2014年07月16日 (水)
こんにちは。
以前、精神科医師Aさんから、コメントいただいた文献をざっと読んでみました。
「オフロードサイクリストにおける運動代謝と身体能力へのケトン食の影響」
という題のポーランドの研究です。(*)
以下、この研究の要約と結果を、かなりアバウトに意訳してみました。
面倒なところは一部省いていますが、大意は合っていると思います。
<要約>
本研究の主な目的は、オフロードサイクリストの好気的パフォーマンスと運動代謝においての、長期的ケトン食の効果を決定することであった
被験者はトレーニング経験が5年間以上のオフロードサイクリングのアスリート。
8人の男性被験者、年齢は28.3±3.9歳
クロスオーバーで、ケトン食と混合食を一ヶ月ずつ。
それぞれ同じトレーニング負荷。
ケトン食:P:C:F=15:15:70
混合食:P:C:F=20:50:30
様々な強度でサイクロエルゴメーターで連続的な運動手順で検査を行った。
ケトン食は、体重、体組成、脂質及びリポタンパク質プロファイルにいおいて好ましい変化があった。
最大酸素摂取量と乳酸閾値と呼吸交換率(RER)は、安静時および運動の最初の3つの段階(10分、45分、90分・・・低~中程度の強度)においては、ケトン食が優位であった。
最後のマックス強度の運動の時は、ケトン食の優位は逆転した。
<結果>
有酸素持続的なアスリートにおいては、ケトン食は好ましい可能性がある。
高容量で、低から中等度の強度のトレーニング負荷のトレーニング過程においては、ケトン食は優位である可能性がある。
筋肉のダメージも少ない。
しかし高強度の運動においては、ケトン食は筋肉中のグリコーゲン貯蔵が少なく解糖酵素の能力が低下するので運動能力を低下させる。
*ケトン食は脂肪酸代謝を活性化させ、インスリンレベルとブドウ糖利用を減少させる。
自転車のアスリート8名の研究で、ケトン食を摂取した1ヶ月と混合食を摂取した1ヶ月で、それぞれデータをとって、比較した研究です。
結論は、有酸素運動(この研究では自転車競技)において、低強度~中等度の強度トレーニングなら、ケトン食は混合食(普通食)より優位であるけれど、高強度のトレーニングでは、優位は逆転するということです。
これは、中程度の強度のトレーニングなら、ケトン食で脂肪酸代謝が活性化しているので、それをエネルギー源として筋肉は混合食(普通食)の時より効率的に活動できるということです。
この結論は、私の印象とも一致しています。
このことを考慮すると、有酸素運動が主のマラソンやトレイルランなどでは、ケトン食を実践していると、筋肉はしっかり「脂肪酸-ケトン体」を主たるエネルギー源として使って、中等度の強度の運動で走り続けて、ラストスパートだけは、「グリコーゲン-ブドウ糖」をエネルギーに使って無酸素運動で強度の運動で終了というパターンが可能です。
この研究のケトン食は、糖質15%ですから、高雄病院のスーパー糖質制限食の12%と似たようなものです。
そうすると、長距離ランナーなどでいつも通りのトレーニングでスーパー糖質制限食を実践していると、筋肉は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」を使いやすくなります。
そして中程度の強度の走行では、脂肪酸-ケトン体を利用してブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムを節約しておいて、ラストスパートで最後に効率的にそれを使うということが可能となります。
(*)
http://www.mdpi.com/2072-6643/6/7/2493#tabs-5
Nutrients 2014, 6, 2493-2508; doi:10.3390/nu6072493
The Effects of a Ketogenic Diet on Exercise Metabolism and
Physical Performance in Off-Road Cyclists
Adam Zajac 1
Stanisław Poprzecki 2
Adam Maszczyk 1,*, Miłosz Czuba 1
Małgorzata Michalczyk 3
and Grzegorz Zydek 3
江部康二
以前、精神科医師Aさんから、コメントいただいた文献をざっと読んでみました。
「オフロードサイクリストにおける運動代謝と身体能力へのケトン食の影響」
という題のポーランドの研究です。(*)
