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日本病態栄養学会での能登氏の発言を批判する。
こんにちは

精神科医師Aさんから、大変興味深い情報をコメントいただきました。

2014/1/11
第17回日本病態栄養学会年次学術集会(大阪国際会議場)

合同パネルディスカッション1
「糖尿病の食事療法のあり方を巡って」 

において、パネリストの一人である能登氏は、2年間のDIRECT(*) 終了後、4年間のフォローアップの結果(**)について
「6年後には3群共ほぼベースラインの体重に戻っていた」と説明しました。

これに対してフロアから

「元論文では、地中海食群と炭水化物群では体重に有意な減少があったはず」

との質問がありました。

この質問に能登氏は、「Baselineの91kgより1kg程度の減少である」と返答しました。

この能登氏の説明も返答も、故意に歪曲・虚偽表現をしておられるとしか言いようがありません。

原著に『統計的に有意差がある』と明記してある事柄を、一読者である能登氏が『3群共ほぼベースラインの体重に戻っていた』と勝手に歪曲解釈をして、それを公的な学会の場で述べるとは、言語道断の暴挙と言えます。

DIRECT 終了後4年間のフォローアップ試験の結果ですが、低炭水化物群において、以下の如く、1.7kgの減少を6年後も維持しており、地中海食群と共に、統計的に有意差があります。

低脂肪食群だけが、0.6kgの減少で有意差がなくなっていました。


             Baseline     6年後
低脂肪食群      91.3kg  →  90.7kg (p<0.28)   0.6kgの減少 
地中海食群      91.1kg  →  88.0kg (p<0.001)  3.1kgの減少 
低炭水化物食群   91.8kg  →  90.1kg (p<0.02)   1.7kgの減少 

(*)
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet.
NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359. NO.3 229-241
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)

(**)
DIRECT 終了後4年間のフォローアップ試験の結果
Iris Shaisi 氏
「この2年間の介入研究は、特に地中海食および糖質制限食食を摂取していた被験者には、部分的な体重増加を伴うものの、介入後も長期に続く好ましい効果があった」

江部康二

【 14/06/25 精神科医師A

能登氏の言い訳

2014/1/11 病態栄養学会(大阪)
合同パネルディスカッション1
「糖尿病の食事療法のあり方を巡って」

座長:宇都宮一典他
パネリスト:能登洋、幣憲一郎他

席上で、能登氏は、DIRECT試験について「6年後には3群共ほぼベースラインの体重に戻っていた」と説明した

質問が出た。「元論文では、地中海食群と炭水化物群では体重に有意な減少があったはず」

これに能登氏は、「Baselineの91kgより1kg程度の減少である」と返答した。

また宇都宮氏は「欧米人の肥満程度は強く、日本人にあてはめにくい」と付け加えた

 □

後で論文を読み返してみた。”1kg程度の減少”とは思えないが…


         Baseline   6年後
低脂肪群     91.3kg → 90.7kg (p<0.28)
地中海群     91.1kg → 88.0kg (p<0.001)
低炭水化物群   91.8kg → 90.1kg (p<0.02) 】


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
2014/1/11 病態栄養学会(大阪)
合同パネルディスカッション1
「糖尿病の食事療法のあり方を巡って」(続き)

 宇都宮氏は沖縄は肥満が多いと説明。
 Stroke 43:637-644 の記事をあげ、赤肉を他のたんぱく質に変えた方が脳卒中は少ないと説明した
http://stroke.ahajournals.org/content/43/3/637.full

【質疑応答】

Q: 蛋白制限について、食事摂取基準と比べ厳しすぎるのでは?

A: (宇都宮氏) 蛋白制限は消えている。DMだからといって、減らすべきではない。1.4g/kg/dayをこえると良くない。エネ比20%を超えると、安全性は確実でない。ADAは蛋白制限は必要なしとしている

Q: 今回の改訂では炭水化物減少を肯定するのでは?

A: (幣氏) 患者への選択肢を増やすと考えてほしい

 フロアから、石田均氏(杏林大)が、「理想は炭水化物60%であり、安易に炭水化物を減らすのは良くない」と発言

 幣氏が「腎症2,3期の患者で炭水化物を減らして蛋白質が増えている例あり。早めに蛋白質を減らすようなアドバイスは必要」と追加発言した

  ◇

 終了後、ある参加者はため息をついた。「糖尿病学会の問題重鎮をいっぺんに初めて生で見て感じました。あぁこの人達は死ぬまで糖質制限を認めることはないのだろうなと。」 
2014/07/02(Wed) 20:17 | URL | 精神科医師A | 【編集
Re: 2014/1/11 病態栄養学会(大阪)
精神科医師A さん

情報をありがとうございます。

宇都宮氏「タンパク制限は消えている。・・・ADAはタンパク制限は必要なしとしている」
→これなら、比較的普通の発言です。

石田均氏と幣氏の発言は、科学的根拠なしの私見ですから、学会で追加発言するべきレベルに達してないですね。
2014/07/02(Wed) 22:54 | URL | ドクター江部 | 【編集
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