Sat) 22:20 | URL | 浜千鳥 | 【編集
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