以下、この研究の要約と結果を、かなりアバウトに意訳してみました。
面倒なところは一部省いていますが、大意は合っていると思います。
<要約>
本研究の主な目的は、オフロードサイクリストの好気的パフォーマンスと運動代謝においての、長期的ケトン食の効果を決定することであった
被験者はトレーニング経験が5年間以上のオフロードサイクリングのアスリート。
8人の男性被験者、年齢は28.3±3.9歳
クロスオーバーで、ケトン食と混合食を一ヶ月ずつ。
それぞれ同じトレーニング負荷。
ケトン食:P:C:F=15:15:70
混合食:P:C:F=20:50:30
様々な強度でサイクロエルゴメーターで連続的な運動手順で検査を行った。
ケトン食は、体重、体組成、脂質及びリポタンパク質プロファイルにいおいて好ましい変化があった。
最大酸素摂取量と乳酸閾値と呼吸交換率(RER)は、安静時および運動の最初の3つの段階(10分、45分、90分・・・低~中程度の強度)においては、ケトン食が優位であった。
最後のマックス強度の運動の時は、ケトン食の優位は逆転した。
<結果>
有酸素持続的なアスリートにおいては、ケトン食は好ましい可能性がある。
高容量で、低から中等度の強度のトレーニング負荷のトレーニング過程においては、ケトン食は優位である可能性がある。
筋肉のダメージも少ない。
しかし高強度の運動においては、ケトン食は筋肉中のグリコーゲン貯蔵が少なく解糖酵素の能力が低下するので運動能力を低下させる。
*ケトン食は脂肪酸代謝を活性化させ、インスリンレベルとブドウ糖利用を減少させる。
自転車のアスリート8名の研究で、ケトン食を摂取した1ヶ月と混合食を摂取した1ヶ月で、それぞれデータをとって、比較した研究です。
結論は、有酸素運動(この研究では自転車競技)において、低強度~中等度の強度トレーニングなら、ケトン食は混合食(普通食)より優位であるけれど、高強度のトレーニングでは、優位は逆転するということです。
これは、中程度の強度のトレーニングなら、ケトン食で脂肪酸代謝が活性化しているので、それをエネルギー源として筋肉は混合食(普通食)の時より効率的に活動できるということです。
この結論は、私の印象とも一致しています。
このことを考慮すると、有酸素運動が主のマラソンやトレイルランなどでは、ケトン食を実践していると、筋肉はしっかり「脂肪酸-ケトン体」を主たるエネルギー源として使って、中等度の強度の運動で走り続けて、ラストスパートだけは、「グリコーゲン-ブドウ糖」をエネルギーに使って無酸素運動で強度の運動で終了というパターンが可能です。
この研究のケトン食は、糖質15%ですから、高雄病院のスーパー糖質制限食の12%と似たようなものです。
そうすると、長距離ランナーなどでいつも通りのトレーニングでスーパー糖質制限食を実践していると、筋肉は「脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム」を使いやすくなります。
そして中程度の強度の走行では、脂肪酸-ケトン体を利用してブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムを節約しておいて、ラストスパートで最後に効率的にそれを使うということが可能となります。
(*)
http://www.mdpi.com/2072-6643/6/7/2493#tabs-5
Nutrients 2014, 6, 2493-2508; doi:10.3390/nu6072493
The Effects of a Ketogenic Diet on Exercise Metabolism and
Physical Performance in Off-Road Cyclists
Adam Zajac 1
Stanisław Poprzecki 2
Adam Maszczyk 1,*, Miłosz Czuba 1
Małgorzata Michalczyk 3
and Grzegorz Zydek 3
江部康二
こんにちは。糖質制限食を始めて2ヵ月目の血液検査の結果が出ました。総コレステロール336 HDL コレステロール93→102 LDLコレステロール159→215 尿素窒素11.6→21.5 尿中ケトン+ アルブミン4.6 で 前回の中性脂肪は39でしたが 今回は検査してありません。前回は総コレステロールが検査してありません。食後3時間血糖値102でした。主治医の先生から クレストールを服用するようにすすめられています。どうすればよろしいでしょうか?
