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DMの糖質制限食、薦めるか。m3.com 臨床賛否両論。
こんにちは。

m3.com 臨床ダイジェスト 臨床賛否両論において、「DMの糖質制限食、薦めるか」という記事が掲載されました。

精神科医師Aさんから情報を頂きました。
ありがとうございます。

糖質制限推奨
北里大学北里研究所病院糖尿病センターの山田悟氏が論者

糖質制限食慎重、短期適応
京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学の福井道明氏が論者

福井氏も短期適応としては、糖質制限食を認めているので、賛成派VS反対派のディベートではないですね。

私は勿論、山田氏の論に全面的に賛成です。


<長期安全性>
福井氏の低炭水化物食の長期適応に懸念の引用論文は1年の経過です。

一方山田氏引用のRCT研究論文は、6年ですので、より長期に安全性が担保されています。


<低炭水化物食による「たんぱく質量増加」の弊害>
福井氏が引用している論文
2010年に発表された低炭水化物食を摂取した約13万人を対象とした20-26年の追跡調査(Ann Intern Med. 2010 Sep 7;153(5):289-98.)
に関しては、
2011年06月27日 (月)の本ブログ記事
「スーパー糖質制限食に発ガンのリスクはあるのか?①」
で、スーパー糖質制限食とは、関係ない論文であることを説明しています。

福井氏のたんぱく質増加による腎臓への懸念ですが、米国糖尿病学会は、2013年10月の栄養療法に関する声明の中で、糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは存在しないと断定しています。

さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。

<糖質制限のメリットとサルコペニアのリスク>
福井氏は、メタボ30人の割付比較試験で、「1カ月後の体重が糖質制限食群で有意に減少。
さらに内臓脂肪やインスリン値も有意に減少」と述べて「糖質制限をすると内臓脂肪が燃えて、インスリン抵抗性が改善する。これは非常に大きなメリット」と説明し、糖質制限食の利点を認めています。

一方「糖質制限食で脂肪が糖新生に使われることはいいことだが、ここで一番問題になるのが、筋肉が異化をしてアミノ酸が糖新生に使われてしまい、筋肉量が減ってしまうこと」と述べて、糖質制限食への懸念を示しています。

しかし、きっちりエネルギー摂取を確保しての糖質制限食なら、たんぱく質摂取も豊富なので、筋肉量が減ることはありませんので不要な心配と言えます。

なお、糖質制限をするしないに関係なく、筋肉は毎日日常的に分解と再生を繰り返しています。

体重70kgの男性では、10~11kgの体タンパクがあり、タンパク質代謝の異化と同化の過程で、そのうち約250~300gのタンパクが毎日入れ替わります。(約3%)。

2011年04月30日 (土)の本ブログ記事「タンパク質代謝」をご参照いただけば幸いです。



江部康二



以下、m3.com 記事から抜粋
☆☆☆
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DMの糖質制限食、薦めるか

学会提言から1年の変化は?
2014年5月29日(木) 酒井夏子(m3.com編集部)
カテゴリ:一般内科疾患・内分泌・代謝疾患・その他

昨年3月、日本糖尿病学会が極端な糖質制限食は薦められないとする提言をまとめた。
日本人でのエビデンス不足から、昨年の段階では薦められないとの結論だった。
あれから1年。糖質制限食に対する医師間の考えに変化はあったのか。
5月の第57回日本糖尿病学会年次学術集会では、糖質制限食を巡り活発な議論が展開された。




推奨糖質制限食は百利あって一害なし

 「安全性のエビデンスを積み重ねる必要はあるが、現時点で糖質制限食をやってはいけないという議論の方が危険」と指摘する北里大学北里研究所病院糖尿病センターの山田悟氏。日本人初の糖質制限に関するRCT(無作為化比較試験)の結果も含め、この1年で蓄積された国内外の糖質制限食に関するエビデンスや、米国糖尿病学会(ADA)の動きを紹介しながら、「糖質制限食は百利あって一害なし」との持論を展開した。


