2014年07月11日 (金)
こんにちは。
おかだ小児科医院
岡田清春先生(☆)
から以前ご教示いただいた『イノベーター理論』というマーケティング用語があります。
以下マーケティングWiki ~マーケティング用語集~
から引用。
イノベーター理論(Innovator theory)とは、1962年にスタンフォード大学の社会学者であるエベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)によって提唱された、新製品や新サービスの市場浸透に関する理論のこと。
顧客の新製品や新サービスの購入態度をもとに、5つのタイプに分類される。
イノベーター(Innovators:革新者)
冒険的で新商品が出ると進んで採用する人々の層。
市場全体の2.5%を構成する。
イノベーター層の購買行動においては、商品の目新しさ、商品の革新性という点が重視される為、商品のベネフィットはほとんど無視される。
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する人々の層。
市場全体の13.5%を構成する。
他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれ、商品の普及の大きな鍵を握るとされている。
新製品や新サービスが提供するベネフィットが必ずしも万人に受け入れられるとは限らないため、市場に広く浸透するかどうかはアーリーアダプターの判断や反応によるところが大きいとされる。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しい様式の採用には比較的慎重な人々の層。
慎重派ではあるものの、全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。
市場全体の34.0%を構成する。
アーリーアダプターからの影響を強く受け、新製品や新サービスが市場へ浸透する為の媒介層であることから、ブリッジピープルとも呼ばれる。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しい様式の採用には懐疑的な人々の層。
周囲の大多数が使用しているという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成する。
新市場における採用者数が過半数を越えた辺りから導入を始める為、フォロワーズとも呼ばれる。
ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統化するまで採用しない。
市場全体の16.0%を構成する。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。
イノベーター理論は、プロダクト・ライフサイクルと合わせて、市場分析や需要分析に活用されることが多い。
一般社会にも糖質制限がどんどん広がっていることは間違いないですが、トレンド総研の記事(☆☆)によれば、
<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが、
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
糖質制限食が、第一位です。
そして「最も知られていると思うダイエット法」も第一位は“糖質制限ダイエット”でした。
さらに20代~40代の女性500名を対象にインターネット調査した結果、2人に1人が2013年にダイエットを実践していて、そのうち半数が注目の6ダイエットにトライしていました。
しかし実際にトライされたのは
「食べ順ダイエット」(28%)
「プチ断食ダイエット」(18%)(週2日間だけ、摂取カロリーを通常の1/4に)
「糖質制限ダイエット」(16%)
でした。
結果として2013年のアンケートで、
一般の人においては、糖質制限食は知名度は一番でしたが、実践している人は、16%で、第三位でした。
そうすると、イノベーター理論的には「イノベーター:2.5%」と「アーリーアダプター13.5%」を足してぴったり16%です。
2014年6月の日経メディカル医師2263人のアンケートでは、糖質制限食賛成派が58.3%でした。
「糖質制限ダイエットを自身で実行し、患者にも勧めることがある」と答えた医師が14.3%。
「自身で実行しているが、患者に勧めることはない」と回答した医師が19.4%。
医師の33.7%が糖質制限ダイエットを自ら実行している実態が明らかになりました。
また、4人に1人が「患者に勧めることがある」と答えています。
医学界をイノベーター理論的に考察してみると
「イノベーター:2.5%」
「アーリーアダプター13.5%」
「アーリーマジョリティー34.0%」
33.7%ということは、イノベーターとアーリーアダプターの段階を超えて、アーリーマジョリティーの調度、中間段階くらいです。
医学界の方が、一般社会よりも糖質制限食へのシフトが一歩すすんでいるのは、やはり医師の方がより正確な知識を得て、
自分の頭でしっかり判断して「go sign」をだしているということなのでしょう。
一般の人においては、糖質制限食は知名度は一番でしたが、実践している人は16%で、第三位なので、何となく知っているけれど、内容は深くは知らないので実践しないという段階の人がかなりいると思われます。
そうすると、日本の医師もまだまだ捨てたものではなく、革新的なことへの対応も多いに期待できるという、とても嬉しい感想です。
日本糖尿病学会の重鎮諸氏も、糖質制限食に対する医学界の大きな変化にそろそろ気がついて欲しいですね。
江部康二
(☆)
岡田清春先生
おかだ小児科医院
0740-22-8071
http://www.okadaiin.com/
岡田先生は、創傷の湿潤療法にも精通しておられます。