有酸素運動の運動強度をあらわす場合、HRが必ず出てくるはずですが、ここでは触れられていません。詳しく知りたいですね。
2014/07/16(Wed) 19:30 | URL | ゆきだるま | 【編集】
ゆきだるま さん
Heart rate (HR)は、
ケトン食と普通食で有意差なしです。
Heart rate (HR)は、
ケトン食と普通食で有意差なしです。
2014/07/16(Wed) 20:28 | URL | ドクター江部 | 【編集】
わんこ まり さん
HDLコレステロールが高めで、中性脂肪が低めなら、
小粒子LDLや酸化LDLは少なく、正常の問題ないLDLと思います。
このまま経過をみてよいと思います。
本ブログ扉ページの「コレステロール」の項をご参照ください。
HDLコレステロールが高めで、中性脂肪が低めなら、
小粒子LDLや酸化LDLは少なく、正常の問題ないLDLと思います。
このまま経過をみてよいと思います。
本ブログ扉ページの「コレステロール」の項をご参照ください。
2014/07/16(Wed) 20:40 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はじめまして
糖尿病網膜症の合併症があり、どうしても血糖値を下げたくて先生の書籍を4冊購入して、糖質制限を始めて3か月過ぎました。
おかげさまで血糖値は7.9→6.1→5.9(NGSP)と下がりました。ありがとうございます。
今日、検診で先月(2か月目)の血液検査の結果が出ました。
HDL コレステロール68→53 LDLコレステロール110→141で想定の範囲内だったのですが、
中性脂肪が今まで何年間も60~70だったのに185と急激に上がってしまいました。
主治医の先生は見落としたのか何も言われなかったのですが、あまりに急激に増えたので不安です。
もともと皮下脂肪がかなり多い体型です。
お薬はリピトール5㎎1錠(夕)とメトグルコ250㎎1錠(朝昼夕)飲んでいます。
江部先生の書籍も何度も読み直したのですが、改善する事例しか見当たらず・・・。
一時的な増加なのでしょうか?
ひとつ思い当たるのは、今まであまり食べなかったマヨネーズを頻繁に食べるようになったことです。
関係ないかもしれませんが。
どうしたら中性脂肪を下げることができるのでしょうか。
糖尿病網膜症の合併症があり、どうしても血糖値を下げたくて先生の書籍を4冊購入して、糖質制限を始めて3か月過ぎました。
おかげさまで血糖値は7.9→6.1→5.9(NGSP)と下がりました。ありがとうございます。
今日、検診で先月(2か月目)の血液検査の結果が出ました。
HDL コレステロール68→53 LDLコレステロール110→141で想定の範囲内だったのですが、
中性脂肪が今まで何年間も60~70だったのに185と急激に上がってしまいました。
主治医の先生は見落としたのか何も言われなかったのですが、あまりに急激に増えたので不安です。
もともと皮下脂肪がかなり多い体型です。
お薬はリピトール5㎎1錠(夕)とメトグルコ250㎎1錠(朝昼夕)飲んでいます。
江部先生の書籍も何度も読み直したのですが、改善する事例しか見当たらず・・・。
一時的な増加なのでしょうか?
