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蛋白質摂取量について
こんにちは。

蛋白質摂取量について、精神科医師Aさんからコメント・情報をいただきました。
ありがとうございます。


蛋白摂取量について(1)(2)
a)
米国糖尿病学会の2013年10月の「栄養療法に関する声明」において糖尿病腎症がある場合でも、蛋白質制限は推奨しないと明言。
b)
米国内科学会のCKDガイドライン(2013年)においても

「軽中等症のCKDでは摂取蛋白量を減らしても末期腎障害への進展には差がなかった、全死亡にも差がなかった」

と蛋白質制限の効果を否定。


精神科医師Aさんのご指摘通り、米国糖尿病学会も米国内科学会も2013年の段階で、蛋白質制限の効果に対して否定的な見解です。


蛋白摂取量について(3)

 日本糖尿病学会の『糖尿病治療ガイド2012-2013』では、

糖尿病腎症2期では蛋白制限食(1.0~1.2g/day/kg)
3期Aではさらに0.8~1.0 g/day/kg

の蛋白制限が記載されている。

食品交換表7版(2013年11月)も同様。


ただし、日本糖尿病学会は「日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言 2013年3月」において、タンパク質に関しては「 CKD診療ガイド2012」に従うとしています。

「 CKD診療ガイド2012」に従うならば、GFR60ml/分以上の場合、蛋白質制限は必要ないので、糖尿病腎症第3期Aの段階までは、蛋白質制限必要なしと日本糖尿病学会も認めていることとなります。

蛋白摂取量について(4)
第22回世界糖尿病会議(2013年12月2日~6日)で、

「糖尿病腎症を有する2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず。」

という研究報告が発表された。

http://www.m3.com/overseasAcademy/report/article/10254/?refererType=academyTopCategories


この研究は、糖尿病腎症を有する2型糖尿病患者において、高蛋白食(蛋白質摂取比率30%)を摂取した群は、標準食(蛋白質摂取比率20%)を摂取した群と比較して、腎機能に関して有害な影響を及ぼさなかったという結論です。

スーパー糖質制限食は、蛋白質摂取比率が約30%の高蛋白食になるのですが、本研究により、糖尿病腎症の患者さんにおいても、その安全性が一定担保されたということであり、追い風ですね。



江部康二


14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(1)
(大阪府吹田市の清水Drのblogより)
www.shimizu-clinic.biz/blog/2014/01/post_43.html

米国糖尿病栄養ガイドラインが改定されました(Diabetes Care 2013)。
その中の蛋白摂取量について紹介します。

  腎障害がない人の理想的な蛋白摂取量:よくわかってない。
  糖尿病性腎症がある人(微量蛋白尿、顕性蛋白尿)の蛋白摂取量:
    通常の蛋白摂取量から、さらに下げることは推奨しない。
  蛋白は血糖を上げずにインスリン分泌を増加させる:
    低血糖の治療・予防に蛋白を多く含む炭水化物は使うべきでない。

米国内科学会のCKDガイドラインでも、
  「軽中等症のCKDでは摂取蛋白量を減らしても末期腎障害への
   進展には差がなかった、全死亡にも差がなかった」
としています(Ann Intern Med 2013)
  (CKD:慢性腎臓病)

米国では蛋白摂取量の考えが変わってきています。



14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(2)
<米国内科学会のCKDガイドライン>
Screening, Monitoring, and Treatment of Stage 1 to 3 Chronic Kidney Disease: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians
Ann Intern Med. 2013;159(12):835-847-847
17 December 2013

http://annals.org/article.aspx?articleid=1757302&resultClick=3

◇ Low-Protein Diet Versus Usual-Protein Diet

Low-quality evidence from 3 trials comparing a low-protein diet with usual diet in patients with stage 1 to 3 CKD (92–94)
showed no statistically significant difference in association with ESRD (Table 3),
and data from 4 trials (93–96) showed no statistically significant difference in the risk for all-cause mortality (Table 3).

