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糖質制限食、糖質管理食と腎不全
こんばんは。京都は冷え込んできてます。
12月25日、27日と別のテレビの取材がありました。また具体的な放映日取りが決まったら報告します。

さて、ちょいワレさんからコメントいただきました。

『■いつもわかりやすい御説明ありがとうございます。
江部先生
はじめまして。いつも先生のブログを拝見しています。

私は母を糖尿病の合併症の心不全で亡くしました。腎臓と動脈硬化を併発しそれはつらい最期でした。母は何回も低血糖と高血糖のせいで倒れ、救急車で運ばれました。その時、素人ながらに、「なぜわざわざ血糖の上がるものを食べさせてインスリンを打つのだろう?」と思っていました。ただその時はそんなことを言っている余裕はありませんでしたから病院の指示に従うだけでした。

私が今強く思うのが、その時「糖質を制限する」ということを知っていれば、母はもう少し楽な闘病生活を送れたはずだということです。

母は腎臓透析も受けていましたからたんぱく質も制限する必要があったと思いますが、少なくともあの食後の血糖の乱高下はなかったはずです。しかし「糖質のコントロール」という選択肢はありませんでした。

私も2007年の4月まで体重75kg、腹囲86cmでしたが、4月5月の2ヶ月間で13kgのダイエットに成功しました。

ダイエットは知識のあったローカーボダイエットでした。アトキンス式ですね。

先生のブログを知ったのはダイエットに成功した後ですが、自分のやり方に理論的な裏づけが取れて大変安心するとともに、この方法がなぜもっとメジャーにならないのかと憤っています。

実は、これもダイエット成功後にわかったのですが、私も「隠れ糖尿病」です。普通に米を食べれば食後2時間値は軽く200を超えます。このような方は他にもいるのでしょうね。
私は家族の為にも、母のように合併症にならないようにしたいと考えていますし、多くの方へ(ダイエットだけが目的の人にも、糖尿病の人にも)こういう方法があると伝えていきたいと思っています。

今後、私のブログからトラックバックさせていただくこともあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
ちょいワレ | 2007.12.19(水) 14:21 』


ちょいワレさん、コメントありがとうございます。トラックバックもよろしくお願い申し上げます。それからダイエット成功おめでとうございます。

御母上のことは残念でした。既に糖尿病腎症から腎不全になっておられたなら、残念ながら相対的に高タンパク食となる糖質制限食の適応にはなりません。

腎不全の場合、タンパク質の摂取制限がありますから、糖質を摂取せざるを得ないと思いますが、糖質管理食ならOKだと思います。

1gの糖質が2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させますので、糖質管理食のパターンで摂取する糖質のグラム数に合わせてインスリンの量を調整すれば、血糖値の乱高下はおこらないので、安全です。

ちょいワレさんの仰有るとおり、摂取する糖質のグラム数を計算せずにカロリー計算に頼って同じ量のインスリンを打つのは危険を伴います。

ビフテキ200g(糖質は1~2g)と野菜サラダなど糖質制限な食事の時と、鰻丼(糖質は約120g)など糖質たっぷりの時に、カロリーは同じだからと食前に同じ量のインスリンを打てば、前者では低血糖、後者では高血糖になる可能性が高いのです。

1単位のインスリンが、何mg血糖値を下げるかは個人差があります。1単位のインスリンが約40mg血糖値を下げることがわかっている人は、食前血糖値が120mgであった場合、食べるのがビフテキならインスリンは打たなくてもいいですが、鰻丼ならインスリン9単位必要になります。

これほどの差がありますから、ちょいワレさんの仰有るとおり、糖質のグラム数を計算せずにインスリンを注射するのは恐ろしい限りです。  

ちょいワレさんも、美味しく楽しく 糖質制限食を続けていただいて糖尿病をコントロールすれば、インスリンも薬も要りませんし、腎不全などの合併症を生じることもありません。

私もちょいワレさんも、主食を食べれば糖尿人のご同輩ですが、 糖質制限食を実践する限りは正常人ですね。(o´~`o)

江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
取り上げていただいてありがとうございます。
江部先生

ちょいワレです。取り上げていただいてありがとうございます。感激しました。

そうですね、管理食の方ですね。

自分のインスリンの効き具合を把握して、糖質の量を計算することでコントロールが可能になるのですね。

本当にこういう知識を知っていたらと思います。

先生の御説明はいつも理路整然としていてわかりやすいです。先生のブログを通じてこのような知識がもっと一般に広がっていけば、多くの糖尿病の方、予備軍の方の生活の質が上がると思います。今後の更新もよろしくお願いします。

また、私は最近「加圧トレーニング」というトレーニングの仕事に携わっているのですが、そのトレーニングで血糖降下作用が顕著に見られることを確認しました。もっと自分で人体実験してエビデンスをとってからまた御報告したいと思います。

では、失礼します。
2007/12/27(Thu) 21:30 | URL | ちょいワレ | 【編集
ちょいワレさん。

運動など筋肉の収縮で筋肉細胞表面に
糖輸送体(Glut4)が
でてきて、血糖値を取り込みます。
加圧トレーニング(私は勉強不足で知りませんでした)で同様のことが起こるのでしょうかね。
2007/12/28(Fri) 08:33 | URL | 江部康二 | 【編集
江部先生

加圧トレーニングは、現在いくつかの医療関係機関で研究されているようですが、大きな特徴は加圧トレーニング後に成長ホルモンの分泌が非常に活発になるということです。

血糖値に関しては成長ホルモンの分泌後、成長ホルモンの刺激により「インスリン様成長因子(IGFs;Insulin-like growth factors)IGF-1」が分泌されるので、血糖値が下がるということです。ですから従来の運動による血糖取り込みとは少し違うようです。

インスリン様効果を持つIGF-1が分泌されるのですから、簡単に言うと外から注射しなくとも体内でインスリンの代替物を作ってやる事ができるということなのです。それも非常に簡単で且つトレーニングといっても15分ほどで済んでしまいます。

IGF-1に関しては、前立腺ガンなどの細胞の成長を促進するという研究もあるそうですが、そのあたりに関してはコンセンサスは成立していないようです。

ちなみにゴルフ(シニア)の杉原プロは逆に前立腺がん発症後に加圧トレーニングを初めてガンの進行を抑えたそうですからガンに関しては成長ホルモンとIGF-1は拮抗して作用するのかもしれません。

加圧は藤原紀香さんなどが愛好者です。

また経過を報告させていただきます。

では失礼します。
2007/12/28(Fri) 11:09 | URL | ちょいワレ | 【編集
ちょいワレさん。

とても参考になります。
ありがとうございます。
「インスリン様成長因子(IGFs;Insulin-like growth factors)IGF-1」
勉強してみます。
2007/12/28(Fri) 18:05 | URL | 江部康二 | 【編集
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