タバコを吸わない、滋賀県湖西地域の糖尿人、メタボ人の方々、
おかだ小児科医院の岡田先生にご相談ください。
(☆☆)
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131210/prl1312101438068-n1.htm
産経ビズ。Sankei Biz。
2013年12月10日
おかだ小児科医院
岡田清春先生(☆)
から以前ご教示いただいた『イノベーター理論』というマーケティング用語があります。
以下マーケティングWiki ~マーケティング用語集~
から引用。
イノベーター理論(Innovator theory)とは、1962年にスタンフォード大学の社会学者であるエベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)によって提唱された、新製品や新サービスの市場浸透に関する理論のこと。
顧客の新製品や新サービスの購入態度をもとに、5つのタイプに分類される。
イノベーター(Innovators:革新者)
冒険的で新商品が出ると進んで採用する人々の層。
市場全体の2.5%を構成する。
イノベーター層の購買行動においては、商品の目新しさ、商品の革新性という点が重視される為、商品のベネフィットはほとんど無視される。
アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断する人々の層。
市場全体の13.5%を構成する。
他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれ、商品の普及の大きな鍵を握るとされている。
新製品や新サービスが提供するベネフィットが必ずしも万人に受け入れられるとは限らないため、市場に広く浸透するかどうかはアーリーアダプターの判断や反応によるところが大きいとされる。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しい様式の採用には比較的慎重な人々の層。
慎重派ではあるものの、全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。
市場全体の34.0%を構成する。
アーリーアダプターからの影響を強く受け、新製品や新サービスが市場へ浸透する為の媒介層であることから、ブリッジピープルとも呼ばれる。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しい様式の採用には懐疑的な人々の層。
周囲の大多数が使用しているという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成する。
新市場における採用者数が過半数を越えた辺りから導入を始める為、フォロワーズとも呼ばれる。
ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統化するまで採用しない。
市場全体の16.0%を構成する。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。
イノベーター理論は、プロダクト・ライフサイクルと合わせて、市場分析や需要分析に活用されることが多い。
一般社会にも糖質制限がどんどん広がっていることは間違いないですが、トレンド総研の記事(☆☆)によれば、
<2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが、
(1)糖質制限ダイエット
(2)食べ順ダイエット
(3)酵素ダイエット
(4)プチ断食ダイエット
(5)サバ缶ダイエット
(6)ココナッツウォーターダイエット
糖質制限食が、第一位です。
そして「最も知られていると思うダイエット法」も第一位は“糖質制限ダイエット”でした。
さらに20代~40代の女性500名を対象にインターネット調査した結果、2人に1人が2013年にダイエットを実践していて、そのうち半数が注目の6ダイエットにトライしていました。
しかし実際にトライされたのは
「食べ順ダイエット」(28%)
「プチ断食ダイエット」(18%)(週2日間だけ、摂取カロリーを通常の1/4に)
「糖質制限ダイエット」(16%)
でした。
結果として2013年のアンケートで、
一般の人においては、糖質制限食は知名度は一番でしたが、実践している人は、16%で、第三位でした。
そうすると、イノベーター理論的には「イノベーター:2.5%」と「アーリーアダプター13.5%」を足してぴったり16%です。
2014年6月の日経メディカル医師2263人のアンケートでは、糖質制限食賛成派が58.3%でした。
「糖質制限ダイエットを自身で実行し、患者にも勧めることがある」と答えた医師が14.3%。
「自身で実行しているが、患者に勧めることはない」と回答した医師が19.4%。
医師の33.7%が糖質制限ダイエットを自ら実行している実態が明らかになりました。
また、4人に1人が「患者に勧めることがある」と答えています。
医学界をイノベーター理論的に考察してみると
「イノベーター:2.5%」
「アーリーアダプター13.5%」
「アーリーマジョリティー34.0%」
33.7%ということは、イノベーターとアーリーアダプターの段階を超えて、アーリーマジョリティーの調度、中間段階くらいです。
医学界の方が、一般社会よりも糖質制限食へのシフトが一歩すすんでいるのは、やはり医師の方がより正確な知識を得て、
自分の頭でしっかり判断して「go sign」をだしているということなのでしょう。
一般の人においては、糖質制限食は知名度は一番でしたが、実践している人は16%で、第三位なので、何となく知っているけれど、内容は深くは知らないので実践しないという段階の人がかなりいると思われます。
そうすると、日本の医師もまだまだ捨てたものではなく、革新的なことへの対応も多いに期待できるという、とても嬉しい感想です。