ひとつ思い当たるのは、今まであまり食べなかったマヨネーズを頻繁に食べるようになったことです。
関係ないかもしれませんが。
どうしたら中性脂肪を下げることができるのでしょうか。
2014/07/17(Thu) 01:14 | URL | ナツコ | 【編集】
ナツコ さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
早朝空腹時の検査であれば、スーパー糖質制限食なら、中性脂肪は必ず下がるか、基準値内の低値になります。
食後であれば、中性脂肪は上昇しても矛盾しません。
「HDL コレステロール68→53」・・・HDLが低下したのも不思議ですね。通常は増加します。
拙著のご購入、ありがとうございます。
早朝空腹時の検査であれば、スーパー糖質制限食なら、中性脂肪は必ず下がるか、基準値内の低値になります。
食後であれば、中性脂肪は上昇しても矛盾しません。
「HDL コレステロール68→53」・・・HDLが低下したのも不思議ですね。通常は増加します。
2014/07/17(Thu) 08:04 | URL | ドクター江部 | 【編集】
沖縄の安谷屋です。ご無沙汰しております。
私のクリニックに来られている方に70歳前でフルマラソンをされている方がいるのですが、この方が「糖質制限を行なってタイムが良くなった」、「最後までペースを落とさずに走れた」と言っていましたよ。
私のクリニックに来られている方に70歳前でフルマラソンをされている方がいるのですが、この方が「糖質制限を行なってタイムが良くなった」、「最後までペースを落とさずに走れた」と言っていましたよ。
2014/07/17(Thu) 08:31 | URL | あんたーにゃ | 【編集】
早々のお返事ありがとうございます。
申し訳ありません、書き忘れましたが、血液検査は予約制の病院で、いつも食後2時間半にしています。(スーパー糖質制限食)
HDL コレステロールは、ずっと60~69くらい。
中性脂肪も見た目に関係なく、結構低いと思っていたのですが・・・。
食後なので、特に問題ないのでしょうか?
血糖値も下がり、冷え症も改善されましたので、これからも継続して糖質制限していきます。
ありがとうございました。
申し訳ありません、書き忘れましたが、血液検査は予約制の病院で、いつも食後2時間半にしています。(スーパー糖質制限食)
HDL コレステロールは、ずっと60~69くらい。
中性脂肪も見た目に関係なく、結構低いと思っていたのですが・・・。
食後なので、特に問題ないのでしょうか?
血糖値も下がり、冷え症も改善されましたので、これからも継続して糖質制限していきます。
ありがとうございました。
2014/07/17(Thu) 10:03 | URL | ナツコ | 【編集】
江部先生、ナツコさん、横入りすみません。
ナツコさん、中性脂肪等は自分の経験から検査前日、前々日の食事が大きく影響すると思っています。心当たりはありませんか?
私もまだ肥満体型なのですが、5月初めからリピディル、ジャヌビア(共に半錠づつ)を止め6月初めに検査したところ、血糖値系の値は横ばいだったものの脂質系は少し悪化していました。
これについては、薬の中止による揺り戻しが大きく出たとも考えられるのではないかと。。。
この間の体重もほぼ横ばいだったのですが、原因として思い当たることは夕食が不規則な時間であることと、朝昼に比べて量が多めなこと、そして必ずクリームチーズを食べていたことです。マヨネーズやバターも使用していました。
肥満・皮下脂肪の程度によっては一般的な糖質制限の結果通りにはなかなかいかないのかもしれません。
脂肪分の摂取量を少なくするか、燃えやすいもの(短鎖or中鎖)とする必要があるのかなと思います。
ナツコさん、中性脂肪等は自分の経験から検査前日、前々日の食事が大きく影響すると思っています。心当たりはありませんか?