ADAが糖質制限食を全面推進

 山田氏はまず、2013年に糖質制限食を糖尿病治療食として無条件で第一選択肢の1つに採用したADAの勧告を紹介(Diabetes Care 2013Nov;36(11):3821-3842)。前回改訂(2008年)より5年が経過し、「糖質制限食に関する様々なエビデンスが蓄積され、全面的に糖質制限食が認められるようになった」と説明した。2008年版での糖質制限食は、肥満治療に限り第一選択肢として認めながらも、『1年まで』と期限が定められていたが、新たな勧告で期限を撤廃。同時に、『腎機能、脂質プロファイルのモニタリング』の必要性についての記述も撤廃されているという。

『糖質制限食の百利』を示すエビデンス

 次いで山田氏は、ADAの勧告改定につながったシステマティックレビュー(Diabetes Care. 2012 Feb;35(2):434-45. doi: 10.2337/dc11-2216)を解説した。糖質制限食に関する3件の前後比較研究と8件のRCTを分析したもので、前後比較では血糖、脂質ともに全ての文献で改善。RCTでは8件中7件で糖質制限食の方が優れていたという。また、糖質制限食と対照食が同等であった1件の対照食が『厳格なカロリー制限』のみだったことから、「厳格なカロリー制限を指導しても上手くいかない人は、糖質制限食への切り替えで、ほぼ同等の治療効果が得られる」と山田氏は糖質制限食を厳格なカロリー制限の次の手として位置づけた。

糖質制限食の長期効果と安全性

 一方、糖質制限食の問題点として指摘されるのが、長期的な効果と安全性だ。この点を払しょくするデータとして山田氏は、ランダム比較試DIRECTを紹介。322人の肥満患者を3つの食事療法で割り付けたところ、糖質制限食群で減量、脂質、HbA1c(糖尿病患者に限定)が最も改善した(N Engl J Med. 2008 Jul 17;359(3):229-41)。その効果は4年間の観察期間を経て計6年維持されたという(N Engl J Med. 2012 Oct 4;367(14):1373-4. doi: 10.1056/NEJMc1204792)。

 また、eGFRと尿中アルブミン・クレアチニン比を検討した同試験のサブ解析についても言及(Diabetes Care. 2013 Aug;36(8):2225-32. doi: 10.2337/dc12-1846)。CKDステージ3の患者においても糖質制限食でGFRが改善したと説明し、「糖質制限は腎臓が悪くなるという仮説が存在していたが、逆にGFRを改善している。腎症の悪化の可能性はまだ可能性にすぎない」との見解を示した。

日本人のエビデンス

 また、山田氏らが今年1月に日本で初めて論文化したランダム比較試験(Intern Med. 2014;53(1):13-9.)についても紹介した。2型糖尿病患者24人(HbA1c平均7.6%、BMI平均25.8)を従来通りのカロリー制限群と糖質制限食群に割り付けたところ、試験開始6カ月後にHbA1cが糖質制限食群で有意に改善(群間比較、P = 0.03)し、中性脂肪も糖質制限食群で改善したという。さらに、最近の東アジア人での複数の観察研究のデータも紹介。いずれも欧米人と異なり高糖質摂取の群において糖尿病や心血管イベント発症率、死亡率が高かった。

 以上の結果から山田氏は、「無作為比較試験では糖質制限食の有効性・安全性が証明されており、観察研究から考察しても東アジア人には糖質制限こそ安全であり、盲目的に糖質制限食に反対することが一番危険なのではないか」と改めて指摘。3期腎症や妊婦、成長過程の小児以外で、糖質制限食に取り組みたいと考えている糖尿病患者に糖質制限食を導入することは問題ないとの考えを示した。





慎重低炭水化物食はあくまでも短期適応

 「低炭水化物食の適応は短期間。しかも腎症がない人が私の考える適応」と話すのは、京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学の福井道明氏。自らも低炭水化物食を取り入れその効果を認めながらも、低炭水化物食による死亡リスクや腎臓への影響、効果の持続性などを考慮した上で、あくまでも短期間の選択肢として位置付ける。


