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米国と英国で糖尿病が爆発的に増加。日本で血糖自己測定器を支給は?
こんにちは。

糖尿病ネットワークのニュース/資料室に 

2014年06月19日
「米国と英国で糖尿病が爆発的に増加 3人に1人が糖尿病予備群」

という記事が掲載されました。

米国の2012年の調査によると、糖尿病有病数は2,900万人を超え、全人口の9.3%が糖尿病と推定されています。
2012年の人口は3億1390万人です。

日本の2012年の調査では、糖尿病有病者数は950万人で、全人口の7.4%が糖尿病です。
2012年の人口は1億2760万人です。

英国の2012年の調査では、糖尿病有病者数は320万人で、全人口の7.3%が糖尿病です。

ともあれ、米国の糖尿病有病率が一番多いのは当たり前として、日本の方が、英国より糖尿病有病率が僅かですが多いというのは、大変意外でした。

英国では、かかりつけ医師(GP:General Practitioner)が、あらゆる疾患の初期診察、治療を行う制度が確立しています。

GPの指導のもと、国営健康保険に加入している40~74歳の人が、血液検査などの健診を受けられる「NHSヘルスチェック」が普及していて、年間に130万人が健診を受けています。

英国では成人の35.3%が糖尿病前症とみられています。

糖尿病前症を、健診で早い段階で発見し、食事や運動などの生活スタイルを見直し、肥満を是正することで、2型糖尿病の発症を防ぐことができているのでしょうか?

日本でもメタボ健診とかしているのですが、企業中心ですね。

英国のように無料で「国営健康保険に加入している40~74歳の人」を全員健診ではありません。

もっとも、私の提案は、総花的なメタボ健診はもうやめて「40~74歳の人」に適宜、血糖自己測定器を配給することです。

年度毎に、先ず70代、次年度に60代、・・・50代、40代とかに順番に支給でもいいです。

血糖自己測定器が随分安くなったので、一人当たりの費用は、メタボ健診にかかる費用よりかなり安いと思います。

健診用に大量生産すれば、血糖自己測定器はもっと激安になると思います。

自分で血糖値を測定すれば、

「血糖値を上げるのは糖質だけで、たんぱく質・脂質は上げない」

ということは、一目瞭然です。

糖尿病予備軍の段階でセルフチェックできれば、糖質摂取量は必然的に減少して、将来の糖尿病発症が随分予防できると思います。

厚生労働省、このとても建設的な提案に乗ってくれないかな。


江部康二


☆☆☆
以下糖尿病ネットワークから一部転載

【 糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2014/022025.php
2014年06月19日
2014年 糖尿病の統計

米国と英国で糖尿病が爆発的に増加
 
3人に1人が糖尿病予備群


糖尿病と糖尿病予備群の数は世界的に増加している。米国と英国の成人の3分の1以上が糖尿病予備群で、米国では「国民の5人に1人」が糖尿病を発症すると予測されている。

米国の糖尿病有病率は9.3% 

4分の1が未診断


米国の2012年の調査によると、糖尿病有病数は2,900万人を超え、全人口の9.3%が糖尿病と推定されている。うち4分の1に相当する810万人が糖尿病と診断されておらず、治療も受けていない。

米国疾病管理予防センター(CDC)によると、糖尿病有病数は2010年の調査よりも300万人増えた。2012年に新たに糖尿病と診断された人の数は170万人だった。

さらに、20歳以上の3人に1人以上(37%)に相当する8,600万人が、糖尿病と診断されないが血糖値が正常値よりも高い「糖尿病前症」(Prediabetes)だ。その割合は、65歳以上の人の51%に相当するという。

糖尿病前症の人は、食事を見直して、運動を習慣として行い、体重を減らす対策をしないでいると、15~30%が5年以内に2型糖尿病を発症するとみられている。

子供や若者の糖尿病も増えている。年間に1型糖尿病と診断された患者数は1万8,436人で、2型糖尿病は5,089人だった。

2025年までに5人に1人が糖尿病を発症

糖尿病は、高血糖によってさまざまな合併症が引き起こされる「進行性の」病気だ。適切な治療を行わないでいると、心臓病、腎臓病、失明、下肢の切断など、深刻な健康上の問題が引き起こし、患者の生活の質(QOL)を著しく悪化させる。CDCによると、糖尿病は米国で7番目に死亡数の多い病気だ。

「有効な対策を行わず、このまま糖尿病有病者と予備群の数が増え続けると、2025年までに国民の5人に1人が糖尿病を発症することになります。そして2050年には3人に1人が糖尿病という事態になります」と、CDCの糖尿病部門のディレクターであるアン オルブライト氏は言う。

「健康な生活スタイルを選択することが、糖尿病を予防・改善するための最善の策であることは明らかです。食事や運動を見直すことは、糖尿病を指摘された全ての人に勧められます。飲み薬やインスリンなどによる治療法も進歩しています。糖尿病を早期に発見し、治療を中断しないことが望まれます」と、強調している。

糖尿病による経済的な負担も深刻で、2012年の米国の糖尿病の医療費は18.2兆円(1790億ドル)に上り、糖尿病による経済的な損失も合わせると、年間24.9兆円(2450億ドル)が失われているという。

