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超低炭水化物食VS高炭水化物食、RCT論文
こんにちは。

ディアベテス・ケア(米国糖尿病学会誌)2014年7月28日号に、2型糖尿病患者に「超低炭水化物・低飽和脂肪食」を食べさせた研究が発表されました。(☆)

「超低炭水化物・低飽和脂肪食」群と「高炭水化物食(未精製穀物)」群を分けて比較研究した、無作為化試験(RCT)の論文です。

EBM(根拠に基づいた医学)的には、RCT研究論文は信頼度が高いとされています。

要約まではインターネットで見ることができます。
私も要約まででブロックされたので、本文はみていません。

方法:24週にわたる食事療法
対象:肥満の2型糖尿病成人115例
平均BMI:34.4±4.2
平均年齢:58±7歳
期間:24週間
試験:無作為化試験(RCT研究)
超低炭水化物食群 : 低カロリーにしています。
  炭水化物14%(<50g/日)、タンパク質28%、脂肪58%(飽和脂肪<10%)
高炭水化物食群 : 低炭水化物食群と合わせた低カロリーで、未精製の穀物です。
  炭水化物53%、タンパク質17%、脂肪30%(飽和脂肪<10%)


その結果、超低炭水化物食群で高炭水化物食群に比較して血糖変動、HbA1c、中性脂肪値の有意な減少が認められ、HDLコレステロールの有意な増加が認められました。

体重減少は、

超低炭水化物食群は「 -12.0±6.3kg」
高炭水化物食群は「-11.5±5.5kg」

で、共に減少し、有意差なしでした。

両群ともに、血圧、空腹時血糖値、LDL-Cが減少しました。

私は、この研究、超低炭水化物食群は低カロリーにする必要はなかったと思うのですが、著者らは、両群同一の低カロリーにしています。

対照群は、「高炭水化物食(未精製穀物)」群であり、いわゆる、従来のヘルシーなダイエット食のイメージですね。

さらに、両群ともに、飽和脂肪酸を減らしており、旧来の常識に囚われているきらいがあるのが、おしいですね。

ともあれ、RCT論文において、「超低炭水化物食群」が「高炭水化物食群」に圧勝したことは間違いなしです。



(☆)
A Very Low Carbohydrate, Low Saturated Fat Diet for Type 2 Diabetes Management: A Randomized Trial

Jeannie Tay1,2,3, Luscombe-Marsh Natalie D1, Campbell H. Thompson2, Manny Noakes1, Jon D. Buckley4, Gary A. Wittert2, William S. Yancy Jr.5,6 and Grant D. Brinkworth1

Diabetes Care July 28, 2014
2014, doi: 10.2337/dc14-0845




江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
お薬について・
こんばんは、始めて質問させていただきます。糖質制限半年A1Cは9.4~6.0になりましたが朝の血糖値が130台と高いのです。寝る前は100ぐらいですが、、、暁現象?ということで止めたいと思っていたお薬ですが ジャヌビア50㎎
そしてメトグルコ250mg追加しました。まだ4日ぐらいなので下がりませんが、この二つ効きますか? 本当はジャヌビア止めたいのですが、、、。2型女子です。
2014/08/11(Mon) 19:23 | URL | miyabu- | 【編集
Re: お薬について・
miyabu- さん