私もまだ肥満体型なのですが、5月初めからリピディル、ジャヌビア(共に半錠づつ)を止め6月初めに検査したところ、血糖値系の値は横ばいだったものの脂質系は少し悪化していました。
これについては、薬の中止による揺り戻しが大きく出たとも考えられるのではないかと。。。
この間の体重もほぼ横ばいだったのですが、原因として思い当たることは夕食が不規則な時間であることと、朝昼に比べて量が多めなこと、そして必ずクリームチーズを食べていたことです。マヨネーズやバターも使用していました。
肥満・皮下脂肪の程度によっては一般的な糖質制限の結果通りにはなかなかいかないのかもしれません。
脂肪分の摂取量を少なくするか、燃えやすいもの(短鎖or中鎖)とする必要があるのかなと思います。
2014/07/17(Thu) 10:35 | URL | 福助 | 【編集】
江部先生、立て続けに失礼します。m(_ _)m
2014/3/19発売の雑誌【Number Do】に、『RUN&EAT あなたの「走る」が「食べる」で
変わる』と題してシドニー五輪マラソン金メダリスト・高橋尚子さんと
世界的トレイルランナー・鏑木毅さんの対談を公開されています。
一部はWEB上にも公開されています(URL:http://number.bunshun.jp/articles/-/801981)。
これを読みますと食の考え方が180度違うことが分かります。
Qちゃんは典型的なスイーツ女子的で、甘いものを食べたい欲求が走りこむほど強くなっているご様子。
一方の鏑木さんは、話こそQちゃんに合わせた展開(聞き手役が多いためか)ではあるけれども、(WEB上では)1点だけ反論といいますか反対な意見を述べているのですが、それは「シーズンになると甘いものすら欲しくなくなる」というものです。
彼の性格がストイックなのか、それとも脂肪エネルギーで走ることで体が自ずとそうさせるのか、興味が尽きません。
この号では『トレイルランナーを丸裸に! 徹底解剖・鏑木毅 食日記と科学で走りの秘密に迫る!』と題して、一月ほどの食事内容が公開されていました。
(これはWEB上には公開されていません。)
それを見ましたところ、セイゲニストの目線では、特に糖質制限なメニューとも言えず、控え目ではあるけれども炭水化物をほぼ毎食摂取していました。
しかしながら彼の日々の運動量からしますと、脂肪燃焼の火付け役的な糖質量ではないかと思います。
また2013年秋号の【Number Do】では、次のような対談もされています。
『レース前、カーボローディングは必要か?』(URL:http://number.bunshun.jp/articles/-/724046)
カーボローディングの是非をテーマとしてはいますが、最後の方でやんわりとこれを否定しています。
そして彼は「体脂肪を優先的に使える体とする方がいい」、「100マイル走るときでもせいぜいご飯一杯」、「レース前に限らずご飯は少なくしておかずを多く食べ、血糖値が急激に上がらないような生活を心がけている」、「逆にファットローディングする」と。
糖尿病でもないのに血糖値の上下動まで気にされているところが素晴らしいですね。
日本の長距離界も糖質制限やケトン食を用いた理論を実践・構築し、また強くなって欲しいと願います。
2014/3/19発売の雑誌【Number Do】に、『RUN&EAT あなたの「走る」が「食べる」で
変わる』と題してシドニー五輪マラソン金メダリスト・高橋尚子さんと
世界的トレイルランナー・鏑木毅さんの対談を公開されています。
一部はWEB上にも公開されています(URL:http://number.bunshun.jp/articles/-/801981)。
これを読みますと食の考え方が180度違うことが分かります。
Qちゃんは典型的なスイーツ女子的で、甘いものを食べたい欲求が走りこむほど強くなっているご様子。
一方の鏑木さんは、話こそQちゃんに合わせた展開(聞き手役が多いためか)ではあるけれども、(WEB上では)1点だけ反論といいますか反対な意見を述べているのですが、それは「シーズンになると甘いものすら欲しくなくなる」というものです。
彼の性格がストイックなのか、それとも脂肪エネルギーで走ることで体が自ずとそうさせるのか、興味が尽きません。
この号では『トレイルランナーを丸裸に! 徹底解剖・鏑木毅 食日記と科学で走りの秘密に迫る!』と題して、一月ほどの食事内容が公開されていました。
(これはWEB上には公開されていません。)
それを見ましたところ、セイゲニストの目線では、特に糖質制限なメニューとも言えず、控え目ではあるけれども炭水化物をほぼ毎食摂取していました。
しかしながら彼の日々の運動量からしますと、脂肪燃焼の火付け役的な糖質量ではないかと思います。
また2013年秋号の【Number Do】では、次のような対談もされています。
