FC2ブログ
人工甘味料とインスリン、人工甘味料とケトン体
こんばんは。

人工甘味料とインスリン、人工甘味料とケトン体について、大畑さんから、コメント・質問をいただきました。

人工甘味料とインスリン分泌、ケトン体値、いろいろ、ネット上で信頼度の低い間違った情報が出回っているようなので、もう一度整理整頓します。


【14/09/03 大畑

人工甘味料とインシュリン

江部先生、失礼します。
Facebookである方が、「人工甘味料は、膵臓の甘味受容体を刺激するためインスリンの追加分泌で低血糖や中性脂肪燃焼の抑制が起きるのではないか。」と書いています。先生の過去の記事を読ませていただいて、それは事実無根ではないですか?ということと、江部先生のブログ記事を紹介させていただきました。事後報告で申し訳ありません。不都合があるようでしたら削除しますのでお知らせください。】


【Re: 人工甘味料とインシュリン
大畑 さん

OKです。】


【14/09/03 大畑
人工甘味料とインシュリン2
度々申し訳ありません。
ある方がケトジェニックダイエットアドバイザーの勉強会に参加され、人工甘味料を使った後の明らかな血中ケトンの下降データを見たそうです。つまり脂肪燃焼は一気に減退するとおっしゃるのです。そこには血糖値の上昇についての関連はデータには入っていなかったそうですが。その方は思い当たったので、その日から人工甘味料をやめ、一週間で3キロ体重が落ちたそうです。これは本当でしょうか? 】


【14/09/04 ドクター江部
Re: 人工甘味料とインシュリン2
大畑 さん

「ある方がケトジェニックダイエットアドバイザーの勉強会に参加され、人工甘味料を使った後の明らかな血中ケトンの下降データを見たそうです。つまり脂肪燃焼は一気に減退するとおっしゃるのです」

この情報は、論文化もされていないので、業者さんに都合のいい信頼度の低いデータと思います。

現実に医療機関で、推奨される、「難治性小児てんかん」の治療食としての ケトン食においても、人工甘味料は使用されています。】


まず、人工甘味料とインスリン分泌に関してですが、結論から言うと、

経口摂取した人工甘味料が直接、人体においてインスリン分泌を促すということは
ありません


信頼度の高い英文論文によると、人工甘味料のみでは、インスリンやインクレチン分泌が促進されることはないことが記載されています。

人工甘味料を直接胃や腸に注入しても、通常の食後に起こるホルモン(インスリンやGLP-1のようなインクレチン)分泌の急性変化は起きないことが知られているとのことです。

詳しくは

2013年08月29日 (木)の本ブログ記事
「人工甘味料が、大量のインスリン分泌を促す?真相は?」
koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2653.html

2014年05月23日 (金)の本ブログ記事
「人工甘味料とインスリン分泌。人工甘味料と糖尿病。」
koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-2972.html

をご参照ください。


次に、人工甘味料と血中ケトン体値の検討です。

日本小児神経学会のサイト http://child-neuro-jp.org/visitor/qa2/a36.html
に以下の記載があります。

36:てんかんの食事療法(ケトン食療法)について。

1)てんかんで抗てんかん薬を内服していますがよくなりません。食事療法を勧められましたがどのような食事療法がありますか?

 もっとも代表的な食事療法はケトン食療法です。日本ではあまり普及していませんが欧米や韓国では難治性てんかんの治療法の一つとして確立しています。ケトン食療法は糖・炭水化物を減らし脂肪を増やした食事で、脂肪が分解されてケトン体が体内で作られ効果を発揮します。

お米、パン、パスタなどはできるだけ食べないようにして、砂糖の代わりに人工甘味料を使用し、卵、豆腐、肉、魚主体の食事に食用油を添加し、食事中の脂肪:(糖+炭水化物+タンパク質)の比率(ケトン指数)を 3~4:1にします。

医師を通じて入手できる特殊ミルク(ケトンフォーミュラ)はいろいろな料理にも利用できます。効果を高めるためにカロリーや水分を7~8割に制限する場合があります。

タンパク質を制限しないで糖・炭水化物を10~15g/日までにして脂肪を多めに摂取する修正アトキンス食も有効性が報告されています。

いずれもバランスの偏った食事なので医師と栄養士の指導が必要です。


ケトン食においては、糖質を徹底的に減らして、脂質を増やし、血中ケトン体値を高めるようにします。

総摂取カロリーにおける、脂質の比率は75~80%です。

医療におけるケトン食は、極めて厳密なものであり、例えば、内服薬(糖衣錠)に含まれるていどの少量の糖質でも、血中ケトン体値は下がってしまうので、避けるようにしています。

そのケトン食において、砂糖の代わりに人工甘味料を使用すると小児神経学会のサイトに明記してあるのですから、

人工甘味料で血中ケトン体値が下降するとは考えられません。

ケトン食あるいはスーパー糖質制限食実践中の人においても、人工甘味料あるいは、糖アルコールの中でエリスリトールは使用OKの食材なのです。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
人工甘味料とインスリンについてご質問させていただいた者です。先生のブログで正しいことがわかりスッキリしました。わかりやすい回答をいただいてありがとうございます。感謝いたします。
2014/09/04(Thu) 22:14 | URL | 大畑 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可