低炭水化物食の長期適応に懸念

 福井氏は、低炭水化物食を短期適応とする根拠として、2006年に発表されたメタ解析(Arch Intern Med. 2006 Feb 13;166(3):285-93.)を紹介した。同解析では、低炭水化物食により6カ月まで有意な体重減少が認められたものの、1年で有意差が消失し、血中LDL-C上昇が確認されている。福井氏は、「体重減少のために1カ月、3カ月、6カ月と決めて短期間で実施する分にはいい」としながらも、1年後は有意差がなくなったことに加え、LDL-C上昇が糖尿病における動脈硬化の最も強いリスク因子になることから、低炭水化物食の長期適応に懸念を示した。

低炭水化物食による「たんぱく質量増加」の弊害

 一方、低炭水化物食の長期間の継続で懸念されるのが、タンパク質や脂肪摂取量の増加だ。福井氏はタンパク質の摂取率の増加による腎臓への影響や、死亡リスクの増加を危惧する。

 まず、死亡リスクが増す根拠として福井氏は、2010年に発表された低炭水化物食を摂取した約13万人を対象とした20-26年の追跡調査(Ann Intern Med. 2010 Sep 7;153(5):289-98.)を提示した。同調査では、動物性タンパク質と脂質の摂取が多い低炭水化物食群で、男女ともに死亡率が有意に上昇。逆に、植物性のタンパク質と脂質の摂取が多い低炭水化物食群では、死亡率は有意に減少したという。

 実際、福井氏らの外来に訪れる糖尿病患者において、炭水化物のエネルギー比率が50%を切る低炭水化物食群と50-60%群を比較検討したところ、低炭水化物食群でタンパク質と脂質の摂取比率が増加した。中でも、動物性の脂質比率は変わらなかったが、炭水化物の減少により有意に動物性のタンパク質の比率が高まったという。

 こうした結果から福井氏は、「動物性のたんぱく質を多く摂ることが、死亡率を増やすという報告がある中で、低炭水化物食を導入するのであればタンパク質と脂質の質を考えて、有用性と危険性をしっかりと患者さんに説明した上でやってほしい」と参加者に呼びかけた。

 また、高たんぱく食による腎臓への影響についても言及。腎機能が正常な女性では、高タンパク質を摂取しても影響は出ないが、軽度腎障害では腎機能低下を促進させた報告(Ann Intern Med. 2003 Mar 18;138(6):460-7.)があることから、「腎機能が正常の方であればいいが、2期腎症であってもあまり積極的に糖質制限は進めるべきではない。3期腎症での導入はもってのほか」と、腎障害に対する低炭水化物食の適応に慎重な姿勢を見せた。

糖質制限のメリットとサルコペニアのリスク

 一方、福井氏は糖質制限食を支持するデータとして、日本人のメタボリックシンドローム30人を対象に基本的に同じエネルギー摂取量になるように糖質制限食群と通常食群に割り付け比較した検討(日本臨床栄養学会雑誌31:40-50,2010)について紹介した。その結果を見ると、1カ月後の体重が糖質制限食群で有意に減少。さらに内臓脂肪やインスリン値も有意に減り、有意差はないものも血糖値も減ったという。

 福井氏はこれらの結果から、「糖質制限をすると内臓脂肪が燃えて、インスリン抵抗性が改善する。これは非常に大きなメリット」と説明した。しかしその一方で「糖質制限食で脂肪が糖新生に使われることはいいことだが、ここで一番問題になるのが、筋肉が異化をしてアミノ酸が糖新生に使われてしまい、筋肉量が減ってしまうこと」とサルコペニアが発生する危険性を指摘。筋肉量を落とさないためには、極端な糖質制限を控え、レジスタンス運動など筋力を増やすことの重要性も強調した。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
糖質制限の会
いつもお世話になっております。
糖質制限歴3年目の愛知県在住、しげりんです。
やっと環境が整いましたので愛知県豊川市の田舎にも糖質制限を広めるべく会を立ち上げたいと思います。
興味のある方はhttp://ameblo.jp/sigerinsan/entry-11866650827.html 
そしていつかご多忙な先生をお招きできるように頑張りたいです。
よろしくお願いします。
2014/05/31(Sat) 09:57 | URL | しげりん | 【編集
Re: 金芽米というお米について
佐藤 さん