『レース前、カーボローディングは必要か?』(URL:http://number.bunshun.jp/articles/-/724046)
カーボローディングの是非をテーマとしてはいますが、最後の方でやんわりとこれを否定しています。
そして彼は「体脂肪を優先的に使える体とする方がいい」、「100マイル走るときでもせいぜいご飯一杯」、「レース前に限らずご飯は少なくしておかずを多く食べ、血糖値が急激に上がらないような生活を心がけている」、「逆にファットローディングする」と。
糖尿病でもないのに血糖値の上下動まで気にされているところが素晴らしいですね。
日本の長距離界も糖質制限やケトン食を用いた理論を実践・構築し、また強くなって欲しいと願います。
2014/07/17(Thu) 10:50 | URL | 福助 | 【編集】
はじめまして。
インスリンの分泌量に上限が、タンパク質の処理能力にも上限がある、と考えれば、脂質でカロリー補充するしかない、と受け入れざるを得ませんね・・・。
この論文ですと、選手の食事カロリーは 4,000kcal/日 となっているので、糖質制限食(高ケトン食)の場合には、炭水化物 150g 、 タンパク質 150gとなりますね。この点が自分の人体実験の印象とも合致しており、とても納得がいきました。
先生が示されている、糖質制限食とビルドアップ走の戦略は、成績として現れやすいので、取り組む価値があると思います。
ただ、例えばトレイルランだと、練習でも1日に 5,000kcal を超えるカロリー消費があり、どうやってそれだけの脂質を苦痛に感じず摂取しつづけられるかが個人的な課題となっています。
いつもブログで勉強させていただいております。
ありがとうございます。
インスリンの分泌量に上限が、タンパク質の処理能力にも上限がある、と考えれば、脂質でカロリー補充するしかない、と受け入れざるを得ませんね・・・。
この論文ですと、選手の食事カロリーは 4,000kcal/日 となっているので、糖質制限食(高ケトン食)の場合には、炭水化物 150g 、 タンパク質 150gとなりますね。この点が自分の人体実験の印象とも合致しており、とても納得がいきました。
先生が示されている、糖質制限食とビルドアップ走の戦略は、成績として現れやすいので、取り組む価値があると思います。
ただ、例えばトレイルランだと、練習でも1日に 5,000kcal を超えるカロリー消費があり、どうやってそれだけの脂質を苦痛に感じず摂取しつづけられるかが個人的な課題となっています。
いつもブログで勉強させていただいております。
ありがとうございます。
2014/07/17(Thu) 14:36 | URL | 名古屋のクボタ | 【編集】
安谷屋(アダニヤ) 徳章先生
情報をありがとうございます。
糖質制限で、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化して、
身体能力が向上したのですね。
ラストスパートだけは、ブドウ糖-グリコーゲンシステムです。
ゆいゆい内科クリニック
〒903-0112
沖縄県中頭郡西原町我謝786-11
診療科目:内科(生活習慣病中心)
院長 安谷屋(アダニヤ) 徳章先生
TEL:098-946-0055
ゆいゆい内科クリニックのホームページ
http://www.yuiyuinaika.com/
安谷屋(アダニヤ) 徳章先生のブログ
http://ync.ti-da.net/c235696.html
情報をありがとうございます。
糖質制限で、脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが活性化して、
身体能力が向上したのですね。
ラストスパートだけは、ブドウ糖-グリコーゲンシステムです。
ゆいゆい内科クリニック
〒903-0112
沖縄県中頭郡西原町我謝786-11
診療科目:内科(生活習慣病中心)
院長 安谷屋(アダニヤ) 徳章先生
TEL:098-946-0055
ゆいゆい内科クリニックのホームページ
http://www.yuiyuinaika.com/
安谷屋(アダニヤ) 徳章先生のブログ
http://ync.ti-da.net/c235696.html
2014/07/17(Thu) 18:50 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ナツコ さん
スーパー糖質制限食実践で
食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、食事中の脂肪が血中に乳び状態であるので、
個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となりますが問題ないです。
2009年11月22日 (日)の本ブログ記事
「糖質制限食と食後の中性脂肪値」