日本糖尿病学会の重鎮諸氏も、糖質制限食に対する医学界の大きな変化にそろそろ気がついて欲しいですね。
江部康二
(☆)
岡田清春先生
おかだ小児科医院
0740-22-8071
http://www.okadaiin.com/
岡田先生は、創傷の湿潤療法にも精通しておられます。
タバコを吸わない、滋賀県湖西地域の糖尿人、メタボ人の方々、
おかだ小児科医院の岡田先生にご相談ください。
(☆☆)
~2013年「最も知名度が高い」ダイエット法ランキング~
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131210/prl1312101438068-n1.htm
産経ビズ。Sankei Biz。
2013年12月10日
江部先生
はじめまして。saraと申します。
いつも楽しく先生のブログや書籍を読ませていただいています。
私は28歳女性で、ダイエットのためにスーパー糖質制限食を始めて1ヶ月半になります。おかげさまで2kg減量し、他のダイエット法より自分に合っていると感じています。BMI上は標準体重ですが、下半身が太く、もう少し減量したいと思っています。
が、先日職場の健康診断を受けたところ、LDLコレステロールが106→140、クレアチニンが0.68→0.83と一年前に比べて上昇しており、医療機関の受診をすすめられました。
元々むくみやすい体質なので、特にクレアチニンの数値が心配です。
糖代謝、肝機能などの数値は正常範囲内でしたが、糖質制限を始めてから疲れやすくなったような気がします。
このような状態で、糖質制限を続けてもよいのかどうか、専門家である先生のご意見をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
はじめまして。saraと申します。
いつも楽しく先生のブログや書籍を読ませていただいています。
私は28歳女性で、ダイエットのためにスーパー糖質制限食を始めて1ヶ月半になります。おかげさまで2kg減量し、他のダイエット法より自分に合っていると感じています。BMI上は標準体重ですが、下半身が太く、もう少し減量したいと思っています。
が、先日職場の健康診断を受けたところ、LDLコレステロールが106→140、クレアチニンが0.68→0.83と一年前に比べて上昇しており、医療機関の受診をすすめられました。
元々むくみやすい体質なので、特にクレアチニンの数値が心配です。
糖代謝、肝機能などの数値は正常範囲内でしたが、糖質制限を始めてから疲れやすくなったような気がします。
このような状態で、糖質制限を続けてもよいのかどうか、専門家である先生のご意見をお聞かせください。
よろしくお願いいたします。
『2:6:2の法則』 というものもありますね. 特に日本の会社の社内会議ではよくみられますが,何か新しいことが提案されると,新しいということに着目して賛成する人が約2割,逆に新しいということを理由にして(=『前例がない』などと)猛反対する人が約2割,残りの6割はどっちつかずで様子見をする,というものです.
日本の企業の決断が遅いと言われるのは,この『2:6:2の法則』と,トップダウン型の企業が日本には少ないこととが原因です.
> <2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが,
> (1)糖質制限ダイエット
だからこそこのメディアの注目度を利用して,わざと逆張りをしようという便乗者も出てくるわけです. 世間が注目していることに,あえて正反対のことを言えばそれだけ目立ちますからね. 能登氏の論文や,『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』などという本は,逆張り便乗商法の典型ですね.
日本の企業の決断が遅いと言われるのは,この『2:6:2の法則』と,トップダウン型の企業が日本には少ないこととが原因です.
> <2013年にメディア露出が多かった6つのダイエット法>ですが,
> (1)糖質制限ダイエット
だからこそこのメディアの注目度を利用して,わざと逆張りをしようという便乗者も出てくるわけです. 世間が注目していることに,あえて正反対のことを言えばそれだけ目立ちますからね. 能登氏の論文や,『世にも恐ろしい「糖質制限食ダイエット」』などという本は,逆張り便乗商法の典型ですね.
2014/07/12(Sat) 11:05 | URL | しらねのぞるば | 【編集】
sara さん
クレアチニンが0.68→0.83色付きの文字
クレアチニンは腎機能以外でもあるていど変動があります。
血清シスタチンCを調べてみましょう。
血清シスタチンCのほうが、腎機能に関しては正確です。
糖質制限食で疲れやすくなることはなく、通常疲れにくくなります。
疲れやすいという場合、摂取エネルギー不足が多いので注意が必要です。
クレアチニンが0.68→0.83色付きの文字
クレアチニンは腎機能以外でもあるていど変動があります。
血清シスタチンCを調べてみましょう。
血清シスタチンCのほうが、腎機能に関しては正確です。
糖質制限食で疲れやすくなることはなく、通常疲れにくくなります。
疲れやすいという場合、摂取エネルギー不足が多いので注意が必要です。
2014/07/12(Sat) 17:23 | URL | ドクター江部 | 【編集】
しらねのぞるば さん
日本的といえば、日本的なのでしょうか?
そういう社会が日本・・・納得です。
日本的といえば、日本的なのでしょうか?
そういう社会が日本・・・納得です。
2014/07/12(Sat) 17:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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