暁現象でしょうね。

暁現象に、メトグルコとジャヌビアは効きます。
早朝空腹時血糖値がコントロール良好を維持できるようになれば、
経過を見て、ジャヌビアは休薬できる可能性があります。
2014/08/11(Mon) 20:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
日本とアメリカの糖尿病学会誌
江部先生、先日の日本糖尿病学会誌のレターに対する詳細な反論ありがとうございました。
インスリンが使われるようになる前は、糖質制限食は、糖尿病の治療食だったということですが、インスリンを使うようになっていつでも血糖を下げられるという安易な治療が中心になって、食事療法や糖質に対する警戒がなくなっているように思えます。「それは当時は、空腹時血糖値とHbA1cのみで血糖コントロールを評価しており、酸化ストレスの最大リスクである「平均血糖変動幅増大」「食後高血糖」のことは、全く知られていませんでした。当然この文献でも無視されています。」理解しました。
1991年のRizzo等論文を引用して妊婦のケトン体高値のリスクを語る方が多いのですが、これはケトン体が100-180μmol/Lというレベルで評価を下しており、普通の妊婦の臍帯血や胎盤のケトン体が1000μmol/Lくらい当たり前という値から見たら、まったく意味のない数字ですね。
でも1)ケトン体=知能低下説と2)ケトン体=飢餓説は、日本糖尿病学会に蔓延している慢性疾患です。糖質制限食に対する偏見もひどいですが、糖質制限ではない症例を使って、責任のないレターで個人のつぶやきレベル( エビデンスレベル最低) で批判する日本の糖尿病学会誌と大勢のデーターをRCT論文(エビデンスレベル最高)にまとめて掲載しているアメリカ糖尿病学会誌の研究を比べると驚くべきレベルの差を感じます。悲しいことですが、かえって、先が見えてきたように感じるのは私だけでしょうか?
2014/08/11(Mon) 20:18 | URL | 産婦人科医 宗田 | 【編集
お薬について・
返信ありがとうございます。糖質制限バンサイ!!がんばります。
2014/08/11(Mon) 21:03 | URL | miyabu- | 【編集
オーソモレキュラー講演会
http://kenko100.jp/articles/140808003086/

糖質制限等をテーマに講演予定
2014/08/11(Mon) 22:47 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: オーソモレキュラー講演会
精神科医師A さん

オーソモレキュラー講演会・・・サプリメント

私は、スーパー糖質制限食を、足かけ13年、実践してしていますが、サプリはゼロです。

糖質制限食実践なら、「必須脂肪酸、必須アミノ酸、食物繊維、ビタミン、ミネラル、微量元素」の
全てが充分摂取できます。
糖質制限食は人類本来の食事、人類の健康食です。

従ってサプリは必要ないというのが、私の立場です。

2014/08/12(Tue) 10:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 日本とアメリカの糖尿病学会誌
宗田先生

同感です。
先生のコメントを取り上げて記事にしたいと思います。

ところでスペイン在住のEspaña さんの悪阻と糖質制限食、
なにか産婦人科医としてのアドバイスありますでしょうか?
2014/08/12(Tue) 10:42 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質の摂り方について
江部先生 こんにちは。
ブログの更新、いつも楽しみにしています。

私はスーパー糖質制限食を始めて5カ月になるのですが、最近、食後1時間と2時間の値を測ってみて、どうすればいいのか分からなくなってしまい、アドバイスを頂けたらと、コメントしています。

Aパターン 
 朝食(毎日同じ内容です) 推定摂取糖質量 12g
  空腹時 140
  1時間後 173
  2時間後 142
  5時間後(昼食前) 116
 2度測定しましたが、ほぼ同じ数値でした。

 ある日の昼食 糖質量 16.5g
  食前 117
  1時間後 164
  2時間後 151
  4時間後 116

Bパターン 
 ある日の昼食 糖質量 5.2g
  食前 127
  1時間後 140
  2時間後 147
  4時間後 137

 ある日の昼食 糖質量 5g
  食前 134
  1時間後 149
  2時間後 148
  4時間後 134

すべて運動なしのデータです。

この結果だけ見ますと、ある程度糖質を摂ったときのほうが、4,5時間後にぐっと下がっていて、少ない糖質量のときは、大して上がらないけれど、下がりきらないということになります。Bパターンの場合、糖質量が少ないため、追加のインスリン分泌がないか、少なく、また基礎分泌も少ないために、下げることができないということでしょうか? 
そして、これが大きな疑問なのですが、Aパターンのように、1時間後が180を超えない範囲の糖質を摂り、上がるけれど下がるほうがマシなのか、Bパターンのように、下がる時間帯がなくても、上げずに、常に中途半端に高い状態でいるほうがマシなのか、どちらでしょうか? ヘモグロビンは、どちらが高く出るのでしょうか?

また、スーパーを始めて最初の2,3ヶ月は早朝空腹時血糖値が好調で100~120台でいましたが、7月初旬くらいから徐々に上がり始め、今では140前後になってしまいました。昼食前も平均で20位高くなり、全体的に底上げという有様です。これは、スーパーを実践して最初は下がっても、5か月の間に膵臓がだんだん疲れてきて、悪化してしまったということなのでしょうか? ちなみに、糖尿が発覚したときのヘモグロビンは11%台でした。