をご参照ください。
スーパー糖質制限食実践で
食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、食事中の脂肪が血中に乳び状態であるので、
個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となりますが問題ないです。
2009年11月22日 (日)の本ブログ記事
「糖質制限食と食後の中性脂肪値」
をご参照ください。
2014/07/17(Thu) 18:57 | URL | ドクター江部 | 【編集】
福助 さん
鏑木毅さんの
ファットローディング・・・いいですね。
鏑木毅さんの
ファットローディング・・・いいですね。
2014/07/17(Thu) 18:59 | URL | ドクター江部 | 【編集】
名古屋のクボタ さん
興味深い情報をありがとうございます。
「トレイルランだと、練習でも1日に 5,000kcal を超えるカロリー消費」
クボタさんは、トレイルランナーなのですね。
一般の人とは桁違いの摂取エネルギーなので、貴重な情報です。
また、データなどあれば、ご教示ください。
興味深い情報をありがとうございます。
「トレイルランだと、練習でも1日に 5,000kcal を超えるカロリー消費」
クボタさんは、トレイルランナーなのですね。
一般の人とは桁違いの摂取エネルギーなので、貴重な情報です。
また、データなどあれば、ご教示ください。
2014/07/17(Thu) 19:04 | URL | ドクター江部 | 【編集】
いつもありがとうございます。教えていただきたたいのですが、普段はスーパー糖質制限を実践しているのですがフルマラソンなどに給水ポイントで糖質をとっても脂質代謝から糖代謝には変わらないのでしょうか?
2014/07/18(Fri) 12:47 | URL | くにお | 【編集】
くにお さん
糖質を一定量以上摂取したら、ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムに切り替わります。
フルマラソンで早い時期や中間で糖質ドリンクを摂取すれば、
脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが、ブドウ糖-グリコーゲンシステムに切り替わるので
摂取したブドウ糖由来の血糖がなくなれば、身体の筋肉中のグリコーゲンが消費されます。
筋肉中のグリコーゲンが一定レベル以下になると、筋肉は収縮しがたくなり、失速するでしょう。
当分は糖質なしの給水で、糖質ドリンクは、最後の段階でないと損ですね。
糖質を一定量以上摂取したら、ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムに切り替わります。
フルマラソンで早い時期や中間で糖質ドリンクを摂取すれば、
脂肪酸-ケトン体エネルギーシステムが、ブドウ糖-グリコーゲンシステムに切り替わるので
摂取したブドウ糖由来の血糖がなくなれば、身体の筋肉中のグリコーゲンが消費されます。
筋肉中のグリコーゲンが一定レベル以下になると、筋肉は収縮しがたくなり、失速するでしょう。
当分は糖質なしの給水で、糖質ドリンクは、最後の段階でないと損ですね。
2014/07/18(Fri) 16:53 | URL | ドクター江部 | 【編集】
7年前Hba1cが13ぐらいになり教育的入院を勧められましたが自営業の私には入院する時間がありません。お酒をやめれず、そのかわりにマラソンを始めました。その頃、普通に食べていて運動により少しの改善はありましたがA1cの値はストレスでした。ある時、先生の著書を知り糖質制限に取り組み数字の改善がみられた。しかし、レースで低血糖またはパフォーマンスにならないようにレース前4日間はカーボローディングしました。糖質制限やりながらレース前には血管を傷つけながらカーボローディングをしている矛盾を感じっていた時、前出の鏑木さんの記事を読みカーボローディングをやめました。結果、全然問題なく走ることが出来ました。ちなみに現在、48歳、182cm、75kg、フルマラソン3時間12分ぐらいです。もう少し体重減らして3時間切り狙います。
永江 さん
貴重な情報をありがとうございます。
やはり、糖質制限食だけで、カーボローディングなしでも
フルマラソンはOKなのですね。
とても参考になります。
貴重な情報をありがとうございます。
やはり、糖質制限食だけで、カーボローディングなしでも
フルマラソンはOKなのですね。
とても参考になります。
2014/07/20(Sun) 11:09 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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