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第5回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会のご報告
第5回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会が、2014年5月10日(土)~11日(日)岡山コンベンションセンターで開催されました。

その中でシンポジウム10に私も参加しました。

シンポジウム
10.新しい常識を人々に~糖質制限、褥瘡、脂質の考え方~
(合同委員会企画:メタボ・ロコモ対策ワーキンググループ、広報委員会)

座 長:
板東 浩 (きたじま田岡病院/徳島大学)
江部 康二 (高雄病院)

企画責任者:板東 浩 (きたじま田岡病院/徳島大学)


演 
者:
「脂質異常症は医原病」
大櫛 陽一 (大櫛医学情報研究所/東海大学)

「一枚のラップが床ずれの常識を変えた」
鳥谷部 俊一 (大崎市民病院 鹿島台分院)

「外傷の湿潤治療」
夏井 睦 (練馬光が丘病院 傷の治療センター)

「糖質制限の基礎と臨床」
江部 康二 (高雄病院/社団法人日本糖質制限医療推進協会)

「PCの哲学で糖質制限+カロリー制限をうまく適用」
板東 浩 (きたじま田岡病院/徳島大学)


120名が定員の部屋に、開始30分以上前から続々と人がつめかけ、あっという間に満員で、定刻10分前からシンポジウムを開始しました。

結局120名は椅子席でしたが、30名が立ち見となり、30名は床に座って貰っての開催で大盛況でした。

プライマリケア学会は、製薬メーカーと一切関係のないクリーンな学会で、そういう学会は今や珍しいといえ、貴重な信頼度の高い学会です。

そして若手医師が多くてとても勢いがある学会で、会員はどんどん増えています。

そのような学会で、大勢の方に参加して頂いて『新しい常識を人々に』というシンポジウムが開催できたことをとても嬉しく思います。

大櫛 陽一 先生は、2013年、米国心臓病学会(ACC)/米国心臓協会(AHA)が、新しいガイドラインを発表して、LDLコレステロール値190mg/dL以上の場合に、スタチン投与を考慮と一本化し、日本のような140mg/dLという設定はなくなったと強調されました。

鳥谷部 俊一 先生は、褥瘡のラップ療法の話をされました。

研修医のときに発想は既に思いついていて、その後湿潤な環境におくと褥瘡が治りやすいことを再確認して、被覆材として一番安いのがラップであったので採用したとのことでした。

夏井 睦 先生は、豊富な症例の写真を提示されて、外傷の湿潤療法の理論と実践をスピーディーに展開されました。
軽妙なユーモアにあふれるお話でした。

私は、糖質制限食の、基礎理論と症例を提示してお話しました。

胎児絨毛間液のβヒドロキシ酪酸は1730μmol/dLであり、現行の基準値76μmol/dL以下よりはるかに高値であることを示し、ケトン体(βヒドロキシ酪酸)はインスリン作用が確保されている限り、極めて安全なエネルギー源であることを強調しました。

板東 浩 先生は、プライマリケア医の立場から、糖質制限食とカロリー制限食を両立させて、一人一人の状況に応じた食事療法を考えていくことを提唱されました。


総合討論では、私が司会をつとめ、まず大櫛陽一先生が、ご自身の白内障(軽症)が、3年間の糖質制限食で改善・消失した経験を話され、眼科医がびっくりしたとのことでした。

その後、時間いっぱい活発な議論がかわされ、有意義なシンポジウムを終了し、懇親会へと向かいました。

板東先生、大櫛先生、鳥谷部先生、夏井先生、

有意義な会をご一緒いただき、ありがとうございました。


江部康二



テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
江部先生、おつかれさまです。

内容が素晴らしかったのは当然として、それ以前に、
盛況ぶりが凄まじいですね。

> 結局120名は椅子席でしたが、30名が立ち見となり、
> 30名は床に座って貰っての開催で大盛況でした。

これは凄い。超大事件ですよ。

医学分野に限らず、世の学会や企業セミナーでも、
まず「立ち見」が出るケースが少ないですし、
ましてや「座り見」が出るケースは、皆無に近いはず。

これは非常に例外的で、統計的には、+5シグマ
くらいの大事件ですよ。

当日、マスコミは来なかったんですか? こういう
「突出した事件」を報道してこそ、マスコミなんだ、
と思うんです。

以上、内容以前の感想で、失礼いたしました。
2014/05/11(Sun) 10:47 | URL | はなもと | 【編集
初めまして。私の母が年明けに糖尿病と診断されました。Ⅱ型糖尿病で一度入院して栄養指導も受けたのですが、病院の指導はカロリーを守ってバランスの良い食事をということでした。本人は高齢でもあり父と二人暮らしなので自分が何を食べたらいいのか相談する人も少なくインシュリン注射も一日三回行っており、少々パニック気味です。娘の私はネットで糖質制限療法を知り、母にぜひ取り入れてもらいたいのですが、主治医に相談してから始めたほうがいいいいですか?
母は体重が42㌔ぐらいしかなくずいぶんやせてしまいました。多分カロリー^制限とストレスのせいだと思います。
2014/05/11(Sun) 13:00 | URL | shiakamama | 【編集
Re: タイトルなし
はなもと さん

ありがとうございます。
兎に角、すごい熱気でした。

シンポジウム終了後も質問者が途切れず、懇親会になかなか向かえない状況でした。
若い先生方にどんどん糖質制限食や湿潤療法が広がっていくのは、大変嬉しいことです。
2014/05/12(Mon) 08:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: タイトルなし
shiakamama さん

ご高齢ということですが、
御母上ご自身が糖質制限食のことを理解されて
受容可能かということが第一に大切と思います。

shiakamama さんが納得して、御母上に奨めても、ご両親が納得していなければ
無理と思います。

母上が納得された上で糖質制限食を開始されるなら、
低血糖予防のために、必ず医師と相談することが必要です。

日本糖質制限医療推進協会の以下のページの提携医療機関が近くにないか見てみてください。
http://toushitsuseigen.or.jp/
2014/05/12(Mon) 18:57 | URL | ドクター江部 | 【編集
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