◇ 蛋白制限食と、蛋白通常食
 CKDstage1~3で、蛋白制限食と蛋白通常食とを比較したエビデンスの低い3論文では、末期腎障害への進展には統計学的な有意差はなかった。
また4編の論文では、すべての死因を含む死亡リスクにおいて、統計学的な有意差はなかった。
ESRD: End Stage Renal Disease

なお文献No.93は、金沢医大・古家Drの論文である。



14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(3)
 日本糖尿病学会の『糖尿病治療ガイド』では、
糖尿病腎症2期では蛋白制限食(1.0~1.2g/day/kg) 、
3期Aではさらに0.8~1.0 g/day/kg の蛋白制限が記載されている。
食品交換表7版も同様である

 一方『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013』102頁では、こうある
www.jds.or.jp/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_474C323031332D30382E706466
「低たんぱく食の有効性に関する科学的根拠は十分とはいえないが、高たんぱく食は高リン血症や高カリウム血症の原因となるため、顕性腎症期以降では、食事のたんぱく制限が必要と考えられる」

 日本人の食事摂取基準(2010)では蛋白質の推定平均必要量は0.72g/day/kg であり、0.8g/kg/day まで下げると下限に近く、必須アミノ酸の不足の可能性もある

『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」39頁にはこうある。
www.jsn.or.jp/guideline/pdf/CKD_evidence2013/03honbun_teisei.pdf
「たんぱく質不足には生命予後に対して潜在的なリスクが否定できないため,必要以上のたんぱく質制限は避けることが望ましい」



14/03/24 精神科医師A
蛋白摂取量について(4)
第22回 世界糖尿病会議(IDF2013) 【開催期間:2013年12月2日~6日】

◇2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず
 2型糖尿病の高タンパク質食、腎機能に影響及ぼさず 高タンパク質の食事療法が2型糖尿病患者やアルブミン尿を呈する患者の腎機能や糖・脂質代謝に及ぼす影響は十分明らかになっていない。そこで南オーストラリア大学のEva Pedersen氏らは、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、炭水化物に対してタンパク質の比が高い食事による減量が腎機能、血糖、および脂質代謝に及ぼす影響について検討し報告した。Pedersen氏は、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値に有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響が少なかったことより、アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性があると解説した。
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 本研究の対象となったのは、BMIが27kg/m²以上で、高アルブミン尿を呈する18-75歳の2型糖尿病患者。推算糸球体濾過量(eGFR)が40mL/min/1.73m²超で、24時間畜尿によるアルブミン排泄率が30-600mg/24時間もしくはアルブミン・クレアチニン比が3.0-60.0mg/mmolを高アルブミン尿と定義した。
 対象は、総エネルギー6,000kJ(約1,430kcal)の高タンパク質食(タンパク質30%、脂質30%、炭水化物40%;以下HPD)と標準食(タンパク質20%、脂質30%、炭水化物50%;以下SPD)の2群に無作為に割り付けられた。追跡観察期間は1年間。
 試験を完遂した45人の患者背景を見ると、年齢60.8歳、男性35人、女性10人、BMI 36.0kg/m²、HbA1c 7.3%だった。
 ベースラインからの体重減少は、HPD群9.7kg、SPD群6.6kgで両群に有意な差は見られなかった。同様に、アイソトープにより測定したGFRとアルブミン排泄率のベースラインからの変化量も両群で有意な差はなかった。
 持続血糖測定器で測定した血糖値は、両群で同様に改善が認められた。
 LDLコレステロールはHPD群で有意に高かったが(p=0.049)、総コレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪に有意な差は見られなかった。
 収縮期血圧は、SPD群よりもHPD群の方が有意に低く(p=0.036)、拡張期血圧は有意には至らなかったものの、低い傾向を示した(p=0.054)。
 これらの結果より、Pedersen氏は「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者において、高タンパク質食は標準食と同様に、体重が減少し、腎機能および血糖値有害な影響を及ぼさず、脂質代謝にも影響は少なかった」と解説し、「アルブミン尿and/or腎機能障害を呈する2型糖尿病患者における高タンパク質食による食事療法は、安全に実施できる可能性がある」と指摘した。
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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