マルトースとオリゴ糖も普通に糖質です。

糖質ですので、普通の白米と同程度に血糖を上げると思います。
2014/05/31(Sat) 16:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限の会
しげりん さん

愛知県豊川市なのですか。
糖質制限の輪が広がっていけばいいですね。
2014/05/31(Sat) 16:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
糖質制限6ヶ月の結果です
49才のサラリーマンです。
糖質制限6ヶ月の一事例ということで、お役に立つかわかりませんがご参考までに経過をご報告させていただきます。

体重等の推移は以下のとおりです(身長180㎝。スポーツクラブの体組成計です。筋肉量として何を計測しているかは不明ですが推移ということでご覧ください。ちなみにタニタの体組成計では61㎏と出ます)。

   体重  脂肪率(量)  筋肉量
4月 83.3㎏ 25.1%(20.9㎏) 26.8㎏(参考)
11月 85.8㎏ 26.6%(22.8㎏) 27.2㎏(開始時)
12月 80.5㎏ 25.1%(20.2㎏) 25.8㎏
1月  78.3㎏ 22.8%(17.9kg) 25.8㎏
2月  75.6㎏ 21.0%(15.9㎏) 25.5㎏
3月  75.8㎏ 19.2%(14.6㎏) 26.1㎏
4月  74.3㎏ 18.1%(13.4㎏) 26.1㎏
5月  73.1㎏ 15.7%(11.5㎏) 26.3㎏(6ヶ月経過)

結果 -12.5㎏ -10.9%(-11.3㎏) -0.9㎏

このほかウエストは94㎝→82㎝、スポーツクラブの体組成計の内臓脂肪指数は120→60と大成功です。
もともと平日1万歩前後と土日にエアロビクス(ハード系)+ジム計2時間程度の運動習慣があってもそれまでは順調に増量していた中この結果、やはり食生活(=糖質制限)のおかげです。

筋肉量については、減っても仕方がないと思っていましたが、体重減少の大半が脂肪で正直驚いています。
土日の筋トレを少し増やしていますのでその効果もあるかもしれませんが、かなり厳格に糖質制限してきた中、1月以降は脂肪減で筋肉増加で推移しており、カロリー不足でなければ筋肉を分解あるいはアミノ酸を利用してエネルギーに…、ではないということですね。

また、運動中も最初の1ヶ月程度は若干重たい感じがいていまいたが、その後はハイテンションでしっかり動けています。
体の順応の速さについては個人差があるかもしれませんが、一般人の健康増進レベルの運動であれば、全く問題ないという一例です。

・・・・・・・

実は、もともと食後の強烈な眠気があったところ昨年11月に入り夕方だるさとともに冷汗がでるようになりネットで検索、先生のブログを拝見したことがきっかけで、即スーパー糖質制限を初めました。
最初の2~3週間は食後の眠気や冷汗はなくなったものの、何となくテンションが上がらないなあと思っていたところ、単に主食と芋類を抜いただけで完全にカロリー不足だったようで(最初筋肉が落ちた原因かもしれません)、その後は先生のごご著書を参考に糖質を毎食20ℊ未満に抑える一方、おかずを増量したりナッツ類やチーズの間食を加えたところ、体が順応してきたこともあってか、とても快調な日々を送っております(ちなみに晩酌はスタイルフリー2本を毎日。宴席は乾杯のビールの後、焼酎かハイボールにしてます)。
また精神面の安定や睡眠、集中力、乾燥肌、便通についても大きく改善しています。
本当にありがとうございます。

健康診断を含め、今後も経過を記録していくつもりです。
勝手ながら時々ご報告させていただきます。

先生の益々のご活躍を祈念しております。



2014/06/01(Sun) 18:36 | URL | サラリーマン | 【編集
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