私のいる部屋には冷房がなく、この季節、朝から晩まで一日中暑くて汗だくです。慢性的に睡眠不足でもあります。そんなことも体のストレスになって血糖値を上げているのかと、かすかな望みを持っていましたが、主治医に訊いたところ、代謝の鈍い冬よりは、夏のほうが血糖値は下がると言われました。やはりそうですか? 先生は、この季節は高い、この季節は低いなどという傾向がありますか?
これからもスーパーを続けるつもりです。どういう糖質の摂り方をすればいいのか、アドバイスをいただけましたらとても助かります。

ストレスと言えば、イライラしたり怒ったりすると、血糖値は上がるのですよね? そうして精神的なことで上がった血糖値は、気持ちが落ち着くと、ひとりで下がるものなのでしょうか? それとも糖質を摂ったときと同じように、追加のインスリンが分泌されるのですか? はたまた運動でもしないと下がらないのでしょうか?
先生がテニスをされて上がった血糖値が、お休みになると下がるというのは、やはり追加のインスリン分泌のためですか? とても気になります。

血糖値というのは、本当に奥が深いですね。疑問が絶えません。

どうぞよろしくお願いします。
2014/08/12(Tue) 14:52 | URL | Ruru | 【編集
メディカル朝日 2014年8月号
雑誌:メディカル朝日の2014年8月号を読んでいたら,興味深い記事を見つけました.

◇血中ケトン体濃度が上昇する.
◇尿にケトン体が出る.
◇肝臓糖新生が亢進(注1)して肝中グリコーゲンが枯渇する.

その結果;
◇サルコペニアが懸念される
◇ケトアシドーシスの可能性がある.


これ,糖質制限食について書かれたのではありません. これはメディカル朝日の2014年8月号P.30に掲載されていた,『SGLT2阻害薬と食事療法』という記事の中で,SGLT2阻害薬により発生する問題点として挙げられていることです.

(注1) SGLT2阻害薬は肝臓の糖新生を亢進させる
J. Clin. Invest. Vol.124(2), 509-514, 2014

日本糖尿病学会は,上記とまったく同じ理由をあげて,これまでさんざん糖質制限食は危険だとあげつらっておきながら,SGLT2阻害薬については,夢のような糖尿病新薬だともてはやしてきました(注2).

(注2)日経メディカル 2014年3月号 p.53
『新しい作用機序を持つSGLT2阻害薬の登場で(血糖値コントロールの)目標達成率がより高まり,将来糖尿病合併症に悩む患者が少しでも減ることを期待している』
東大病院 門脇院長 談;

同じ現象が発生するのに,一方で糖質制限食は危険と言い,他方でSGLT2阻害薬の方は『有望な糖尿病治療手段』と持ち上げるのは,矛盾しています.

しかも傑作なのは,この記事の趣旨がまったく曖昧な点です.この『SGLT2阻害薬と食事療法』という記事を何度も読み返しましたが,結論らしきものは見当たらず,要するに何を言いたいのかさっぱりわからないのです.

同誌の別の箇所(p.25)には,『SGLT2阻害薬を服用すると,1日あたりおよそ400kcalのエネルギーに相当する糖質が尿から排泄される』とあります.そこで1600kcal(内 糖質は60%=960kcal)のいわゆる『カロリー制限食』を摂っていると,ただでさえ,ギリギリの最低カロリーに設定されているのに,更に400kcalほどカロリー摂取不足になります.この不足分を何によってどれくらい補うべきなのか,この記事では一切触れていないのです.記事中では,『SGLT2阻害薬により糖排泄を促進する一方で,糖質摂取量を増加するような食事療法は,糖尿病治療として本末転倒である』とも書かれています(p.31). つまり,不足するカロリーを糖質で補ってはいけないと述べています. ところがこの記事では続けて,『SGLT2阻害薬服用患者が糖質制限食を行った場合には,絶対的な糖不足に陥る』とあり,つまりは糖質はふやしてはならないが,なおかつ脂質も蛋白質も増やしてはいけないというわけです.ならば,いったいこのカロリー不足をどうせよというのでしょうか? この記事ではその点は,最後に『現時点ではSGLT2阻害薬に対する適切な食事療法は明らかでない』と結論不明にしています.察するに,今まで『高蛋白・高脂質の糖質制限は危険』と言い続けてきた手前,自縄自縛に陥っているのでしょう. 適切な食事療法が定まらないのなら,SGLT2阻害薬を患者に処方した医師は,食事について何も注意喚起しなくてもいいのでしょうか? 管理栄養士は,これまで通りの『高糖質 糖尿病標準食』をそのまま続けろと言っていいものでしょうか? この記事を読んだ患者はいったい何をどうしたらいいのでしょうか?