英国の糖尿病有病率は7.3% 

健診で早期発見


英国でも糖尿病は増加している。英国民保健サービス(NHS)の調査によると、英国では320万人が糖尿病と診断されており、85万人が治療を受けていないという。

英国の2012年の糖尿病有病率は7.3%で、2030年までに8.8%に上昇するとみられている。

英国では、かかりつけ医師(GP:General Practitioner)が、あらゆる疾患の初期診察、治療を行う制度が確立している。

GPの指導のもと、国営健康保険に加入している40~74歳の人が血液検査などの健診を受けられる「NHSヘルスチェック」が普及しており、年間に130万人が健診を受けている。

英国では成人の35.3%が糖尿病前症とみられている。糖尿病前症を早い段階で発見し、食事や運動などの生活スタイルを見直し、肥満を是正することで、2型糖尿病の発症を防ぐことができる。

NHSによると、健診制度のおかげで年間4,000人の糖尿病と、1,600人の心筋梗塞と脳卒中を予防できているという。
Statistics About Diabetes(米国糖尿病学会 2014年6月10日)
"Third of adults in England" have pre-diabetes(英国糖尿病学会 2014年6月10日) 】



テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
消耗品代の格差
アメリカの通販サイトなど覗いてみると自己血糖測定器の使い捨てセンサーチップ、採血用針などの消耗品が日本での値段の半額以下がおおく羨ましい限りです。
日本でも普及につれて安くなるといいのですが。

2014/06/28(Sat) 13:56 | URL | カイゴロン | 【編集
自己血糖測定器の普及
>健診用に大量生産すれば、血糖自己測定器はもっと激安になると思います。
>厚生労働省、このとても建設的な提案に乗ってくれないかな。

厚労省は江部先生の案に乗ったとしても、反対勢力の抵抗は随分大きいんじゃないでしょうかね。
SMBGが安価になり、糖質制限だけで糖尿病患者が減ったり、糖尿病を発症していても医者にかかる患者が減ったりしたら、製薬会社や開業医はおマンマの食い上げですから。
能登先生のように事実を曲げてまで糖質制限を攻撃している方にとっては、江部先生は目の上のタンコブでしょう。
かなり恨みを買っているのではないですか?
そういった「権威」とされている方々が、こぞって厚労省に圧力をかけてくることを考えると、実現は遠そうですね。
2014/06/28(Sat) 17:23 | URL | 出戻りセイゲニスト Hiro | 【編集
質問させていただきます。
 江部先生
 いつも先生のブログを度々参考にさせていただいているものです。
 質問させて早速ですが、質問させていただきます。
 
 私は33歳男性、身長173cm、体重57kgのものです。父方の祖母が糖尿病性腎症で透析になったという家族歴があり、糖尿病の恐ろしさを身に染みていました。
そこで25歳くらいまでは最高体重が67㎏ありましたが、主食の白米を減らし徐々に体重を60kgまで減らしました。
現在、やや意識して糖質制限(厳格ではありません)してかつウォーキングやジョギング30~40分/日を5~6日/週で健康管理し、HbA1c 5.1~5.3%(NGSP)で経過しておりました。しかし、昨年の献血でのグリコアルブミンが15%前後で正常高値であり、食後血糖が高いのかと考えました。
そこで先日、開業医に受診し75gOGTTを施行していただきました。結果は
時間 インスリン 血糖
0分  2.9     83
30分 20.2    145
60分 28.0    148
90分 16.1    91
120分 18.3   113
HOMA R 0.59, インスリン分泌指数 0.28, HOMA-β 52.2%
尿糖はすべて陰性という結果でした。

 正常範囲内であり糖尿病ではないが、インスリンの分泌のパターンが遅く、かつ濃度が低いと言われました。体重を増やさないことと、念のため半年に1度受診するように言われました。
この結果をみるとインスリン抵抗性は問題ないようですが、インスリン分泌指数はかなり低く、糖尿病型と言えるようです。
1)インスリン分泌指数が異常だとOGTT正常でも糖尿病型へと移行しやすいとのことですが、同じインスリン分泌能力を示すHOMA-βが正常の場合はどうなのでしょうか?
2)インスリン抵抗性がなく、インスリン分泌能力が低いのは、生活習慣によるものよりも遺伝によるものが大きいのでしょうか?
3)インスリン分泌を改善する方法はありますでしょうか?
4)これからの生活習慣では食後の運動、筋トレ、糖質制限などは必要なのでしょうか?ちなみに体重はこれ以上は減らしたくありません。

 長文で大変申し訳ございませんが、何卒ご教示よろしくお願いします。

2014/06/28(Sat) 21:19 | URL | おか | 【編集
江部先生

いつもブログ拝見させて頂き参考にさせて頂いております 劇症Ⅰ型糖尿人のMIYAです  
自分はヘモグロビンA1C(HbA1C)測定器を米国の通販から購入しました 日本国内でも簡易に購入できることを強く望みます

『暮らしの手帳』70号 6-7月号 2014 P120
・知っておきたい糖質制限食の知識 という記事があり糖質制限食が肯定的に記載されてありました
ご参考までにと思い コメントさせて頂きます

これからも先生のご活躍に期待しております
2014/06/29(Sun) 08:20 | URL | MIYA | 【編集
Re: タイトルなし
MIYA さん

嬉しい情報をありがとうございます。
アマゾンで購入してみます。
2014/06/29(Sun) 21:09 | URL | ドクター江部 | 【編集
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