たしかにBMIが30を超えるような超肥満の患者なら,それで急速に痩せられるかもしれませんが,1,600kcalのカロリー制限食でさえ辛いと思っている人が,更に400kcalのカロリー切り捨てに耐えられるでしょうか?以前NHKで放映された人のように,フラフラになって階段も登れなくなるでしょう.果たしてそれが『有望な糖尿病治療手段』といえるでしょうか?

結局,高糖質・カロリー制限食を指示されている患者に,SGLT2阻害薬が投与されたら,400kcal分の糖質が摂取されなかったのと同じですから,つまりはそれは【圧倒的にカロリー不足,かつ中途半端な糖質制限食】になってしまいます(注3). であるなら,最初から【適切なカロリーでの糖質制限食】の方がよほど安全です.少なくとも糖質制限食は,尿路・性器感染症は起こしたりしませんからね.

(注3)
1600kcalのカロリー制限食が,糖尿病学会の奨める『適正カロリー比』だとした場合;
炭水化物: 60% = 960kcal
脂質:20% = 320kcal
蛋白質:20% = 320kcal
合計 1,600kcal

この食事をしている患者が,SGLT2阻害薬を服用して400kcalの糖質が排泄されると;

炭水化物: 960kcal - 400kcal = 560Kcal ← 47%
脂質: 320kcal ← 27%
蛋白質:: 320kcal ← 27%
合計: 1,200kcal

つまり,炭水化物が50%未満になるので,『50~60%の炭水化物が適正』とする糖尿病学会のガイドラインから外れてしまいます.
2014/08/12(Tue) 15:01 | URL | しらねのぞるば | 【編集
糖質制限の食事療法のPFCについて
江部先生
いつも貴重な情報ありがとうございます。
質問したい事が二つあります。
1)糖質制限食事療法のPFCバランス比率は、いくらですか?またその根拠はありますか?
2)高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラムに記載されている糖質制限のパンの栄養価(エネルギー、PFC、塩分)は、いくらですか?
お願いします。
2014/08/12(Tue) 16:30 | URL | 栄養士R | 【編集
日本糖尿病学会は土人の集団です
宗田先生、

> 1)ケトン体=知能低下説と
> 2)ケトン体=飢餓説は、
> 日本糖尿病学会に蔓延している慢性疾患です。

これは「慢性疾患」というより「土着信仰」とか「迷信」と言った方が、より適切かと存じます。
2014/08/12(Tue) 20:15 | URL | さとし | 【編集
Re: 糖質の摂り方について
Ruru さん

1)
ネットで「血糖値 気温」で調べてもわかりますが、
多くの場合、気温が高いほうが血糖が上昇します。

2)
血糖変動幅増大と食後高血糖が、最大のリスクとなります。
血糖変動幅が少ないほどいいです。
つまりBパターンのほうが好ましいです。

3)
HbA1c11%からおそらく6%台以下まで良くなっていると思います。
膵臓も11%のときに比べれば良くなっていると思います。

4)
イライラしたり怒るとアドレナリンが分泌されますが、それが血糖値を上げます。
イライラがおさまれば血糖値もおさまります。
私のテニスのときもアドレナリンの関係と思います。
2014/08/12(Tue) 22:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: メディカル朝日 2014年8月号
しらねのぞるば さん

興味深いコメント、ありがとうございます。
記事に取り上げようと思います。
2014/08/12(Tue) 22:13 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限の食事療法のPFCについて
栄養士R さん

スーパー糖質制限食では、1食の糖質量を10~20g以下を目指します。
高雄病院給食の1回の糖質量は、7~8gから17~18gです。

朝昼夕の高雄病院給食のPFCバランス比率は、平均値で
P:32% F:56% C:12%
です。

糖質制限パンの栄養価は、高雄病院栄養科に確認してみます。
2014/08/12(Tue) 23:20 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生  

アドバイス、ありがとうございました。
これからも、自信を持ってスーパー糖質制限食を続けていきます。

私が糖尿病と分かってからまだ季節が一巡していませんので、季節による血糖値の変化について、引き続き見ていこうと思います。

本当にありがとうございました。
2014/08/13(Wed) 10:12 | URL | Ruru | 【編集
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